書籍・雑誌

『台湾のお弁当』で作る #職場台湾便當

クッキングネタが続きますが、今回は前回も紹介した『台湾のお弁当』です。

この本は10人の台湾の地元っ子が仕事や学校に持参する、家庭料理をベースにした手作り弁当を紹介したコラム&レシピ集。
先日はおきらく台湾研究所さん主催でオンラインイベントが開催され、参加いたしました。

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私事ながら近年、検診でコレステロール値が高く出てしまったことから食事に気を遣うようになり、昼食はなるべくお弁当を自作して持って行くことを試みています。しかし調理工程が複雑だったり、朝忙しい時期に作ることができなかったりで、どうしても長続きせずにいました。加えて今年はコロナ禍の影響もあって仕事が増えて辛く(仕事は対面業務メインなのでリモートワークにはならず)雪もよく降って運動もできずにストレスが溜まりまくっていたのです。そんな単調な日々の楽しみは、お弁当作りくらいでした。

では、これまでに作ったお弁当の画像を説明なしで上げていきます。

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だいたいこんな感じで作っています。この他にスープジャーで魚丸湯をアレンジした肉丸湯や麻油鶏を加えたり、飯糰を作ったりもしています。
お気づきかと思いますが、ローテーション入りのおかずが幾つかあります。炒青菜、炒花椰菜、菜脯蛋、滷蛋などですね。青菜炒めは普段から様々なレシピで試していましたが、最近は自分の好みに仕上がる確率も上がりました。菜脯はそのものを買い置きしていないので、秋田のいぶりがっこを刻んで加えています。

この本のレシピの特徴は、台湾で販売している調味料がなくても日本の調味料や食材を代用できるようにアレンジされていること。しかも簡単な工程で短時間で美味しく仕上げることができるのが有難いです。何よりも、ニンニクと酒と生姜で台湾の家庭料理が再現できるのが楽しくて、夢中になって作ってしまいます。これまでニンニクを使った料理をランチにするのに抵抗があったのですが、マスク生活のおかげでそれも気にならなくなったし(こらこら)
今や滷肉飯や牛肉麵も日本で食べられるようになったけど、こういう台湾の家庭料理も日本でもっとメジャーになってほしいなと思います。台湾の美味しいものの魅力は宴席料理や屋台料理だけではないし、健康を考えて味付けも濃くない食べ物も多いですからね。

お弁当の写真は、twitterとinstagramでそれぞれ#職場台湾便當 というタグをつけてUPしています。
また、この本のレシピでお弁当を作られてSNSにUPされている方がいたら是非教えてくださいませ。
見に行きます(^_-)

そうそう、美味しいもので思い出したけど、台湾屋台グルメが広く知られるようになり、飲食業者がタピオカドリンク(決してミルクティーではないところが残念)の次を狙って持ってきたものにワタシは絶句しました。それが台湾グルメではなかったからです。
それはこれです。

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はい、これは2年前の香港旅行で撮った波羅油(パイナップルバターパン)です。
これがよりによって「台湾屋台グルメ」として一部業者が売り出し始めたのです。
このことについては、次の記事で。

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盛岡台湾Happyフェス

コロナ禍による海外の往来が難しい中、いち早く新型コロナウィルスの感染拡大を食い止めた台湾に学び、その台湾と様々な縁があり昨年秋に花蓮と友好都市提携を結んだここ盛岡で、今後の友好と交流を深めていこうと立ち上げられた盛岡台湾Happy project。9月5日にはスタートイベント、応援企画として開催された26日の盛岡かわとみどりのほしぞら映画祭での『祝宴!シェフ』上映を経て、10月30日から11月4日までの6日間、市内の商業施設クロステラス盛岡などを会場に盛岡台湾Happyフェスが開催されました。

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クロステラスは立体駐車場併設の商業施設。産直やマツキヨ、100均のセリアや楽器店が入居しています。

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メイン会場は施設中央の広場。ロゴ等のデザインは地元専門学校の学生デザインチームkuromameによるものです。

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プロジェクト団体の一つ、いわてとたいわんは台湾留学&研修経験のある県内の大学生によるユニット。当日はリトルプレスの無料配布やホットタピオカの販売をしておりました。上のPRポスターもkuromameのデザインによるもの。

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市内の高校による研究発表や写真作品の展示、台湾向けに製作された盛岡や岩手のプロモーションビデオやフェス開催においてのメッセージビデオ、後藤新平や新渡戸稲造の台湾での活動を取り上げたローカル局製作の番組ダイジェスト等のPRブースは連日公開。期間中の土日と祝日の3日間にわたって行われたトークイベントにも参加してきました。

