芸能・アイドル

シャン・チー テン・リングスの伝説(2021/アメリカ)

サンフランシスコのホテルで駐車係をしている華人の青年ショーン(シム・リウ)。同僚で10年来の親友ケイティ(オークワフィナ)とカラオケで歌いまくって朝まで遊び歩いたりと、自由気ままな生活を謳歌していた。ある日、マカオに住む妹シャーリン(夏令/メンガー・チャン)から便りが届き、それと時を同じくしてショーンの周りに怪しげな男たちが出没するようになった。彼らは千年の永きに渡り世界の裏で暗躍してきた犯罪組織「テン・リングス」のメンバーで、その首領シュー・ウェンウー(徐文武)はショーンことシャンチー(尚氣)の実の父親だった。テン・リングスからの刺客から逃れたシャンチーは、ケイティと共にシャーリンの待つマカオに向かうが、そこには数多くの罠が仕掛けられていた…

アイアンマンやキャプテン・アメリカなど数多くのヒーローを生み出し、2010年代は彼らがチームとなって強大な敵に挑むさまを『アベンジャーズ』シリーズとして製作してきたマーベルスタジオ。ディズニーの子会社となって今や米国を始めとした世界のエンタメの頂点に上り詰めた感もあるこのスタジオが作り続けたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)も、2019年の『アベンジャーズ・エンドゲーム』をその集大成として一区切りを迎えた。
2020年代を迎え、ポスト・アベンジャーズの新フェーズに入ったMCU。エンドゲームで何人かのキャラクターが退場し、また新たなキャラがそこに加わることとなったが、その先陣を切ってデビューしたのが、マーベル初のアジア人ヒーロー『シャン・チー』
監督は『ショート・ターム』『ガラスの城の約束』『黒い司法』を手掛けたハワイ出身のデスティン・ダニエル・クレットン(ちなみに彼の作品の常連俳優であるブリー・ラーソンは、現在のMCUの中心をなすキャラクターのキャプテン・マーベルも演じている)タイトルロールを演じるシムは中国生まれカナダ育ちの新人俳優で、実質上の初出演映画が初主演というラッキーボーイ。
しかし、この映画で最も驚かされたのが、近年「香港のレジェンド」と称されるようになったトニー・レオンが、御年59歳にしてハリウッドデビューを飾ったこと。役の名はウェンウー。トニーにとっては初の本格的な悪役(ヴィラン)で、初の成人した子供がいる父親役である。

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ジョン・ウーが『フェイス/オフ』を監督し、チョウ・ユンファがハリウッドデビューを控えていた1997年。『ブエノスアイレス』が世界的に高い評価を受ける中、当時のトニーは日本の雑誌のインタビューで「ハリウッドに行く気はない。アジア人にはどうしても悪役が回ってくるから」というようなことをコメントしていたのをふと思い出した。共演したレスリー・チャンも別の媒体で同じようなことを言っており、両者ともその発言通りに中華圏で活動を続け、国際映画祭やアーティスト活動で知名度を広げていった。
『花様年華』『ラスト、コーション』『レッドクリフ』二部作に『グランド・マスター』と2000年代のトニーは次々と国際的な話題作には出演していったが、2010年代後半は出演作も減少した。さらには2018年には長年マネジメントを委託していた澤東公司との契約を終了し、実質上フリーになっていた。今後どのような作品に出演するのかと思っていた頃に2019年にマーベルから発表されたのが、『シャン・チー』への出演だった。長年のトニーファンとしては、これは喜ばしいというよりも意外性と驚きに満ちたニュースであった。

「ハリウッドに行く気はない」発言から24年、花様年華でカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞してから21年。この間の様々な変化を考えながら、なぜトニーがハリウッドに行ったのか、ということを考える一方、MCU作品の変化等も考えながら、今回は感想を書いていきたい。

★ここから先は『シャン・チー』本編及び複数のMCU作品の内容に触れています。
なお、タイトルは『シャン・チー』ですが、中国人名は音で日本語表記する場合は名前に「・」を入れないので基本的に「シャンチー」と表記します。


1・自分の知識内だけで試論的に述べてみるMCU映画としてのシャンチー

私は香港映画を始めとする中華電影迷を名乗ってはいるが、実質上は洋邦及び公開規模を問わず、地元の映画館で公開される映画は何でも観る傾向にある。MCU映画も例外ではなく、いくつかのシリーズを見落としてはいるが、8割方は観てきたと思う。お気に入りのキャラクターであった『アイアンマン』でも、の公開時に別のblogでかなりふざけまくった感想を書いているくらいなので、参考としてリンクを貼っておく。

スーパーヒーロー映画といえば、どうしても勧善懲悪と思いがちである。世界各国のメディアで多くのヒーローが誕生した20世紀は、冷戦構造で敵味方がはっきり分かれていたこともあり、それでも問題はない実に牧歌的な時代であった。
そんなヒーローたちに囲まれて、我々は成長してきた。
21世紀になり、冷戦の終了から世界の対立が変化し、過去10年間でも新たな分断と対立が表面化してきた。そんな時マーベルが製作した映画は、一癖も二癖もある多種多様なヒーローたちの物語であり、社会状況の変化とともにその内容をアップデートさせてきた。2010年代後半のハリウッドで問題提起されたダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(属性の包括)、metooムーブメントを受けてブラックパンサーやキャプテン・マーベルが新たに登場したり、ブラックウィドウの初登場時からの大きな変化や、アントマンと共に戦うワスプの登場など前線で戦う女性キャラクターも増え、時代の変化をうまく読み取ってシリーズを広げてきた。
また、MCU以外に目を向けると、ハリウッドでは主要スタッフもキャストもすべてアジア人という『クレイジー・リッチ!』の大ヒットが起こり、さらに中国での映画市場が世界2位の位置につけるなど、米国内外的にもアジア(特に中国語圏)の存在が大きくなってきていた。(それはつい最近発生した国内でのアジア人差別というネガティブな動きも含んでの話でもあろう)
全宇宙の人口半減という企みを持った最大の敵サノスを迎え撃ったインフィニティ・ウォー&エンドゲームで2010年代のフェーズを一区切りし、トニー・スタークやスティーブ・ロジャース、ナターシャ・ロマノフなどのアベンジャーズ初期メンバーが「退場」した後、次に語る物語には世界の流れも見据えた多様性や多文化共生が必要と見たのだろう。それで、ブルース・リーがアメリカを始め世界を席巻していた1970年代生まれのこのカンフーヒーローが満を持して登場することになった。もちろん、先に挙げたような中国市場を狙っていることもあるだろう。

一方、マーベルと双璧をなすアメコミブランドであるDCコミックスの作品では『ダークナイト』シリーズや『スーサイド・スクワッド』などで、ジョーカーやハーレイ・クインなどかなり個性の強いヴィランが活躍し、タイトルロールとして独立した作品もある。もちろんマーベルでも、先に挙げたサノス、ソーに対するロキ、スパイダーマンシリーズから生まれたヴェノムなど魅力的なヴィランが登場しているが、DCのジョーカーのように、近年はヴィランにもドラマティックな背景を設定して主人公と対峙させる傾向にある。もともと、シャンチーは父親が英国の作家によって生み出された怪人フー・マンチューの息子としてコミック版で設定されており、やがてその名前が使えなくなったために実際にコミックに登場することはなくなったという。しかし彼はマンダリンと名を変えてアイアンマンに自らの組織テン・リングスを率いて登場することになったため、その設定をさらに映画に生かしたのが、今回のウェンウーとなったという。そして、この役にトニーを迎えるために加えられた設定が、まさに彼にしか演じられない役どころとなっていたのに驚いた。クレットン監督も加わった脚本陣も、そのスタッフも、本当にトニーに惚れ込んで三顧の礼を尽くしたのではないか、と考えてしまった。

2・世界よ、これがトニー・レオンだートニー・レオンによる愛の映画としてのシャンチー

千年不老で権力欲の権化(という表現でいいかどうか…)である犯罪組織テン・リングスの首領ウェンウー。
これまでマーベルコミックに登場したテン・リングスの首領はマンダリン始め様々な名前で呼ばれてきたが、みな彼の偽名で替え玉も使っている(そのうちの一人、偽マンダリンことトレヴァーを演じたのが『アイアンマン3』に続いて登場のベン・キングスレー御大!)ので、正体は謎のままだった。
この謎に満ちた存在であるウェンウーは、常に笑みを浮かべており、何を考えているのかわからないところがある。その一方で妻でありシャンチー&シャーリン兄妹の母であるインリー(映麗/ファラ・チャン)を失ったことで、息子を自分の跡取りとして厳しく鍛え、暗殺者として育ててしまう一種の激しさがある。確かにこれはネグレクトとしか思えないし、シャンチーにとってのウェンウーは毒親と言われるのも大きくうなずける。本当に迷惑な父ちゃんである。
しかし、この映画を「トニー・レオンの映画」として観てみると、シャンチーには申し訳ないが、このウェンウーがトニーが演じるに相応しい、実に魅力的なキャラクターに仕上がっていたのだ。ずるい。こんなキャラクターを生み出してしまうのって本当にずるい。そして簡単に彼をヴィランなどと呼んじゃいけない。とつい感情的になってしまって申し訳ない。

千年間も悪事を尽くしてきたウェンウーが狙った豊かな村での運命の出会い。映画の冒頭で展開される勇敢な戦士インリーとの舞うような戦いには、この男が本当に邪悪な盗賊なのかと疑ってしまうほどの美しさを見出せる。後半の舞台にもなる大羅(ダーロー)村の色彩は実に美しく『グリーン・デスティニー』や『HERO 英雄』を思い出させる。この戦いで彼は打ちのめされ、そして彼女を愛してしまう。千年生きてきた先にウェンウーが見つけたのはこの愛である、という描き方は、トニーが数々の愛に生きる男を演じた姿を何回も観てきた我々には非常に説得力がある。そして、その愛が彼の手から失われてしまったらどうなるか、ということもよくわかる。
すでに30年近くトニーに付き合っている我々にはすっかりお馴染みの展開であるのだが、これをハリウッドの、しかもマーベルコミック映画として堂々と取り上げたのはお見事である。悪に染まった男がこれまでの人生を捨てるくらいの価値観の変換をその愛から得て、彼女を失った故の悲しみと狂気を描くのは、これまでのヒーローものでもあまり見たことがない。作り手もトニーだからこそ演じられるキャラクターとしてウェンウーを設定したことには、心から敬意を表したい。
約10年前に『アベンジャーズ』が公開されたとき、「日本よ、これが映画だ。」という上から目線のコピーが物議を醸したが、それを受けてあえて言わせてもらおう。

