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ファイヤーストーム(2013/香港)

 最初に言っておきます。これは火災映画ではありません。警察映画です。しかも英題由来です。
 あーっ!なんでこんな似たような邦題の映画が時期を近くして上映されるのよー。もうちょっと配慮してくださいよ配給さんってばー(泣)。

Firestorm3

 前の作品の時にも書いたけど、あのデモでのことがあるので、もしかしたら香港警察ものは当分観たくないなあって思う人もいるかもしれない。でも、観ないことには感想も書けないし、映画は映画、リアルはリアルと割り切っているし、何よりも自分の住む街では今年いわゆる正統派な香港映画が全く上映されていないので(これについてはまた日を改めて)、やってくれるのなら観るよ!って勢いで、上京時にシネマートで観た作品。

 ロイ(アンディ)とトー(カートン)は中学時代の同級生で、共に柔道を学んだ仲。しかし、成人してからは対照的な道を進み、ロイはエリートの警官になり、トーは度々犯罪を犯し、逮捕されては服役していた。刑期を終えたトーのもとにやって来たのは、恋人のピン(ヤオ・チェン)と、強盗団のボス・ツァオ(胡軍)。
 ツァオの手口は前科者を集めてチームを作り、強盗を働くという手段。連続強盗事件を追うツァオたちは目の前で現金輸送車を強奪されるが、ツァオたちを何とか追い込む。しかしツァオはとっさに記憶喪失のふりをして不起訴となる。
 ロイはトーと同じ日に出獄した前科者のトンに密告者として協力を要請し、ツァオたちの新たな強盗団に潜り込ませる。なんとか尻尾を掴みかけるが、ツァオたちは裏切り者がトンだと気づき、自宅まで追い込んで殺す。トンには自閉症のヤオヤオという幼い子がいたが、彼女もそれに巻き込まれて死んでしまう。ロイはツァオを追い込むが、ヤオヤオが死んだ怒りのあまり、ツァオにその罪を着せようとする。その様子はピンの弟でトーとも親しいチンピラのジエにより撮影されていた。ゆすられたロイはジエの元に行くが、ドラッグのオーバードーズと喘息で発作を起こした彼を見殺しにし、画像をすべて抹消する。
 ピンはトーが昔の道を行きつつあるのを恐れ、犯罪から足を洗って幸せに暮らしたいと願っていた。しかし、トーではない男の子供を身籠トーは最初はそれを責めるが、ピンを失いたくないと願う。自分は潜入捜査官だから犯罪に加担していたと嘘をついてしまう。そしてトーはツァオの弟分のパコが報復のために大々的な強盗を計画していることを、自分の身柄の保障と引き換えにロイに密告し、強盗に加わるが…。

Firestorm

 これは、前年の『コールド・ウォー』でアンディがゲスト出演した際に、プロデューサーのビル・コンとアンディとの間で、次は主演と製作として作ろうという話が上がって作られた作品らしい。それもあって雰囲気も似てるし、先の作品では長官役だったマイケル・ウォンもゲスト出演している。そーいやカートンも出てたわ。
 かつて旧友だった二人の対決。ロイとトーは柔道を嗜んでいたので、二人の直接対決では柔道も登場する。ただし、そこでやるのかよ!って場面だが(だからCGって丸わかり)。
 しかし、物語がシンプルなだけに、あれこれ盛り込み過ぎてしまったのが惜しい。生真面目なロイが怒りの挙句一線を踏み越えてしまった心の闇とか、トーが決して極悪人ではなく、まっとうに生きたいと願っているのもデジャヴュが…。うーむ。そして、クライマックスの中環での激しい銃撃戦で、えーっ!ってことになる。これがありえたら大変なんだけど、それにしてもやりすぎちゃう?と思ったのは言うまでもない。

 アンディはこういう役どころにはあっているけど、確かにややラウを引きずったところも見えなくもない。だけど対決と激戦でボロッボロになっていくのは観ていて安心する(こらこら)。カートンも複雑な役どころを好演しているのはいい。まあ、そんなところはよかったんじゃないかな。

 そんなわけで、これでもサクッと感想書きました。
そして、香港で作られる警察映画ってこれからどうなるのかな、と観ながら漠然と思ったのでもありました。

原題:風暴
製作:ビル・コン&アンディ・ラウ 監督:アラン・ユエン 音楽:ピーター・カム
出演:アンディ・ラウ ラム・カートン ヤオ・チェン フー・ジュン テレンス・イン マイケル・ウォン

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