1日目(10/31)は先のいわてとたいわんのメンバーが台湾を語り、統治時代に台湾で活動した新渡戸稲造を始めとする郷土の先人や地域貢献についての高校生の研究発表や、昨年秋にフィールドワークで台湾研修を行った高校生たちなどの報告がありました。台湾にはまだ行ったことがないという人から、台湾のイメージは九份?(はいはい千となんとかですねー、と軽く言ってみる)というところから始まり、一度行ったらすっかり魅了されてしまったという人まで、実に様々な若者たちの話を楽しく聞いてきました。
2日目(11/1)は歴史から食まで市内の専門家たちが集い、盛岡と台湾のつながりを多方面から語るレジェンドDAY。新渡戸基金の理事長さん、県の台湾同郷会の会長さん、さくらんぼやブルーベリーの観光農園をいち早く訪日客向けにPRしたサンファームやわんこそばの東家、そしてfu-daoが登場。実に濃ゆいトークが展開されました。

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すっかり恒例となった東家のお弁当。これまでの2回のイベントで提供された盛岡台湾弁当の集大成のようなラインナップ。
わんこそばの他に仕出し弁当も手掛けていて、これまで『3月のライオン』や『カメラを止めるな!』などの市内の映画イベントにもお弁当を提供してきました。

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サンファームはさくらんぼやブルーベリーの他、リンゴ農園も経営。
ジョナゴールドのような定番のほか、アップルパイなどの調理に適したすっぱいリンゴも作っています。

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これは、イベント限定で販売されたリンゴパイナップルケーキ。微熱山丘にリンゴケーキのサンプルを提供した実績があり、そこから作ったそうです。台湾での日本のリンゴのシェアは圧倒的に青森が強いので、現在盛岡のリンゴを絶賛売り込み中とのこと。
このケーキ、おいしかったです。りんごの酸味も程よく効いてていい感じでした。

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3日目(11/3)は観光をテーマに今後の盛岡と台湾の未来を探る日。
岩手県の観光に関わる企業による現状報告から、盛岡市都市戦略室によるプロジェクト「盛岡という星で」まで、こちらも様々な面々が揃う中、印象深かったのはクロステラスを経営する三田農林がかつて台湾に開いた農場を訪ねる目的で社員旅行に行ったという話。高雄郊外の田寮(月世界の付近だとか)にあり、土地もあまりよくなかったようで開墾にも苦労したとか。今も農場として使われており、楊桃やグァバなどが栽培されていたとのことです。

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↑ふぉんさんの魯蛋いり油飯と胡瓜の漬物。3日のお昼にしました。

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そして3日からはサテライト会場として、大通のシェアオフィス&ブックカフェのpono books&timeにて台湾書籍&雑貨フェアも開催されています。

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古本から新刊まで幅広く揃っております。目をつけていた新刊があったので、今度買いに行きます。

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最近文庫化された一青妙さんの『私の箱子』やっと読みました。
面白かったです。感想書かなきゃ(汗)

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お馴染みの「秋刀魚」はponoの店主さん自らが台湾で買い付けてこられたもの。
ここに遊びに行くと、いつも店主さんと台湾話で盛り上がります。

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高雄の独立書店、三餘書店が昨年発行した日本語ZINE「時行」。
編集を担当された陳瀅羽さんは盛岡に滞在した経験があります>実は知人でもあります(^^)

これまで全国各地で開かれていた台湾フェスに比べると規模もかなり小さく、本場のお店が出店するなどということもなかったのですが、それでもまるで文化祭のような手作り感もあり、参加していてとても楽しかったです。
コロナウィルス感染が全国で一番遅かった県といえども、春からは県も市も観光業は大打撃を受けていたわけだし、参加した業者さんには知り合いも多かったのでいろいろ話も聞いていたし、こちらもここ半年はどこにも行けない分、地元の経済や観光を盛り立てていこうと心がけていました。
最終トークイベントでは、プロジェクトメンバーが盛岡と台湾の未来に向けた前向きな発言が見られ、これがいずれ実現したら嬉しいなと思ったものです。特にクロステラスに台湾の店舗を誘致するっていくのはぜひお願いしたい!飲食でもいいけど、MITの雑貨などを扱ったお店が来てくれると嬉しいですよ。

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↑イベント中に開催されたスタンプラリーのシートと、左は景品の「盛岡という星で」コンセプトブック、右はいわてとたいわんが製作したリトルプレス。実はこれで2冊めです。いずれ紹介しますね。

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こちらのポストカードは市の観光課が作成したレアなもの。

イベントとしては初めての試みで、一体どんな感じになるのだろうと思っていましたが、先に書いたとおりとてもいい感じにまとまっていて、楽しかったです。主催者さん曰く、プロジェクト同様に今後もフェスは続けていきたいとのこと。
最近のニュースによると、台湾と海外の観光による往来が再開されるのは、早くても来年の秋以降という話が出ているそうです。あと1年となるとそれは長いのか短いのか。いずれにせよ、もう少し辛抱しなければならないようです。その間は、やはり国内や身近なところで台湾を楽しめる機会が増えた方がいいですよね。

