老けたんじゃない、枯れたというべきだ。我々だって年老いた。梁朝偉飾葉問
王家衛は日本の映画ファンから忘れられても、トニー・レオンの名はある程度知られている。
もちろん、ジャッキー・チェンには負けるだろうがな(キリッ)。
…ってこの写真をアップしたら、確実に負ける気がするなあ。
確か10年くらい前の葉問イベントに出席していたトニーと木人椿。
『グランドマスター』公開直前に、4年ぶりの公式来日を果たしたトニー。
まあ基本的にオフの時はカリーナと北海道のゲレンデにいてスキーしてる姿をよく目撃されているから、しょっちゅう来ているに違いないんだろうけど。今度東北新幹線はやぶさに乗って岩手の安比高原にもおいでよー、なんて本人の前で言ってみたいけど、そんな機会ねえよ田舎もんのオレには(苦笑)。
王家衛の全11作品中7作品(うち5作品主演)に出演し、一部ネットメディアでは「王家衛のミューズ」とまで称されたトニー。金像奨主演俳優賞を5度受賞、『ラスト、コーション』でアジアンフィルムアワード男優賞受賞、そして『花様年華』でアジア人2人目、香港人初のカンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞という華々しいキャリアを持ち、まさに「香港が世界に誇る」男優と化したのではあるが…。華人にしては控えめかつ天真爛漫(!)なキャラのせいなのか、それ以外に何かあるのか知らんが、どうもあまり注目されないような気がするのよね。まあ気のせいなのかもしれないが、5年前のすまステとか、すまスマとかのぞんざいな扱(強制終了)
でもあまり注目されない方が、ファンとしてはありがたいのかもしれない。ってそれは消極的すぎか?
まあ、彼は今でも年齢よりはいくらか若く見えるので、アイドル的扱いをしても問題ないのかもしれない。でも香港のアイドルといえば、レスリーだったりアンディだったりで、彼らとはやっぱり個性が違う。やっぱり性格俳優的側面で見た方がいいのかな?と個人的には思っている。
トニーは若いころから演技派として鳴らしてはいたものの、実は90年代からゼロ年代初頭ぐらいまでは、大作クラスの映画に出る俳優になるとは全然思いもよらなかったのである。今思えばきっかけは『英雄(HERO)』だったのだろう。同時に『インファナル・アフェア』も来たのだから、11年前が一種のターニングポイントなのかもしれないのか?この後大陸との合作や、久々のコンビとなるウーさんや初顔合わせとなる李安さんの作品などの大作が続いてたので、そんなことを感じたりして。その一方、ゼロ年代前半まで1年に1作は《天下無双》 《好運超人》 『地下鉄の恋』のようなローカル度満点の香港映画に出ていたけど、ここ数年は全く出なくなったのが残念。最近作の『大魔術師』や《聴風者》は大陸を舞台にした作品だからなあ。
これは正直、寂しかったりするんだ。特にここ数年は若手映画監督による大陸出資でも香港ローカル色が強い作品が台頭してきていて、彼にもこういう作品に出てもらって、若手スタッフをサポートしてもいいんじゃない?って思うんだけど、もうギャラがかなり高くなっているだろうからね。
それもあったから、プレノンアッシュが黒沢清監督作品として『1905』を企画してくれたのは嬉しかった。アホなマスコミは「前田敦子世界進出作」とか抜かしよったけど、トニーの演技が共演予定だった彼女や松田翔太くんといい化学反応を起こすんじゃないかって思ってたけど、結局いろんな事項が複合的にかち合ってプレノンの倒産により頓挫。…まあ、プレノンにとって起死回生のチャンスだったのだろうけど、潰れたのは何とももったいない。どこかでリベンジは期待したいものだが、これが大幅に書き換わって、某☆月童話みたいなベッタベタな恋愛ドラマにならないことだけを願う。いや、キヨシ黒沢でなくても、是枝さんとか大友さんとか(監督名が趣味丸出しでスマン)でもオッケイだし、日本語をしゃべらせなくてもいいですから。どちらにしろ「ヤダ!」とかなるだろうしさ(笑)。
3年に渡る(その間2本撮っているけど)一代宗師の撮影を終えたあとは、しばらく休業に入るというトニーだけど、これがマギーみたいに表舞台に出なくなるってことは…なければいいよなあ。そして王家衛とのコンビも、当分お休みしてもいいと思う。
しかし、SNSで見た一代宗師の感想を見ると、絶賛でも酷評でもやたら目立ったのは「トニー老けたねー」という言葉。
…そりゃそうだろ、我々だってその分老けてるんだぜ。当たり前のこというなっての!と暴言を吐きながら、取り止めのないままこの項終わり。
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