世界よ、これがトニー・レオンだ。

Wenwu

3・香港映画は死なないーシャンチーにおける中華電影へのリスペクト

トニーだけではなく、この映画には香港映画を愛する我々にはお馴染みの俳優たちも続々登場する。
闇の力を封じ込めて守る大羅村の長で、インリーの姉でもあるインナン(映南)を演じるのは、25年に近いハリウッドでのキャリアを誇るミシェル・ヨー。彼女と共に村を守り、ケイティを戦士として鍛えるのは、こちらもお馴染みのユン・ワー。香港映画好きならトニーと共に「我らが」と称したくなるレジェンドたちの登場には大いに胸をワクワクさせられて、作り手の香港映画へのリスペクトが強く感じられるのがよい。
先に挙げたインリーとの出会いの場面には『グランド・マスター』での宮二との手合わせも思い出させるし、男女等しく鍛錬に励む大羅村の場面は、キン・フーやツイ・ハークが描く時代劇も彷彿とさせる。インナン&インリー姉妹やシャーリンがともかく武芸に秀でているというのがまさに武侠映画。ついでにテン・リングスが指輪ではなくて腕輪であるというのも『カンフーハッスル』等を彷彿とさせていい。(参考としてtonboriさんの感想もどうぞ)もちろん、序盤でシャンチーがテン・リングスの武闘派レーザー・フィスト(フロリアン・ムンテアヌ)と繰り広げるバス内のバトルは黄金期のジャッキー・チェン作品のようだし、シャンチーの教育係だったデス・ディーラー(アンディ・リー)の仮面は歌舞伎や京劇と同時に『レジェンド・オブ・ヒーロー 中華英雄』に登場する鬼僕も思い出した。その他、シャンチーやシャーリンの部屋を飾るポスターに至るまで見ればきりがないが、ともかく全面的に70年代から2000年初頭までの香港映画および中華電影に対するオマージュとリスペクトが詰まっている。これはもうお見事。シャーリンの髪からハリウッドのバトル系アジアンガールのアイコンでもあった色メッシュが排除されたり、クレジット等に怪しげなオリエンタル的フォントが使われなかったのも「よくわかってる」しるしでもある。

香港映画好きとして、現在大陸が香港に強いている検閲の強化は本当に残念で悔しく、黄金期のような楽しい香港映画が今後登場するのかと考えるとどうしても不安になる。それもあって、個人的には香港映画のテイストを少しでも感じさせるもの(例えば『るろうに剣心』シリーズ)を観てしまうと、もうそれを全力で支持してしまう傾向にある。かつて黄金期の香港映画を支えた人々は去ってしまい、現在は若手監督たちが珠玉の作品を生み出しつつも厳しい状況にあり、一方香港映画人を多く起用した大陸での作品も…といろいろ考えることが多く、香港映画の未来を考えては切なくもなってしまうのだが、華人を始めとしたアジアの映画好きの根幹にある香港映画的なスピリットをちゃんと生かしてくれたスタッフに感謝している。
そして、アクションコーディネーターのひとりが『ゴージャス』を始めとした成龍作品で大活躍したブラッド・アラン。彼はこの映画の公開直前に急逝。ご冥福をお祈りいたします。

4・がんばれシム、ひっかき回せオークワフィナ ニューキッズたちのこととかその他いろいろ

言いたいことはだいたい言ったので、このへんで締めてもいいのだがやはりもう少し。キャストについて。
タイトルロールのくせに今まで全く触れてこなかったシャンチー。シムには大変申し訳ないが(通算二度目)、ティザービジュアルを見て思い切り叫んだ。
「あのトニー・レオンからこの息子が生まれるなんてありえない!」と。
ジャッキーの例を挙げるまでもなく、カンフーヒーローはファニーフェイスである方が親しみが増す(例えば『カンフー・ジャングル』の王寶強もアクションスターであるが、ファニーフェイスを活かした『唐人街探偵』シリーズや『新喜劇王』などコメディを得意とする)のは確かなことだ。それであっても地味である。ほぼ映画初出演が初主演という、まさに朝ドラヒロイン(比喩としては「仮面ライダーシリーズの主演」の方が適しているのだろうが、新人の登竜門としての知名度は朝ドラの方が大きいのであえてこちら)的なサクセスを果たしたとしてもやはり地味である。これだけ地味地味言っているが、決してけなしているのではない。実際演技を見てみると、ちゃんと身体も動くし、本人も意欲的にに取り組んだことがよくわかるし、まだまだ伸びしろはある印象。なによりハリウッドもアジア系の新星を求めているのだろうから(アジア系男優としてすぐ思い出せるのは韓国系のジョン・チョーやマレーシアにルーツがあるヘンリー・ゴールディングあたり。もちろん香港で活躍してきた米国生まれのダニエル・ウーも忘れてはいけない)今後も多種多様な作品で活躍することを望む。
『オーシャンズ8』『クレイジー・リッチ!』等で強烈な個性を発揮するオークワフィナはここでも大活躍。彼女の演技はハリウッドのアジア系女子キャラのステロタイプをどんどん破壊しまくるようで見ていて実に痛快(個人的には繊細さを見せた『フェアウェル』が好きだけど)怖いもの知らずでやかましいけど頼りになるし、シャンチーの運命に付き合ううちに自身も勇敢な戦士として成長する姿は見所あるし、むしろ彼を喰っている。ケイティはMCUの新たなトリックスターになっていくのかな。
その他、やはりこれがハリウッドデビューとなった南京出身のメンガー・チャン(中国名が張夢兒というので、むしろ”メンアル”だと思うのだが、このままの表記でいくのだろう。シムも中国名だと「思慕」らしいし)日本ではJJモデルとしても活躍したという(!)ファラ・チャン等、ニューキッズな華人俳優が一気に登場。
あと、ニューキッズと言っていいのかだが、こんな子も登場。
トレヴァーの相棒にしてインリーに懐いていた(らしい)大羅村の不思議な生き物、モーリス。

Maurice
まさかこの子が山海経に登場する帝江(渾沌)がモデルであったとは。
それに全く気付かない中文系出身者は深く深く反省している。(参考として達而録のこの記事をどうぞ)

ここまでかなり絶賛しているが、それでも不満に思う個所はいくつかあるので、個人的に欠点と思うところをいくつか。
まず、中国市場を狙ったこともあって劇中は中国語(北京語)台詞がほぼ半分という試みは実にいいのだが、トニーの中国語台詞は広東語で聞きたかった。ケイティとおばあちゃん(『007は二度死ね』等に出演したベテラン華人俳優ツァイ・チン)との、英語と北京語の掛け合いがよかったので、ここでは多言語が飛び交う香港映画に倣って、トニーだけでも広東語ダイアログでもよかったと思う(蛇足だが、そういえば多言語会話は現在公開中の日本映画『ドライブ・マイ・カー』でも実験的に展開されていた。演技者のバックボーンを伺わせる表現方法として今後も有効だと思う)
あとは完全ネタバレで書くが、最終決戦となるダークゲ―トの魔物とシュー家の人々と対決場面。最大の危機であるし、ここでウェンウーが退場するのは展開的に致し方ないのだが、その後がどこか間延びしてしまった感もあった。別れの場面はもう少しタメというか情が感じさせられる場面に仕上げてほしかった。それを求めるのはあまりにも贅沢だろうか。あの魔物もここ10年くらいの怪獣映画に見られるどこかキモい(口が悪くて失礼)造形だったのも興ざめであったかな。モーリスを始めとした大羅村の魔物たちやシャンチーが呼び寄せた神龍の造形がなんとかギリギリ中華風味のラインを保っていて感心しただけ、そのあたりは残念だった。

5・とりあえずMCUは脇に置いといて、CEOケヴィン・ファイギに直訴したいこと

運命を変えた大羅村の戦いからサンフランシスコに帰還したシャンチーとケイティのもとにやってきたのは、マカオでニアミスしていたチベット僧のウォン(『ドクター・ストレンジ』の中華系イギリス人俳優ベネディクト・ウォン)。彼が二人に引き合わせたのはキャロル・ダンヴァースとブルース・バナー。兄は父から腕輪を継承し、妹は組織を受け継いだ。「指パッチン」後の地球と宇宙にまた新たな危機が迫ろうとしていることを匂わせ、テン・リングスの再来を宣言してこの物語は幕を閉じる。
こうしてMCUの新フェーズが幕を開け、『ノマドランド』で称賛を受けた華人女性初のオスカー監督クロエ・ジャオの手がける『エターナルズ』(メインキャストに『クレイジー・リッチ!』のジェンマ・チャンと韓国のマ・ドンソクが参加)やトム・ホランド主演の『スパイダーマン』シリーズの新作がこの後に続くとのことだが、あまり事を広げたくないのでMCUは脇に置いておく。

SNSに流れてくる動画や記事を読む限り、ともかくトニーが絶賛されまくっているのだが、クレットン監督やシムたちスタッフやキャストはもとより、マーベルCEOのケヴィン・ファイギまでこんなことを言っていて腰を抜かした。

「たくさんの映画スターや伝説的人物とご一緒してきましたが、セットで彼をお見かけした時、ほとんど言葉を失ってしまいました。まるで空から降りてきた異世界のスターのようだったから」

マーベルのえらい人が、ただのファンになっておる…
というわけで、この1作だけで世界中にトニーのファンを爆発的に広げてしまったのは確かなので、できることならファイギCEOに以下のことを直訴したい。
MCUシリーズからのスピンオフとして、ウェンウーの1000年間の人生を描いた『テン・リングス The Beginning』の製作を。それも配信ドラマではなくちゃんとした映画で。これ以上注文をつけるときりがなくなるので、とりあえずこのことだけは直訴する。どうか前向きな検討を願いたい。

終わりに

最初に提示した「かつてハリウッドに行くつもりがないトニー・レオンがなぜシャンチーに出演したのか?」という問題に対しては、ここまで考えると、全てが良いタイミングが揃っていたということで結論にしたい。先にも挙げたハリウッド及びMCUのアップデート、スタッフ陣の熱いラブコールはもちろん、マネジメントの変更、年齢的なタイミング、そして映画業界の変化など、様々な要因がハリウッド進出にいい方向に向かったということで、『悲情城市』『恋する惑星』から長年ファンをしている身としては、この成功とハリウッドデビューを心から喜んでいる。今後は数本の映画撮影に加え、久々のドラマ参加も控えている(何とかして観たい…)そうで、あくまでも香港を拠点に場所を問わない活動をしていくようなので、コロナ禍明けが待ち遠しくなる。