今回のイベントは観光と食、若者の交流などを表に出していましたが、もし今後再びこのフェスが開催されるのなら、もっと広いジャンルで扱っても良いかと思います。例えばスポーツ交流も大いにアリでしょう。野球やホッケーやラグビーの交流試合があるといい。
あとはこちらの趣味的にはカルチャー方面の紹介があってもいい。台湾映画はもちろん観たいし(上映権が切れる前に観たい作品はたくさんある!)太台本屋さんによる台湾ブックトークに宮沢賢治から『影裏』まで、台湾で出版された岩手の文学を語ってもいい。こちらでも妄想をふくらませていけば、もうきりがない。次のイベントにも期待したいし、もしできれば協力もしたいものです。

数年前までは台湾を語る言葉は「おいしいかわいいほっこり、九份は千と千尋のモデル」的なものばかりで、そのようなアプローチを見るたびにとても複雑な気持ちになったものでした。だけど、今は昔と違います。交流が進むごとに台湾のスピリットも明確になってくるし、激変する世界の中で見えてくる台湾の姿は非常に興味深くあります。そんな台湾はワタシが学生時代を過ごした故郷と言える場所でもあるし、そこが現在の「地元」でもある我が街盛岡と結びつくことができたら、本当にうれしいし、前を向くことができます。

このプロジェクトもはじまったばかり。いつかまた花巻から飛び、海を越えて行けること、次のステップに行けることを期待します。
プロジェクトの皆様、お疲れさまでした。そして楽しいイベントの企画をありがとうございました。

 

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【ZINE】『閱讀之旅』販売ほか、いろいろお知らせ

逃亡犯条例改正案への反対から始まった、香港のデモや政府への抗議行動が100日続いている現在、その行方が非常に気になるところですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この夏はワタクシ自身もいろいろありまして、更新もまたまた間があいてしまい、またお知らせ記事になってしまって申し訳ございません。

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6月9日に岩手県盛岡市で開催された第4回文学フリマ岩手にて、最新ZINE『閱讀之旅2019之雙城故事』の初売を行いました。
ご購入頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。
文中でも香港の現在に少し触れていたので、少しタイムリーな本になったかと思います。
続けて、7月13・14日に行われた浜藤古本市と7月20日の石巻一箱古本市、9月8日のブックハンターセンダイでも販売いたしました。

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↑ブックハンターセンダイでの販売の様子。

ZINEは新刊始めバックナンバーも今月末までに通販部のページに在庫をUPしておきますので、ご希望の方はしばらくお待ちください。

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また、今年も盛岡市のアートギャラリーCygで開催されたART BOOK TERMINAL TOHOKU 2019にて、昨年製作した『寶島電影院』(詳細はこちらにて)をフランス装で仕立て、ボーナストラックのエッセイをつけて出品いたしました。この特装版のために書き下ろしたエッセイ「『ただの夏』と『台北暮色』」をnoteで公開しています。
こちらも昨年出品した『寶島幸福茶舗+寶島浪漫的逃亡』特装版と共にCygのオンラインショップで販売予定です。

今後もZINE製作は続けていきますが、実は来年は少し本格的な本を作る予定です。といっても商業出版ではなくあくまでも同人としての出版ですが。現在編集中で、早ければ来年5月くらいに発行できるように目指しております。お楽しみに。

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さらに、直近&地域限定のお知らせになって申し訳ございませんが、地元の盛岡市で『藍色夏恋』のデジタルリマスター版上映会が今月25日(って実はもう明後日ですね)が開催されます。会場はプラザおでってです。詳細は上記画像とこちらのページから。(2003年日本公開のオリジナル版の感想をこちらにはっておきますね。ちなみに完全ネタバレです)
当日はいわてレインボーマーチ代表の盛岡市議会議員・加藤麻衣さんをゲストに迎えたトークイベントもあります。

来月からは映画祭シーズンを迎えます。また近いうちに更新いたしますね。

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【ZINE新刊】『閱讀之旅2019之雙城故事』

どうも、6月に入りましたね。
先月はタピオカミルクティーのエントリを上げましたが、その後ますます加熱するタピオカブームをSNSで眺めていて、なんだか恐ろしくなってついつい頭を抱えてしまう日々を過ごしております。
おーいそこの女子たち、炎天下に2時間も並んでタピるくらいなら、今すぐ台湾に行って、街角にごまんとあるティースタンドでおじさんの作る珍珠奶茶を飲みに行った方が早いぞー。バエとか狙ってるのならすぐ廃れるのだからあきらめろ。
そしてこのブームが消費されることなく、台湾式ティースタンドが日本に定着してコーヒー派に対抗するくらいになってほしいんだけどね>そう願うワタクシはコーヒー飲めない人間でございます
 
