ドラゴンへの道(1972/香港)
生誕70周年のTV放映では『燃えよドラゴン』『ドラゴン危機一発』そして『死亡遊戯』を観た。今年になって『ドラゴン怒りの鉄拳』をやっと観て、バック・イン・シネマで『死亡遊戯』とこの作品を観て、李小龍主演作をコンプリートした次第。でも最初の方はマジメに感想書いてないんだよね…。
それは以前も書いたけど、自分がこれまで彼をリスペクトしてなかったってこともあるのよね。それにあまりに真面目すぎて、悲壮感漂いまくっているので、もうちょっと気楽に見られる作品があればいいのにって思っていた。
でも、李小龍さん初の監督作であるこの『ドラゴンへの道』は、今までの彼のイメージを少し和らげてくれるものであって、楽しかった。一番好きな作品かも。
唐龍(李小龍)という青年が、香港からローマにやって来た。弁護士の従兄弟のところに、ローマで中華料理店を営んでいる店主・陳清華(ノラ・ミャオ)から地元の地上げ屋に困っているという依頼が入り、急病になった従兄弟の代わりに行くことになったのだ。
初めての海外に戸惑い、ドジばかり踏む唐龍に陳清華は呆れ、店にやってくるギャングたちと一戦を交えるために空手を学んでいる従業員たちも始めは彼を馬鹿にする。しかし、実は唐龍は中国拳法の達人。ギャングが送り込んだチンピラたちを一網打尽にしてしまったことで、陳清華は彼を見直し、従業員たちも唐龍を褒め称えて店を守るために一致団結する。
彼らは楽しい正月を迎えるが、ギャングたちの攻撃は止むことがない。唐龍を倒すことが先決だと勘付いたボスは、アメリカから空手の達人・ゴードン(チャック・ノリス)を呼び寄せ、唐龍をコロッセオに追い込む…。
これまでのシリアスで悲壮感漂うヒーローたちに比べ、この唐龍はずいぶんと趣が意なるキャラである。ドジっ子(何その言い方失礼じゃないのー?>セルフツッコミ)で明朗快活である。しかもちゃんとハマっている。実はけっこう可愛いんじゃないのか李小龍先生?旧正月を迎える場面では珍しい長衫姿も見せてくれる。自分で監督したから自由に出来たといえるのかもしれないけども、本当はこういうヒーローをたくさん演じたかったんじゃないかな、なんて思う。もっと長く生きていたら、この手の楽しいヒーローものをたくさん作っていたかもしれないね。
ヒロインのノラ・ミャオも素敵だった。るろけんでいうところの薫ちゃんポジションですね(笑)。妖艶な美女も清楚な妹キャラも演じられる人だけど、李小龍さんと共演した3本ではこの役が一番好きかな。従業員の皆さんもそれぞれいい味出しててよかったです。
そして、チャック・ノリス!デルタフォース!地獄のコマンド!…ええ、ええ、どうせこんな認識しかありませんよー!しかも全部昔父がTVで夢中で観ていた映画ばっかりだよ。本当にすみません。若いのでヒゲはないのだが、顔でわかる。ヒゲがない分胸毛ボーン!でわかる。なんじゃそりゃ。しかも胸毛むしられると弱くなる。ここはメモφ(`д´)...。
一番面白かったのが、当然このリヒゲ無しノリスとの死闘なのだが、ローマが誇るコロッセオというロケーションの良さはともかく、その男と男の濃ゆーい死闘を子猫ちゃんが見守っているのだよ!このなんとも言えない演出の良さ!
そんなわけで、おそらく一番楽しんで観た李小龍作品でした。
さっきも書いたけど、もっと生きてくれたら、さらに楽しい作品を作ってくれたんだろうなあ。そしたら香港映画はもちろん、世界のアクション映画にもさらなる革命を及ぼしてくれたのかもしれないね。合掌。
原題:猛龍過江(The way of the dragon)
監督&脚本&武術指導&出演:ブルース・リー 撮影:西本 正 音楽:ジョセフ・クー
出演:ノラ・ミャオ ユニコーン・チャン トニー・リウ チャック・ノリス
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