しかし、若いころから侯孝賢や王家衛といった世界的に評価の高い中華圏の監督作品に参加し、カンヌ映画祭でアジア人として2人目の最優秀男優賞を受け、『インファナル・アフェア』はハリウッドと日本でリメイクされ、日本も資本参加した『レッドクリフ』二部作の主演も務めてきた香港を代表するこの俳優が、たった1本の大作映画(しかもアメコミ原作)で一気に知名度が上がり、言うなれば「再発見」されてしまったことには複雑な気持ちを抱いてしまう。それもまたハリウッドの威力のすごさでもあるのだが。
それでも、新たに彼を知った人には過去作というお楽しみがたくさんある。トニーは1990年代の香港映画黄金期と台湾ニューシネマ最晩期、2000年代の大作中国映画にそれぞれ代表作がある現代アジア映画史の重要人物でもあるし、出演ジャンルも多岐にわかるので、若き頃の彼の活躍に是非魅了されてほしい。そして、いろいろと話ができればとても嬉しい。

 

期間限定公開のようですが、これはやはり載せずにはいられない。
「ネタバレ厳禁!」とのことですが、このblogは鑑賞後に読んでもらうことを想定としていますので、どうかお許しください、ボス。

監督&脚本:デスティン・ダニエル・クレットン 製作:ケヴィン・ファイギ&ジョナサン・シュワルツ 脚本:デイヴ・キャラハム&アンドリュー・ハナム 撮影監督:ウィリアム・ホープ プロダクションデザイナー:スー・チャン 衣裳:キム・バレット 音楽:ジョエル・P・ウェスト
出演:シム・リウ オークワフィナ メンガー・チャン ファラ・チャン フロリアン・ムンテアヌ ベネディクト・ウォン ユン・ワー ベン・キングスレー ミシェル・ヨー トニー・レオン 

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Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

 台湾の伝統的人形劇・布袋戯については、『戯夢人生』でも少し書いたけど、それを現代的に発展させた霹靂布袋戯についてこれまで全く触れてきませんでした。すみません。ホテルのケーブルで多少観たことはあるという認識しかなかったのと、2002年に日本公開された映画『聖石傳説』(予告はこちらから)を観る機会に恵まれなかったからってのが大きな理由です、ハイ。

 そんなわけで今年の冬、『まどか☆マギカ』を手がけ、『仮面ライダー鎧武』の脚本を書いたクリエイター・虚淵玄氏の新作が霹靂で製作されると聞いた時、うっかりスルーしかけて「え?」となったのでした。
 いやまあ、ワタシかなり前にアニメファンやめてるから、まどマギって全然知らんし、特撮ドラマは観てても鎧武はキャスト的にも物語的にもなんかのれなかった。それでもよく話題に上がるし、この方の名前はネット界隈ではよく聞くので、へー虚淵さんって人気のクリエイターさんなんですねー(棒読み)、と思うくらい。

 それが、この夏より日本で放映が始まった『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』。
こちらでは中文題から「東劍」と呼ばせていただきます。一般的には「サンファン」の略称を使うようですが。まあ、こちらは中華趣味blogですので、アニメや特撮絡みの感想には決してならないことを、先にお詫びしておきます>と検索でうっかりここに来ちゃった皆様へ 


ここは中華blogなので、台湾版PVを。

ついでにこれも。主題歌はT.M.Revolution。かなりアガる。素晴らしい!
本編の音楽は朝ドラ『まれ』の澤野弘之さん。ヴォーカルをサントラに多用するという特徴があって、東劍でもメインテーマが英語詞(多分)コーラス。

 物語は公式サイトを参考にしてもらうとして、さてどないなもんかとBS11で視聴してみたところ(関東だとTOKYO MXで観られる)、いやこれが予想以上に面白かった!霹靂って今こんなふうになっているのか!と感心しちゃいましたよ。
 人形は普通の布袋戯よりかなり大きく、ワイヤーアクションやCG合成は当たり前で、日本のライヴアクション特撮とほぼ同じレベルにまで進化しているのに思わず目を見張ったけど、唇や目などの微妙な動きも巧みで、感情豊かな表現があっていい。そして、斬られたら流血する場面も思い切って見せるにも驚いた。いやそれだけではない、致命的な攻撃を受けて人体が爆発する場面まで!でも全然汚くない!まさに「散華」するように散っていく。それもすごい。

 あとはね、人形ゆえに登場人物がことごとく美形で、それがまた嫌味にならないところもいい。ページではニトロプラスのデザイナーたちによる原案も一緒に見られるのだけど、いかにも日本ですぐアニメやゲームにできますよー的なデザインを、よくぞここまで自分たちの様式に落とし込んで美形にしたなと思ったもの。(ニトロファンの皆さんすいません)
 主人公コンビである銀髪の美丈夫・鬼鳥こと凜雪鴉と無精髭に白髪交じりの剣客・殤不患を見るとこのへんはよくわかる。これはいい仕事だわ。あとは声優さんたちの熱演も相まって、キャラにそれぞれいい味がついてくるんだろうな。今のところまだ3話までしか観てないから断言はできないけど。
 殤不患が典型的巻き込まれキャラで面白いね。彼をどんどん巻き込んでは焚き付け、それをニヤニヤ見てるような凜雪鴉のややドSな感じも楽しい。

 物語世界もちゃんと作りこまれているようだし、武侠小説的な雰囲気もちゃんと尊重しているみたいなので、あれこれと研究して書いているのかもな。なにより虚淵氏がかなり霹靂に惚れ込んでいるようなので、それをうまく日本に紹介してもらえたことには感謝するなあ。もしかしたら今後どんどん悲劇的な展開になっていく予感もしないでもないが、1クール放映とのことなので最後まで見守りますか。 

 そして東劍をきっかけにして、日本のアニメ好き&特撮好きの皆さんが、他の霹靂布袋戯に触れたり(このスタイルの布袋戯は霹靂以外でも製作しているらしい)、金庸や古龍の武侠小説を読んでくれたり、その延長線上で中華圏の武侠電影にも興味を持ってくれたらと思うんだけど…うまく広げられるかなー、広がってくれるといいなあ。

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大館の御成座で『捜査官X』を観る

 今回は久々に映画の話題です。

 シネコンの都心進出と対比して、シネマート六本木やシネマライズの閉館、新宿武蔵野館の休館など、都心では単館系映画館の寂しい話題が続き、地方の映画ファンでも残念に思うこの頃。
 北とーほぐの我が街にはメインストリートに交差する「映画館通り」がありますが、実際は5館14スクリーン。年間上映本数が1000本を超えるここ数年ですが、どうしてもシネコンではメジャー作品が上映の中心になるので、香港映画や台湾映画の上映本数は悲しいほど減りました。まあそれでも、今月末には実に18年ぶりのホウちゃん作品上映になる『黒衣の刺客』やピーター・チャンの新作『最愛の子』が地元上映されるので、ちょっとはホッとしてます。あ、当然(笑)『ドラゴン・ブレイド』は上映されますけどね。

 それは置いといて、先日、秋田県大館市にある御成座に行ってきました。
我が街から大館は高速バスで2時間20分位で行けます。

 御成座は1952年に開館した洋画専門のロードショー館で、老朽化により2005年閉館。駅から徒歩3分という地の利の良さのため、常設館としての再建も試みられたようですが、2014年7月より平日はイベントホール、週末に映画上映という形で利用されることになったそうです。上映はフィルムとBDの併用で、ドルビーSRDも導入されているとか。そしてなんといっても幅9メートルの大画面が魅力的!

 これまでの上映はとーほぐではなかなか観られないミニシアター上映作品や国内外の往年の名作など。香港映画は成龍さんの『ファースト・ミッション』が昨年上映されています。SNSでの情報発信も積極的に取り組んでいて、飛ば…じゃなくてユーモアと情熱あふれるtweetが楽しいです。

 で、ここで観たのは…

『捜査官X』でした。初映時に関東で観たものの、結局地元盛岡では上映されずに終わり、同年のもりおか映画祭でも「せっかく谷垣さんがるろけん上映で来盛されているのに、なんで出演作品を上映してくれないのー!」と一人勝手にブーたれていたという、例の件のアレです。まあ、個人的な想いなのでこれはこのへんで。

 さて、ここで久々の劇場上映を盛り上げるために、御成座さんが用意した数々のアイテムをご紹介いたしましょう!

 オサレなカフェ風ブラックボードにキメキメのロゴデザインとキュートでファンキーな似顔絵!※意見には個人差があります。

 上映のために地元の看板屋さんに描き下ろしていただいたというイラスト看板!
これは盛岡名物ピカデリーの絵看板と双璧をなすぞ!

4月までの上映ラインナップ。ピアノ伴奏付きサイレント映画上映会なども行われているそうです。
そしてとーほぐ、雪国秋田といえばこれだ!どや! 

