盛岡台湾Happy Project
厳しい残暑が過ぎ、長雨が短い秋を呼ぼうとしている季節が到来。
年度末台湾旅行のキャンセルから始まり、3月あたりから新型コロナウィルス感染拡大の影響のためイベントが次々と中止になったり、首都圏での感染拡大のために5月の連休とお盆も帰省できず、この夏は地元でただなんとなくぼうっとした休みを過ごしてしまいました。
東京ではこの春から延期していた台湾巨匠傑作選2020の上映が今月中旬から始まり、さらに東京国際映画祭と東京フィルメックスがほぼ同時期に作品数を減らしながら開催することも決まったのですが、現時点で東京を始めとした首都圏での感染がまだ収まっていないことと、多くの人を相手にする職業上、参加するには感染リスクがまだ高いと判断したので、今年は両映画祭とも参加を見送ります。上映作品が有料オンライン配信されたら、それはそれで喜んで参加したいのですが、両映画祭ともフィジカルレベルでの開催とのことなので、それは期待できそうもないですね。特にフィルメックスはこのblogを始めた16年前からずっと参加し続けていたので、参加できないのは本当に残念です。
そんなふうに思いながら、地元の盛岡で観られる映画は観て、地元の経済に貢献する日々を送っていますが、そんな地元では、新型コロナウィルスの感染拡大をいち早く食い止めた台湾に学び、交流していこうという「盛岡台湾Happy Project」というプロジェクトがこの夏からスタートしました。インバウンド事業を実施してきた旅行代理店トラベルリンクや以前取り上げたFu-Daoをベースに日台関連事業のコーディネイトを行う岩台朋友会、県内の大学生で結成された団体「いわてとたいわん」等が立ち上げました。
このプロジェクトの公開スタートイベントが9月5日に行われ、参加してまいりました。
会場は老舗のそば屋、東家の大手先店。
当日限定で店内外には九份をイメージした赤いランタンが飾られ、盛岡なのに台湾気分。
未だに九份を「千と千尋…」のロケ地とか舞台とかいう人がいるらしいけど、決してそうじゃないからね!と久々に強く言ってみる。
帰りがけにはきれいな明かりが見られました。ここを背景に写真を撮った方もおりましたよ。
このイベントのメインは台湾好きにはお馴染み、在台ジャーナリスト片倉佳史さんによるオンライン交流セミナー「台湾を知って岩手を考える〜知れば知るほど面白い隣国・台湾」。
これまでこの本やこの本を読んだり、かつては高校生による新渡戸稲造と台湾の研究に資料提供をしたり、つい最近まで野嶋剛さんの『なぜ台湾は新型コロナウィルスを防げたのか』を読んでいたこともあって、台湾の歴史も多少は知っているから聞いたことのある話がいっぱい出るのかな、などと思ってセミナーに臨んだのだけど…いやあ、初めて聞くことも多かったし、実に濃く内容も充実していてよかった。
岩手県には新渡戸稲造を始め、後藤新平や伊能嘉矩など、台湾にかかわりのある多くの先人がいます。特に新型コロナウィルスの防疫に関しては、後藤新平が台湾総督府民政長官を務めた時に疫病の発生に関して公衆衛生を徹底したことが現在まで伝わっているので、7月下旬まで感染確認者なしを続けてきた岩手としては、シンパシーを感じやすいのではないかと思います。
国民党政権末期に台湾留学して以来、ここ15年は弟が暮らしていることもあって台湾に通い続けていますが、なぜこんなにも台湾が好きなのか?ということについて考えると、やっぱりいろいろな思いがあるし、さらにいろいろな偶然が引き寄せてくれて、ここまで来たのではないかなと思います。もう一言でいうのは難しいですね。コミュニケーションツールとして中国語も続けてきてよかった。
ここ30年間の台湾に関する人々の反応も大きく、よい方に変わりました。観光で触れる人が多いのでしょうが、タピオカや九份は千と千尋云々が入り口であっても、台湾を訪れる岩手の人々が今後もっと増えて、今後佳き関係が築けることを願うばかりです。
さて、当日はいろいろなお楽しみがありました。
ウェルカムスイーツはマンゴー雪花冰。かき氷なんてしばらく食べてなかったなあ。
こちらは東家さん特製の盛岡台湾弁当。左上から時計回りに、台湾風豚角煮、菜脯蛋、クラゲと胡瓜のサラダ、唐揚げ、おこわ、潤餅。上品だ…デザートはfu-daoの愛玉。
こちらは袋に入ったままですが、市内にある台湾居酒屋ふぉん特製の茶葉蛋。
今後は10月下旬にクロステラス盛岡で実施されるPRイベントが控えております。
このイベントにもしかしたら仕事がらみで関わりそうな予感がするので(詳しくは言えないが)秋の映画祭ロスはこれで埋め合わせできるかな、個人的には。
そうそう、映画といえば、もちろん映画による関連イベントもあるんですよ、嬉しいことに!
昨年『藍色夏恋』上映会を実施した〈映画の力〉プロジェクトによる「盛岡かわとみどりのほしぞら映画祭」で、なんとなんと『祝宴!シェフ』が野外上映されるのですよ!しかもお弁当付き!いやあこれはもう楽しみしかないわ。毎日パフィ姐さんのダンスを踊りながら、当日の晴天を願うばかりです。
(陳玉勳といえば、台湾ではもうすぐ新作の《消失的情人節》が上映されます。これも観たいなー。TIFFで上映されてしまうのだろうか…)
これまではいろいろと気がふさぐことが多かったけど、やっと岩手が台湾に追いついた!(こらこら)これを待っていたのだよーと思うと、今後の展開と未来の交流がとても楽しみになります。始まったばかりのプロジェクトですが、全力で応援していきますので、地元の皆様、それ以外の皆様もどうかよろしくお願いいたします。
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