ブレイド・マスター(2014/中国)
今月の楽しみは、我らがホウちゃん待望の新作『黒衣の刺客』の公開!
…とは言っても、全国数カ所での公開スタート、今現在、東北での公開は未定です(泣)。そんなわけで、連休の上京時に新宿まで観に行きます。
主演は言わずもがな、ホウちゃん作品の常連となったすーちー&張震。
台湾生まれで同い年のこの二人、デビュー&ブレイク時からずっと活躍を見守ってきたけど、もうすっかりベテランになったのね…とまたおばちゃんくさくしみじみしちゃう秋の始まり。
さて、昨年の東京中国映画週間では『ブラザーフッド』という題で上映されていた、張震主演の中国映画『ブレイド・マスター』。これが初見になるけど、題名変えなくてもいいのに、残念だわーと思って、この夏から中華電影の特集上映を六本木から引き継いだシネマート新宿まで観に行った。
明代末期に結成された皇帝直属の禁衛軍の一つ、錦衣衛。義兄弟の契りを交わした沈煉(張震)、盧剣星(王千源)、斬一川(李東学)の三人は、前宦官の魏忠賢(金士傑)の暗殺を依頼される。沈煉は潜伏先の宿屋で魏忠賢を発見して追い詰めたが、金と引き換えに魏忠賢を逃し、剣星たちには自分が斬ったと報告する。
暗殺を依頼した現宦官の趙靖忠(聶遠)は、実は魏忠賢の義理の息子。義父を殺すことで宮廷で確固たる地位を築くことを望み、そのために錦衣衛たちを利用する。一方、三人の義兄弟もそれぞれの悩みを抱えていた。剣星は昇進を望み、沈煉は妓女の妙彤(劉詩詩)に惹かれ、身請けして外に出してやりたいと考えていた。そして盗賊の過去を隠して錦衣衛に入った一川にの目の前には、かつて兄貴分だった丁修(周一圍)が現れて自分のところに戻るようにと誘いかけるのだった。
錦衣衛については、ド兄さんの『処刑剣』での感想を参考のこと。
明代に設立された秘密警察というのが一番とらえやすいんだろうけど、飛魚服という制服に身を包んで、複数で行動していたというところから、日本の歴史もので言えば新選組が幕府直属の機関となったようなものだと考えればいいのか?>ちなみに新選組には興味ないので違ってたらごめんなさい(こらこら)。
この組織が世間からの嫌われ者になっているのは両作ともにしっかり描かれていて、それだからこそ、主人公の三人はその汚名をまとって任務を遂行する。しかし、宮廷の裏で起こる陰謀に否応なく巻き込まれ、傷つき倒れていく。
張震自身が『グランド・マスター』での役作りのために八極拳を習得し、武道に長けて来たこともあってか、アクションがワイヤーに頼らないリアル感があっていい。ド兄さんの時は鉄の帽子&フロックコート風だった飛魚服も、凝ったデザインをあしらってるスマートなデザインで、これも素敵だった。昨年の金馬奨では最優秀造形デザインを受賞しているそうで、大いに納得。
三兄弟もバランスが取れた人選だとは思う。剣星役の王千源は美形じゃないが(岸谷五朗説もわかるが、それに柄本父子も少し入ってる気がする)、まあ血がつながってないから許してあげよう。李東学は名前をよく見かける中国の若手なので、三男坊のポジションにはぴったり。でもかわいそうなんだよねー。
そして、張震のクールさは際立ってますねー。アクションもだけど、立ち姿も綺麗に撮ってもらえていいねえ。
だけどね、彼と劉詩詩演じる妓女のくだりは、もっとウェイトを減らしてもよかったよ。彼女が沈煉と昔からの因縁があったことは割と早いうちから気づけるのだけど、恋バナは一川と、彼が懇意にする医師の娘張嫣(葉青)くらいでよかったんじゃないかな。その筋の分量が多かったので、やや散漫な印象があったかもしれない。決して悪い出来じゃなかったからね。
原題&英題:繍春刀(Brotherfood of blades)
製作:テレンス・チャン 監督&脚本:ルー・ヤン
出演:チャン・チェン リウ・シーシー ワン・チエンユエン リー・トンシュエ ニエ・ユエン チョウ・イーウェイ イエ・チン ジン・シージエ
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