金城徐百九だるま&ド兄劉金喜だるま!いやー、似てるなあ。
今年は暖冬で雪が少ないので、もっと積もってたら面白かったんだけどなあ…。

 昔の映画館ゆえ、建物が古いのはまあ仕方がないのだけど、場内にはブルーヒーターがあったので(!)、ストーブに当たりながら久々の大スクリーンでド兄さんと王羽さんの激烈な闘いを堪能いたしました。フィルム上映だったのもまた良し。

ちなみに↓は、ロビーにあった旧型の映写機。

ロビーには市内の映画サークルでアジア映画ファンの方の愛蔵書(だいたい持ってたわ…あは)やパンフも展示。そしてこんなポスターもね。

このように往年の映画館の雰囲気を漂わせているけど、実は結構フリーダムな館内。
そのフリーダムさを象徴するのが、この子。

御成座さんのアイドル、うさぎのてっぴー。
普段はストーブの前が指定席らしいのですが、一度椅子の下に潜るとなかなか出てこないとのこと。当日がそうでした(笑)。
むくむくしてかいらしいんだけど、うまく撮れなくてすみませぬ。

 こんな感じの映画館で楽しんできました。
 東北の映画館も郊外のシネコンが多く、県庁所在地ではミニシアター作品が上映されても、仙台や山形で上映されても盛岡や他の小都市まで来なかったり、名画上映ももっと選択肢があってもいいよなと思うのだけど、御成座さんのように、小さな都市の映画館として往年の作品と癖のあるミニシアター作品をうまい具合に上映していけるのは面白いと思うし、東北各地の小さな単館でも楽しくできるという可能性を示してくれるような気がしました。岩手にも盛岡以外で小さな映画館がいくつかありますが、そこでもなにか面白い映画がかかれば観に行きたいですよ。できればアジア映画を…成龍さんの以外の(ごめん、贅沢言って)。

 とまれ、御成座さんは今後も応援いたします。またアジア映画が上映されたら観に行きますね。今度は夏に行って、夕方まで楽しみたいわ。
 そんなわけで、全国の映画ファンの皆様、とーほぐを旅するときには、是非大館の御成座へ!そのついででもいいから、盛岡にも来てねー(と一応地元アピールもしようっと)

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進め!キラメキ女子/小資女孩向前衝

 いやー、朝ドラ効果って本当にすごいわ、と、現在放映中の『あさが来た』で大阪の大恩人こと五代友厚を演じていたディーン・フジオカ(以下おでぃーん)のブレイクを見てつくづく感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?(笑)
 かつて傑作朝ドラ『カーネーション』で同様にいきなりモテまくった綾野剛の役どころには全然これっぽっちも魅力も感じず、なんでみんなそんなに騒ぐの?と腑に落ちなかった過去があるんだけど(ファンの人本当にすみませんごめんなさい許してください。俳優としての綾野の魅力は承知しております。でも周防さんだめだったの、アタシ)、おでぃーんの五代はんはホントにカッコよくて颯爽としていて、ヒロインに想いを寄せてもスルーされるけど(こらこら)これはええわーって思っちゃうもの…まあ、そーこー言っても惚れませんけどねー。
 そんなワタシは先日のお茶会で、師匠となぜかおでぃーん話で盛り上がってしまったのでした。ははは(^◇^)。

 おでぃーんといえば、福島出身の日本人にして、ヤンヤン・マク監督の香港映画『八月的故事』(2006)でデビューし(この時は本名の藤岡竜雄名義。おでぃーん人気でソフト化しちゃえばいいのに…って未見なので)、その後台湾に移って数多くのドラマに出演したというプロフィールは、台湾ドラマをあまり観ていないワタシでも知ってるくらいだから、同好の士の皆様はすでにご承知かと。『八月的故事』がTIFFで上映された時、残念ながら観る機会に恵まれなかったので、我が初おでぃーんは、なんと『ハーバー・クライシス』の1作目でした。でもあまり印象に残らなかったなあ。結局、ドラマよりも映画に出てくれないと、顔も名前も覚えないものなのね。

↑4年前に香港でるろけんが上映された時のプレミアムノベルティがこのコラボうちわ。
これは裏面にアミューズアーティストが紹介されているが、フクヤマやワンオクやぱひうむと共にすでにおでぃーんが!

 さて、こんなマクラから本題に行きますが(ちょっと流行りに乗ってみたー。笑)、昨年は台湾映画を多く観ていたワタクシが一番気になった女優が、『共犯』 『風の中の家族』 『百日草』に出演していたアリス・クー(柯佳嬿)。1985年生まれ、デビュー作は日本でも映画祭で上映された『一年之初(一年の始め)』で、ご存知『モンガに散る』でマーク演じる蚊子が思いを寄せる娼婦を演じてたのね(当時は英語名がまだなくて「クー・ジャーヤン」名義)。王家衛率いる澤東の台湾のマネジメントオフィスに所属してて、映画では他に『光にふれる』のサンドリーナ・ピンナと共演の《渺渺》など。これは日本未公開なので、今度台湾でソフト探してこよう。


 アリスがヒロインを務めているMVがジェイの『楓』劉畊宏の『彩虹天堂』
そうそう、この2本で前後編の物語になっていたのでした。


 角度によっては石原さとみにも見え、髪を下ろすとオノマチ(尾野真千子)にも似ている。いや、同意してくれる人は多分少ないと思うが。

 そのアリスが2011年に主演した台湾ドラマ『進め!キラメキ女子』が現在我が地元IBC岩手放送で日曜深夜に放映中。そんなわけで、観てみましたよ。

 京師百貨公司(デパート)に勤める沈杏仁(アリス)は平凡なOL。趣味はお金を貯めることで、勤務4年にして念願の100万元の貯蓄を達成。夢は、家を買って離れて暮らす母親を呼び寄せて一緒に暮らすこと。営業部の上司・史特龍の無理めな要求にも耐え、張り切って働く毎日。
  その京師デパートの社長・秦の息子子奇(ロイ・チウ)は、留学から帰ったばかりのアホボン。外国へ行っても、アホボンなので当然何も学んでいない。それに怒り 心頭の社長は、子奇と親子の縁を切って追い出し、平社員の身分まで落としてしまう。営業部に配属された子奇の面倒は杏仁が見ることになるが、偉そうで何も しない子奇は彼女の手を焼かせる。
 杏仁の憧れは若きファッションデザイナー兼ショップオーナーの余承風(温昇豪)。なんとかしてデパートに店を出してほしいと願っているが、彼の服は高嶺の花。そんな時、営業会議でそのことを言ってしまったがために、余承風にコンタクトをとることになり…!



ちょっと待て、何だこのサムネイル(汗)↑

 話は他愛ないし、なんのかの言いつつ杏仁と子奇は恋に落ちるんだよなと先が見えるんだけど(台湾Wikipediaには結末まで書いてあるしね)、とにかくアリスが元気でかわいい!これに尽きる。
 いや、だってこれまで観てきたアリスがあまりに薄幸で不憫な役回りばかりだったから、かえってここまで明るくて天真爛漫な役どころって新鮮だったんだもの。初見が娼婦だし、地味なスクールカウンセラーだったり、夫を火事で失ってしまう牛肉麺売りだったり、石頭の交通事故で死んでしまう奥さんだったりと、去年観た作品の役どころを並べても、ああ。・゚・(ノД`)・゚・。
 そーゆー役回りばかり観てきただけあって、ああもう可愛くて可愛くてたまらんよアリス!って感じでニコニコしちゃいましたもん。あはははは。
 相手役はロイ・チウ(邱澤)。このドラマの前に兵役に出ていて、復帰第1作だったそうで。…すいません、明らかに興味ないってのがモロわかりですね。だって知らないんだもの、映画に出てないから。いや、単に自分の観てない作品に出てるのかもしれないけどね。
 ま、脇の俳優さんたちも合わせて、続けて観ていって親しんで覚えていきましょうかね。

 台湾ドラマを観るのは、南拳の二人主演&ジェイ監督の『パンダマン(でも途中で脱落)』以来なんだが、TV放映としては仔仔の『戦神 MARS(これも途中で脱落)』以来だろうか。そういや後者、この冬日本でリメイクだっけ(違)。
 そーねー、ワタシも昔はいろいろ台湾ドラマも観ていて、感想もあれこれ書いていたんだけどね…。でも観なくなったのは、やっぱり完結まで長かったり、物語的にノレなかったり、なんか演出が合わなかったり、いろいろなんだけどね(苦笑)。
 これまで観てきた作品は『パンダマン』を除いてほとんど日本のマンガが原作。まあ、面白いものもあったけど、合わないものもあったし、字幕が日本のキャラの名前になってしまうのもちょいとなーって思ったこともあった。
 でもこのドラマはオリジナル。しかも台湾のデパート業界が舞台なので、働く台湾女子の様子も見られて楽しい。ちょっと時代が5年ほど古くなるけど、その頃の流行りなども出てきそうだしね。
 そんなわけで、全40話を頑張って観たいと考えている。

 しかし、楽しく観てても気になるのは、劇中にやたらと版権キャラが出てくるため、それらのものにことごとくボカシが入っていること。これは何もこの作品に限ったことじゃなく、他の台湾ドラマが日本で放映されるときによくあることらしい。まあ、日本のキャラが好きでついつい出しちゃう気持ちはわからなくもないけど、こういう版権、もっと簡単にクリアできればいいわよね…。そしたら観てて微妙な気分にならなくてすむのに。無許可使用だろうからしょうがないんだけどね。

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2015 funkin'for HONGKONG的十大電影

 えー、今年はここ数年の傾向(リンク先に書いてるので参考として)から元に戻しました。というか、農暦晦日までに中華電影を観る予定がないからです。そんなわけで、blog開設12年の記念日のタイミングでアップいたします。

 昨年我が地元で上映された中華電影は数えてみたら6作品(旧作再映含む)。香港映画に至っては1本も上映がありませんでした。そんな状況なので、仙台に行ったり映画祭で稼いだのがほとんどです。今年は3月に『最愛の子』『ドラゴン・ブレイド』が上映されますが、その後はどうなることやら。まあ、足りない分はWOWOW放映で補ったりしてみます。…ずんぬくまんじうとかな(こらこら)

 また、昨年は台湾映画をたくさん観ました。春先に台湾に行ったこともあるのでしょうが、そんなこともあって、ちょっといつもと違う趣の十大電影になったと思います。
 では、例年通りのカウントダウンで十大電影いってみましょうか。

10 戯夢人生

 昨年は旧作上映もいいものが来てよかったです。特にこれは初上映時にみのがしていて、ずっと観たかった作品。どうかデジタル・リマスタリングされて、悲情城市と一緒に午前十時の映画祭に選ばれますように。

9 九月に降る風

 昨年春のシネマート六本木の閉館上映時の再映で拝見。これを観て「トムさんいいなぁー」と改めて思った次第。その約半年後に新作が観られたのだけど…。

8 レクイエム 最後の銃弾

 昨年春の仙台の特集上映でやっと観られた映画。そうそう、香港映画における男たちの絆ってーのはこーゆーのなんだよ!これが観たかったんだよ!とついつい力こぶが入ってしまったのは言うまでもない。

7 全力スマッシュ

 香港映画の希望の星(半分マジで言っている)デレクさんの新作。ワールドプレミアは日本だったし、もっともっと盛り上げたかったなあ。そして今年の奥運會では、当然バドミントンも応援しますよ。

6 破風

 スポーツ映画が続きます。両岸三地だけにとどまらず、東アジア全体に目を向けて作られたのはヘリオスと同じ。こういう可能性もあるんだよなと思いつつ、日本がこの枠に入らない、もとい入れないのは中華びいきでもほんとうに残念。アミューズさんあたり、今年はどうですか?こんな東アジアコラボにかんでみるのは。

5 KANO 1931 海の向こうの甲子園

 はは、これもスポーツ映画だわ。 
 厳密には中華電影とは言えないんだろうな。でも、魏導&馬導には「これを作ってくれてありがとう!」と感謝したくなった。野球もまじめに観るようになったしね(笑)。

4 カンフー・ジャングル

 自分でも意外なんだけど、思ったよりも上位に来ました。もちろん洋画ベストの中にもランクイン。こっちで書いてるのでお暇があればどうぞー。
 ストーリーもよかったし、アクションもエモーショナルで感情移入しやすかったもんなあ。だからやっぱりド兄さんは宇宙最強なんだよなあ。《葉問3》は是非とも全国公開でお願いしまーす。

3 レイジー・ヘイジー・クレイジー

 今回はこれが最上位の香港映画。パンちゃんももう中堅として安定した地位を得たんだなと思いつつ、新星の登場にはいろいろある香港映画(&香港)の中でも、ひときわ眩しさを感じるのでした。今年の金像奨では、どこまで賞レースに絡めるかしら? 

