台湾撒潑飯包・じっくり台北編
さーて、いよいよラストの台北編。
12月28日、墾丁発のバスは思ったより早く左営駅に着いたため、1時30分ごろ発の速達新幹線に乗れた。このスピードなら、ほとんど東京―仙台間じゃないか。
そして、腹も減っていたので、今回は売店でこんな弁当を買った。
八角形型の器がかわいいなー、と思ったが、やっぱり量は多かったのであった…。これを食べ、日本から持ってきた文庫本を読みながら、新幹線の旅を楽しんだ。
3時過ぎに台北着。そこからMTR淡水線に乗り、中山北路方面へ。今回は日本でもおなじみのホテルサンルート台北(燦路都飯店)に泊まった。ホテルの部屋は周知のとおり、日本のそれとほとんど変わらないのだが、朝食なしで意外と安かったのと、ここ数年の台北のホテルでどこも納得できるところがなかったので、冷やかし的に泊ることにした(笑)。
ちょっとだけ休んでから、士林へ出発。最近新たな夜市ができたことで話題になっていた士林だが、決してこれじゃなく、あるミッションを帯びていたのだった。
ワタシが留学している頃に母が来台し、この士林で売っていた「士林名刀」の包丁を買ったところ、彼女はこれがすっかり気に入ってしまったのだ。以来、ワタシや弟が渡台した時には買ってこいと言われてたし、自分自身で行った時も買ってきているようである。で、今回買ってくるように頼まれたので、淡水線に乗ってかなり久しぶりに言ってみた次第。
で、行ったらこうだった。
なんと、改装のため休業だったのでアルよ。
別の包丁店が営業していて、必死にアピールしていたけど、やはり慣れた店じゃないと不安だよな。
うーむ、この後どうしよう、これは新しい夜市を見に行くしかないのか、と思って道を歩いていると、一番賑やかな陽明戯院にたどり着いた。なにげなくポスターを眺めていたら、なんとあの映画がまだやっているではないですか、《那些年,我們一起追的女孩》!時間もたっぷりあったし、ついに観てしまったよ。
感想は別記事にて。
映画館を出たら、すでに真っ暗。士林夜市はいよいよもって盛り上がってきたけど、ここで何か食べるのにはどうも体力が足りない(笑)。…そうか、それならば別のところに行こう。では、ちょっと南下した寧夏街なんてどうだろう?と思い、MTRに飛び乗った。
台北には数多の屋台があるが、ここに来たのは初めて。小さい夜市だけど、人はたくさんいる。
それでもお腹は空かないので、素食屋台で什錦米粉を食べ、葱餅を買ってホテルに戻り、ビールで一杯やった。
12月29日。曇り空だけど、そんなに寒くない。
朝食屋台を求めて外に出たところ、同じような道をたどった日本人女性二人組がいた。この人たちもきっとよく来台しているんだろうな、と思ってお粥を買ってホテルに持って帰った。 この日は、前回は行けなかった西門町と萬華、そして師大路のネコカフェに行くことにした。まずは萬華、すなわち艋舺に向かう。
いかがわしさ全開の華西街を歩けるのも朝のうちだけ。それでも独特の雰囲気を感じながら歩いた。そして、『モンガに散る』の雰囲気を求めて彷徨い歩き、それっぽいところをパチリ。そして、いい雰囲気のクロネコを見つけて、モデルになってもらった。 さて、それじゃちょっと歩いて西門町へ行こうかね、としばし道をいったところに、なんだかいい雰囲気の煉瓦造りの街並みを発見。 ここは剝皮寮というところで、かつての街並みを保存した景観地区らしい。テーマとしては、20世紀後半の台湾レトロ。ちょうど日本の昭和レトロとかぶる印象。
この建物の一角を使って「モンガ」のロケが行われていたらしく、セット公開や衣装展があったのだけど、最初に行った時は結婚式の写真撮影中だったため、ちゃんと見られなかった。そんなわけで、後でもう一度行ったのである(笑)。
元に戻って、次は西門町。
ここでは特に何もせず、単に街歩きしただけなんだが、お土産用の中華袋を買いたくて、あれこれリサーチした。
そして、映画館の近くの誠品書店で一休み。
昼頃になったので、永康街に行ってみる。
しかし、鼎泰豊はいつ行っても混んでいるなあ。
お昼は、府城台南小厨の坦仔麺と蝦肉丸。食べやすい量であった。
最近注目されている街としてガイドに紹介されていた永康街だけど、ちょっと歩くだけで精いっぱいだったかな?そんなわけですぐ萬華に引き返し、モンガの衣装&ロケ展示を見直した次第。
龍山寺まで歩き、今度はMRTで公館方面へ。
実は学生時代から、この近辺には全く行ったことがなかったのだ。珍しいことなんだけど(笑)。
台湾大学や師範大学など、複数の大学が集まっているこの師大路は猫で有名になり、猫ウォッチャーのイラストレーターさんが開いた猫カフェ「極簡」もあるというので、喜んで行った次第。
すやすや眠る大猫さんをもふりつつ、お店で一番かわいいと思った猫にかまったり、写真を撮ろうとしたのだが、どうも失敗続き。しまいにはかみつかれそうになってしまった。ごめんね。夕方だと猫たちもどうもおねむ状態なので、無理に起こされたり構われるのを嫌がるんだろうな。
