旅行・地域

新寶島見聞録【3】台南編

高鐵台南駅から市街地へ

ここまでのミッション
①新しい茶楼に行く
②熱炒で三杯小巻を食べる
はクリア。

そして次のミッションは
③台南へ行く

もうこれだけでミッションは完遂であった。

…いいのか、それで。

高鐵台南駅には6時前に到着。台南の天気はあまりよくないと聞いていたので、車窓をずっと眺めていたが、南下するにつれて雲が立ち込め、雨だれが落ちてきた。
いつもならそのまま台鐵に乗り換えてしまうのだが、今回は市街地までの高鐡シャトルバスH31を利用。
高鐵駅からは市街地を経由する台北市政府までのバスがあるのだが、前回と今回の宿泊地である艸祭Book innはこのバスが泊まる孔子廟の近くにある(バス停名は建興國中)
バスだとだいたい35~40分ほどかかるが、高鐵→台鐵(25分)でも台鐵台南駅からタクシーを使う距離なので、待ち時間を考慮してもバスの方が利便性がよいと、前回の帰りで利用して気づいたのであった。

高鐵駅のバスターミナルを6時に出発し、先ごろ亡くなった許文龍氏が創業した奇美食品公司の美術館、奇美博物館や台南空港(空軍台南基地兼用)等を経由して、6時半過ぎに宿に到着してチェックイン。

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3度目の投宿で、今回初めて女性専用フロアに宿泊。奥のギャラリーに面した階段から登って3階にあるため、キャリーをもって上るには少し難儀するが、奥にこんなに広くて天井が高いスペースがあったのか!と驚いた。ただ、宿泊客は思ったより少ない。複数のベッドのある個室には、家族旅行らしいグループが泊まっているのを見かけたが、それ以外の女性のドミトリー客も多くなかった。もちろん多くても諸々のリスクは上がるし、私自身も他の客とは必要最小限のコミュニケーションを取ればいいと思うタイプなので、少ない方がいいのだけど、それでも寂しいなあ…。

台南で香港を見つける(1)秘氏珈琲

何度も来ているのでわかってはいるが、台南の夜は早い。
そして8時には主要なお店はみんな閉まってしまい、後は熱炒やバーなどフード以外のお店の営業だけになってしまう。
この4年間、健康上の理由で酒を飲むのをやめたので、バー系のお店にはもう行けない。でもお腹は空いているから…と、ぽつぽつ雨の降る中、台南の台所である國華街を目指して歩いた。
案の定、主要なお店はもう閉店の準備をしていた。それでもここに来たのは、永楽市場の2階にあるカフェ、秘氏珈琲に行きたかったからだ。
この店は4年前から約1年台南に留学していた台カル研のIさんに紹介してもらったのだが、それまで何度も足を運んだ場所なのに、さすがに2階まで行くことがなかったので、まったく知ることがなかった。ああ、なんともったいない…

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カウンター席は満席だったので、2階(実質上3階)席に上がると、見覚えのある壁紙やら赤いランプシェードやら。撮影に失敗したから載せられないけど、花様年華のソフトも置いてあってテンションが上がる。

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そう、この雰囲気は古い香港。ここは台北の師範大学の近辺にある秘氏珈琲の支店でもある。

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例によってコーヒーは飲めないので、それ以外でメニューを探したら、プーアール茶があったのでオーダー。しばらく経つと、マスターがサーバーに並々と注がれたプーアール茶とガトーショコラを持ってきてくれた。ガトーショコラは全然甘くないので、おそらくビターカカオを使っていた様子。プーアール茶は黒く濃かったが、香港の飲茶レストランで飲めるあの味を思い出させるので、とにかくうれしくて何杯も飲めたし、残すのももったいなくてタンブラーにも詰めた(!)

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カウンターに下がってマスターにプーアール茶の美味しさを褒め、お礼を言ったら、そのお茶を分けてもらえた。これは予想外で嬉しかった。看板猫もいた。今回はゆっくりできなかったけど、次回はカウンターでマスターともっとお話ができたらいいな…と思い、店を後にした。

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市場を出たところでも猫さんに遭遇。台湾各地の街には犬が落ちていると言われるくらいだが、最近は猫を見かける方が多い。

そんなふうにしみじみしながら宿に戻ったが、やはりお茶とケーキだけでは空腹は収まらず、宿近くのセブンイレブンでレトルト粥を買って宿のキッチンで食べることに。
帰宿して、フロントスタッフさんに「晩餐何食べたの?」と言われて粥を見せたらものすごく気の毒がられてしまった…。でも、この4年間ずっと戻りたくて仕方がなかったので、食事よりもここにいられることがまずは嬉しかった。
ドミトリーの消灯は10時とこちらも早め。疲れもあるので、それに合わせて早く寝ることにした。

8月8日(火・4日目)

目覚めたのは朝の5時。
まだ夜は明けていない。
いや、明けていないどころか、窓の外からは明らかに激しく降る雨音が。

この時期は、大型の台風が台湾付近に停滞していたころ。だから旅の最中におそらく一度は大雨にあたるだろうという嫌な予感があった。そしてその予感は的中した。
もともと4日目は予定もちゃんと立てておらず、天候次第で動くつもりであった。雨の降り方も降ったりやんだりの亜熱帯気候特有の降り方。この時期の香港でもお馴染み、いやそれ以上に激しく降っていたので、午前中は宿に滞在してこれまで汗を書いてきた衣類を洗濯しながら、映画を見て過ごすことにした。

かつて宿では早餐のサービスがあったのだが、コロナ禍もあったのだろうか、そのサービスもなくなっていた。ということは宿泊客は自前で早餐を取らねばならない。
かつて素泊まりのホステルに投宿した際は、近隣に牛肉湯の店があり、サバヒー粥を食べに行ったりしたが、雨の降りがひどいので近場で済ませたかった。ということで、宿の並びになる克林台包で肉包とペットボトルの烏龍茶を買い、キッチンでフリーフードのクラッカーをもらって食べた。件の家族連れは大きな肉包を蒸し器で温めなおして家族で分け合って食べていた。うらやましかった…。

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宿では洗濯機が9時半から使えるので、屋上のランドリースペースに上がって、これまで着ていた衣類をすべて洗う。使い慣れない液体洗剤やコインの入れ方に戸惑ったが、スタッフさんをつかまえて両替してもらってなんとか起動。2回に分けて洗ったのでトータルは1時間半くらい。
待ち時間は映画を観ようと思ってプライムビデオのアプリを起動したが、DLしたはずの無料作品が再生できない。ああ、そうか。無料作品は各国で異なるから、国境をまたぐとそれが無効になるのか!でも有料でレンタルしていた『運命のマッチアップ』は生きていたので、それを観ることにした。

王家衛プロデュースで『共犯』『光にふれる』を撮ったチャン・ロンジー監督作品。いずれも青春ものだけど、この2作とは趣を異にしていて面白い。バスケットボール台湾代表になった実在の兄弟選手をモデルにストレートな青春映画。中学でのトラブルと父親の失踪がもとで進学とバスケを諦めた二人がそれぞれ別の高校にスカウトされ、高校リーグで勝ち上がっていく筋書きはあまりにもオーソドックスだけど、耳の障害を抱えながら弱小校で頭角を現す兄と強豪校で実力を発揮する弟のコントラストとそれでも強く結びつく兄弟愛がとてもよろしい。
音楽もカッコいいよ。