2 黒衣の刺客

 思った以上に静かで、美しくスリリングな映画であった。古希を目前にして作り上げたのがこんな武侠電影なのだから、ホウちゃんってやっぱりすごいやー、これからもついていかなきゃ、と思った次第。しかし、これが地元で上映されなかったのはつくづく(強制終了)。

1 百日草

 はい、実は12年やってきて、今回初めて台湾映画が№1になりました。自分でもびっくりぽん>流行り言葉
とふざけるのはこのへんにして、観て本当によかったです。トムさん自身の悲しみももちろん感じるのだけど、大切な人を亡くす喪失はだれにでもあることだから、その描き方に強く胸を掴まれたのでした。是非とも日本公開してほしい作品。

お次は部門賞。

主演男優賞 ドニー・イェン『カンフー・ジャングル』『スペシャルID 特殊身分』

 やっぱり宇宙最強だし。『百日草』の石頭もよかったんだけど、比べちゃうと、ねえ(苦笑)。

主演女優賞 カリーナ・ラム『百日草』

 祝!復活。しかもとても印象的な役どころなのがよかった。
今年は久々に學友さんとの共演作もあるとのことで(旦那さんが監督らしい)、今後の活躍も楽しみ。

助演男優賞 アンドリュー・ラム『全力スマッシュ』
助演女優賞 スーザン・ショウ『全力スマッシュ』『レイジー・ヘイジー・クレイジー』

 ここはまとめてコメントしますか。いやー、このコンビは夫婦漫才みたいで最高でした!
デレクさんたちから鬼才のスカッド監督までカバーする、スーザン姐の香港映画界のゴッドマザーっぷりもすごいしね。

監督賞 ホウ・シャオシェン『黒衣の刺客』『風櫃の少年』『戯夢人生』
      トム・リン『百日草』『九月に降る風』

 台湾映画豊作の年ということもあり、ベテランと中堅コンビをチョイス。
両者とも、今後の作品が楽しみなんだけど、そういえば寡作でもあるのよね(汗)。

新人賞 ジョディ・ロック&アシーナ・クォック&フィッシュ・リウ&コーイー・マック『レイジー・ヘイジー・クレイジー』

 なかなかにセンセーショナルな作品でデビューした監督&三人娘。
いろいろある(とまた言っちゃうけど)香港映画界を大いに引っ掻き回してほしいなあ。

 今年はどんな映画に出会えるだろうか。日本での上映状況も厳しくなってきてるけど、それにもめげずに観ていきたいものです。
 では、ラストにこれを。今年は申年だし、葉問3と共に日本公開を期待したい作品。

 

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さらば、シネマート六本木

 2015年6月14日、9年3か月にわたって六本木で営業されてきたアジア映画専門シネマコンプレックス、シネマート六本木が閉館した。

 思えば、映画館のスタイルがシネコンへと大きく変わり始めた頃に誕生したが、日本での映画興行収入は洋画から邦画が売れるようになり、全国各地にシネコンが誕生した。それに伴うように都内の名画座やミニシアターの閉館も相次ぎ、ついには新宿や有楽町といった大劇場メインだった地域もついにシネコン化したのが、この9年間だった。

 5月の台湾映画特集の時に飾られていたKANO関連小道具。

 言わずともわかるように、ワタシはとーほぐ在住なので、この映画館には最初から熱心に通っていたわけではない。折しも開館当初はまだ韓流ブーム。だから上映も韓国映画が圧倒的に多かったし、わざわざ観ることもないか、とあまり行かなかった。でも地元では絶対やらなさそうな映画がかかった時は観に行った。
 そんなわけで初シネマートは、今や世界のアサノとなった、浅野忠信くん主演のタイ映画『インビジブル・ウェーブ』…と思ったら違った、『ディバージェンス』だった(笑)。『ドラゴン・プロジェクト』『エンター・ザ・フェニックス』はその後くらいに上映していたのね。
 だいたいその頃は、我が街モリーオにもそこそこ香港映画も来ていたのだが、それでもトーさんの映画は何本か来ていないし(特に『エグザイル/絆』!)、さらに台湾映画はそれ以上に来なかったという状況だった。それを見越して帰省時や映画祭の時に武蔵野館等に観に行ったこともあったけどね…。

 通うようになったのは、特集上映が行われるようになった頃。イー・トンシン特集の『プロテージ』を観に行ったなあ。旧作上映が増えていったのもこのあたりから。震災直後で心がささくれだっていた頃、5月に1週間の帰省をして久々に挽歌二部作をスクリーンで観られた時にはなんとも嬉しかったものである。

「香港電影天堂最終章」で上映されたインファナル・アフェア三部作日本版ポスター。
ディパーテッドよりダブルフェイスよりやっぱりこれだよ、若者よ!(笑)

旧作特集上映時にはすっかりお馴染となったウォール。
あまりに作品が多すぎてどれを観たのだかと数えることすらできなかった(笑)。

 また、『燃えよ!じじぃドラゴン』上映初日は、年明け早々TVで紹介されたこともあり、満員スタートだったところに居合わせることができたのも面白かった。ソフト発売を前にした映画の特集上映も帰省時と重なったらできるだけ観に行ったので、まさに上映してもらえるだけありがたいと感じたものだったし、5月の劇終特集上映のあいまに開催された支配人のトークショーからも、香港映画にかける情熱と、全勤務地だったキネカ大森時代からのアジア映画専門館の歴史に触れ、日本のアジア映画上映はこういう努力あってこそのものだったのかと改めて胸を熱くしたものだった。

 しかし!ここから暗い話になるが、そんな熱も田舎までは届かず、アジア映画上映は全国的に見れば完全に厳冬期。実際、シネマートに足を運んで観てみても、毎回満員御礼…というわけではなかった。まあ、韓国映画はそんなことはなかったのかもしれないけどね。よくわからないけど。
 もちろん関西にはシネマート心斎橋があるし、名古屋にも熱心なミニシアターもある。我が東北にはフォーラム仙台がアジア映画を上映してくれ、これから感想を書く幾つかの作品も実はそこで観たものだったりする。(実は仙台の支配人さんがかつて盛岡に勤務していた時、香港映画上映サークルを立ち上げてもらって参加していたので、香港映画に関しては大恩人なのです)
 ただ、とーほぐはあまりにも広すぎる。山形-仙台間はバスで1時間位らしいけど、盛岡-仙台間はバスでも2時間半かかる。新幹線だと最速40分だけど、往復1万円は超えるわけだから…。
 そして映画館も拡大上映作を優先し、ミニシアター作品の上映は遅くなる。それも欧米作品のシェアが圧倒的に大きいから、必然的にアジア映画の上映は減る。だって、一時期当地でも熱狂的に支持された韓国映画も恐ろしい勢いで上映が減っているのだよ。それなら香港映画なんて…(と、いつもながらの愚痴になるので強制終了)。

 本当はメジャー作品の悪口なんか言いたくない。でも、観たい作品、みんなで観たいと思う作品が劇場で観られなくなるのはほんとうに残念だ。家でソフト鑑賞しても、一人だと寂しい。
 映画上映でSNSで関東方面の人たちが盛り上がっても、話題に置いていかれるのがすごく悲しかった。
 昨年の日本における映画館での上映本数は、なんとかつての映画館全盛期の本数(約600本くらいらしい)を上回り、1000本越えてしまったと聞いたのだが、それでも全国でくまなく公開されたのは300本もないんじゃないだろうか。これほど本数が多いと売れる作品と売れないものが極端に分かれているということらしいが、もうこれはどうにもならないのだろうか。

 それよりも、今後のアジア映画の上映はどうなっていくのか。
 多様性があるのが映画文化だ。乱発でもなく、じっくり観られて、新しい観客に繋げられるような上映があればいい。それは東京だけでなく地方も同じ。映画館で観たいけど、いくらリクエストしてもスルーされるのなら、いっそどこかで自主上映できればいい。でも著作権法云々とかもあるのか。でもでも、あまりにももったいないんだよなあ。

 ああ、案の定いつもながらの愚痴になったので、ここで終わります。
 さようなら、シネマート六本木。そして日本の映画興行界よ、どうかアジア映画上映の灯を消さぬように。

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2014funkin' for HONGKONG的十大電影

      新年快樂  恭喜發財
      萬事如意  想去香港!