オレンジティーを飲んで2時間ばかりゆっくりしてたら、あっという間に陽が落ちてしまった。脚も疲れてきたので、賑わってきた師大夜市を冷やかしつつ、頂好(香港でいうところの惠康wellcome)に入って同僚に頼まれていた魯肉の缶詰をまとめ買いしたり、西門町で某ネズミ柄の中華袋(ライセンスありの正規品)を買い、MRTで7時半ごろホテルに戻った。この時点で歩数は2万6千歩を超えていた。それじゃ、疲れるわけだわ。
さて、ご飯は食べたいけど、あまり歩きたくない。迪化街に行くのには遠いよな、とガイドをめくったら、一駅先の大橋頭・延平北路に夜市があるのを発見。ここで軽く食べて、なにか持ち帰ってくるかと外出した。
大晦日も近いからと、このでっかい湯圓をほおばっていたら、外がなんだか騒がしくなり、にぎやかなお客さんが入ってきて、全員にティッシュを配った。こんなのだ。 なんと、台湾の選挙活動に初接近遭遇。最初に入ってきたのはウグイス嬢さんで、彼女がティッシュを配り始めてから、この候補者ご当人が入ってきて、一人一人に投票よろしくね、みたいなことを言ってて握手を求めていた。ほー、でもワタシは選挙権ないし、そもそも「ガイジン」だから握手求められても困るなー、と思ったら、候補者の人もワタシが日本人であることを一目見てわかったらしく、コニチワー、とだけ言って去っていった。…うむ、やっぱり無理矢理でも握手させてもらえばよかっただろうか(笑)? 近くのお店で芋頭と粉圓の豆花を買ってホテルに戻り、お茶を入れてゆっくり食べる。その後TVを観ながら買ってきた中華袋にお土産類を入れ、キャリーバッグもつめなおして帰国の準備をしながら、最後の夜を過ごした。最終日、12月30日は朝から雨。こんなに降られたら、朝から遊びたいという気力が失せる。
そんなわけで、午前中は買い物だけで済ますことにした。と言っても、微熱山丘へ行くだけだ。
朝食は中山北路を渡って路地裏に入ったところに、蛋餅と豆漿を売っている店を見つけたので、買って帯走してきた。ああ、これぞ懐かしの留学時代の我が早餐の定番。
微熱山丘は10時開店だけど、開店前に並んでいる人がいると聞いたので、9時にホテルを出た。行きはバスを使って歩いてみる。開店20分前に到着して、ワタシを含めて4人待ち。
この時点でもう旧正月の休業予定が出ていた。はやっ。10時になり、お店の中に入ると、かなりモダンな作りで素敵だった。これフツーに住居でもいいよなあ。
友人へのお土産を中心に買い込み、試食をいただく。いやー、暖かくて美味しかったわ。
お客さんは市民の皆さんも多ければ、日本人旅行客も何組かいた。台湾人の女の子でもキャリーを持っていた子がいたから、どこかに行く時のお土産でもするのかな?
たくさん買い込んだので手荷物が重くなった。帰りはタクシーを捕まえてホテルまで戻り、12時のチェックアウトまであれこれ悩みながら、キャリーバッグと中華袋にお土産や荷物を詰め込んだ。
ホテルからは直線距離で行けるけど、荷物が多いので再びタクシーを捕まえて松山空港へ。ただ、エアチケを発券してもらえても、荷物のチェックインがまだだったので、キャリーバックと中華袋をコインロッカー(そんなに安くない)に放り込んで、空港内で最後の午餐。魯肉飯をいただいた。
時間になったのでキャリーを預け、すぐに出国審査へ。松山は羽田より狭いので、すぐに行けてしまう。仙台空港くらいの規模かなあ。免税店やお土産店で家族や職場のお土産を買いまくったら、あっという間に中華袋がパンパンに。これをなんとかしてCAさんに機内に積んでもらい、羽田への帰途へとついたのであった…。
ここ2年の台湾旅行は、初めて行ったところも多く、学生時代のことも多少思い出したりして、懐かしさもあれば、ワタシだけの楽しみもあった。
でも、旅をするのにやっぱり1週間くらいは時間がほしいかな。台北も面白くなってくるけど、地方都市もそれなりに楽しいもの。
タクシーの運ちゃんに「日本のどこから来たの?」と言われるたびに「岩手」と答えると、彼らは心配そうな顔になった。「でも大丈夫、うちは内陸の方だったからね」と言って心配させないようにしたけど、こんなちょっとしたことでも嬉しいかな。
ワタシがいた頃と、今の台湾もガラッと変わってしまったけど、それでもここはやっぱり、我が故郷のうちの一つ。この“やさぐれツアー”もこれでとりあえず一区切りつけるけど、また近いうちに行きたいなあ。台東のママさんにもまたお会いしたいもんね。
でも、今年は何とか時間を見つけて、香港へも行きたいよ。今、トニーの最新作《大魔術師》が香港で絶賛上映中だけど、これを最速で観られないのは残念だもんなあ…。
そんなわけで、長くなりましたが、台湾旅行レポートは以上。更新が遅れ気味で申し訳ありませんでした。
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