廉政風雲 煙幕・歐洲攻略・大師兄【2019冬&春に台南と機内で観た香港映画】
今年の2月と3月の台南と香港の旅では、機内上映も合わせて久々にたくさん香港映画を観られました。
ここでは先行してTwitterやFBで書いてきた各映画の感想を加筆して2回に分けてUPいたします。
《廉政風雲−煙幕》
インファナルアフェア三部作のアラン・マックが監督し、同じチームのフェリックス・チョンがプロデュースしています。メインとなるのは香港の汚職捜査機関・廉政公署(ICAC)。大企業の不正取引に関わり、証人として出廷要請を拒否し海外逃亡した会計士(ニック・チョン)と、彼を追う二人のICAC捜査官(ラウ・チンワン&カリーナ・ラム)が主人公。内容的には地味になるんじゃないかと思いきや、チェイスあり暗殺ありの、香港映画的な通常運行でした。
らうちん&カリーナは同僚でライバルでしかも夫婦というコンビなのだが、それって正直アリなのか?ただ、夫婦仲はあまりよろしくないのと、ニックさんを追ってオーストラリアに行くのがカリーナ、香港に残って調査するのがらうちんなので、こういう立ち位置はイマ的かもしれないなあ。
リーガル&エコノミーサスペンスなので、専門用語(それでも易しめ?)が多くてなかなか難しいけど、盗聴犯シリーズも追っていたのはマネーロンダリングやインサイダー取引なので、その辺を思い出しながら観ていた。でもクライマックスの展開は分からなくもないと思ったが、オチはそれでいいのか!と驚愕。…製作に中国の会社が入っていたので、こういう風にしないといけないのか、と少し思った次第。
キャストは前述の3人のほか、ICACの捜査責任者に安定のアレックス・フォン、らうちんの部下にカルロス・チャン、大企業から収賄を受けた政府官僚にアニタ・ユンなど。珍しく偉い役のユンれんれんは何となくキョンキョンっぽい(もちろんフィリップじゃなくて小泉さんの方ね)雰囲気をまとっていたんだが、そう思えたのは多分自分だけだろうな。
トニー・レオン&ジングル・マーによるアジアのジェームズ・ボンドものまさかの13年ぶりの第3弾…なのだが、中国資本が入って製作はなんと澤東公司のレーベルBlock2(多分トニーが契約していた最後の作品)、おまけに林貴仁の名前は林在風と変更されて、実質的にはリブートものだった。
共演はクリス・ウーと唐嫣,杜鵑(擺渡人でのトニーの元恋人役)と全体的に中国寄り。林が10年前にミッションで救った華人数学者(ジョージ・ラム)が遺したプログラムを巡って、彼の遺児とCIAが対立するといった展開だったけど、なんとなくとっちらかっていてイマイチのめり込めず。林とスパイの王朝英(唐嫣)のラブロマンスは必要だったか?
でも今回はトニーズエンジェルならぬトニーズギャランツといった感じで、元秋さんを初めとしたおっちゃんおばちゃんの四大名手がいい味出していたので、そこはよかった。まあでもねえ、今さらそれをやるのか?って感じはしました。すでに設定からして香港は全然関係ないってのももちろんあるのだけど。
《大師兄》
ド兄さんがめちゃくちゃ強いミドルスクールの先生になって、問題児揃いの生徒たちと触れ合っていく話。
学校が廃校の危機にあったり、ド兄さん演じる陳先生の過去が壮絶だったり、武闘家の悪だくみがあったりとあれこれ盛り込んでお腹いっぱい。
アクションは谷垣さんで、学校ならではのロケーションを生かした殺陣が面白かった。
谷垣さんといえば、東京ロケも敢行して監督も務めたド兄さん主演作品《肥龍過江》が今年の夏頃に香港で公開されますが、この作品とセットで日本公開されないかしらと思っております。まあその前に『イップ・マン4』が日本公開されるので、お楽しみはこれからなんですけどね。
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