↑ただいま香港禁断症状発症中。自分来月台湾に行くくせに(笑)

 

説明不要なくらいの田舎で電影迷やってきて約20年、いまさらここで中華電影を含む映画上映についての愚痴は言わないけど、それでも映画は好きです。だから地元の映画館が某邦画メジャーのハイバジェット作品をどんなに優遇しようとも、観たい映画をやってくれーと叫び続けます。だからウザいと思わず、お付き合い下さいませ。

 ここで改めて、この個人的ベストの選択基準を提示。

1.昨年の農歴初一から農歴晦日までに初めて観た映画を対象とする
2.初見であれば、映画祭鑑賞からCS鑑賞も、旧作も新作も問わない

 では、いってみよーう♪

10 西遊記 はじまりのはじまり

 これまでの星仔映画とは全く違う、だけどしっかり星仔印の映画。
すーちーを始めとした人気も実力も備えた俳優たちの競演に、斜め上を行く古典アレンジが楽しかった。今回残念ながら外してしまったド兄さん西遊記『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の邦題でこの春東京公開決定)と公開時期はかぶったものの、テイストも物語もかぶらなかったのはお見事。でもね、肝心の監督が出なかったのが欠点であり、このランクなのでした。続編には出なさいねー。

 ファイアー・レスキュー

 『西遊記』で共同監督を務め、最新作『全力スマッシュ』が今年の大阪アジアン映画祭でワールドプレミアとなるデレク・クォック監督初の大作。全体的には大味だし、主人公2人より脇のオッサン2人が大活躍しちゃうんだけど、発電所事故というネタが人ごととは思えないし、久々の消防ドラマで大いに楽しんだのを評価。

8 極限探偵三部作

 パン兄弟の近作『コンスピレーター』を含めて三部作まとめてのランクインですいません。
警察が舞台になることが多い香港では探偵映画はあまり見かけないと思っていたのだが、タイのような猥雑さがまだ生きているような街だからこそ成り立ったのかもしれない作品。三部作の中では面白い要素とパン兄弟の得意技がごった煮になってる『影なきリベンジャー』が一番好き。

 天空からの招待状

 全編空撮ロケで台湾を上から見ることにより、自然の美しさから開発が引き起こす悲劇までを同じ視点で描き、それによって考えさせられる作品。ああすみませんすみません、現状を知らなくてすみません…っていつまで謝れば気が済むのか(笑)。

 黄金時代

 毎度の新作が楽しみなアン・ホイ姐さんの意欲的かつ文字通りの「文芸映画」。
民国時代を描く映画にありがちな抗日戦などの描写が客観的で、長尺で語る民国を代表する女性文学者の生涯を飽きさせずに描いたのがいい。そして専門のくせにちゃんと中国文学史を勉強していなかった自分を反省(笑)。

 ドラッグ・ウォー 毒戦

 トーさんが初めて中国で撮った映画。国が国だから制限もいろいろありそうなんだが、それでも麻薬捜査を壮絶に撮り上げたのはお見事。しかしいまだに信じられん、古天楽と孫紅雷が同い年だなんて…。

  セデック・バレ

 一昨年見逃して悔しかった作品ナンバーワン。
WOWOWの夜中の一挙放映でリアルタイムに観たのだけど、やっぱり大変な思いをしてでも劇場の大きなスクリーンで観たかったわ…。そして、これがあってこその『KANO』というのが重要。ネチョウヒョにはあれこれ言わせません。

  ヒーロー・ネバー・ダイ

 はい、これが昨年観た中で一番古い作品でしかもリバイバルなんですが、ついついこの位置に来ちゃいました。ゼロ年代香港映画におけるトーさんの進撃はまさにこの映画から始まった!と断言してしまう。語られない行間に思いを読み取ることができるので、1時間30分台の上映時間がなんとも濃厚。そしてりよん&ラウちんという対照的な二人の主演の相性の良さ!ああ、なんでこれ本上映の時に観ておかなかったのかしら?

  GF*BF

 ここ数年、香港よりも台湾に行っちゃってるのは、決して円安や大陸旅行客の影響というわけではなく、個人的だったり地元的だったりの理由なんですが、その中で昨年3月に起こった立法院占拠から、東アジアにおける台湾の位置も改めて見えてきた。そんなタイミングでやって来た、時代と連動するこの辛口の青春映画が心をつかまないはずがない。しかし、セデック同様地元で上映がなかったのが本当に残念だった。いつか台湾映画特集をやるのなら、ラインナップに入れて欲しいんですけどねー?と誰にともなく言ってみる

  ミッドナイト・アフター

 久々に映画祭上映作品を1位にしちゃいました。だって、ほんとうに久々に陳果(フルーツ)さんが香港で映画を撮ってくれたのだもの。そりゃ嬉しいわけだよ。
 だけど、それより大きかったのは、9月から12月まで香港中心街で起こったアンフェアな普通選挙法に対する占拠運動、通称雨傘運動がこの映画で描かれたような少し先の香港の未来を想起させてしまい、思わぬところで湧き上がった現実の厳しさが映画にシンクロしてしまったように見えたからなんだ。返還からまもなく20年、思った以上に一国二制度は揺るがされている。…まあ、そんなことは差し引いても、映画としても非常にローカルチックで楽しかったですよ。こういう映画が日本でなかなか公開されないから、なおさらね。

ではお次に部門賞を。

主演男優賞  ルイス・クー『ドラッグ・ウォー』

 いやー、もうすっかり香港映画の顔になってしまったなあ、古天楽…てか、もうルイスで定着しちゃってるわね。はあ。

主演女優賞  グイ・ルンメイ  『GF*BF』

 初めて観てからもう10年、彼女もすっかり台湾映画の顔になりました。昨年のベルリン映画祭金熊賞受賞の中国映画『薄氷の殺人』も観たいなあ。地元では…やっぱりどうかなあ?

助演男優賞  ラム・シュー『ミッドナイト・アフター』

 祝!香港電影金像奨助演男優賞ノミネート!まさかみんなのラムたん●~がここまで来るとは…ええ、感慨深いですわ。

助演女優賞  ハオ・レイ『黄金時代』

 彼女を観てロウ・イエ監督作品の常連女優だと全く気づかなかったのは、今東京で公開されている『二重生活』を始めとして、ロウ・イエ作品を全く観たことがなかったからです。マジです。だってこっちにこ(強制終了)とーほぐでは仙台と山形でやるらしいけどね。

監督賞  フルーツ・チャン 『ミッドナイト・アフター』

 いやー、好きなんですよフルーツさん。だって、返還前後からローカル香港の人間模様を描いてきた人だから。ここ10年間くらいは北京に行ったり、短編ばかりで出会える率が本当に低くて、寂しかったもんなあ。この映画は原作の前編部分だけということだから、残りの映画化も観たいです、マジで。

新人賞  リン・チンタイ  『セデック・バレ』

 もともと台湾映画はわりと非職業俳優を使うイメージあるんだけど、この映画は原住民の登場人物が多いので、キャスティングは大変だったんじゃないかなって思う。そんな中でカリスマ感と気迫が伝わるチンタイさんがとても素人、しかも牧師さんとは思えなかったわ。ちなみに先住民には神職の方が結構多いとどこかで聞いたな。天空での挿入歌もよかったです。

炎の復活賞   ツァイ・ミンリャン 『西遊』

 ははははは、去年は永年功労賞を勝手にあげてしみじみしてたんだけど、たった1年で復活しちゃいましたよ、ミンリャン!今年の香港国際電影節で上映される短編シリーズ《美好2015》も撮っていて、なんとシャオカンと安藤政信くんが共演して一緒に風呂に入っちゃったりするらしいですよ。いやあ、これもやっぱり映画祭でしか観られないのかしらねー。

 さて、毎度ながらの独断と偏見に満ちた十大電影を今年も選びましたが、それにしても昨年は『レクイエム 最期の銃弾』を見逃しちゃったのがつくづく惜しかったよなあ。地元での新作中華電影上映は今年もますます減りそうだし(と言っても今年は祝宴とKANOが上映されるのだが)、シネマート六本木は閉館しちゃうし、スクリーンで映画を観るのもキツくなってきそうだなあ。
 まあ、それでもやめられません。やっぱり劇場で観てこその映画ですから。とはいえ、WOWOWで放映されて録画した映画がかなりあるから、春に向けてせっせと消化して感想書きたいです。あとは春の台湾旅行もあるしね。

 ええ、今年もまた、アンディ先生のこの曲を歌って騒いでおりますよ。とこりもせずまた貼る↓


 でもいつもこれだけじゃ芸もないので、サム・ホイさんのこの歌も貼っておくわ。



そんなわけで、我恭喜你發財, 我恭喜你精彩!
うちにも来てくれないかしら、財神が(こらこら、商売やってないだろ自分)

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田舎者が考える、今年の中華電影上映のことなどあれこれ。

 2014年も間もなく終わりを迎えようとしております。

 今年は本業多忙等により、せっかく開設10年を迎えたというのにblogの更新が減ってしまい、申し訳ありませんでした。この場を借りてお詫びいたします。
 今年はblog開設10年記念としてここで書いてきた10年間の映画を簡単にまとめて紹介した本当にささやかなZINEを作成いたしました。おかげさまで全て完売しましたが、ご要望があれば改訂版を製作したいと考えております。今後も映画や旅等、中華圏をテーマにしたZINEは年に一度くらいの割合で制作する予定です。

 さて、この年末年始の中華電影といえば、全国公開作品としては行定勲監督による日中合作『真夜中の五分前』があるし、東京ではトーさんの傑作『ヒーロー・ネバー・ダイ』のリバイバル上映、台湾のドキュメンタリー『天空からの招待状』、そして昨年世界中の主要映画祭を席巻したシンガポール映画『イロイロ』と、様々なタイプの作品が上映されています。これらの作品は帰省時にできるだけ観て、真夜中も含めて年明けに感想をアップいたします。

 で、ここからが本題。
 今年、我が街(北東北地方の県庁所在地にして、一つの通りに映画館が複数ある『映画館通り』と呼ばれる地区がある街)で上映された中華電影を数えてみました。
 今年は合作も合わせて13作品上映されました。

『三姉妹・雲南の子』(キネマ旬報ベストテン記念で上映・スケジュールの都合で見逃す)
『危険な関係』
『ドラゴン怒りの鉄拳』(バック・イン・シネマ)
『ポリス・ストーリー』(バック・イン・シネマ)
『死亡遊戯』(バック・イン・シネマ)
『ポリス・ストーリー レジェンド』
『罪の手ざわり』
『南風』
『ドラゴンへの道』(バック・イン・シネマ)
『スパルタンX』(バック・イン・シネマ、スケジュールの都合で見逃す)
『西遊記 はじまりのはじまり』
『プロジェクトA』(バック・イン・シネマ)
『真夜中の五分前』

 新作は8作、しかも1作品を除いてほとんど中国映画。そして、愕然としたのは香港が主体となる広東語が主言語の映画が新作では1本もないこと。ちなみに昨年が5作、一昨年が6作。もちろん『グランドマスター』『桃さんのしあわせ』も入ってます。シネマート系公開作品はほぼ来ていません。

 こうして見ると、日本全体の香港映画の公開本数が以前よりは増加しても、上映形態がいかに小さくなってしまったのかというのがよく分かるんだよなあ。もっともシネマート系上映作品は、評判がよければ仙台までは何とか来るので、往復最低5,200円かければ観に行くことはできるんだけど、スケジュールが合わないと観られなくなるしね。
 そんなわけで、ここ数年は映画祭や帰省等の上京時にまとめて観て感想を書くというのが主流になってしまってます。

