オスカーもいいけど、やっぱりパルムもね♪
昨日、カンヌ映画祭のコンペ出品作が発表。
昨年は中華圏からの出品が少なくて淋しかったけど、今年は李安さん、トーさん、ミンリャン、中国のロウ・イエ監督の最新作が出品。
しかし、どうやら今年の出品作はボーダーレスがキーワードらしい。もにかるさんも記事にしていましたが、純粋な一国単独製作作品が非常に少なく、中華圏の監督作品もその例に漏れず、といった様子。日本映画のコンペ出品はないけど、『バベル』の菊地凛子小姐主演で東京が舞台のスペイン映画や、マギーが出演するクエタラの新作なんてーのがあるもんね。
『ブロークバック』&『色、戒』でヴェネチアを制し、今やアジア人最高の監督となった感がある李安さんの新作《Taking Woodstock》は、再びアメリカを舞台にし、かの伝説的コンサートの秘話を描くといった作品みたい。中心になるのがゲイの男性なので、ブロークバック再びなのか?ま、李安さんはうますぎるから、たとえパルムが獲れなくても、決して作品自体は期待はずれにはならんでしょ。
親分の作品はいろんなところで話題になっていた《復仇》。おお、初の海外資本!そして初の欧米人主演!トーさんがいかに法国の電影迷に好かれているかがよくわかるよ。
ミンリャン&ロウ・イエ作品の詳細は、おいおいわかるんだろうけど(積極的に情報をつかまなくてすんません、単にやる気がないだけです)、両作品とも製作が法国資本。うーむ。興行面がよければ単独国製作も問題ないんだろうけど、作家性が強い監督だと、興行面を期待するとあれれれーって状態だから、自国で映画を作るのも限界に来ているのだろうか。ほら、世界的に大不況だし…って関係ないか。
日本では未だに『おくりびと』オスカー効果が続いているけど、あの作品は日本のメジャー映画会社が関わった単独国作品であっても、作家性が強い作品ではない。それゆえに、もしこれがカンヌに出品されたとしてもオスカーほど高く評価されるとは思わない。お好きな方には申し訳ないけどそう断言させてもらう。
だけど、日本や中華圏の映画人が自国以外にパートナーを求めて映画を作り、世界に発信して評価されることだってやっぱり大切である。それがハリウッド作品じゃなければなおさらだ。そんでもって映画王国であるハリウッドを擁するアメリカでも、今年は『スラムドッグ』のような異文化の国を舞台にした合作が高く評価されたのだから、今、世界の映画界はボーダーレス化されてきているのね、と思った次第。
日本の映画界ももっとボーダーレス化してもいいはずだよな、と思ったら、「ある視点」部門に、是枝監督がペ・ドゥナを主演に起用した作品が選ばれていたか。ま、いい傾向だ。韓流のおかげで大韓電影が苦手になっても、未だにペ・ドゥナは好きだし。あと、昨年監督週間に出品されて好評を博し、亜洲電影大奨で見事作品賞に選ばれた『トウキョウソナタ』も、厳密に言えば日本・オランダ・香港合作だったっけね。この流れがメジャー作品にきて成功するというのはありえなくても、是枝監督の新作で張震とジョーが共演したり、黒沢キヨシ監督の新作でなぜか一人だけ頑なに広東語でしゃべって通すトニーが登場するってのは、ありえない話じゃないかもしれんな(後者は多分ありえないかもしれんが)。
そういえば、今年はすーちーが審査員を務めるんですよね。
開会式のレッドカーペットで、どんなドレスを着てくれるかが楽しみだわ。
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