新寶島見聞録【1】準備~台北到着編
8月5日(土)から9日(水)に、実に4年半ぶりに台湾に行ってきた。
blogを始めてこの方、毎年香港か台湾には行っていたのだが、この3年間、海外どころか長期の帰省もまともにできない状態だった。それほどまでにコロナの打撃を受けたのだが、幸い何とか感染せずにここまで来た。5類引き下げを前にした今年の春くらいから関東にも行けるようになったので、マスクをつけての行動やこまめな手洗いや消毒などに気をつければ海外にも行かれる。だから行くことにした。
2020年2月末から運休していたタイガーエアの花巻台湾便が5月から復活し、先だって2月下旬にバーゲンセールを行っていた。当然喜び勇んでバーゲンでチケットを買おうと思ったら、あっという間にバーゲン終了。それにもめげずに上記の日程のチケットを予約したのだが、LCCなのに定額の購入金額がフルキャリアとほぼ同額というのはいったい何なんだ。それは円安だからだ。まあ、成田や羽田へ向かう往復の新幹線の運賃を合わせた金額だと思ってあきらめ、その分宿代は節約してドミトリーにした。
当初20年3月に台湾行きを予定していたときは、初日と離台前日に台北に泊まり、真ん中は台南に2泊するつもりだった。しかし今回は前半に台北2泊、後半に台南2泊で、最終日は早朝に台南から桃園を目指すこととなり、駆け足のスケジュールを組む羽目になった。それでもよかった。とにかく台湾に行ければよかった。
そんなわけで、史上稀にみる猛暑の日本を脱出し、猛暑から豪雨まで目まぐるしく変わる天気の台湾を北から南まで旅し、見て聞いた記録を始めよう。
旅の前に用意したこと
まずは移動中のエンターテインメント。
私の旅には本が欠かせない。旅先に合わせて本を選ぶということもあったが、今回は積読していた文庫本をお供にした。いずれも日本の小説。
タイガーエアはLCCなので、座席にモニターはない。フライト時間は約4時間なので、1時間半の映画なら2本は観られる。というわけで、手持ちのiPadにprimevideoから台湾映画をダウンロード。選んだのは次の4作品。
・悲しみより、もっと悲しい物語
・狂獣
・High Flash 引火点
・運命のマッチアップ
このうち上の3作品はprime会員は無料鑑賞&DL可で、友人にお勧めされた『運命の…』は有料レンタル。
長時間移動が多いこの旅で、果たして全作品観られたかどうか?結果はまた後ほど。
さて、荷物はどうするか。
LCCの荷物預け入れは有料。以前行きだけ預けないケースで行くことを試みたが、持っていったキャリーが機内持ち込みサイズを超えてしまったので、約5,000円の追加料金を払った経験がある。今回は毎回恒例の弟からの荷物持ち帰りミッションを受けていたので、往復共に預け入れ料金を払った。
持っていくキャリーはここ10年ほど香港や台湾に持っていっている1週間程度の旅の荷物が入るもの。弟からは冬物の衣類やお茶類の持ち帰りを頼まれることが多いが、その量もこちらの予想以上なので、半分以上はその荷物で占められることを予想した。だから、キャリーの半分以下に自分の荷物を抑えることが課題となる。では、いかに荷物を少なくするかといえば、滞在先で洗濯できるように衣類を減らすのが一番。加えて夏場なので、ノースリーブ数枚に軽いブラウスという組み合わせにした。冷房も厳しいのでカーディガンも持った。
移動時はリュックサックにiPadを詰め、貴重品は街歩き用の軽いショルダーバッグに。足元はビルケンシュトックのサンダルのみ。
私のiPhoneはまだsimフリーではないので、これまでは日本でWi-Fiルータをレンタルしていった。しかしサイトで試算したら、やはりレンタル金額は高くなっていた。ここ最近は海外のパケット放題も定着したとは言うけど、やはりポータブルWi-Fiがあった方が安心する。そんな時、台北ナビで現地レンタルのiVideo割引キャンペーンを行っており、プランを確認したら日本で借りて出るよりもずっと安かったので予約して申し込み。空港内のセブンイレブンを引き取り場所に指定した。
そして今回はTHSRの移動のために、今まで申し込んだことのなかった台湾高鐡3日パスも予約してみた。
以上のように準備をして、出発日を迎えた。
8月5日(土・1日目)
自宅から一番近い空港はいわて花巻空港。ここから出国して台湾に行くのは、5年前(2018年)の夏以来2回目。
この空港自体は飛ばない時でも仕事で何度か来たことがあったし、9年前の冬の台湾と4年前の春の香港でそれぞれ関空からフライトする時の出発で使ったことがあるので、もうすっかり馴染みの空港である。