 「なんで劇場公開にこだわるの?ソフトやTV放映でフォローすればいいじゃないの?」と言われるのもわかってます。今年は多忙のためあまり出来ませんでしたが、香港で購入した未見のソフトや、WOWOWで録画した映画はたくさんあります。来年はこれらを閑散期に少しずつ観ていきたいもんです。
 で、話がずれちゃったけど、なぜ劇場公開にこだわるかといえば、やっぱり街に「映画館通り」があるからかな、ってことです。
 せっかくスクリーンがたくさんあるのなら、地方でもいろいろな映画が上映されてほしい。マンガ原作やアニメの日本映画ばかりじゃなく、小規模のアジア映画ももっと上映してほしいのです。

 長引く不況のために、娯楽にかける費用が減り、映画館に年に一度も行かない人がいたり、映画館の観客の多くが家族連れや若者となってしまったから、固定した観客層しかいないミニシアターやアジア映画がないがしろにされる理由もわからなくはありません。でも、大量宣伝される作品も、口コミでの宣伝を当てにする作品も、スクリーンにかかる映画としては平等だと思うし、うっかり観てしまった作品から興味が広がるってこともあるから、選択肢は多いほうがいいと思います。たくさんありすぎて選べないと言われるかもしれないが、選ぶことで映画に対して受け身にならずにすみます。

  あ、一応書いておきますが、当地では韓国映画の上映も減っております。ここ数年話題になった作品では『サニー』『建築学概論』『十人の泥棒たち』『新しき世界』が未上映ですし、最近人気のインド映画も『オーム・シャンティ・オーム』『ダバング』が未上映です。観客の年齢層もあるのでしょうが、ミニシアター作品の上映も少し偏りつつあるように感じます。行きつけの映画館にはミニシアター作品の上映リクエスト用紙があるので、毎月中華電影の名前を書いて箱に入れているのですが、一作も通ったことがありません。残念です。
 地方都市とはいえ、こういう現状はすっごく寂しいんですよ。特に今年は無間道三部作やトーさんの作品に影響を受けたという『新しき世界』や、香港アクション映画に多大なリスペクトを捧げたるろけん京都編二部作など、いい具合に香港映画の遺伝子を受け継いだ作品が多かっただけに、ここから興味関心を伸ばしてアジア映画方面まで来て欲しかったと思ってたのですが、やっぱりなかなか手が出せないジャンルになっちゃったのかなと思ったりもします。

 ワタシは開設以来、好きな香港映画を中心にした中華娯楽をネタに、このblogを書いてきましたが、その間、映画上映の状況というのは変わり続けてきました。地方在住ゆえのフラストレーションも度々書いてはきています。グランドマスター地元上映の際、宣伝や客の入りを見て「今後は地元で香港映画が上映されなくなるかも…」と危惧はしていたのですが、それが見事にあたってしまいました。残念です。
 来年は年始めから『祝宴!シェフ』『KANO』が来ます。これまで香港映画以上に上映の機会がなかった台湾映画の上映が続けて決まったり、ホウちゃんの新作が松竹の配給となるなど、少し変わるのかなという期待はあるのですが、まずは地元でお客さんが入ってほしいと思います。 
 そして、なんとかして中華電影の新しい観客を増やして、いろいろお話していきたいなと思うのが、来年の目標です。るろけんにハマった方とはド兄さんの映画の話もしたいし、『真夜中』を観て気に入ってくれた三浦春馬ファンには、ホウちゃんやヤンちゃんの映画をオススメしたいもんね。

 そんなこんなで、久々に愚痴めいた記事になってしまいましたが、これを今年の反省とし、来年も頑張って映画観て感想書いて、あれこれ皆さんとお話したいと思います。なお、近いうちに『プロジェクトA』の感想もアップしますので、次を持って今年最後のエントリーとします(予定)。

 では皆様、良き聖誕節を…。

Img_1896

このままささくれだったまま終わるのも何なので、澤東兄弟の聖誕節画像を貼り付けて終わることにするわ。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・キョウト 浪客剣心續集

 いやあ、ほんとにすいません。この夏ならディー判事シリーズ第2弾『ライズ・オブ・シードラゴン』とか、仙台で上映されたパン兄弟祭りとか、先日新文芸坐で上映された『ドラッグ・ウォー』とか、お盆明けから東京で上映される台湾巨匠傑作選(しかし魏徳聖さんをこのカテゴリに入れるのは早過ぎるんじゃないの?)で大騒ぎしなければならない中華趣味なんですが、説明不要な諸事情につき、2年ぶりでこちらでも騒がせていただきます『るろうに剣心』


素朴な疑問。これ、公式チャンネルからの動画なんだけど、なんで中文字幕が簡体字なの?大陸での上映は確か(後略)

 監督の大友さんと我らがアクション監督谷垣さんが放つ京都編二部作(現在公開中の『京都大火編』、前作も含めた三部作の完結編『伝説の最期編』は来月公開)は、2年前に衝撃を与えた前作よりアクションが3割増し。初見ではもうニヤニヤしちゃってたまりませんでしたわ。
 この2年間、谷垣さんも日本と香港や大陸を行ったり来たりしながらド兄さんとのお仕事や『猿飛三世』や『宮本武蔵』などの日本のドラマでアクション指導をし、剣心を演じたタケルも主演ドラマでキレッキレのアクションを見せるなど、日本のエンタメにおけるアクションの重要性に改めて注目させてくれたのはいいことだなーと思う次第。
 とは言っても、中華古装片のファンタジックアクションと、フィクションではあるけど近代を舞台にした日本の時代劇は明らかに違う。ワイヤーバンバンというわけでなく、俳優たちが肉体を使ってほぼノースタントで限界に挑む、高速で力強いアクションはまさに黄金期の香港映画を彷彿とさせて観ていて楽しい。おかげで昔の香港映画を見直すと、李小龍さんや成龍さんやショウ・ブラザーズ作品がいかにあの映画に良き影響を及ぼしているかがよくわかるアルのよ。

 かつて人斬り抜刀斎として恐れられ、鳥羽・伏見の戦いを境に姿を消した流れ者の元剣客緋村剣心(タケル)が維新以 来10年ぶりに東京に舞い戻り、抜刀斎の名を名乗る剣客他を擁する実業家と対決した第1作から2年。剣心の後を継いで闇の刺客となりながらも、時代の流れ に取り残され、自らが仕えた者に裏切られて全身を焼かれた狂気の復讐者・志々雄真実(藤原竜也)が政府の転覆を狙う京都編二部作では、志々雄を始めとした 新キャラも多く登場すればアクションのバリエーションも広がって、もう観ているだけで狂喜乱舞(笑)。
 だってオープニングの志々雄と斎藤一(江口)率いる警察との対決がもうニューポリ序盤の陳國榮たちとイカれたジョーたちの「ゲーム」の場面そのものだったから(くれい響さん曰く、この場面は大友さんが最初からそれを意識してたと書かれていたのでおおやはり!と)、もうたまらんですわ。

 志々雄の企みを阻止するために剣心は京都へ旅立つのだが、彼がそこで出会う新たなるキャラたちも実に個性豊か。
 中でも京都御庭番を率いる旅籠の主・柏崎翁(田中泯)とその孫・巻町操(土屋太鳳。来年春からの朝ドラ『まれ』の主演に決定)がお気に入り。家族揃って香港アクション映画ファンで、好きな映画に『新少林寺』を挙げている太鳳ちゃん演じる操は、御庭番仲間でほのかな想いを寄せている四乃森蒼紫(伊勢谷友介、以下いせやん)を探す旅の最中に剣心と出会い、思いもよらない大乱闘を繰り広げる。もう身体はよく動くし、開脚キックも確実に決めるしで、キミはマジで谷垣さんにくっついて香港でアクション女優を目指すべきだよ太鳳ちゃん!って感心したもの。谷垣さんも話されていたけど、彼女は現場で自らアクションを提案して実践したというので、ホントに好きだし、この役やりたかったんだねー。まだ二十歳前のお嬢さんだけど、今後は大いに期待しますよ、太鳳ちゃん。
泯さんはもともと舞踏家で、俳優デビュー作こそ剣士を演じた『たそがれ清兵衛』だったけど、大友組作品では寡黙なレンズ研磨の特級技能士や土佐の怪物と言われる天才藩士を演じてきた。だけど、そんな常連でも同じ役どころは二度と回ってこない。しかも柏崎翁は元御庭番だから凄腕の武闘派!
 今年69歳という泯さんと、いせやん演じる蒼紫の対決が用意されているが、これもまさに驚愕もの!ダンサーとしてのキャリアがあるとはいっても、ここまですごいアクションを見せられるとは。いやあ、もう少しで鼻血が出そうでした。そういえばいせやんも、かつて高杉晋作を演じた時は、馬関の戦いのエピソードにてまるで『レッドクリフ』の趙雲のような敵陣突破を鮮やかに決めてくれていました。ただし抱えていたのは赤ん坊じゃなくて三味線だったけどね。

 京都に辿り着いた剣心を狙う志々雄の十本刀の一人、沢下条張を演じるのは、『仮面ライダーオーズ』で主人公の相棒にして元敵方の怪人・グリードのアンク(正確に言えば彼がとり憑いた人間だが)でお馴染みの三浦涼介。俳優の三浦浩一さんの息子さんでもあります。大友さん曰く「大火編の秘密兵器(ちなみに前作のそれは綾野)」だそうで、それゆえ大暴れします。そして剣心とはガチで戦います。しかも神社の境内の下で (笑)。ここは谷垣さん曰く「この境内の下が人が入れるよりもっと低かったら、『酔拳2』のパクリと言われたかも(詳細)」だそうですが…ほー、そうだったのか、と。 『酔拳2』観たのもずいぶん昔だったので、いつか観直したいもの。

 こんなふうにかなーり楽しみ、大喜びしてたので、前作に続いておかわり鑑賞しちゃいましたよ。完結編公開までに、できればあともう1回観たい。公開第1週でトップとったし、夏休み映画ではかなりのヒットだしね。香港映画が好きな方には前作同様楽しめる作品です。
 ただ、一部のガチな香港電影迷の方々の評価は相変わらず厳しいですね。カメラがアクションを撮れてない、編集が悪い、そして大友さんの演出と谷垣さんのアク ション演出が馴染んでないなど。(これは前出のくれい氏の批評にもあり)ええ、監督も好きだし、作品自体も好きなので、批判されたら素直に凹みます。『グランド・マスター』の時もそうだったしな!
 ワタシは大友さんのNHK時代からの熱烈なファンだし、どうしても贔屓が入っちゃうから冷静に観られないし、重箱の隅をつつけない性格です。すいません。でもいいじゃん、アタシが好きだったらそれでいいんだよ!
(こういう主観バリバリで長々と感想書くからダメなんだよなー)

