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ドラゴン怒りの鉄拳(1971/香港)

 かつてのワタシは「ローマの休日を観たことがない映画ファン」だった。
 そして少し前までのワタシは「李小龍作品を観たことがない香港映画ファン」であった。
 はい、そこでドヤ顔禁止ね自分。そんなこと言ってもいいことなんか全然ないから(笑)。

 李小龍さんの没後40年を迎えた昨年は、ちょうどうまい具合に師匠の葉問を描いた『グランド・マスター』が完成し、WOWOWでも出演作が放映されていたが…え~と未見作がまだHDDに入りっぱなしです、あはははは。

 フォーフォーこと『SPIRIT』で取り上げられた霍元甲は実在の人物だけど、彼の弟子とされるこの映画の主人公・陳眞(李小龍さん)は架空の人物。でも、その後は梁小龍さんやリンチェイ、小春が演じている。ド兄さんは1995年にドラマで、そして2010年の『レジェンド・オブ・フィスト』で二度演じている。
 なぜそんなに人気なのか?と言えば、うーむ、まあもにょりたくなるので、また後でねえ…。

 20世紀初頭の上海。ここに、中国きっての名武術家・霍元甲は武術館を開き、若き武術家たちを養成していたが、ある日、謎の死を遂げる。弟子の陳眞は悲しみにくれるが、租界で道場を開く日本人鈴木(橋本力)らが現れ、弟子たちを「東亜の病夫」と侮辱する。それに怒った陳眞は虹口に乗り込み、大暴れする。兄弟子や恋人である師匠の娘麗児(ノラ・ミャオ)は陳眞の無鉄砲ぶりを心配する。やがて、陳眞は師匠が料理人に化けていた道場の日本人に毒殺されたという真実を知り…。

 最近の映画はアクションでもステディカムで撮ったり、動きに合わせて撮るので、わかる人にはそれでごまかされてるなーと感じるところはきっとあるんだろうなあ、とこの映画の安定したカメラワークを観て思った。襲いかかる敵に対して陳眞がどう動き、どう相手を封じるのかが非常に興味深かった。これなら李小龍さんに憧れる男子は多いわけだし、夢中になるわけだよな、と。キャラ的には手のつけられない暴れん坊っぽいんだが、まあそのへんは若いんだから、ということにしておこう。彼を批判的に見る道場の兄弟子もいるわけで、そのへんで客観性は保てているんだろうし、リベンジものとしても出来がいい。銃撃に向かうラストの大跳躍もいい決め方で、彼の最高傑作と言われるのも大納得。ヒロインのノラ・ミャオさんも可憐だし、道場に女子の拳士がいるのもいい感じ…とはいってもクライマックス前でやられちゃうのが悲しいんだけど。

まあ、引っかかるといえば、やっぱり敵役が日本人ってことでしょうかねー。しかも袴が後ろ前だったり(それはスタッフの「こっちの方がかっこいい!」という意思の尊重だと聞いたが)、芸者のストリップダンスだったりで、今のおもいっきりライトサイドでこういうのがわからない輩には国辱だーとか言われちゃうんだろうな。でも、こういう傍若無人さなら、同じ日本人でもムカつくよ。田中安野(といえば獅童)ばりに「貴様は日本の恥だ!」と言いたくなるし、実際やりたい放題の輩もとうじはいたんでしょ?それならボコられちゃっていいのさ、ははははは。

こんな感じの軽い感想ですいません。今後も劇場で観た李小龍作品の感想は書いていきますが、以前も書いたとおり思い入れが薄めなので、失礼なことはたくさん言うと思います。どうかお許しください。
でもこれだけは言おう。メインテーマの変奏曲で、切ない場面にかかる曲がどっかグランドマスターっぽかったぞ。こんなこと書くと、また李小龍マジファンの人に怒られるかしらん。

原題(英題):精武門(Fist of Fury)
監督&脚本:ロー・ウェイ
出演:ブルース・リー   ノラ・ミャオ   ティエン・フォン  橋本  力   勝村   淳  ボブ・ベイカー

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