私はまだまだ台南を知らない

昼近くになって雨が小やみになったので、外に出た。
ここ数年台湾に来ればだいたい台南に寄っているし、赤崁樓や安平等主な名所には行ってしまっている。あと行ってみたかったのは遠方の國立台湾歴史博物館や玉井などだが、どちらも行くのには時間がかかる。だからまだ足を運んでいない知事官邸生活館に行き、ついでに成功大学方面を散策することにした。

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ここはかつて昭和天皇が皇太子時代に台湾を訪問されたときに宿泊された建物である旧台南州庁。
かなり年季の入った木造建築で、階段を歩く時にも注意が必要だったが、20世紀初頭からの歴史を感じさせる建物である。
2階はギャラリーになっていて、多分期間限定で陶器の展示販売が行われていた。

そのまま成功大学を目指したが、天気は好転し暑さと日差しが戻ってきたので、学内の散策は諦めた。次行けるかな…

台南で香港を見つける(2)檀島香港茶餐廳

調子に乗って成功大学からずんずんと歩き、1時間経ってたどり着いたのが巨大ショッピングモール、南紡購物中心
ここは台南最大のショッピングモールで、もちろん誠品生活も入っている。
時間も午後2時を過ぎ、午餐というよりおやつになってしまうな…と思いつつショップリストを眺めていると、「檀島」という懐かしさを感じる文字に出会った。香港でよく入った檀島珈琲の海外展開店(多分)、檀島香港茶餐廳である。新光三越等デパートやショッピングモールに多く出店しているらしい。

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ここに来て注文するのはもうこれしかない。既にカロリーやコレステロール値を心配する年頃になってしまったが、それでも食べたい菠蘿油。
重ねて言うが、これは決して台湾メロンパンではない。香港メロンパンとも呼ばないでほしい。
飲み物はもちろん冰檸檬茶。
これだけでは当然足りないので、蝦餃も注文した。こういう点心があるのが海外展開店の強みだよね。

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台南は既に私の心のご近所と化しているが、もちろん香港にだって心は置いている。今はあんな状況になっているし、私の愛した風景も失われつつあるのは承知だが、好きな街(台南)で好きな街(香港)のことを思いながら久々の味を堪能した。
そういえば、数年前のことだけど、台南には香港から移住した人が割と多いという話を聞いた。
実際に香港出身の人たちと知り合いになる機会はなかったけど、もし出会えたら台南のどこが気に入ってるのかというのを聞いてみたいところ。

そしていつもの街角へ

南紡のエントランスからタクシーを呼んでもらって、今度は林百貨へ。やはりいつもの場所に行かねば。
ここでお土産等を購入し、これまたいつもの街角である正興街を目指す。

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4年前に訪れた時はリノベ工事が始まったばかりだった西市場。外見はだいぶ復元されていたけど、この時点では完全復活という感じではなかった様子。内部の布市場は通常営業だったので少し冷やかす。
この近辺ではかつての佳佳西市場旅店(2018年夏閉館)が新しいホテルへと改装されつつあったのと、特有種商行の台南店が閉店していたのを確認。

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全美戯院のアドトラックは李安監督の作品の看板で飾られていた。
全美の看板職人さんの仕事にも今注目が集まっているらしい(その一人、顔振發さんについての記事はこれ

いつまでもここにいたい、台南の夜

陽も傾いてきたので帰宿することに。でもその前に、喉も乾いたので宿近くの莉莉水果店で果物を買った。

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ここは宿のロビー(飲食可)
ブックカフェな雰囲気を楽しみながら味わった。
めったに食べない黄色いスイカはテンション上がるよ。

晩餐はテイクアウトすることにして、ガイドブックで見つけた肉伯火鶏肉飯まで歩いて買いに行った。

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うん、これは失敗がないチョイス!
でも帰宿してこれを見せたら、スタッフさんに「あそこはチェーンだよ。聞いてくれたらもっと美味しいお店が近くにあったら教えてあげたのに」と言われてしまった…先に聞けばよかったのかー!
でも鶏肉飯も美味しかったからいいか。今度は必ず教えてもらおう。

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晩餐の後はしばし散歩。
その後は宿に戻ってラウンジでお茶を飲み、ジャーナルをまとめながらベランダから外を眺めていた。

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光って見えるのは、4年前にオープンした台南市美術館2館。

私が台湾で一番好きな街である台南。来る前はあそこに行って買い物して食べて云々といろいろ考えるのだが、こうして来てしまうと、ただ来られただけでもう満足してしまうし、今回のように雨に降られてどこにも行けなくなってしまってもそれほど不満に思ってない。明日帰国するのは本当に残念だけど、できることならいつまでもここにいたい。

そんなふうにぼんやり考えながら熱風にあてられてたら、ドミの消灯時間が近づいてきた。7時台の高鐡を予約しているので、朝6時のシャトルバスに乗らなければならない。急いで戻って荷物整理をし、11時に寝た。

8月9日(水・5日目)

前日の夜から雨は降りだしてはいたが、5時に目覚めた時には大きな音を立てて激しく降っていた。
同じ時期の香港でも見られる短時間のスコールのような雨。これはタイミングを見て出ていかなければならない。

そして出発の朝

シャトルバスは6時10分発。雨が小降りになったので、6時前にチェックアウト。

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また泊まりに来るよ、艸祭。それまでまだここにあってほしい。

高鐡台南站に着き、バスから一歩降りたら猛烈な雨が降ってきた。咄嗟に傘を差したけど、足元は当然びしょ濡れ。建物に入って間もなくすぐ止んだので、タイミングが悪かったとしかいえない。
早餐は駅でテイクアウトして高鐡で食べよう、と1階のモスバーガーに並び、ここはやっぱり台湾オリジナルの朝モスメニューだよねーとオーダーしたら、バーガー類は時間がかかると言われたのですぐ出してもらえるエビかつサンドイッチにした(これも日本では食べられない台湾オリジナルではあるはず)薬も飲むのでセブンでミネラルウォーターも購入。

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曇ってはいるが、北上していくと空は明るくなる。もう雨の心配はなさそうだ。
定刻に桃園に着き、MRTに乗り換えてフライトの2時間半前に空港に入り、いざチェックイン…とカウンターのボードを見て気が遠くなった。

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フライト時間が1時間遅くなっている…。荷物は多いし、何して待っていればいいのだオレよ…あ、充電すればいいのか。
と、カウンター前のバッテリーチャージができるベンチに陣取って1時間待った。
荷物を預けて軽くなったら、到着ロビー地下の7-11まで行ってWi-Fiを返却し、すぐ戻って保安検査を受けて出国。
そして街中では買えなかったお土産を買いに、搭乗開始時間を気にしながら搭乗口よりかなり離れた売店までダッシュしたのであった…。

飛行機は定時より1時間遅れ、13:30くらいに離陸。
午餐は虎航機内食の定番、焦がし鶏肉飯。
プライムビデオも観られなかったので、持ってきた文庫本を読みつつウトウトしながら過ごしていた。

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花巻には6時40分くらいに到着。ちょうど陽も暮れた頃。
土曜日に昼にデッキの反対側から見た風景を、今度は機内から見た。
歓迎ありがとうございます、花巻温泉の皆さん。

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盛岡行きのバスは19時30分発というので、乗車して待っていたところ、バスの前で台湾人家族が困っているようだったのでどこへ行きたいか聞いたところ、花巻の市街地に行きたかったらしく、このバスで花巻空港駅前で降りて一関行の東北本線に乗れば市街地まで行けることを中国語で教えてあげた。台湾人旅客はほとんど団体だったようだが、個人客でも来る人がいるのはなぜか嬉しく感じた。
盛岡に着き、晩餐して帰宅したのは21時過ぎ。自宅にたどり着いて4年半ぶりの台湾旅行はこれで完結。