 って、逆ギレはやめなさい自分よ。
気を取り直して。

 香港映画でもないこの映画の感想をここで書く理由は、上記の他にその逆も然りってことだったりします。つまり、るろけんを観てこの激烈アクションにハマった若い映画ファンには、ブルース・リーやジャッキー・チェン等の活躍する往年の名作の他、是非とも谷垣さんの師匠格であるド兄さんことドニー・イェンの出演 作品や昔のショウ・ブラザーズ作品、さらに余裕があればそれらをリメイクした現代の香港映画も観ていただきたいのですよ。ついでに京都編二部作の構成なら、 話の展開やキャラの出し方で『レッドクリフ』も参考になると思う。
 ちょうど前作公開と同じ年に、ド兄さんと金城くんの『捜査官X』も公開されているし(ただし我が街では悔しいことに未上映…) るろけんがきっかけで、ド兄さんの日本での知名度がアップしたらいいのにとか思ったけど、実際なかなか…なのがちと切ないもんで。
 でも、この映画がとっかかりになって、香港映画の広い世界に興味を持ってくれたら、約20年来の香港電影迷としては本当に嬉しいよ。だから自分もあまりマニアックにならないように心がけるよ。

 久々の記事ともあって、長くなって申し訳ない。
ただ、最後にこれを言わせてくれ。

 いっちばん最後に登場したあの「謎の男」、演じているご本人は人気があっても特に好きでもないし、今まで全くそう思ったことがないのに、あの場面でだけイーキン・チェンに見えてしまったのはなぜなんですか?えっ、気のせいだって?そうだったらスマン。あの人に愛がないとは、イーキンのファンの人には申し訳ないですね。
 まあ、おそらく大活躍であろう次作では決してそう見えないだろうね。あはははは。
てなわけでこれで終わりでござるよ。(^^;メ)

 あー、終わりにしたのに、これを忘れてた。
 『伝説の最期編』上映開始2週間後の9月26日(金)より、「バック・イン・シネマ」の企画上映として、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』が始まります。何度も言ってますが、るろけん三部作のお手本となったのがこのシリーズ。なんと初映時より上映館数が多いという奇跡が起こってます。るろけん後始めて触れる香港アクションとして強力お勧め。
 もちろん、ワタシも観に行きますよ。

  さらに蛇足。
 『ハゲタカ』以降大友組のほとんどの作品を手がけており、前作に続いて音楽を手がけているのは佐藤直紀さんですが、公開が待ち遠しい『KANO』も彼の担当です。

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2013funkin' for HONGKONG的十大電影

恭喜發財,萬事如意!

♪我恭喜你發財,我恭喜你精彩!…と○○の一つ覚えのように、今年もまたこれを貼るアルよ。


 というわけで、今回は旧正月に合わせての更新です。

 blog開設以来、この個人的な電影奨も10年欠かさず続けてこられました。と言っても最近は、どうしても地元の劇場公開が少ないので、年末年始に帰省した時に観た分まで入れないと成立しないし、一般公開での再見作品も入るようになってしまった。
 ここで、昨年の農歴初一から農歴晦日までに初めて観た映画を対象とする、としよう(笑)。
 さて、基準も確定したので、カウントダウン始めます。

10 恋はあせらず

 ちょうど20年前の作品で、今年劇場で観た作品としては一番古い(苦笑)。
 レスリーも家輝さんも今の自分より若くてかわいいのはもちろんのこと、香港映画黄金期の軽いコメディを久々に観られたのは嬉しかった。そして、返還を控えても明るくいようとする結末に、現在に至るまでのいろんな出来事を思い出して切なくなるのであった。

9 ピクニック

 現在の台湾映画全体の流れから見ると、ミンリャンの映画はあまりにも異端である。だけど彼も20年間全く変わらず、自分の個性と主張を全面的に出し、ぶれることなく10本の作品を輩出してきた。好きだ嫌いだとさんざん話題にしたが、この作品はやっぱり彼らしくあり、集大成への覚悟が見える。その潔しさを尊敬する。本当にお疲れ様でした。でもいつか復活してね。

8 太極二部作

 武侠+スチームパンク+ゲーム+バカ。これほど胸を躍らせる(個人的にはゲームであまり胸は躍らないが)要素がいっぱい詰まった作品なのに、大陸ではあまりヒットせず、日本でも地味に公開というのはあまりにもさびしすぎるんだが、これってどうよ。時間がかかってもいいから、3作目もいつか作ってほしいですよ、ステ監督よ。 

7 名探偵ゴッド・アイ

 どうやら一般的には、「ジョニー・トー=ノワール」とくくられているらしく、現在公開中の『ドラッグ・ウォー』は高評価な様子。でも、アンディとサミーという黄金カップルのクレイジーなラブコメもまたトーさん作品の醍醐味であるのよ。いや、ワイさんの醍醐味なのかもしれないが、久々なので多少のやりすぎ感には片目をつぶることにしましょうね。

6 モーターウェイ

 去年の初めからWOWOWに加入しているので、これは劇場よりも早く観ることができた。イニD再びというより、ショーンと秋生さんの師弟もの映画として観るとかなりハマる。ロケ地もいいチョイスで、観塘が出て嬉しかったわ。80年代っぽいが決してダサくは聴こえない音楽も印象的。でも、やっぱり最初は映画館で観たかったわ。

5 低俗喜劇

 映画をめぐる映画は面白いに決まってる、というのが我が持論(だから園子温の『地獄でなぜ悪い』も思いっきり楽しんだ)。日本ではなかなかわかりにくいプロデューサーの仕事にスポットを当てたこの作品は珍しいタイプなんだけど、なんといってもパンちゃんだから安定的にハチャメチャなのはお約束。これでスターダムに上ったダダ・チャンがどうかこれからもうまくお仕事できますように。

4 グランド・マスター

 …すみません、本当にすみません、別blogにアップした記事では洋画ベスト1にしているのですが、向こうはお行儀がよくて、こっちはそうでもないので、こんな位置です。だって言い訳したら長くなるけど、3位以上の作品があまりにも魅力的だったのだもの。ホントに許してくださいよー。てゆーか王家衛は今後短い期間で映画を作ることにもっと慣れさせた方がいいぞ。

3 激戦

 男くさい作品が多い香港映画において、格闘技ものはまさに究極の男くささ(※意見には個人差があります)。自分の身体一つで戦い、傷つきつつも立ち上がる男の姿は美しい。それを演じるのが、あまり格闘技イメージのない細身のニックさんだったらなおさらね。マカオロケも効果的だし、明日への活力にもなる映画だった。

2 総舗師―メインシェフへの道

 活力は食べることでも養われるのは当たり前。16年間長編劇映画を発表してこなかった陳玉勳の新作は「食」にスポットを当てた。しかも身近にあったのにいつの間にか埋もれてしまった食文化を。
 地方の隠れたお宝を掘り起こして楽しいエンターテインメントに仕上げたのは『あまちゃん』にも通ずるかなと思いつつ、笑いのツボは昔から変わってないのにホッとした。新作も近いうちによろしくねー。

1 コールド・ウォー

 一昨年の暮れの香港旅行ではうっかり見逃してしまい、金像奨の受賞でやっぱり観ておきたかったーと悔しく思ったが、意外と早く日本上陸してくれて嬉しかった(地方上映が少なかったのは残念だが )。映画界のキャリアは長い新人監督コンビと、香港市街地を有効に使ったロケとストーリーテリング、円熟の域に達したスターたちと期待の若手男優の共演、しかも社会派エンターテインメントと、香港映画の今後に大きな影響を及ぼす要素が多いこの映画を、やっぱり1位にしたい。続編ももちろんだけど、コンビの次回作も楽しみです。

主演男優賞  トニー・レオン『グランド・マスター』

 まーねー、賞レースでいくつ主演男優獲れるかとかは下衆な話だからしないけど、金像やAFAで獲れなくても、ワタシの心の中での最優秀主演男優賞ですから…って自分で言ってて超恥ずかしいぞおい(笑)。

主演女優賞   ダダ・チャン  『低俗喜劇』

 引退話やら行方不明やらいろいろあったけど、せっかく久々に香港から登場した若手女優さんなのだから、これからどう化けるのかを見守っていきたいよ。だからスキャンダルは横に置いときたい。今後の香港映画に大きくかかわる女優さんになってほしいしね。

助演男優賞   アンソニー・ウォン『モーターウェイ』

 師匠の秋生さんって結構好き。いぶし銀で思慮深いけど、昔は凄腕だった(やんちゃだった)ってイメージが漂ってくるもんね。

助演女優賞  クリスタル・リー 『激戦』

 ダンテさん作品に欠かせない子役ちゃん(マレーシア出身)だそうです。
子役ってどうも苦手なんだけど(特に邦画)、プロであってもこの子はよかったもんな。
やっぱりこれから本格的な女優さんを目指すのかな?

監督賞  チェン・ユーシュン 『総舗師』

 そりゃもう復活を祝して、賞状も商品も出さないけど。
早い時期での次回作も期待してますよー。

新人賞   リョン・ロクマン&サニー・ルク  『コールド・ウォー』

 先にも書いたけど、香港映画の未来を期待しての選出。将来、中国映画のローカル版という目で見られることが大きくなっても、香港で撮る香港映画の意義と価値を明確にするためにも、今後の活躍に期待したい。大陸で撮るのもありだけど、それでも香港映画ってどういうものかが示してもらえると嬉しい。

永年功労賞   ツァイ・ミンリャン  『ピクニック』

 作品的には好みで分かれるけど、やはりこの方が台湾で映画を作ってきたことの大きさを今頃しみじみとかみしめてる。未見も合わせて過去作品を見直したくなってるもんなあ。
そして台北に行ったら、蔡明亮珈琲走廊にも行かなきゃなあ。コーヒー飲めないけどさ。

 さて、長年勝手に実施してきたこの電影奨ですが…ええ、今後も続けますよ。
場末の個人blogの、全然権力も影響力もないアワードですけど、自分が何を評価するか明確に分かりますからね。
 でも今年はblog開設10年ということもあるので、これまでの電影奨を振り返って、ここ10年の香港映画の流れを自分なりにおさえつつ、香港映画への理解ももう少し高めたいなーという目的で、これをベースに久々にZINEを作って(もちろん以前作ったこのシリーズで)、地元ブックイベントに出そうかと計画しております。
 そんなわけで、この冬から春は、台北旅行をはさんでこれまでの振り返りを行います。
blog更新は再び不定期となりますが、何かありましたら記事を更新いたしますし、今後ともお付き合いいただければ幸いです。

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