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TIFF、フィルメックス、そして冬の特集上映に思ふ。

 お久しぶりの更新です。気がついたら東京国際映画祭が近づいてきました。

 今年のTIFFは平日始まり平日終わりなので、週末に行ければとあれこれ悩んだ結果、案の定週末に何も引っかからなかったので、平日に休みを取って行くことにした次第。
 中華圏では以下3作品を観ます。

 『激戦』(香港・10/22)
 『総舗師-メインシェフへの道』(台湾・10/22)
 『失魂』(台湾・10/23)

 今年は3年前に続いて台湾映画が特集され、『失魂』上映時には上映作品の監督が集まったシンポジウムが行われるというので、これを楽しみにしているのでした。考えたら、台湾映画は香港映画以上に一般公開されないからね。
 今年の一番の楽しみは『総舗師―メインシェフへの道』。これは1990年代に監督デビューし、『熱帯魚』『ラブゴーゴー』という当時としては珍しい台湾コメディ映画を生み出して話題になったものの、その後長い間沈黙していた(と言ってもTVCF等は撮っていたらしい)チェン・ユーシュン(陳玉勲)が実に16年ぶりに撮った長編第3作。すでに台湾では上映され、観てきた方の評判もよいので、かなり期待しております。
 『激戦』はフィルメックスにも出品されたことがあるダンテ・ラムの新作。ニック・チョンと最近香港映画でめきめきと頭角を現している台湾のエディ・ポンが格闘技に挑む作品らしい。しかし最近の香港映画の傾向は、必ず「戦」がつく二字タイトルなのよねえ。
 『失魂』は“戦慄のお父ちゃん(いま思いついた)”こと王羽さんが台湾で出演したホラーテイストの映画。出来も…らしいし、最初は観なくてもいいかと思ったのだけど、複数の方に薦められてチケット取りました。

 TIFFの1か月後にはフィルメックスが控えておりますが、今年はなんと香港映画の出品ゼロ。考えたら去年もトーさんやソイ・チェンさん、ダンテさんのようなエンタメ系作品はなかったので、これは後述する香港映画の日本公開決定を受けての判断なのかなと思った次第。
 でも、興味深いのは、今年の三大映画祭に出品されたり、来月台湾で行われる金馬奨にノミネートされている中華圏作品が多いこと。オープニングはジャ・ジャンクーの《天注定》、特別招待に蔡明亮の《郊遊》と、それぞれカンヌとヴェネチアで高い評価を受けた作品。コンペには台湾のチャン・ツォーチした『夏休みの宿題』、ジャンクーがプロデュースした中国映画『見知らぬあなた』、そしてカンヌでカメラドールを受賞したシンガポール映画『ILO ILO』があり、これも観る価値はあるかなーと思っている。
 今の時点ではまだスケジュールが決まってないので、ジャンクーとミンリャンのどちらを中心にとるかは他の作品のスケジュール次第かな。中華圏以外でも興味のある作品があるので、そっちとの兼ね合いもあるしね。

 で、最近両映画祭で香港映画の上映が減った原因としては、ここしばらく小規模の特集上映として新作の一般公開が増えたからだと考えている。  これは多分去年の夏からシネマート系で始まった香港映画祭り(最近は香港・中国エンターテインメント祭りと名乗ることが多い)が貢献しているのだろうが、新宿武蔵野館系列でも相変わらず上映が続いている。
 しかし、これらの作品の地方公開は、大阪や名古屋や福岡の大都市圏に限られており、仙台までくればまだいい方だ(実はシネマート系公開の『大魔術師』『じじぃドラゴン』は仙台では上映されている。でも仙台には観に行けなかった)。場合によっては大阪でも上映されないという事態になっているようだ。つまり、例によって例の如く、「一部地域のみ上映→地方順次上映せずにソフト化」といういつものパターンである。裏返せば、ソフト化先行で単館上映は実績作りのため、と言ってしまうのはきついだろうか。(映画館上映どころか先にWOWOWで放映されて後で劇場公開が決まった『モーターウェイ』のような例も最近あったしね)
 特に最近はWOWOWでまとめて放映してくれるので(11月にもシネマート系特集上映の作品が複数放映されるという話を聞いた)、わざわざレンタル店でアジア映画カテゴリの棚が消えて縮小された洋画スペースで目を皿のようにしなくても、契約さえしていれば気軽に観られるようになっていいとは思うのだが、それで満足はしたくない。毎回くどいほど言ってるけど、やっぱり大きい画面で観たいし、新しいファンも開拓しなきゃいけないと思うんだよ。ましてや香港映画はアクションやサスペンスだけじゃないからね。  まあ、そんな思いでblogを10年近く続けているんですけどね。

 と、相変わらず同じことばかり言っておりますが、TIFF作品も感想は早めに書きますし、WOWOWで観てない作品をカバーしていきますので。まあ、継続は力なりということで、香港映画の全国上映が増えることを願って、こちらはできることをコツコツやっていきますよ。

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