春光乍洩九龍縦横記(その3)
3月27日(木)
起床6時。曇り空のまま明るくなってきたが、同宿する若者女子たちは今日もまだ眠っている。
そっと起きだしてテラスに行き、ここ数年の朝の習慣になっているストレッチをして、プロテインを飲んで部屋に帰ろうとしたら客室エリアに入るために使うタッチ式のルームキーがない。通りかかったスタッフに事情を話して開けてもらい、フロントで新しいキーをもらってドミに戻ったら、あらまあ枕元にキーが置きっぱなしだったよ。
この日は昼に《破・地獄(ラスト・ダンス)》を観に行くので朝はゆっくりめの行動。前日はかなり汗もかいたので、洗濯機を回してから早餐を取ることにした。あらかじめオクトパス支払い(洗濯・乾燥各30ドル)を確認していたのだが、説明をよく読まなかったために洗濯物を入れる前にタッチ支払いをして空洗いさせた(泣)仕方なく隣のマシンに入れて支払いなおし、仕上がる間に美荷・時光でサテビーフヌードルセットをいただく。その後、乾燥機を45分にセットしてドミに戻ったが、実際の乾燥所要時間は45分以上かかった。
こちらがそのサテビーフヌードルセット。飲み物は凍檸檬茶。
諸々片付いて10時に出発。前日に続いて尖沙咀のiSQUAREで《破・地獄》。
HKMovie6アプリで確認するとThe CORONETという座席数が少ないスクリーンが出てくるのだが、行ってみて座席を取ると、なんと190ドルで一瞬驚く。でもよく聞くとフードセット込みで「何にする?」と聞かれたので、アボカドドッグとポップコーン、アイスオレンジティーをチョイス。
ポップコーンバケットは香港国際映画祭仕様。今年は映画の名セリフがちりばめられていて、「もう一度やり直そう(広東語/ブエノスアイレス)」や「私は海より深く人を好きなことなんて…(日本語/海よりもまだ深く)」はわかった。
そしてシートはクッションとブランケット付きだし、スクリーンはでかい。これならあの値段も納得。しかし日本でもプレミアムスクリーンに入ったことなかったので、香港でデビューというのはありがたい。おかげでずったりのめり込んで観られた。
映画の後は尖東まで出て、屯馬線で錦田へ。
ここには客家式邸宅が並ぶ吉慶園がある、とセサミスペースMさんの『Hong Kong 旅歩き』というエッセイで読んでいたのだが、そのことはすっかり忘れていて(すみません)昨年の香港映画祭で観たサミー主演の『流水落花』の舞台及びロケ地であり、その風景が岩手にあまりにも似ていたことで「香港の岩手!香港に岩手があった!」と勝手に騒ぎ(しかもカー・シンフォン監督にもわざわざ言うくらいだった。何かわかりにくくてすみません監督ってここで謝るな)一度行ってみようと思ったのだった。
錦上路駅で下車し、マップで中心街を調べてバスに乗車。駅の反対側は高層マンション群の建設が進んでいるが、駅を離れたら低層の建物が並び、台湾の地方のロードサイドを彷彿とさせる。中心街で降り、川を渡って山の見える方向へと歩いてみる。
目の前に見える山は香港街道地方指南によると雞公嶺(圭角山)という山。さすがに山に登る気にはなれなかったが、周辺なら回れるかと思ってしばし散歩。わき道に入ってずんずん進むとあたりはすっかり農地で、どこも有機野菜農園と書いてある。これではますます岩手ではないか、と思って歩いてた。しかし、川に戻ってふと遠くの橋を見ればずらっと並んでた五星紅旗……街のあちこちでは「中華人員共和国建国75周年」という過去のイベントポスターも見かけた。それは決して間違いではないことなのだが…と心でため息をつく。
歩いているとよく見かけた看板なので書店なの?と思って行ったら休みだった。
帰りは駅まで歩き、やはり香港というより台湾っぽい街並みを感じ(多分吉慶園の近くも通っているが気づかなかったようだ)1回乗り換えて深水埗へ。まだ早い時間に戻れたし、久々に甜品を食べたくなったので、緑林甜品でマンゴープリンの楊枝甘露かけをいただいた。いつもの流れなら豆腐花なのだが、久々に楊枝甘露を食べたかったのでまあいいか。
帰宿してストレッチしながら少し休憩。昼に映画を観たので、夜は深水埗を歩くことにした。夕闇に沈んでいく街は美しいなあと思いながら、晩餐のいただける店を探し、華園冰室という茶餐廳に入って、叉焼雞扒飯を注文した。この旅で初めての米飯であった。
しかし!完食できなかった。これで残して帰るのもなんか悔しいので、店員さんに「打包(テイクアウト)」とお願いして持ち帰り用のパックをもらい(有料・2ドル)残したご飯と叉焼と雞扒をつめ、セットの凍檸檬茶は全部飲んで店を出た。日本でも食べ切れなかったらテイクアウトしているので(例えば地元の某有名そば店のカツ丼。美味しいし好きだけどボリュームが半端ない…)特に抵抗はないのだ。
途中西九龍中心にもふらっと寄ったけど、疲れてもいたのでまっすぐ帰宿し、宿の売店で大紅袍のペットボトルを買ってテラスで飲んだ。
気温は高くて外で過ごせるのは良いのだが、疲れている時だからこそ、とにかく、熱いお茶が飲みたかった…。
深水埗の夕方をどうぞ
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