誘拐捜査・九龍猟奇殺人事件【未公開映画の感想】
これまで観てきた2年分の映画のうち、tweetはしたけど、独立した記事が書けなかったものをまとめてUPします。
まずはタイトルの2作。2017年くらいから、WOWOWで未公開中華電影の放映も目立つようになってきたので、よく観ていました。
『誘拐捜査』
中国で実際に起こった俳優誘拐事件を基にした映画。監督は成龍さん主演の中国映画を多く手がけるディン・シェン。
香港の映画スター吾先生誘拐をめぐる警察と犯人、そして吾先生と誘拐犯との駆け引き。成龍さん出演作を手がけてる監督さんだと思うけど、ポリストレジェンドをさらにリアルに寄せたような感じだったな。実際に誘拐された俳優さんも出演し、刑事役リウ・イエの上司役で出演していた。
吾先生は香港スターだけど大陸出身であっと驚く背景を背負っているのだけど、それゆえにもしかして…という期待をさせてしまうのはあえてなのか?親友の北京在住の実業家が林雪ってのは美味しい。『ブレイドマスター』の王千源はなかなか曲者。でも本来は《健忘村》のようなコメディ演技のほうが得意分野らしい。
派手ではなく、あえてリアルさで見せたのは好感度高いし、これならシネマート系の中華祭りでやってもよかった気はするんだけど、それでやるには華が足りなかったかもしれないな。でも、ドラマとしてしっかりした作品だったので、観てて安心した。北京の元宵節の風景もいい。
『九龍猟奇殺人事件/踏血尋梅』
少女の殺人事件から見えてくる、人間の孤独と哀しみを描いた映画だった。憧れの香港で夢を叶えられず落ちていく少女と、幼い頃に事故で母親を失い、失意のまま成長した男が出会ったことで起こった悲劇は確かに猟奇的だが、お互い何かを求めていたと見ると印象が変わる。
主演はアーロンだけど、決して派手じゃないし、むしろ彼の役どころは狂言回し的。渦中の男女を演じる白只(マイケル・ニン。『宵闇真珠』にも出演)と春夏(『シェッド・スキン・パパ』のジェシー・リー)が本当に熱演で、アクションよりリアリティを求めた映画のトーンともマッチしていた。グロい場面や台詞もあるけど、それほど気持ち悪くはならなかった。TVで観たからだろうか?うーむ。
撮影にドイル兄、あとウィリアム叔父さんの名前も見たので、映像的にも見ごたえある。いい映画なんだけど、派手でもなくむしろ地味な展開なので一般公開はキツかったんだろうな。ただTLによると、WOWOW放映版は98分の短縮版で、120分のディレクターズカット版があるらしい。これも観たい。
当事者の王佳梅(ジェシー)は湖南省生まれという設定で、広東語も割とすんなりしゃべりつつ時々キッツい湖南訛りで喋るというキャラで、普通話話さないのは珍しいなと思ったのだけど、ある場面でしゃべっていたのは意味があるのかな?と思った。
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