離れても、私の心は台湾に

4年ぶりに訪れた台湾。変わっていないようで変わったし、以前ほど気楽に行けるわけではなくなったというのがこの旅での総括である。
特にエアチケットの高騰がなんといっても痛かった。日本では物価も高騰し、サラリーも上がらずと家計に打撃を与える要素はやはり多く、加えて円安と戦争による燃料費の高騰等も要因ではある。来年の春にまた行けるかどうかと思い、虎航とよく使っていたANAで3月下旬のエアチケットを調べてみたら、今までではもう信じられない価格が出てきて絶句した…。台湾人旅行客の日本人気は相変わらず、むしろコロナ禍以前よりも来日は増加しているのは実感できるのだけど、日本からの来台客は逆に少なくなったそうで台湾側は来て来て!とアピールしているそうだ。でもさ、こんなにエアチケットが高ければ気軽に行けないですよ、ホント…。

そんなわけで、今度行くとしたらまた来年になるか、あるいは再来年になるかという具合である。
その間、また何か世界的に大きな事件があったりしたら困る。もちろん俗にいう「台湾有事」なんていうのも御免だ(ただ、日本の一部のいわゆる「識者」たちは中台間のこれまでの歴史やスタンス等をあまり深く考えずに台湾有事云々と言っているように感じて複雑な気持ちになる)安心して海外に出られるように願うし、そのためにはやはり戦争なんかやってはいけない。もちろん台湾有事をあおってはいけない。

せっかく自由に行けるようになっても、こんな感じでまた物理的に離れてしまいそうだが、それでも私の心は台湾に置いておきたい。
というわけで、台湾旅行記はこれにて完結。

(近日、この記事を基にして台湾旅行記ZINEを作成。
詳細は後日UP)

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新寶島見聞録【2】台北編

8月6日(日・2日目)

5年ぶりの台北の朝。
暑そうだった。
当然である。

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合星青年旅館(以下ホステル)では朝食が提供される。朝8時と比較的遅めだが、さすがに外出してどこかの早餐店で食べてもう一度…とかいう元気も暑さで喪失気味なので、時間まで待ってiPhoneとプロテインシェイカーを携えてロビーに降りた。

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早餐はビュッフェスタイルで、主食(この日はミニハンバーガー)タマゴ・ミニ焼き芋・サラダ・フルーツ。お茶は当然天仁茗茶の烏龍茶ティーバッグ。

小隱茶庵で猫とともに

この日は中部に住む弟と会う日。
ここしばらくは台南まで来てもらっていたのだが、本人の希望で久しぶりに台北で会うことに。ホステル近くのスタバで待ち合わせし、お茶等の持ち帰り荷物と依頼されて持ってきた荷物を引き換え、一度ホステルに置いてきてから予約していた小隱茶庵の信義店へ移動。

ここは今年発行されたブルータスやhanakoの特集号で紹介された新しい茶楼。
東門にある本店が有名だけど、宿に近いし象山公園も散歩できるかな…と思った(だが、日象山は高低差が大きい場所だから酷暑に散歩は自殺行為だぞと弟に言われて散歩はギブアップ)googleマップでルートを調べたら、現在地からバスでの乗り継ぎが便利とあってそれに従ったが大失敗。降車場所を間違えて散々歩き、予約時間に遅れてのチェックインとなった。MRT板南線で忠孝復興→文湖線で大安→淡水信義線で象山(終点)のルートを使った方が、地上でバテることなく快適に行けたのに…

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お茶は金萱茶をチョイス。フードメニューもあったので、炸醬麵を注文した。
レトロな内装でいい雰囲気だけど、BGMがJ-POPだったね…まあ好みはそれぞれですが。
自分のペースでお茶が飲めるのがありがたかった。

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ソファーでは看板猫さんがのんびりまどろむ。おとなしくて人馴れしててかわいかった。

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楊德昌(エドワード・ヤン)との邂逅

制限時間いっぱいまで弟と近況をあれこれ語り合って、2時過ぎに店を出た。次は象山駅から淡水線に乗り台北市立美術館へ。エドワード・ヤン(以下ヤンちゃん)の回顧展《一一重構:楊徳昌》を見た(内容はこちらのレポートをご参照あれ)。
2007年に彼が亡くなって15年以上が過ぎ、日本でも作品がなかなか観られなかったけど、牯嶺街のリバイバルのヒットから旧作のリマスター版が次々に公開され、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督が敬愛する監督の一人としても知られることになり、ヤンちゃんの再評価が高まったのは本当に喜ばしいこと。監督作品に関わる資料がほぼ全て展示され、日本公開時のポスターやプレスや雑誌まであって、非常に見ごたえのある企画。いろいろ見入っては観た当時のことも思い出したし、それに夢中で写真はあまり撮れなかった…。

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数少ない写真。牯嶺街の国際版ポスターその1

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牯嶺街国際版ポスターその2。両方ともフランス版か。

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『恐怖分子』のあの場面の再現

一方、台湾生活トータル10年とはいえ、連れの弟は台湾映画には親しくない様子。ホウちゃんは知っているしついでに王家衛作品は『花様年華』が好き(姉とはことごとく好みが違うのにこれだけはなぜか一致)だけど、映画はもちろんヤンちゃんの名前すらも知らなかった…まあ、そんなものか。
でも、ヤンちゃんが手塚治虫ファンで漫画家を目指していたという点で興味をひかれたようで、各作品の絵コンテやイメージスケッチ、『エドワード・ヤンの恋愛時代』のために描いた各キャラのスケッチや自画像にはしっかり注目して「かわいい!上手い!キャラクターグッズにしたら売れるよね?」と感心していた。

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これは美術館でもらった、新北の國家電影及視聴文化中心で同時期開催のレトロスペクティブのプログラム。
このイラストを使用した特製グッズもあったのだが購入せず。台北滞在時にも上映がなかったので行けなかったし。

日曜夜の遼寧街で

ホステルに戻り、ドミトリーに入ろうとしてカードキーをドアにかざしたら、開かない。不思議に思ってロビーにある受付に行ったところで、ちゃんとチェックインしてなかったことを思い出した…。宿代を払ってキーを有効化してもらい、やっとドミに入れた。

今回の旅のミッション①は「新しい茶楼に行くこと」だったので、昼でクリア。次なるミッションは「熱炒で本場の三杯小巻を食べること」。
3年間に渡る渡航自粛期間の影響で台湾料理を作ることにハマり、フレッシュバジルが手に入る夏場には三杯雞や三杯菇を作るのが定番になった。しかし、残念なことに、私は台湾で三杯雞や三杯菇を食べたことがなかった。つまり、本場の味を知らずに作っていたってわけ。それなら次の台湾行きで三杯料理を何か食べよう!と思い立った。というわけでミッションその②に取り掛かる。
目指すは我が心の遼寧街!(BGMはもちろん「Happy Together」)

遼寧街の夜市は日曜休業の店が多いのだが、日程の都合上これは仕方がない…と思ってたら、海鮮を専門とする来来活海鮮を見つけ、店先のメニューに三杯小巻があったので、ここで食べることにした。

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三杯料理に使う九層塔(台湾バジル)は日本のそれとは明らかに違う味わいことが分かった。
そしてこれ以外は頼まなかった。他に食べたらお腹いっぱいで帰れなくなりそうだったので(笑)

