処刑剣(2010/香港)
いやー、このところのド兄さんの大進撃はすごい。まさか盛岡でも立て続けに4本も彼の主演作が上映されるとは思わなかったもの。当地はこのところ香港電影の上映が不遇だったから、なおさら彼のすごさを思っちゃうよ。我が職場の映画大好き同僚もどうも葉問二部作がきっかけで彼にハマったようで、孫文が上映されたとき、劇場で見かけたのにビックリしたもの。あとはもーちょっとトーさんがブレイクしてくれれば…って贅沢言ってるかオレ?
ってそれはともかく、そんなド兄さんの風が吹かなければ公開されなかったんだろーなーと思ったのが、この『処刑剣』。実は東京で公開されていた頃はほとんどノーマークでした。だって、監督がダニエル・リー…ワタシとかなり相性の悪い(爆)。ま、これについては以前も書いているから、繰り返しになっちゃうんだけどさ。
明代に実在したという王家直属の秘密警察「錦衣衛」。彼らは厳格に法を守る一方、反体制派をことごとく抹殺する暗殺集団であった。彼らは幼いころに拉致され、剣を持たされて互いに戦い合い、生き残ってきた者が選ばれてきた。その中でも最も優れた者が指揮官に選ばれ、「青龍」の称号が与えられた。
その錦衣衛の頭に立つ青龍(ド兄さん)は、宦官の賈(羅家英)から密命をおび、帝の重臣・趙の持つ箱を奪いに行くが、そこで賈と同僚の玄武(チー・ユーウー)の罠にはめられる。彼らは追放された親王(サモハン)の側につき、謀反を起こそうとしていた。
無実の罪を着せられ、都を追われた青龍がたどり着いたのは、店じまいをしようとしていた正義鏢局。彼はこのキャラバンに紛れ込んで辺境の都を目指すが、彼が錦衣衛であることが発覚したために棟梁の喬永(午馬)は仕事を拒否する。そこで彼は棟梁の娘の喬花(ヴィッキー)を拉致して逃亡する。その逃避行で花は青龍にほのかな恋心を抱き始める。彼らは山賊集団の「砂漠の判事」(呉尊)の協力も得て、真相に迫ろうとするのだが、親王の義理の娘脱脱(ケイト)が刺客として彼らを追っていた…。
錦衣衛については、公式サイトにも解説があるのでこちらもリンクを。
笑傲江湖好きとしては鏢局が登場してくれたのが嬉しかったけど、「護送屋」と翻訳されてコケました(笑)。まーねー、日本語の漢字に「鏢」がないからね。この字もうまく出るかどうかわからないのだけど。
さて、これはどこまで史実を使っているのだろうか?ダニエルさんといえば思い出すアンディ版三国志では「おいおい~、史実とは違うとはいえ、そうするかー?」などと言いたくなったもんだけどね。
さて、ダニエルさんの映画といえば、いつも言っていることを繰り返すけども、アクションが迫力あって素晴らしい。かつて特に名を秘す某映画(後で出てくると思うけど)ではド兄さん自身がアクション指導をしたということもあり、正統派でどんどん見せるのがいい。
このままアクションで押し通してくれればいいのにねー、なんて期待していると、突然ラブロマンスが乱入して膝から力が抜ける。んー、どうしてダニエルさんはいつもこうなんだ、星月とかスターランナーとか。って両方とも恋愛メインじゃん(笑)。しかもその恋愛パートがどうも居心地悪くてねえ。もっとも今回のヒロインであるヴィッキーは両作品のヒロインよりはずーっと感情移入しやすかったり、かわいいんだけどね。
で、我らがド兄さん。うーん、今回はナルな俺様路線でしたな。
葉問や孫文のエモーショナルで抑え気味の演技がステキで、しゅてきしゅてきー♪と、柄にもなくのだめっぽくなりながら観ていたわけなんだが、青龍はちとお腹にもたれる(笑)。なんとなくフロックコート+和服のような錦衣衛の制服に、またこれかよーな麦わら帽子型帽子(こらこら)は違和感ありながらも見られるけど、ヒゲが…、そしてムキムキな裸体が…。
いや、まーねー、ド兄さんが脱ぎたがるのは知ってたんだけど、細マッチョがりそうなんだよねー。もっとも長髪は個人的にオッケイです。なんせワタシ、ド兄さんといえば一番好きなのが『英雄』の長空なもんで。
今回初めて見た呉尊@飛輪海、いやーカッコいいっすねー。長身でシュッとしてて。でもホレないのは言うまでもないよ。これもいつもながらのことだ。もっと香港電影にでももまれてほしいもんだけど、どうだろうね。脱脱を演じていたケイト・チョイ…すまん、最初は彼女だとは気づかなかった。ホントにスマン。
さて、まだまだ続く怒涛のド兄さん祭り。東京ではいよいよ明日から『レジェンド・オブ・フィスト』が上映されるそうなのだが、劇場情報をチェックすると、11月に仙台での上映が決まっているから、きっと冬あたりに観ることができそうだな…。
原題&英題:錦衣衛(14blades)
監督:ダニエル・リー
出演:ドニー・イェン ヴィッキー・チャオ ウーズン ケイト・チョイ チー・ユーウー ロー・カーイン ウー・マ サモ・ハン・キンポー
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