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台南にある艸祭Book Innの奥のロビー。

と言いつつ、そういえば今回はお知らせエントリでありました。
さて、今年も文フリ岩手の季節がやってまいりました。
今年は6月9日に盛岡の岩手県産業会館で実施されます。

今年の新刊は、以前のエントリでも予告した通り、台湾と香港の本と書店をめぐる『閱讀之旅2019之雙城故事』。
昨年夏から今年の春までの旅を抜粋してまとめた旅行エッセイ集です。
先行してnoteで立ち読み兼有料全文公開しております。

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昨日、本文を印刷してみました。36ページ(一部カラー)になりました。

ここしばらく、まとめて旅行記を書く余裕がないのと、SNSのログで記録に残せることからblogで旅行記を日記形式で書くのをここ2年ほど中断していますが、今回はnoteの有料記事で原稿を同時製作したことで、だいぶ絞れてすっきりまとめられました。それでも書ききれない出来事はたくさんあるので(食べ物や行った場所とかね)昨年春の台湾旅と共に、思い出したらシンプルに書いてここにもUPしていきますので、どうぞこちらも引き続きご贔屓くださいませ。

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賽馬會創意藝術中心(JCCAC)にて
古い活字を収めた事務所の表の「日日是好日」が気に入ってパチリ。

直接販売は文フリ岩手(6/9)第4回浜藤古本市(7/13・14)石巻一箱古本市(7/20)で行います。
通販も前回同様、boothの通販部で行います。
販売及び通販については、詳しくは後日改めて紹介いたします。

 

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【お知らせ】blog更新休止について(改訂版)

ここ2,3年ほど、本業内容が変わって日常生活への負担が増加し、あわせてPC等の老朽により、web記事作成が難しい状況が続いています。自宅PC(Vista)もすでにwebが使えず、文書やPDF作成のみにしか使えなくなってしまいました。来年前半を目処に買い換える予定はあるので、2019年夏頃まで更新を休止いたします。

 

書きかけの記事も多いのですが、それは再開後改めてUPします。また、ここ1年に観た映画や読んだ本の感想はtwitterに残してあります。
今年から始めたnoteは、iPhoneで原稿を作成できるので、できる限り更新を続けます。

 

また、先の休止期間中に文学フリマ岩手が開催されたので、ZINEの新刊を製作しました。

 

 

 

 

 

今年は、先ごろ紫波町のシワキネマで『恋恋風塵』の上映会が行われ、「台湾巨匠傑作選2018」も全国で上映されていることから(東北ではフォーラム仙台で上映)キン・フーからギデンズの作品までを取り上げた台湾映画ZINE「寶島電影院」を作りました。台湾映画の上映機会が少ない地域なので、台湾映画自体を知らないという声も聞き、こんなZINEを作ってみたのでした。Twitterで告知したところ、東京のサークルや台湾映画を愛する方々から問い合わせが来てびっくりしました(汗)。ささやかなコピー誌で申し訳ありませぬ。
現在、通販を行っております。詳細はこちらの記事のリンクから御覧ください。

 

また、Cyg art galleryで開催されたART BOOK TERMINAL TOHOKU 2018に出品した台南旅行記合本版「寶島幸福茶舗+寶島浪漫的逃亡」は現在Cygのオンラインショップで取り扱われております。

 

 

 



昨年「浪漫的逃亡」を作成した時点で合本化は考えていたのですが事情によりできず、今年やっと実現しました。ABTTにも2012年の「香港電影欣賞指南」以来の出品となります。
表紙は仮フランス装にしてみました。
なお、合本化に当たって、今年の春の台南&墾丁旅行記を新たに書き下ろしました。

 

 

 

 



さらにお知らせ。10年くらい前から創作サークルで書いていた香港小説『麻煩偵探』シリーズは現在3作目まで出ておりますが、その番外編として書いた短編「仮棲まいの港 ふるさとの山」が6月に発行された文学フリマ岩手アンソロジー『イーハトーヴの夢列車 二号車』に収録されております。こちらは全国各地の文フリでも販売されます。

 

お休みしている間はこのような活動をしていたのですが、blog再開後も並行して行っていきますのでよろしくお願いいたします。
ZINE頒布(販売)等の詳細は書局やさぐれのTwitterを御覧ください。

