江湖再見、杜琪峰。
今夜、語学教室のムービーナイトで、4年ぶりに『エグザイル/絆』を観た。…かかかかかカッコええ。もうこれしか言えん(笑)。
で、今回のイベントはちょっと特別なものだった。この作品はワタシがマネージャーさんにリクエストしたんだけど、上映するのならゲストスピーカーとして作品を解説してほしいという依頼を受けたのであった。ええー、なに話そう?そしたらやっぱりトーさんについて紹介しなきゃいけないだろうなあと思い、某所にレジュメを作ってみて、これと『やりび』、そして『冷たい雨(後略)』の3作品を中心にまとめてみた。
スピーチを要約すれば、ラブストーリーやコメディのような商業作品を撮りながら、自分の撮りたいものを追求していった末に生まれたのがこの3作であること、台本が俳優に渡されず、即興やアドリブで作り上げていったこと、銃撃戦は多いけど、食事シーンや思いもよらないストーリー展開に注目ということでまとめてみた。
久々に観たら、やっぱ銃撃戦激しいなあ、あー覚えてなかったけどセックスシーンがあった、不謹慎ですいませんとか何とかちっとばかり焦ったけど、観ていただいた皆さんには楽しんでもらえたようでなにより。さすがに俳優さんまではわかりません、と言われましたけど、さすがにそれはしょうがないです(笑)。
あとは小道具使い。例えば、ニックさんとジョシーの新居や、闇医者のフラットにやたらと垂れ下がった布がかなりいい感じで使われていた。『英雄』の緑の場面に通じるようななびき方。(と言ったらトーさんは怒るだろうか?)さらに椅子の使い方もね。最初の銃撃の後で秋生さんが「座って話そう」と言って、ニックさんの乗ってきたトラックから家具を殺し屋たち全員で運び込むシーンや、クライマックスでヤムヤムに「お前はここに残れ」と言われて自分で椅子を引っ張って座り込む場面などが印象的。こういうものを使いながらキチキチッとポーズや場面を決めていくのにしびれていた。
台詞で注目したのが、クライマックス直前に金塊強奪戦の生き残り(リッチー)と別れるときに秋生さんが言う「江湖再見」。これ、字幕では「あばよ」になっていたのだが、これはちょっと違うんじゃない?というのが話題になっていた。一緒に観た中国語のM老師にご意見を伺ったところ、これはやっぱり「渡世で会おうぜ」とか「生きてまた会おうぜ」というニュアンスを含んでいるのではないかということらしい。うん、そうだろうな。
でもなんのかのいいつつ、やっぱり好きだわ『放・逐』。
そんなわけで、久々のトーさん映画を大いに楽しんだ次第。早く新作も観たいものだねえ…。
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