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でもデザートは何か欲しいと思い、開いてた豆花と芋圓の店で緑豆豆花をテイクアウトしてホステルで食べた。

帰りがけ、東區地下街のドラッグストアで買い物した帰り、いきなり「あなたのバッグ可愛いわね」と若いカップルに声をかけられた。中国語で返したら妙に盛り上がり、なぜかLINEを交換する羽目に。その二人は新竹から台北まで遊びに来ていたそうで、これは今度新竹に行った時に声を掛けて遊びに行けばいいのかな?と思った(その後勝手に変なグループLINEに追加されたが、よくわからなかったのでさすがに拒否したけど。その後、彼らはたまーにメッセージくれます)

8月7日(月・3日目)

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早餐はトースト、蛋餅とソーセージ、そしてサラダとフルーツ。

この日は午後から台南へ移動と決めていた。当初は貓空に行く予定を立てていたが、説明不要の酷暑のため、これまであまり歩いてこなかった街中の散策に切り替え、松山文創園區(以下松菸)へ行った。

國父紀念館でMRTを降りるとすぐ、当時建設中の台北ドームに行き当たった。そこから少し歩くと松菸の入り口に行き当たる。
実は当初、ブルータスで見た不只是圖書館に行きたかったのだが、あいにく月曜が定休日とのことで結局かなわず。とりあえず外から眺めて次回の再訪を決意。隣接する誠品生活松菸店ものぞいてたらあっという間に正午に。
午餐どうしよう…と悩んで赤峰街に向かった

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しばらく歩き回って選んだのはMiss V Bakery Cafe
チキンパニーニのセットをいただいた。

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お茶は水出しの烏龍茶。一般的なカフェにもこういうメニューがあるのは嬉しい。

その後、弟から教えてもらった蘑菇の店舗に初めて行き、あれこれお買い物。
これでだいたい満足したので、ホステルに戻った。

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ホステルのロビー。個室風スペースもあって居心地が良い。ビジターも面会等でここまでは入れる。

高鐡3日パスの旅

ここしばらくの私の台湾旅は台南がメインになるので、必然的に高鐡を使うことになる。今回は後半2泊が台南なので、外国人旅客向けの台湾高鐡3日パスにトライしてみた。取り方は出発前日にSNSに流れてきたこちらのページを参考にした。オンラインで乗る高鐡の予約までしようかと思ったけど、窓口引き換えを体験したかったので、窓口で予約して発券してもらった。平日で混雑していなかったこともあり、すぐ取れてよかった…のだけど、3列席の真ん中だったので、キャリーの置き場に困ったことを記しておく。

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台北駅にて。日立の家電の代言人を務めてた五月天。街中で見かけたらそりゃ撮るよねー(笑)

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というわけで五月天に見送られ(嘘)天仁茗茶のスタンドで四季春を買い、それを持って台北を後にしたのであった。

(続く。次回で完結)

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新寶島見聞録【1】準備~台北到着編

8月5日(土)から9日(水)に、実に4年半ぶりに台湾に行ってきた。

blogを始めてこの方、毎年香港か台湾には行っていたのだが、この3年間、海外どころか長期の帰省もまともにできない状態だった。それほどまでにコロナの打撃を受けたのだが、幸い何とか感染せずにここまで来た。5類引き下げを前にした今年の春くらいから関東にも行けるようになったので、マスクをつけての行動やこまめな手洗いや消毒などに気をつければ海外にも行かれる。だから行くことにした。

2020年2月末から運休していたタイガーエアの花巻台湾便が5月から復活し、先だって2月下旬にバーゲンセールを行っていた。当然喜び勇んでバーゲンでチケットを買おうと思ったら、あっという間にバーゲン終了。それにもめげずに上記の日程のチケットを予約したのだが、LCCなのに定額の購入金額がフルキャリアとほぼ同額というのはいったい何なんだ。それは円安だからだ。まあ、成田や羽田へ向かう往復の新幹線の運賃を合わせた金額だと思ってあきらめ、その分宿代は節約してドミトリーにした。
当初20年3月に台湾行きを予定していたときは、初日と離台前日に台北に泊まり、真ん中は台南に2泊するつもりだった。しかし今回は前半に台北2泊、後半に台南2泊で、最終日は早朝に台南から桃園を目指すこととなり、駆け足のスケジュールを組む羽目になった。それでもよかった。とにかく台湾に行ければよかった。

そんなわけで、史上稀にみる猛暑の日本を脱出し、猛暑から豪雨まで目まぐるしく変わる天気の台湾を北から南まで旅し、見て聞いた記録を始めよう。

旅の前に用意したこと

まずは移動中のエンターテインメント。
私の旅には本が欠かせない。旅先に合わせて本を選ぶということもあったが、今回は積読していた文庫本をお供にした。いずれも日本の小説。
タイガーエアはLCCなので、座席にモニターはない。フライト時間は約4時間なので、1時間半の映画なら2本は観られる。というわけで、手持ちのiPadにprimevideoから台湾映画をダウンロード。選んだのは次の4作品。

 ・悲しみより、もっと悲しい物語
 ・狂獣
 ・High Flash 引火点
 ・運命のマッチアップ

このうち上の3作品はprime会員は無料鑑賞&DL可で、友人にお勧めされた『運命の…』は有料レンタル。
長時間移動が多いこの旅で、果たして全作品観られたかどうか?結果はまた後ほど。

さて、荷物はどうするか。
LCCの荷物預け入れは有料。以前行きだけ預けないケースで行くことを試みたが、持っていったキャリーが機内持ち込みサイズを超えてしまったので、約5,000円の追加料金を払った経験がある。今回は毎回恒例の弟からの荷物持ち帰りミッションを受けていたので、往復共に預け入れ料金を払った。
持っていくキャリーはここ10年ほど香港や台湾に持っていっている1週間程度の旅の荷物が入るもの。弟からは冬物の衣類やお茶類の持ち帰りを頼まれることが多いが、その量もこちらの予想以上なので、半分以上はその荷物で占められることを予想した。だから、キャリーの半分以下に自分の荷物を抑えることが課題となる。では、いかに荷物を少なくするかといえば、滞在先で洗濯できるように衣類を減らすのが一番。加えて夏場なので、ノースリーブ数枚に軽いブラウスという組み合わせにした。冷房も厳しいのでカーディガンも持った。
移動時はリュックサックにiPadを詰め、貴重品は街歩き用の軽いショルダーバッグに。足元はビルケンシュトックのサンダルのみ。

私のiPhoneはまだsimフリーではないので、これまでは日本でWi-Fiルータをレンタルしていった。しかしサイトで試算したら、やはりレンタル金額は高くなっていた。ここ最近は海外のパケット放題も定着したとは言うけど、やはりポータブルWi-Fiがあった方が安心する。そんな時、台北ナビで現地レンタルのiVideo割引キャンペーンを行っており、プランを確認したら日本で借りて出るよりもずっと安かったので予約して申し込み。空港内のセブンイレブンを引き取り場所に指定した。

そして今回はTHSRの移動のために、今まで申し込んだことのなかった台湾高鐡3日パスも予約してみた。

以上のように準備をして、出発日を迎えた。

8月5日(土・1日目)

自宅から一番近い空港はいわて花巻空港。ここから出国して台湾に行くのは、5年前(2018年)の夏以来2回目。
この空港自体は飛ばない時でも仕事で何度か来たことがあったし、9年前の冬の台湾と4年前の春の香港でそれぞれ関空からフライトする時の出発で使ったことがあるので、もうすっかり馴染みの空港である。

