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死亡遊戯(1978/香港・アメリカ)

 この『死亡遊戯』、4年前にNHKBSの特集で一度観ていて、そのときにすでに感想を書いているんだけど、今回再び書いてるのは、ちゃんと劇場で(BD上映だけど)観たってことと、再見までの間にある程度だが李小龍さんの映画を多少なりとも理解できてきたってことがあるからだったりする。てーか、この映画にオマージュをささげたり、影響を受けた作品って結構あるんだよな、ってのもわかってきたので。


↑予告がなかったのでサントラで。

 ビリー・ロー(李小龍)は国際的なアクションスター。恋人であるアメリカ人の歌手アン・モリス(コリーン・キャンプ)と共に香港で活動している。ある日、ビリーにドクター・ランド(ディーン・ジャガー)がマーシャルアーツトーナメント出場の契約を迫りに来た。ランドがスポーツ選手や芸能人を強制的に契約して拒否した者に手痛い仕打ちをすることを知っていたビリーは当然断るが、それ以来ビリーはたびたび撮影中の事故に巻き込まれるようになる。アンと友人の新聞記者ジム・マーシャル(ギグ・ヤング)と共に策を講じるビリー。
 しかし、ビリーが映画のラストシーンを撮影している時、どこからか銃弾が飛んでくる。一命は取り留めるが、これを利用して自らを死んだことに見せかけ、ランドに直接対決を挑もうとする…。

 以前も書いたが、李小龍さんの英語映画はちょっと乗れないかなーと感じるところがあるかなーと思ったのだが、先にも書いた通り、今回は初見よりも案外楽しんで観られた。
最後のアクションシーンを残して亡くなってしまった(というか、これが本来なら『ドラゴンへの道』に続く監督第2作になるはずだったのか )ので、急遽監督と主演に代役を立てて(その一人がユン・ピョウさんというのもすでに有名か)作り上げたという経緯があるので、いくらなんでもそりゃ苦しいっしょ?とつっこみたくなる場面はいくつかある。序盤の不自然な合成とか、中盤で身を隠した時に顔を整形したって設定じゃないの?と思ったこととか。それも気にならない面白さだった。まあ、スクリーンで香港映画を観ることに飢えていたのも多分にあるかも。70年代香港やマカオの街の様子にはテンションが上がるし、マカオでの試合場面に登場した若きサモハン(アクション監督も兼任)には手を振ったし、序盤に登場した京劇俳優やってるビリーの叔父さんは、お馴染みのロイ・チャオさんだったもんな。

 あと、ラストのダンジョン決戦は今でこそもうあらゆるアクション映画に引用されているけど、あれを見て真っ先に思い出していたのは、もうすぐ続編二部作が公開される『るろうに剣心』(ついでに感想はこっち)での、観柳邸ダンジョンバトルだったな。これまた度々言っているけど、監督の大友啓史さんが黄金期の香港映画がお好きだということで、おそらく演出時にも意識したんだろうなあと思った次第。あっ、というかそれ以前に、映画版『ハゲタカ』でのコメンタリーで、すでに李小龍さんの名前を出されていたんじゃなかったっけなあ? 今度久々にDVD観て確認するか。

と、李小龍さんからいささか脱線したところで、この感想を終わります。
そうそう、るろ剣の名前が出たから忘れないうちに書いておくけど、そのるろ剣実写版が当初お手本にしたと言われている(ってワタシが勝手に言ってるんじゃないよもちろん)『ワンス・アポン・ア・イン・チャイナ』も、この「バック・イン・シネマ」で上映されます。しかもるろ剣三部作完結編「伝説の最期編」上映中の9月に!これはもういいチャンス。るろ剣を観て超絶アクションの虜になった若い観客にはこっちも自信を持ってオススメいたしますよ。

原題:Game of Death
監督&脚本:ロバート・クローズ  製作総指揮:レイモンド・チョウ 撮影:西本 正 音楽:ジョン・バリー アクション監督&出演:サモ・ハン・キンポー
出演:ブルース・リー ディーン・ジャガー ギグ・ヤング コリーン・キャンプ ロイ・チャオ カリーム・アブドゥル=ジャバー

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