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『浪漫的逃亡 遊日非流行指南』五月天阿信

昨年から参加している文学フリマにて、ここ数年の台南旅行をまとめたZINEを製作&頒布しているけど、ワタシはもともとネットを始める前から所属していた同人サークルで旅行記や留学記をまとめてもらった経験があるので、それを思い出しながら製作している。
近年は同人界隈以外でもZINE製作が盛んで、しかもオサレでレイアウトが素敵なものが多い。そんなステキZINEをギャラリーや文フリ会場で見てしまうと、字と写真時々イラストでしか勝負できない自分はセンスの無さにしばし打ちのめされるが、ダサいといわれようが作りたいものは作りたいんだ、と決意して作っている。とか言いつつも、仕事の合間に書いたり製作するしかなく、その仕事も近年はかなり忙しくなっているので、毎回間に合わせみたいになってしまうので反省している。
今年はたたき台の旅行記も早く書けたし、地元で台湾映画もまとめて上映してくれるので、旅と映画の二本立てで作るかなと思案中。

さて、前置きはこのへんにして本題。
先日の武道館ライヴでやっと五月天に落ちた(ははは^^;)ワタクシですが、2年前の初武道館前決定の報を聞いた頃に、台北でこの阿信の日本旅行エッセイを買ってきました。先の記事にも書いた通り、当時は仕事とバッティングしたので上京を泣く泣く諦めたのだけど、その代わりにと思って購入。拾い読みはしていたけど、ライヴから台南旅行を経、ZINE作成の参考にと思って再読したので、やっと感想書けます。

2008年に発行され、第8版記念の新装版(だと思う。14年の時点で44刷。1回の刷数が日本ほど多くないのだろうね)で購入。
1999年の五月天デビュー前から大学の研修旅行で、デビュー後はレコーディング(2012年に営業を終了した河口湖の一口坂スタジオを利用していた様子)やライヴで、もちろんプライベートでも度々日本を訪れている阿信が、学生時代の専攻だった建築を中心に、90年代後半から2000年代中盤までの約10年間、東京近郊・京都・大阪・奈良などを回って見たこと・考えたことをまとめたこのエッセイでは、自らの旅を「非流行」と呼んでいる。日本で流行している場所に行ったり、流行りのアイテムを買ったり食べたりだけではなく、自らの興味・関心の赴くままの旅をしよう、というコンセプトらしい。
写真もこの10年間で撮りためたものをふんだんに使っているので、日本の街並みや変化もよく分かる。

東京編は明治神宮から始まり、代々木室内競技場や新都庁、表参道ヒルズなどの日本を代表する建築家たちの代表的な建物を紹介する。「新都庁は実は変形合体ロボ」ってネタまで盛り込みつつ(全世界的に有名なネタだよね)、丹下健三や安藤忠雄の仕事を紹介する。表参道ヒルズは建設前の同潤会アパートの写真と比較していて、ああ、そうだったよなあと思い出させてくれる効果もあり。
ここで好きなのは東京国立博物館。東博は近年TVドラマのロケで外観や内部が使われたりするのでそのへんお馴染みだけど、ページ数も多く、谷口吉郎・吉生と二代にわたる建築家の手によるものと紹介されているのがよかった。
もうなくなってしまったさいたま副都心のジョン・レノン・ミュージアムも彼の聖地。そう言えば行かないままだったな…。

左がカバーを外した本体。右のカバー裏が阿信のピンナップになってる。

後半の関西編はテーマがもっと広がる。
「東京が台北なら京都は台南、そして大阪は高雄」で始まり、大阪のカラフルな商店街の写真も並ぶ。そこに混じって目を引いたのは、阿信自らが描く火の鳥。とくればもうお約束の、宝塚の手塚治虫記念館。子供の頃は漫画家になりたかったけど、その夢は叶わなかった、でも『火の鳥』に出会って心打たれたというような始まりから(すいません不完全で)、茨木春日丘教会(安藤忠雄設計の光の教会)や奈良の写真美術館などを訪問。その間に好きな日本文学の話も挿入される(山本文緒の「プラナリア」と村上春樹)。
京都では和菓子作り体験や金閣寺炎上事件などに思いを馳せながら、修学旅行的なスポットを紹介し、最後にたどり着いた鴨川で、再び学生時代のことを振り返る。

エッセイ部分はわりとフィーリングで読んじゃってるので内容はあまり詳細に紹介できないのだけど(自らの学習のためにいつか翻訳しようかな)、自ら率いるstay real studioが手がけるブックデザインもいい感じ。スクラップブッキングをそのまま見せてもらっているようで、見るだけでも楽しい。旅行記を作る上ではかなり参考になるなあと眺めているのでした。

ワタシも香港や台湾に行き始めてもう長くなっている。行く理由としてはまあいろいろあるけど、決して流行りだから行っているわけじゃない。もちろん食欲もあるし注目のスポットも行くけど、基本的には自分の興味の赴くままに歩いている。もちろん、映画も観たいしね。そんな気持ちを持つと、この本での日本の旅の仕方に共感する。
昔読んだ哈日杏子嬢の日本大好きエッセイでは、「なんでそこまで日本大好きって言えるの?」と大いに戸惑ったのだが、流行りだからというわけでなく、日本が旅行先として最適で、そこで面白いものに出会えたり、大いなる刺激を受けられるからなのかなあとしばらく前から思うようになった。スタンス的には要するに一緒、って考えてもいいのかな。