地方空港からの出国

盛岡からのアクセスは鉄道と直通バスがあるが、バスも駅に寄ること、各フライトに合わせたダイヤが組まれていることからバスを選択。台湾便は団体利用が多いせいか、公共交通を利用する個人旅客は少ない。でも盛岡から花巻までは東北道を利用するので、快適に移動できる。

到着して団体に交じってチェックインカウンターに並ぶが、ここでトラブル発生。予約時に申し込んだ名前のアルファベット表記がパスポートと逆だった。以前エクスペディアからエアチケットを購入した時も同じトラブルで訂正されたことがあったが(それ以降エクスペディアを使わなくなった)どうやら久々の予約で入力し間違えたらしい。ここで30分ほど時間を食ったが、何とか訂正してもらえた。LCCはフライト2時間半前に空港に来ることとよく言われているが、こういうこともあるからか。これが国際空港だとここからボディチェックや出国審査でさらに時間が取られ、焦りながら搭乗することになるが、ここは小さな地方空港なので施設は小さいし、多少時間を取られても大丈夫。
無事チェックインと手荷物の預け入れが済んで移動。売店をのぞく用事もないので、暑い中(!)展望ロビーに行って外を眺めたりしていた。

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展望ロビーの階から、待機場と反対側にある山々を眺める。多分花巻温泉のある側

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台湾便の到着時にはいつもお出迎えしている花巻温泉の皆さん。5年前の夏にもお見かけした。

面白かったのは、出発ロビーでボランティアの若者から手荷物に入れる液体物袋を渡されるときに、中国語で話しかけられたこと。時間帯的に台湾便の旅客が多かったからかもしれないが、個人旅の台湾人客に思われたのかな。この頃は地元のさんさ踊りから青森ねぶた・弘前ねぷた・秋田の竿灯など、東北の夏祭りシーズンのピーク期で台湾人ツアー客が多かったが、同じ便に乗る日本人は家族連ればかりでソロはどうやら自分だけだった様子。

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飛行機は定刻通り18時前に離陸。

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予約していた機内食はベジタリアンのキノコ炒め。味はまあまあ。

行きの機内で観た映画は『悲しみより、もっと悲しい物語』。韓国映画のリメイクだけどオリジナルは未見。
高校時代からひかれあいながらも恋愛関係ではなく良きパートナーとして関係を築いてきたK(劉以豪)とクリーム(アイビー・チェン)の、お互いを思いやるあまりに自らの気持ちを抑え込んで取った各々の行動とその顛末に悲しくなった。だからこの題名なんですか(泣)オリジナルではさらに悲しいのだろうか。

 

桃園MRTで台北へ→ホステルへチェックイン

21時に桃園に着陸。真夏の台湾は5年前に続いて二度目だが、なんとなく暑さの質が違うように感じる。
予約していた合星青年旅館(スターホステル台北イースト)はチェックイン対応が22時30分まで、それ以降にインするならDMしてほしいと言われていたので、到着後すぐDMを送ってセルフチェックインの手続きをしてもらった。

桃園空港は広い。もし自分が若くて手荷物だけだったら、降機後ダッシュして入国審査を速攻でパスし、預け荷物受取場を華麗にスルーして1階のセブンイレブンに寄ってルーターを受け取り、すぐさま桃園MRT(以下空港線)ターミナルに行って直達車(以下快速)に乗れたら、なんとか22時30分のチェックインに間に合ったのだろうけど、果たして現実は厳しかった。入国審査は激混みだし、預けた荷物はなかなか出てこないし、セブンイレブンでは並んだし、悠遊卡のチャージも忘れてたし、開き直ってチャレンジしたこのキャンペーンはやっぱり外れたし、挙句の果てにやっとのことでたどり着いたプラットホームではタッチの差で快速に乗り遅れた…この時点で21時50分くらい。
はい、これはもうのんびり行けってことですね…というわけで10分後にやってきた普通車に乗り、50分かけて台北まで行った。

空港線の台北駅ホームは、駅の北側にある。開業当初、他のMRTに乗り換えるのに距離があって不便というのをよく聞いていたのだが、東京駅や大阪駅で乗り換えに歩くのに慣れていることもあって(地方暮らしももう30年なのに!)言われているほど不便には感じなかった。ホステルがある東區までは板南線で移動し、忠孝敦化で下車。忠孝東路の路地を入ればすぐ場所が分かったし、セルフチェックインも難しくなかったので、寝床であるドミトリーまでは容易にたどり着けた。よかった。
消灯後で暗かったので、寝ている人に注意して荷物を片付け、ロビーに降りて翌日の準備をあれこれしてから就寝。

(続く)

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【ZINE新作】『台カルZINE Vol.2』ほか

岩手と台湾をカルチャーで結び、台湾カルチャーを深掘りする楽しみを伝える目的で2021年に結成された台湾カルチャー研究会のZINE「台カルZINE」の最新号が発行され、盛岡市内の各ブックイベントで販売しました。

【新刊】台カルZINE Vol.2 特集:NO MUSIC,NO TAIWAN(台湾カルチャー研究会)

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1号が映画なら2号は音楽!という理由での音楽特集。とはいえ台湾音楽も実に幅広く、すべてを網羅することは不可能なので、メンバー3人の偏愛音楽エッセイを中心に構成。日本でも放映された2000年代の台湾ドラマを彩ったテーマソング集があれば、台湾での村上春樹の受容を追っていたら出会った文青ポップスもあり。私はかつてこのblogでも書いてきたジェイ五月天の日本ライヴレポートのダイジェスト版と、自分が初めて触れた1990年代前半の台湾ポップスの思い出について書き下ろしました。
また、このZINEで紹介した曲を中心にしたプレイリストもspotifyでつくりました。よろしければ聴いてみてください。

 

【新刊】『このまちで えいがをみること』書局やさぐれ

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表紙はこの4月に営業を終了した、岩手県盛岡市の映画館通りにあるニッカツゴールデンビル。
かつては日活の映画館が入っていたビルで、日活撤退後も長年映画館が入っていました。
このビル自体の営業終了により映画館が閉館したことがきっかけで作ったZINEです。

11年前に香港映画の、5年前に台湾映画のZINEをそれぞれ作ってきたので、3冊目の映画ZINEはそれ以外…となるはずなのだけど、それでもここで紹介するのは、ええ、それでも入っているのですよ、香港映画+αが(^_^;)。
このZINEでは、自分が昨年観て気に入ったり気になった映画を洋邦各5作品、映画館で観た旧作5作品、そして今年上半期観た映画5作品のTwitterで書いてきた感想に加筆してまとめた感想集なのですが、このblog的な作品として『レイジング・ファイア』『時代革命』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』そして王家衛4K作品集について取り上げております。ここで書いた長文感想のダイジェスト的にシンプルにまとめました。
長年映画好きやっておりますが、もうすでに香港映画も分かちがたく、香港・台湾映画を除いて映画の感想をまとめることって自分にとっては結構厳しいのだと改めて思いました。なお、いろいろな人に読んでもらえることを目的に作りましたので、毒は控えめです。

この新刊2作を引っ提げてまず参加したのが、6月18日(日)に岩手教育会館で開催された文学フリマ岩手8
東北唯一の文学フリマです。

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当日のブースの様子。今年は書局やさぐれと台カル研のダブルネームで参加しました。

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当日のセットリスト。既刊ZINEもまだまだ在庫あります(笑)

