新寶島見聞録【2】台北編
8月6日(日・2日目)
5年ぶりの台北の朝。
暑そうだった。
当然である。
合星青年旅館(以下ホステル)では朝食が提供される。朝8時と比較的遅めだが、さすがに外出してどこかの早餐店で食べてもう一度…とかいう元気も暑さで喪失気味なので、時間まで待ってiPhoneとプロテインシェイカーを携えてロビーに降りた。
早餐はビュッフェスタイルで、主食(この日はミニハンバーガー)タマゴ・ミニ焼き芋・サラダ・フルーツ。お茶は当然天仁茗茶の烏龍茶ティーバッグ。
小隱茶庵で猫とともに
この日は中部に住む弟と会う日。
ここしばらくは台南まで来てもらっていたのだが、本人の希望で久しぶりに台北で会うことに。ホステル近くのスタバで待ち合わせし、お茶等の持ち帰り荷物と依頼されて持ってきた荷物を引き換え、一度ホステルに置いてきてから予約していた小隱茶庵の信義店へ移動。
ここは今年発行されたブルータスやhanakoの特集号で紹介された新しい茶楼。
東門にある本店が有名だけど、宿に近いし象山公園も散歩できるかな…と思った(だが、日象山は高低差が大きい場所だから酷暑に散歩は自殺行為だぞと弟に言われて散歩はギブアップ)googleマップでルートを調べたら、現在地からバスでの乗り継ぎが便利とあってそれに従ったが大失敗。降車場所を間違えて散々歩き、予約時間に遅れてのチェックインとなった。MRT板南線で忠孝復興→文湖線で大安→淡水信義線で象山(終点)のルートを使った方が、地上でバテることなく快適に行けたのに…
お茶は金萱茶をチョイス。フードメニューもあったので、炸醬麵を注文した。
レトロな内装でいい雰囲気だけど、BGMがJ-POPだったね…まあ好みはそれぞれですが。
自分のペースでお茶が飲めるのがありがたかった。
ソファーでは看板猫さんがのんびりまどろむ。おとなしくて人馴れしててかわいかった。
楊德昌(エドワード・ヤン)との邂逅
制限時間いっぱいまで弟と近況をあれこれ語り合って、2時過ぎに店を出た。次は象山駅から淡水線に乗り台北市立美術館へ。エドワード・ヤン(以下ヤンちゃん)の回顧展《一一重構:楊徳昌》を見た(内容はこちらのレポートをご参照あれ)。
2007年に彼が亡くなって15年以上が過ぎ、日本でも作品がなかなか観られなかったけど、牯嶺街のリバイバルのヒットから旧作のリマスター版が次々に公開され、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督が敬愛する監督の一人としても知られることになり、ヤンちゃんの再評価が高まったのは本当に喜ばしいこと。監督作品に関わる資料がほぼ全て展示され、日本公開時のポスターやプレスや雑誌まであって、非常に見ごたえのある企画。いろいろ見入っては観た当時のことも思い出したし、それに夢中で写真はあまり撮れなかった…。
数少ない写真。牯嶺街の国際版ポスターその1
牯嶺街国際版ポスターその2。両方ともフランス版か。
『恐怖分子』のあの場面の再現
一方、台湾生活トータル10年とはいえ、連れの弟は台湾映画には親しくない様子。ホウちゃんは知っているしついでに王家衛作品は『花様年華』が好き(姉とはことごとく好みが違うのにこれだけはなぜか一致)だけど、映画はもちろんヤンちゃんの名前すらも知らなかった…まあ、そんなものか。
でも、ヤンちゃんが手塚治虫ファンで漫画家を目指していたという点で興味をひかれたようで、各作品の絵コンテやイメージスケッチ、『エドワード・ヤンの恋愛時代』のために描いた各キャラのスケッチや自画像にはしっかり注目して「かわいい!上手い!キャラクターグッズにしたら売れるよね?」と感心していた。
これは美術館でもらった、新北の國家電影及視聴文化中心で同時期開催のレトロスペクティブのプログラム。
このイラストを使用した特製グッズもあったのだが購入せず。台北滞在時にも上映がなかったので行けなかったし。
日曜夜の遼寧街で