阿信同様、いままでもこれからも「浪漫的逃亡」で香港や台湾に行くことになるのでしょう。てなわけでここしばらくの台湾旅行記のタイトルにこの本の題名を拝借し、今年作るZINEにもそのまま使うことにしたのでした。とちゃっかりしていてすみません。許してね>五迷の皆様。そんなわけで今年の台湾旅行話エントリはここで一区切り。

実は現在、澳門&香港旅行を控えているのですが、その間にもZINEの構想を練ることになるでしょう(^_^;)。はい、頑張ります。

↓おまけです。武道館ライヴはやっぱり楽しかったねー。

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『キン・フー 武俠電影作法』キン・フー/山田宏一/宇田川幸洋

 昨年フィルメックスで『侠女』を観て大興奮したのは記憶に新しいところだが、ちょうど20年前に出版されたこの本が職場に入っているのを思い出したので、先の記事を書くときには大いに参考になった。そんなわけで、今回は改めてこの本の感想を。


 今から20年以上前、東京国際映画祭やゆうばりファンタで来日されたキン・フー監督(以下カタカタ表記します)への三度のインタビューをまとめたのがこの本。その頃のワタシは香港映画ファンを始めたばかりではあったけど、返還がきっかけで起こった香港映画ブームにより次から次へと公開される新作映画に夢中だったので、こういう方面には全く目を留めなかった。今思えばとても残念なことをしたと思うが、当時はもちろん若かったし、香港映画にもここまで深く長くハマるとは自分でも思ってなかったもので。
 だから、刊行当時にこの本を読まれた方からすれば、かなり遅い読者にしてピントのズレた感想を書くことになるかもしれませんが、そのへんはどうかお許しくださいませ。

 一般的な香港映画のイメージとして、成龍さんや李小龍さんのカンフーものを挙げるのは今に始まったことではないのだが、実は彼らの登場より少し前の60年代後半に、香港映画は第1の黄金期を迎えていた。
 それを確立した映画人の一人がキン・フーさん。1932年に北京で生まれ、1949年に香港に移住し、50年代に映画の世界に入ってからは美術や俳優を務めていたという。本の第1章では大陸で過ごした幼少期について語っているが、その話が非常にスケールが大きくて面白かった。民国期の都会の典型的な大家族に生まれ育ったのだけど、両親や親戚、多くの兄姉の背景まで事細かに語られているので、この時期だけでも映画になりそうと思った次第。

 第2章からは香港に出てから映画に関わりだす話になるのだが、戦後10代で香港に行ったのは特に政治的な理由ではなく、海外進学を目指していたからというのが意外だった。得意の絵画がもととなって美術助手となり、それから俳優となるのは、オールマイティでできる香港映画人らしいキャリア。第3章からはショウブラに行き、いよいよ映画監督としてデビューを果たし、チェン・ペイペイの『大酔侠』(3章)台湾に渡って作った『龍門客棧』(4章)そして『侠女』(5章)と各作品を詳細に語っている。
 キン・フー作品で実際に観たのは、未だに侠女だけという情けなさなのだけど、昨年初めて大画面で観て疑問に思ったことや気がつかなかったことが多かったので、この本を後から読んで知識を補充できるのはよかった。連続掲載された侠女の例の竹林での闘いなど写真も多いのはわかりやすくていい。
 そして、最後のインタビューで語られていたある構想にあっと言ったのは言うまでもない。
そこでは、彼が亡くなった後にウーさんがハリウッドで撮影を切望していた《華工血涙史》について語られていたからだ。これは話を聞いてはいたものの、ワタシもすっかり忘れていたので、なぜか申し訳なく思ったなあ。

 案の定、文章を書いても自分の勉強不足を思い知ったので恥ずかしいところですが、以前も侠女で書いたように、キン・フーさんがもしいなければ、その後の香港映画の隆盛はなかったといえるだろうし、武侠映画や武侠小説に興味を持ったら、これを読んでさらに作品を観るとより理解が深まるので、良い教科書だなというのが総じての感想。また、60年代当時は香港と台湾が映画製作の基盤は別であっても、人が互いに行き合って映画をどう作っていったかという状況もわかるので、本当に貴重な記録である。
 草思社のサイトにはまだ掲載されていて、絶版にはなっていないようなので、まもなく東京で始まる侠女&残酷ドラゴン(龍門客棧)デジタル修復版上映に合わせて、書籍が動けばいいなと思っている。特に中華電影を観始めた若い観客には張り切ってオススメしたい。