昨年から会場が変わったのと、出店者も一般参加者も過去最高を記録したとのことで、会場内の熱気は実に半端なかった。お隣が旅の写真集を出されていた方でお話しできたり、思わぬ出会いがあったりと忙しいながらも実りあるイベントでした。
文学フリマ岩手には初回からずっと参加していますが、実は一般でも出店でも東京は未経験。3年前の春のイベントに出店の申し込みをしたことがあるのだけどコロナ禍で中止。岩手の文フリも2年連続で中止になりました。秋は映画祭シーズンと重なるので行けないだろうけど、来年の春の東京は出店を検討しております。

その1週間後、6月25日(日)にもりおか町家物語館で開催された浜藤の酒蔵ブックマーケット2023-Summer-にも出店いたしました。

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こちらは古本市からスタートしたブックイベントで、市のアート系団体の主催です。
古本屋を経営されている方から、フリマ感覚で自宅の本を持って販売する方まで出店者は様々でZINEや読書グッズの販売のみでもOKと間口が広いイベントでいつも楽しく参加しています。
会場が住宅地にあるので来場者に子供たちも多く、今回ワンオペ故店番を手伝ってもらったOPENちゃん(写真)が人気でした。

今後のイベント参加は秋までありませんが、ZINEイベントにも出品しております。
また、新刊発行にあわせて通販も近日再開いたしますので、ご興味がありましたらよろしくお願いいたします。

そして次の新作ZINEも秋発行を目指して現在計画中。
次作は旅行記の予定です!ふふふ

 

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熱烈歓迎!盛岡台湾Happyフェス

このblogでもこれまでたびたび紹介してきた盛岡台湾Happy project
昨年12月から正式に協議会として組織され、これからは通年で盛岡と台湾の交流イベント事業等行っていくようです。

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このプロジェクトのメインイベントであり、今年で3回めとなる盛岡台湾Happyフェスは1月28日と29日に開催されました。

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大都市圏で行われるような台湾祭や台湾フェスのような大規模イベントではなく、地元の事業者による出店とトークで構成されるのはいつも通り。今年は盛岡と友好都市である花蓮から、花蓮縣政府青年發展中心が参加してパネル展示と物販を行いました。3回目にして初めて台湾からの参加!

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今回は物販が大人気。毎年恒例の東家特製盛岡台湾弁当は2日とも即完売。
(私も買えなかったので友人が購入した弁当を撮影しました)

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今年は魯肉飯と蒸し魚がメイン。

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こちらはパイカ(軟骨)の豆鼓煮込み弁当。市内の台湾料理店ふぉん特製。
お店は夜のみ営業ですが、市内のお弁当イベント等にも時々参加しています。

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「楽しみながら学ぶ盛岡台湾交流DAY」と銘打った土曜日のイベントは教育がテーマ。
今年始め話題になったニューヨークタイムス紙の「2023年に行くべき52カ所」に盛岡が(実は台北も)選出されたことを受けるように、台湾の高校生に盛岡のいいところをおすすめするプランを即興で作ったり、盛岡や台湾を題材にしたクイズを作成するなどの高校生たちの取り組みが発表されていました。
その中でひときわ興味深かったのが、市内で食品業を営む方の台湾留学レポート。ご両親が台湾から日本に移住し、日本で生まれた2世の方なのですが、日本語を母語として育ったので、中国語はビジネスで使うくらいだったそうです。両親の故郷で学ぶことを長年夢見ていたそうで、2年前の秋から昨年の夏までの1年間、65歳にして悲願を叶えたとのこと。しかも留学されていたのが、私がここしばらく心の近所として通っている台南の成功大学。課題の多さ(これは誰でもいうことだけど)に加え、一人暮らしでの食生活の工夫や体力作りなど、参考にしたい話もたくさん聞けました。
私も今後仕事を首にされるか、運よく定年を迎えた後に、親に不測の事態が万が一起こらなければ、また留学したいかなと思うようになったのですよ。自分の頃と比べても留学しやすくなってきたし、実際高校でも米国より台湾への留学案内も増えてきているとのこと。
若者たちにとっても、いろいろと学べることも多いし、有意義だと思います。

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2日目の日曜日のイベントテーマは「ディープにデュアルトーク盛岡台湾DAY」。
盛岡出身の新渡戸稲造を始めとして、後藤新平や伊能嘉矩、三田定則など台湾統治時代に活躍した岩手県人についてや、市内の森林公園できのこアドバイザーを務めるきのこ王子さんによるきのこ話などが展開する中、私と友人たちで結成した台湾カルチャー研究会(以下台カル研)も「おいでよ、台湾映画沼 わたしたちはこうしてハマった」という題名で、台湾トークしてきました。
昨年12月、協議会に関わる友人の某氏より「台カル研で台湾映画トークやらない?」と打診があり、昨年出した台カルZINEを基に、これまであまり意識して台湾映画を観たことがない方々が多いことを想定して、現在観られる映画を中心に紹介しました。
キーワードとしては青春映画、台湾ニューシネマ、LGBTQ+、ホラー、社会と歴史、そしてリメイクなど。個別の作品では『幸福路のチー』『あの頃、君を追いかけた』『1秒先の彼女』を紹介しました。
あわせて、配信で観られる作品もリーフレットにまとめました。(写真の右下に写ってます)

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私自身は、4年前の『藍色夏恋』上映会でトークは経験済みなのですが、あの時はほぼ準備してなかったのでいろいろ大変だったっけ…なんて思い出していましたが、その時よりスペースはオープンだしどんな人が聞いてくれるかわからなかったし、退かれたらどうしよう…などとオタク的ないらぬ心配までしてしまいましたが、メンバー3人の好きなことをあれこれ話せて本当に良かったです。聞いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

今年は『藍色』や『あの頃』を始め『海角七号』『KANO』など21世紀に入ってからの傑作台湾映画の配給権が次々と切れていくそうで、国内で上映される作品が少なくなるのが残念ですが、それでも今後様々な台湾映画が広く観られて、観光やグルメと共に台湾を知るきっかけになってほしいと思うのでした。
今年は何か上映会が企画できるといいなあ。

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今年はステージトークがあったのでいろいろ時間が取られ、合わせて本業の仕事等も大変で、プレウィークで行われた市内各所の展示等もじっくり見られなかったので、スタンプラリーを回るのもなかなか大変でした。
今年のデザインはこんな感じ。
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今年のコンプリ特典は昨年とちょっとデザイン違いの美麗!台湾コラボステッカーと、昨年秋に行われたボンネットバスツアーの特製ポストカード。(ちなみにこのボンネットバス、バリバリの現役です。Suicaやpasmoで乗車できます)
スタンプとスタンプカードは今月いっぱい、ポノブックスさんに設置してあります。

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パンデミックの始まりから3年が経ち、まだまだ感染は収まらないけど、経済や往来は元に戻していこうとしているこの頃。
定期便も観光も復活しつつあるけど、当地の国際線はまだ復活せず。まだまだ状況が厳しいのはわかるけど、今年はなんとか行けることを願うばかりだし、このフェスで台湾に興味を持ってくださった方が、気軽に地元の空港から旅立てるようになってくれたらということもあわせて願うところです。イベントも毎年ながら楽しく充実しているし、こんなに楽しいのなら台湾自体もっと楽しいのは言うまでもないですしね。

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サークルとしても、もちろん個人でも、今後もこのプロジェクトには積極的に協力していきます。
何かイベントがあったらこちらでも紹介しますので、今後ともご注目をお願いしますね。