地方空港からの出国
盛岡からのアクセスは鉄道と直通バスがあるが、バスも駅に寄ること、各フライトに合わせたダイヤが組まれていることからバスを選択。台湾便は団体利用が多いせいか、公共交通を利用する個人旅客は少ない。でも盛岡から花巻までは東北道を利用するので、快適に移動できる。
到着して団体に交じってチェックインカウンターに並ぶが、ここでトラブル発生。予約時に申し込んだ名前のアルファベット表記がパスポートと逆だった。以前エクスペディアからエアチケットを購入した時も同じトラブルで訂正されたことがあったが(それ以降エクスペディアを使わなくなった)どうやら久々の予約で入力し間違えたらしい。ここで30分ほど時間を食ったが、何とか訂正してもらえた。LCCはフライト2時間半前に空港に来ることとよく言われているが、こういうこともあるからか。これが国際空港だとここからボディチェックや出国審査でさらに時間が取られ、焦りながら搭乗することになるが、ここは小さな地方空港なので施設は小さいし、多少時間を取られても大丈夫。
無事チェックインと手荷物の預け入れが済んで移動。売店をのぞく用事もないので、暑い中(!)展望ロビーに行って外を眺めたりしていた。
展望ロビーの階から、待機場と反対側にある山々を眺める。多分花巻温泉のある側
台湾便の到着時にはいつもお出迎えしている花巻温泉の皆さん。5年前の夏にもお見かけした。
面白かったのは、出発ロビーでボランティアの若者から手荷物に入れる液体物袋を渡されるときに、中国語で話しかけられたこと。時間帯的に台湾便の旅客が多かったからかもしれないが、個人旅の台湾人客に思われたのかな。この頃は地元のさんさ踊りから青森ねぶた・弘前ねぷた・秋田の竿灯など、東北の夏祭りシーズンのピーク期で台湾人ツアー客が多かったが、同じ便に乗る日本人は家族連ればかりでソロはどうやら自分だけだった様子。
飛行機は定刻通り18時前に離陸。
予約していた機内食はベジタリアンのキノコ炒め。味はまあまあ。
行きの機内で観た映画は『悲しみより、もっと悲しい物語』。韓国映画のリメイクだけどオリジナルは未見。
高校時代からひかれあいながらも恋愛関係ではなく良きパートナーとして関係を築いてきたK(劉以豪)とクリーム(アイビー・チェン)の、お互いを思いやるあまりに自らの気持ちを抑え込んで取った各々の行動とその顛末に悲しくなった。だからこの題名なんですか(泣)オリジナルではさらに悲しいのだろうか。
桃園MRTで台北へ→ホステルへチェックイン
21時に桃園に着陸。真夏の台湾は5年前に続いて二度目だが、なんとなく暑さの質が違うように感じる。
予約していた合星青年旅館(スターホステル台北イースト)はチェックイン対応が22時30分まで、それ以降にインするならDMしてほしいと言われていたので、到着後すぐDMを送ってセルフチェックインの手続きをしてもらった。
桃園空港は広い。もし自分が若くて手荷物だけだったら、降機後ダッシュして入国審査を速攻でパスし、預け荷物受取場を華麗にスルーして1階のセブンイレブンに寄ってルーターを受け取り、すぐさま桃園MRT(以下空港線)ターミナルに行って直達車(以下快速)に乗れたら、なんとか22時30分のチェックインに間に合ったのだろうけど、果たして現実は厳しかった。入国審査は激混みだし、預けた荷物はなかなか出てこないし、セブンイレブンでは並んだし、悠遊卡のチャージも忘れてたし、開き直ってチャレンジしたこのキャンペーンはやっぱり外れたし、挙句の果てにやっとのことでたどり着いたプラットホームではタッチの差で快速に乗り遅れた…この時点で21時50分くらい。
はい、これはもうのんびり行けってことですね…というわけで10分後にやってきた普通車に乗り、50分かけて台北まで行った。
空港線の台北駅ホームは、駅の北側にある。開業当初、他のMRTに乗り換えるのに距離があって不便というのをよく聞いていたのだが、東京駅や大阪駅で乗り換えに歩くのに慣れていることもあって(地方暮らしももう30年なのに!)言われているほど不便には感じなかった。ホステルがある東區までは板南線で移動し、忠孝敦化で下車。忠孝東路の路地を入ればすぐ場所が分かったし、セルフチェックインも難しくなかったので、寝床であるドミトリーまでは容易にたどり着けた。よかった。
消灯後で暗かったので、寝ている人に注意して荷物を片付け、ロビーに降りて翌日の準備をあれこれしてから就寝。
(続く)
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