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ボンクラ勇者と三匹のおっさんドラゴン

「はぁ?あの『ギャランツ シニアドラゴン龍虎激闘』の邦題が『燃えよ!じじぃドラゴン龍虎激闘』?いったい何ふざけてんのよ?」
 『ギャランツ』の日本公開&邦題決定の一報を聞いた時、上のようなことを思わず言ってしまった。だってそうでなくても、香港映画の邦題ってやる気あるのか?って聞きたくなるものばかりなんだもの。例えば『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』とかさー。いやだなーこのB級狙いは。

Gallants1

 でもやってくれるのなら、意地でも観に行く。だって昨年は思うように香港映画が観られずにフラストレーションためてたし、これは絶対地元には来ないこと間違いないからね。それに『大魔術師』と同じ日に公開されるのなら、一緒に観てみんなと楽しみたい。たとえ人が少なくてもね。

 そんなことを思って1月シネマート六本木に行ったら…。 

なんすかこの列は?どうしてこんなに並んでるの?

 と、思わず唖然としてしまいました。てっきりガラガラだと思ったし(失礼)、チケットもすぐ買えると思ったのだもの。でも前に並んでいた方(男性多し)もこれと大魔術師のチケットを一緒に買っていた人が多く、買うのにも時間がかかってしまった。
 なんでも前日、民放TVの複数のワイドショーで紹介されたらしく、当日も『王様のブランチ』でも流れたらしい(ワンセグ録画を見せてもらいました)。上映時間までにカウンターでお客がさばききれなかったとのことで、なんと時間を遅らせて上映!これは珍しい現象。

 2年ぶりに観る本編は、字幕翻訳がちょっと変わったくらいで、初見時とはあまり印象が変わっていない。前回はネタばれになるからラストまで書かなかったけど、梁小龍さん演じる淳とロー・ホイパン演じる軍の死闘の果てにたどりついた「勝ち負けを越えたところにあるものが大切である」というテーマにも、改めてジーンとしちゃいましたからね。

Gallants2

 観客は我々のようなコアな香港映画ファン、かつてのカンフー映画ファンはもちろんのこと、物珍しさで観に来たっぽい若い人もちらほら。みんな大笑いして、いい気分を味わってくれてたかな、とちょっと心配になったが、ご覧になった方のtweetのまとめを見ると、だいたいが好意的な感想で本当に喜ばしい。
 でも、やっぱり「あの邦題で損してるんじゃない?」という意見は多いかな。今となってはこの題で正解だったとはいえ、まだちょっと複雑な気分かな…。

 ところで、今のところ香港映画はアクションものの公開が多いせいか、男性の観客が多く、女性客がかえって珍しがられるらしい。それだけじゃなく、ごく一部の男性客には「なんで女が来てるんだ?」とか思われ、挙句の果てには「彼女たちは韓流ファンか」とか言われることがちょっと前にたびたびあった。これを知ってワタシは残念に思った。韓流にいいイメージがないこともあったのか、特に後者の意見にはカチンときた。
 香港映画に限らず、全ての映画がかかるスクリーンの前には、観客は平等だと思う。香港の観客だって、どんな映画も平等に観るし、ポルノ方面の三級片だって女性客は入る。そんな状況を知っているだけあって、一部の映画ファン(まあB級映画ファンとは言わないけど)の、ただでさえ狭い範囲をさらに狭くさせるような発言にはガッカリするのである。ついついケンカ腰になるところもあるけど、そんなことを思わせないように、そしてそんな揶揄を言う輩には全力で対抗することにしたい。

 そして、一介の香港電影迷としては、もっと若い人にも香港映画を観てほしいと願っている。王家衛の《一代宗師》もなんとか公開できそうだし、DVDスルー&首都圏・関西圏限定上映がほとんどとはいえ、今年も香港映画の公開が多そうだ。何度も言っていることだが、香港映画で活躍してきた谷垣さんがるろ剣に参加されたことからも、あの映画の超絶アクションが気になった方には是非彼の師匠であるド兄さんのアクション映画群や、徐克さんやウーさんのエンターテインメント作品を観てもらいたいもんね。

 そんなわけで今後も、香港映画に想いを寄せ、くどくならないように感想を書き、いろんな人に観てもらいたいなーと誓う、bloggerもとはし10年目の決意なのでした。こんなことを思った次第。
 なかなか感想も更新できませんが、今後ともよろしくお願いいたしますですアルよ。<(_ _)>

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