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新年快樂!&イベント参加のお知らせ

新年快樂 

 

萬事如意

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あはははは(汗)
こちらの絨布揮春はHKストアで購入いたしました。

今年初の更新が旧正月になってしまいました。
香港や台湾との往来が再開しつつあるけど、行けるようになるのは当分先かな…

さて、このblogで度々取り上げてきた盛岡台湾Happyフェスが今年も開催されます。
過去2回のイベントについてはここここで書いています。

大規模イベントとは一味違う、地元の事業者さんや教育団体が集う盛台交流イベントですが、3年目の今年、ついにステージデビューとなりました!(笑)はい、台カル研のメンバー3人で台湾映画トークをします。題して「おいでよ、台湾映画沼 ~わたしたちはこうしてハマった~」

詳細はこちらをご覧ください。

 

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また、フェス会場に近い盛岡市大通3丁目のブックカフェpono books & timeさんでは、期間限定で台カル研の棚を作っております。
台カルZINEや私の台湾飯フォトブックの販売や、台カル研おすすめ本の展示を行っております。

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地元でのイベントかつ直近のお知らせになってしまい、遠方の皆様には申し訳ありませんが、地元の皆様はぜひよろしくお願いいたします。

そして今年、ニューヨークタイムスで「今年行くべき52都市」の一つに選ばれた我が盛岡市にも、皆様是非おいで下さいませ>となぜか中華blogで謎アピールいたしますが、どうか見逃してください(笑)。

 

ともあれ、今年もよろしくお願いいたします。

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第7回文学フリマ岩手に出店します【ZINE新作】『台カルZINE Vol.1』ほか

バタバタしている間に前日のお知らせとなりました。申し訳ございませぬ。
前回のエントリ通り、明日6月19日(日)に岩手県産業会館(産ビル)7階大ホールで開催される第7回文学フリマ岩手書局やさぐれ&透明度として出店いたします。
当日のセットリストは画像の通り。

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【新刊】『台カルZINE Vol.1 特集:台湾映画鑑賞指南』(発行:台湾カルチャー研究会

「台湾を深掘るともっと楽しいよ!」を合言葉に、岩手の3人の台湾好きが結成した同好会によるZINE。創刊号のテーマは台湾映画。

【新刊】『自宅台湾飯』

以前のblogエントリを元に、複数のレシピ本を参考にここ2年作り続けた台湾飯をまとめたフォトブック第2弾。
第1弾は昨年発行した『職場台湾便當』(関連記事はこちら)です。

【新刊】『日日是MAKE TEA NOT WAR』

中華色薄めですがこちらもご紹介。地元産のお茶から英国紅茶まで、全編「ああお茶うめぇ…」とだけ言って1冊まとまった(笑)エッセイ。題名が物騒ですが、一応戦争反対の思いを込めて作りました(真顔)

【既刊】『閱讀之旅2019之雙城故事』 『寶島電影院』

部数僅かですがこちらもあります。

以上の本は今後ZINEイベントやブックイベント参加時にも取り扱います。
また通販も検討しております。
ではでは、よろしくお願いいたします。
そして明日のイベント頑張ります。
(当日は台カル研メンバーも集合しますよ)

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台湾カルチャー研究会はじめました

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突然ですが、立ち上げました。略して「台カル研」

Facebookページはこちら→

6月19日(日)に岩手県産業会館(産ビル)で3年ぶりに開催される第7回文学フリマ岩手のB-27「書局やさぐれ&透明度」のブースにて、この台カル研発行のZINE「台カルZINE」第1号を頒布いたします。
詳細はまた後ほど。

そうそう、書局やさぐれとしても、現在新作のZINEを製作中です。こちらも完成しましたら後ほど紹介いたします。

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盛岡台湾Happyフェス2021

恭喜發財 萬事如意 身體健康 世界和平

世界的に感染拡大が続く中、旅行も気軽にできない日々が続き、悩ましいばかりですが、今年度も昨年に引き続き盛岡台湾Happy Project主催の盛岡台湾Happyフェスが開催されました。
今回は感染対策として、10月にプレイベント、12月にメインイベント、年明けの1月に物販メインのマーケットという3部構成となり、いずれもクロステラス盛岡を会場として行われました。

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10月のプレイベント。
プロジェクト参加団体によるポスター・パネル展示がメイン。

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当地でも上映された『台湾、街かどの人形劇』と布袋戲の人形たち。

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盛岡てがみ館では10月から「台湾と岩手の先人たち」という企画展が開催されていました。
昨年のイベントでトークをされた新渡戸財団の藤井茂さんによるトークも企画されていましたが、残念ながら中止に。
いずれどこかでお話を聞けることを願っております。

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イベント名物となったHappyランタン。

展示内容は昨年のフェスのおさらい的なものだったけど、クロステラスを経営する三田農林が発表報告と共にまとめていたレポートが一番読みやすかったです。

それから約2ヶ月後の12月3日からの週末で行われたのが、メインイベントのHappyフェス。

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昨年に続いてのメインビジュアルはkuromameによるもの。
このキャラクターたちには「もにょもにょ」という名がついているらしい。

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お出迎えはアミ族の衣装をまとったお嬢さん(!名前がついているらしいけど忘れましたすみません)
なぜアミ族?答えは次の写真をご覧あれ。

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以前もここで少し書いたのですが、我が盛岡市は2019年に花蓮市と友好都市提携を結びました。
この冬岩手公園の川沿いに記念碑が建てられました。

そして、花蓮といえば昨年話題を呼んだこの小説『リングサイド』の舞台ですね。

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花蓮を舞台にしたこのプロレス小説、地元の愛好者によるローカルプロレス団体が登場しますが、この街にも発祥のローカルプロレス団体のみちのくプロレスがあるので、親しみも感じながら読んだのでした(といいつつみちプロの試合は生で観たことはなかったりする)
作者の林育徳さんは花蓮の東華大学で『歩道橋の魔術師』の呉明益さんに師事したいわば直弟子。

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閑話休題。
今年のトークは、市内の高校生が開発に携わった甘酒ドリンク(台北にある拾糀商號を参考にしたとか)の話、台中のコーヒーショップと交流している盛岡を代表するコーヒーショップのひとつNagasawaCOFFEEによる台湾コーヒーの話、台湾の高校とオンライン交流会を実施した市内の私立高の交流報告、仙台出身のポンフーマスターさんによる膨湖の話、LGBTQをめぐる話(スピーカーのお一人は3年前の藍色夏恋上映会でトークをご一緒したかとうまいさん)そして恒例となった岩手観光アカデミーメンバーのミーティングなど、前回にもまして盛り沢山でした。
 個人的に印象深かったのがNagasawaCOFFEEさん。台中のコーヒーショップ樂咖さんと交流があり、数年前にイベントも開いています。台湾の珈琲文化は若者が中心であること、統治時代からの珈琲栽培の歴史等興味深いお話が聞けました。といいつつ実は私はコーヒーが飲めません(参考としてこれ
 

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昨年に引き続きの、サンファームさんのりんごディスプレイ。

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ここからは展示。
「岩手と台湾をつなぐキーパーソン 後藤新平をたずねて」というテーマで、市内の高校の写真部が撮影した後藤新平の像や出身地の水沢の風景。
水沢の後藤新平記念館には台湾赴任時代の資料も多数あり。

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こちらはイベント発表も行った市内の高校のオンライン交流会の展示。

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日本初公開となった(!)片倉佳史さんによる台湾の鳥の展示。