…と、ここで不勉強丸出しな感想を書いたので、最後にダメ押しで自分の馬鹿さをさらけ出します。
 そういえばキン・フーさんについては、昔中国語の授業で読んだ《香港電影類型論》でもちゃんと論文が掲載されていたんですよ。でもすっかり落ちていたのでした。
ああもうほんとにすみません、そっちもきちんと読み返しておかないとなあ…。

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『台南 「日本」に出会える街』一青 妙

新年快樂   萬事如意

 昨年は劇場で中華電影をそれほど観ていなかったこともあり、あまり更新できませんでした。
今年は劇場のみならず、ソフトやTV放映等で未見作を押さえつつ、できるだけ劇場で観られるように頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 とりあえず、近日中には年末に観た『ストームブレイカーズ・妖魔大戦(万万没想到)』の感想を書きますね。

 で、年明け初の記事は台湾ネタです。

 相変わらず続く書籍界での台湾ブーム。
一時期の猫も杓子も的「おいしーい、かわいーい、ほっこりー」なトーンはだんだん鳴りを潜めているようだけど、それでも先月はHanakoやCREAで特集が組まれたりで、まだまだこの流れは終わらない感じ。
 そんな中、昨年は東海岸をとりあげた『わたしの台湾・東海岸』を出版した妙姉さんこと一青妙さんがもう1冊出した台南本を読みました。


 前著『わたしの台南』から発展し、見どころの多い台南の中でも、日本統治時代に建てられて、リノベートされた建物を中心に、かなりディープに紹介されているおもしろい本。新潮社の美術グラフ「とんぼの本」のシリーズの1冊なので、建築メインになるのは納得できる。
 雑誌の台南特集でも取り上げられるリノベカフェももちろんあるけど、國華街と西門路に挟まれた西市場や、現地でもパンフレットをもらった昭和天皇が皇太子の時に行幸したルートなど、面白い話が多い。中でも目を引いたのが、新渡戸稲造が関わり、ワタシ自身も昨年足を運んだ台糖の糖業博物館も含む台南に多く残る製糖工場跡と、安平にもある塩田跡。ここはそれぞれ統治時代に発展した産業であるので、これらを回るだけでも南部の産業もわかるのかもしれないなあ。
 もちろん、八田與一の功績は欠かせない。あとはやはり昨年行った新化のさらに先にあるマンゴーの名産地・玉井(統治時代最後の漢人による大規模武装蜂起抗日反乱と言われるタバニー事件があった場所でもある)も紹介されていたのがよかった。

 おいしさや可愛さを求めるのはもちろんアリだけど、もっとつっこんだ旅をしたいと思うのなら、こういう旅も面白い。ここ最近、職場で新渡戸や後藤新平などの岩手の先人と台湾との関わりを調べる機会が増えてきたので、これらを参考にして歴史をたどって行きたいものである。

 そうそう、その調べ物も兼ねて、来月11ヵ月ぶりに台南へ行ってきます。
書店や古書店、図書館で資料を探しながら、まだ行ってない面白い場所へ行くのが楽しみです。あーでも一応旧正月シーズンにかかっているから、《健忘村》《52Hz, I Love You》も観られたらいいんだけど。

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【2016ZINE新刊】『寶島幸福茶舗』ZINE version

 ご無沙汰しております。そしてお待たせいたしました。
今年のZINE『寶島幸福茶舗』完成いたしました。

 予告した通り、昨年と今年で旅した台南について綴ったフォト&エッセイ集です。
blog記事をたたき台にして本文は書き下ろし、blog未掲載の写真も少しあります。
今月開催された第1回文学フリマ岩手で頒布開始しました。

仕様/W148×H210㎜(A5)
28p(表紙カラー、中面モノクロ&カラー)
中綴じ
価格:450円(送料込)



 当日のブースはこんなかんじ。また、こちらにレポート書いてみました。

 また、文フリ合わせで、2年前に製作した『廿一世紀香港電影欣賞指南』も多少の改訂(2016年版前言・後言で『ミッドナイト・アフター』の紹介を追加)を加えて、再発行いたしました。

仕様/W148×H210㎜(A5)
24p(表紙カラー、中面モノクロ)
中綴じ
価格:350円(送料込)

 さらに、昨年製作した『我愛寶島』も愛猫篇・環島篇・日與夜篇も、僅かですがまだ在庫あります。こちらは完売後は再発行いたしませんので、ご了承ください。

【販売方法・お問い合わせ
1・twitterの@bs_yasagure(販売サークル「書局やさぐれ」のアカウントです)をフォローの上DMをお送りください。
2・下のコメントフォームに問い合わせ内容を入力ください。メールアドレスは必須です。
3・funkin4hk☆(@にしてください)gmail.comまでお願いいたします>ただ、こちらからのお返事は遅れる可能性がありますので、1か2でのお問い合わせのほうが確実です。