ホステルに戻り、ドミトリーに入ろうとしてカードキーをドアにかざしたら、開かない。不思議に思ってロビーにある受付に行ったところで、ちゃんとチェックインしてなかったことを思い出した…。宿代を払ってキーを有効化してもらい、やっとドミに入れた。
今回の旅のミッション①は「新しい茶楼に行くこと」だったので、昼でクリア。次なるミッションは「熱炒で本場の三杯小巻を食べること」。
3年間に渡る渡航自粛期間の影響で台湾料理を作ることにハマり、フレッシュバジルが手に入る夏場には三杯雞や三杯菇を作るのが定番になった。しかし、残念なことに、私は台湾で三杯雞や三杯菇を食べたことがなかった。つまり、本場の味を知らずに作っていたってわけ。それなら次の台湾行きで三杯料理を何か食べよう!と思い立った。というわけでミッションその②に取り掛かる。
目指すは我が心の遼寧街!(BGMはもちろん「Happy Together」)
遼寧街の夜市は日曜休業の店が多いのだが、日程の都合上これは仕方がない…と思ってたら、海鮮を専門とする来来活海鮮を見つけ、店先のメニューに三杯小巻があったので、ここで食べることにした。
三杯料理に使う九層塔(台湾バジル)は日本のそれとは明らかに違う味わいことが分かった。
そしてこれ以外は頼まなかった。他に食べたらお腹いっぱいで帰れなくなりそうだったので(笑)
でもデザートは何か欲しいと思い、開いてた豆花と芋圓の店で緑豆豆花をテイクアウトしてホステルで食べた。
帰りがけ、東區地下街のドラッグストアで買い物した帰り、いきなり「あなたのバッグ可愛いわね」と若いカップルに声をかけられた。中国語で返したら妙に盛り上がり、なぜかLINEを交換する羽目に。その二人は新竹から台北まで遊びに来ていたそうで、これは今度新竹に行った時に声を掛けて遊びに行けばいいのかな?と思った(その後勝手に変なグループLINEに追加されたが、よくわからなかったのでさすがに拒否したけど。その後、彼らはたまーにメッセージくれます)
8月7日(月・3日目)
早餐はトースト、蛋餅とソーセージ、そしてサラダとフルーツ。
この日は午後から台南へ移動と決めていた。当初は貓空に行く予定を立てていたが、説明不要の酷暑のため、これまであまり歩いてこなかった街中の散策に切り替え、松山文創園區(以下松菸)へ行った。
國父紀念館でMRTを降りるとすぐ、当時建設中の台北ドームに行き当たった。そこから少し歩くと松菸の入り口に行き当たる。
実は当初、ブルータスで見た不只是圖書館に行きたかったのだが、あいにく月曜が定休日とのことで結局かなわず。とりあえず外から眺めて次回の再訪を決意。隣接する誠品生活松菸店ものぞいてたらあっという間に正午に。
午餐どうしよう…と悩んで赤峰街に向かった
しばらく歩き回って選んだのはMiss V Bakery Cafe。
チキンパニーニのセットをいただいた。
お茶は水出しの烏龍茶。一般的なカフェにもこういうメニューがあるのは嬉しい。
その後、弟から教えてもらった蘑菇の店舗に初めて行き、あれこれお買い物。
これでだいたい満足したので、ホステルに戻った。
ホステルのロビー。個室風スペースもあって居心地が良い。ビジターも面会等でここまでは入れる。
高鐡3日パスの旅
ここしばらくの私の台湾旅は台南がメインになるので、必然的に高鐡を使うことになる。今回は後半2泊が台南なので、外国人旅客向けの台湾高鐡3日パスにトライしてみた。取り方は出発前日にSNSに流れてきたこちらのページを参考にした。オンラインで乗る高鐡の予約までしようかと思ったけど、窓口引き換えを体験したかったので、窓口で予約して発券してもらった。平日で混雑していなかったこともあり、すぐ取れてよかった…のだけど、3列席の真ん中だったので、キャリーの置き場に困ったことを記しておく。
台北駅にて。日立の家電の代言人を務めてた五月天。街中で見かけたらそりゃ撮るよねー(笑)
というわけで五月天に見送られ(嘘)天仁茗茶のスタンドで四季春を買い、それを持って台北を後にしたのであった。
(続く。次回で完結)
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