イベントでは物販もあり。
日本ドラマ特集の「秋刀魚」(『名作マンガの間取り』の著者、盛岡在住の影山明仁さん監修のドラマの間取りを収録)があったので購入。

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お馴染み東家さんの台湾弁当第3弾。
菜脯蛋が定番メニューとなりつつあるけど、実はだし巻き卵がお店の宴席料理でも定番。
現在はおそば屋さんとして知られていますが、開店当初は市内の老舗の料亭の分店だったそうです。

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昨年度に続いてのサンファーム特製りんごケーキ。
今回のはココナッツを加えたサクサク感のあるクッキーっぽい仕立て。
これはこれでアリ。

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ところで今回のフェスは12月開催ということで、こんなオリジナルグッズが登場していました。

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盛岡台湾Happyカレンダーは、旧暦併記(今年の農暦初一は2月1日)と台湾の年中行事に加え、盛岡の年中行事も記されているという、台湾好き&盛岡好きには非常に有り難い(マジで)カレンダー。A4サイズで携帯にも便利。
私は職場で旧暦話をしたり、イベント合わせで仕事をしたりもするので、このカレンダーを職場で使っているA4版の手帳に差し込んですぐ見られるようにして使っています。

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ところで今回は初めて県外からの企業がフェスに参加しました。
台湾グッズのECサイトや旅や留学のアレンジを行っている美麗!台湾です。
社長さん自らが来盛し、ものすごい熱量で台湾への愛を語っておりました。
↑はスタンプラリーのノベルティとして製作されたコラボステッカー。エアチケットのデザインです。

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こちらは登録特典としていただいた日本未発売のopenちゃんロンググミ。
フレーバーはこれまで日本でもレアなヤクルト味。

感染拡大期だったこともあって、前回より開会日程が短かったのは残念だったけど、引き続きイベントが行えたのが本当に良かったです。
参加はできなかったけど、トラベルリンクさんによる台湾華語で案内する街歩きツアーも行われ、台湾と共に地元を知り、そして楽しむという意義が感じられるものでした。サテライト企画としては後日、盛岡市内と小岩井農場などを華語ガイドで回るバスツアーなども行われていたとのことです。

そして年が明けて旧正月間近の1月29・30日に開催された盛岡台湾Happyマーケットでは、台湾に盛岡のテイストをミックスさせたフードとグッズを、フェス販売からヴァージョンアップして販売。甘酒ドリンクは1日のみの販売だったので買い逃してしまったけど、それ以外はだいたい押さえたのでご紹介。      

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東家の盛岡台湾ハッピー弁当 
新年快樂ver.先に挙げた写真と比べてみてくださいませ。

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花生仁湯(上)fu-daoの雪Q餅と台湾カステラ(中)サンファームのりんごケーキ(下)
カステラの中にはサンファームのりんご果実(旬の黄色りんご・きみとを使用)が練りこまれていて、瑞々しい食感。

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さわや書店のブースで昨年秋刊行の『味の台湾』を購入。

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これは来場者特典の新年卡。

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スタンプラリーで押してもらえるフェス入国スタンプ。
使用済みパスポートに押してもらいました。

先ほども書きましたが、昨年度に引き続き台湾イベントが行えたのは本当に良かったです。姉妹都市締結後2年経ちましたが、市内にも記念碑ができたし、往来再開後への期待もあるので、今後も続いていくのでしょう。
今回残念だったのは、やはり感染拡大期に入ったこともあってのイベントの縮小化。正直できるかどうかと心配していたので開催できたことは参加者としても嬉しかったのですが、来年も実施があるのなら、もう少し多方面に広げてもいいと思います。昨年は新作台湾映画もいくつか公開されたし、台湾本の発刊も多かったので、今後はフェスと連動した新作映画公開(いや、未上映作品の上映会でもいいんだ)やブックフェア、作者さんや訳者さんのオンライントーク等カルチャーイベントも実施できればいいし、できることなら協力していきたいです。台湾文化センターとの共催があってもいいし、地元在住の作家さんとのクロストークがあってもいい。ここ盛岡は映画の街にして本の街なので、文化的アプローチがもっとあってほしいです。そうそう、以前は滅火器や叮噹が市内でMVを収録していた縁もあるので、音楽に触れる機会もほしい。
あと、市内にもうちょっとだけ台湾スイーツが食べられるお店があってもいいかな。専門店じゃなくても、小さな豆花くらいでいいです。名物の寄せ豆腐をアレンジしたり、りんごのような季節のフルーツをトッピングしたり。
本当は早く台湾に行きたいけど、今年も防疫生活は続きそうです。

いま東京や大阪の大都市では正統派の台湾フード&スイーツ店も増えているけど、ここでも「台湾がこっちに来い」的な心意気で過ごし、フェスの時だけでなく台湾を身近に考え、文化や歴史に触れる機会が今年は多くなることを期待します。
そのためにこの一般人も、いろいろ行動していきたいです。

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〈香港抗議の記録 A Film on Hong Kong Protests〉を世界から日本へ

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あけましておめでとうございます。
このblogを始めてもうすぐ16年になります。ここ数年は多忙でまとまった文章を書くのも難しくなりましたが、できるだけ書いていきたいです。

さて、新年最初のエントリです。
ここしばらくの香港のことについては以前にも書いた通りですが、香港政府と警察の横暴、そして中央政府が裏にいる「中国化」の進行と民主活動の弾圧が進むばかりで、コロナ禍でどうしようもない事態になっているのが悲しく、ニュースを聞くたびに胸が痛くなります。2014年の雨傘運動に始まる香港の抗議活動から、映画『十年』『乱世備忘 僕らの雨傘運動』が生まれ、そして昨年の抗議活動をまとめた『香港画』というドキュメンタリーも生まれました。

そして現在『乱世備忘』と『十年』のクリエイターが、新たな映画『BlueIsland 憂鬱之島』を製作しています。この映画を日本の配給会社太秦(最近は『私たちの青春、台湾』『台湾、街かどの人形劇』などを配給)が中心となって世界に発信していこうとするクラウドファンディングが始まっています。

香港の抗議活動を継続的に取材されているジャーナリスト堀潤さん(ドキュメンタリー『わたしは分断を許さない』ショートショートフィルム『STAND WITH HK』監督)のtweetを引用いたします。
クラウドファンディングページはこちらからもどうぞ。

香港映画の黄金期は80年代から90年代。その間に香港映画を好きになって四半世紀が過ぎました。
実に人生の半分以上、香港映画と一緒に生きてきたようなものです。だから、自分を育ててくれたような香港映画に、今できることがしたいのです。そう思って、このクラウドファンディングに参加しました。最低1,000円から支援できるので、参加のハードルは決して高くはないです。支援の際に寄せたコメントをここにも掲載します。

映画や旅で親しんできた愛する街香港の現在を憂いております。 非常に厳しい局面にありますが、映画『男たちの挽歌』の英題のように、BETTER TOMORROWが香港に訪れることを願ってやみません。応援しています。実現しますように。

今年の5月5日までの募集だそうです。香港が好きな方、映画が好きな方、どうかよろしくお願いします。

もう一つ、ここで今年の目標を挙げます。
それは、地元での香港映画や台湾映画の上映会を企画・開催することです。
上記に挙げた作品のうち、当地では未上映のものが幾つかあります。重いテーマを含んだものもあるので、気軽に観てねとは言えないのですが、自分が観たいものもあるし、それでも、なんとか観てもらって気づきを起こしたり話したりもしたいのです。
目標というより野望みたいなものですが、それでもなんとか頑張ってみます。

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