 なお、来年の6月に第2回文フリ岩手の開催が決定しております。
来年のZINEはこちらに合わせて発行予定。
内容は検討中ですが、旅行記続編は出す予定です。
後は「文学」フリマなので、以前から書いていた某シリーズもそろそろ復活させようかなーと(^_^;)。

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『太陽は動かない』吉田修一

 現在大阪を中心に撮影されている ウーさんの新作《追捕(Manhunt)》
あの高倉健さんの出演作で、文革終了間もない中国大陸で人気を博した映画『君よ憤怒の河を渉れ』と同じ原作小説(西村寿行氏著)の再映画化。つまり、リメイクではないというわけなのね。
 当初はアンドリュー・ラウ監督、アンディ&金城くんの主演、ヒロインはすーちーで企画されていて、監督がウーさんに交替してからもしばらくそのキャスト案は生きていたらしい。でも全てオファーが断られてしまったらしいのと、東アジア映画の大作として製作されることから、『戦場のレクイエム』のチャン・ハンユーが健さんの役どころとなり、映画版では原田芳雄さんが演じた警部を、なんと福山雅治が演じることになった。ヒロインは大陸のチー・ウェイ。他、韓国のハ・ジウォン、日本からは桜庭ななみ、國村隼さん、倉田保昭先生なども出演とのこと(詳細はこちら)。
 製作がおなじみ香港のメディアアジアだけど、メインに香港の俳優がいないのがほんとうに残念。でもこれまで『破風』『ヘリオス』などで、なぜこれだけ大規模な東アジア映画が作られながらも日本が絡めないのかと苦々しく思っていたこともあって、このプロジェクトには成功してほしいと思っているのだ。
 なんてったってさあ、フクヤマの事務所はあのアミューズだぜ。フクヤマや神木くんやタケルやperfumeだけでなく、おでぃーんや中国語が堪能なことをぜひ売りにしてほしい野村周平も所属しているんだぜ。それに20年前には香港映画に出資したり、香港の人気明星たちをサポートしていたこともあるんだし。
 なお、日本ではギャガでの配給が決まり、公開は2018年だとのこと。ちと先が長いなあ。でも楽しみ楽しみ。

 さて、今回は今後製作が盛んになってほしい東アジア映画の原作になれば面白いなと思った小説の感想。以前書いた『路』の吉田修一さんが、前者に先駆けて書かれた初のスパイ&冒険小説です。


 主人公はニュース通信社のホーチミン支局に所属する鷹野一彦。しかし記者とは仮の姿で、アジア各国を渡り歩いては機密情報を入手し高値で売り飛ばす産業スパイである。今回の任務は、新疆での油田開発をめぐる日中韓の利権争いの背後関係を探ること。情報を狙っているのは彼だけではない。韓国人スパイのデイビッド・キムと、AYAKOという日本名を持つ、国籍不明の謎の美女も動き出していた。サイゴンの病院で起きた銃撃事件や、ウイグル過激派が天津のスタジアムを爆破する計画など、複数の関連事件を探りながら真相をつかもうとする鷹野だが、部下の田岡が何者かに拉致されたことから、壮絶な情報戦に拍車がかかっていく…。

 アジアの闇事情に通じる上海雑技団のボス、武闘派のウイグルゲリラ(女性)、中国共産党の若手政治家から、日本の政界の重鎮までが登場して物語に絡んでくるが、日本の目的はエネルギー政策。この小説が発表されたのが4年前の春、しかも書き下ろしとのことなので、3.11は意識していたことはわかる。そういう背景でアジアでのインテリジェンスを描いているので、面白く読んだ。日本のスパイものをあまりよく知らない(公安だったらドラマ&映画の『外事警察』が思い浮かぶんだが)から、なおさらかもしれない。

 でも、ちょっと引っかかりを覚えたのが、鷹野たちがスパイとなった由縁。クールなスパイものにしてはあまりにウェットでヘヴィな背景を背負っているのだ。彼らの所属するAN通信が今いろいろ言われている某公共放送が計画しながら頓挫したアジア版CNNから生まれたというアイディアは悪くないんだけど、兵隊として使われる彼らがあまりに突拍子もない設定をしょっているので、それでいいのかなー?とちと疑問で。この件は昨年発売された第2弾『森は知っている』で書かれているらしいので、文庫化されたら読もうかな。

 いずれにしろ、映画化したらかなり面白そうな話。
日本で企画を立てて香港や台湾に持って行ってもいいだろうしね。制作費がなかなか取れない現実はもちろんわかっているけど、少女漫画原作ばかりでなく、こーゆー重厚な東アジア映画もたまに邦画でやってくれてもよくってよ。

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