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《楊過與小龍女》(1983/香港)

 香港旅行直後に途中まで書いてはいたんだけど、多忙につき完成できなかった映画の感想を今さらのようにアップ。追悼感想にするには時機を逸したなぁ…。スマソ。

 今回の旅行では、珍しく一般の劇場で映画を観なかった。
 ホテルの近くには劇場(新寶戯院)があったのだが、そこでかかっていたのが日本のAV女優も大量に出演している三級片《金瓶梅》、苦手なホラーの《短暫的生命》、そして《龍球エボリューション》と個人的にことごとく外れモンばかり。先に書いた『ハッピーフライト』や『おくりびと』もやっていたけど、いまさら香港で邦画を観るってのもどーかな、だし、機上で観た『スラムドッグ』も改めて日本語字幕で観たい。《新宿事件》や、ジジ・ライの引退作品となる《流浪者的世界盃》もこれからだったから、劇場で映画鑑賞するには谷間の時期だった。
 そんな感じで夜はホテルでTVを観ていたんだが、ATVを観ていたら、レスリーが若い頃に出演した《楊過與小龍女》のスポットが流れてきた。おお!これは観たことがない!土曜の夜に放映とのことだったので、これを観るために夜遊びせずまっすぐ帰ろう、ということになり、ホテルの部屋で酒盛りしながら鑑賞した。酒盛り鑑賞だったので、途中の記憶が曖昧なのはご容赦を(苦笑)。

 戦場跡でこそ泥をしていて暮らしていた孤児の楊過(レスリー)は、決闘があった現場で死体から金品をあさっていたところ、謎の老人歐陽峰と出会い、彼の弟子となって蝦蟇拳などを学ぶ。しかし、歐は何かを恐れて突然楊過の前から姿を消してしまう。頼る人がいなくなった楊過は、武術の達人・郭靖(陳観泰)とその家族に出会う。実は楊過の親は郭靖とは兄弟分で、彼は郭靖の義理の息子となり、全真教の一門に加わって修業に精を出す。
 楊過は郭靖の娘や一門の兄弟子たちに馬鹿にされ、いじめられる。彼の短気さが災いして正式な弟子と認められなかったが、ある日武闘試合に参加することが認められ、大いに張り切る。しかし、相手は犬猿の中の弟子。こてんぱんにやっつけられた彼は、歐陽峰から学んだ蝦蟇拳を繰り出そうとするが、その拳は全真教では禁じてとされている技だった。禁じ手を習得した彼を一門では危険視し、楊過はまたも天涯孤独となる。
 山中を彷徨う楊過は、一人の老女を助ける。その老女は洞穴で墓守をしており、小龍女(マリー・ジーン・レイマー)という武術を使う少女暮らしていた。楊過は彼女に弟子入りをする。小龍女にほのかな思いを抱きながら、自らを鍛錬していく楊過。
 小龍女の一派は全真教と対立しており、しばし彼女は一門と戦いを繰り返す。しかし、一門の一人が彼女に恋をしてしまった。何とかして思いを遂げたい彼は、ある日ミスをして気を失ってしまった小龍女を見つけ、彼女を犯してしまった。その後にやって来た楊過を見て、小龍女は師弟の誓いが破られたと彼を責め、破門にしてしまう…。

 金庸の大河武侠小説『射[周鳥]英雄伝』の続編『神[周鳥]飛侠』を原作とした、お馴染ショウブラザーズの武侠電影。ショウブラと聞くといやおうなく70年代のかほりがするけど(独断と偏見による暴言だというのは承知の助)、決してかなり昔に映画作りをやめたわけではないんだもんね。(90年代の星仔作品やトーさんの『ファイヤーライン』は製作というより、配給という形での参加か?)
 『射[周鳥]英雄伝』といえば当然《東邪西毒》。じっちゃんの歐陽峰も登場するので親しみがある。また、この『神[周鳥]剣侠』は、数年前になぜか日本でも、『コンドルヒーロー』という題名でアニメ化されていたように記憶している。BSデジタルで放映だったので、全部は観ていない。ヤホーでは来月末まで12話分無料配信しているらしい。wikiで調べたら香港との合作だったのね。

 この年、レスリー26歳。見事に小僧である。ひろみさん曰く、「かわいいんだけどそれだけで、エロさが全然ない」とのこと。同じ年にダニー・チャンと共演した青春映画『青春の光と影(失業生)』も公開されているんだよね。この映画ももう10年位前に観たかなぁ、こっちもかわいいんだけどかなり切ない役どころだったっけ…。
 それはともかく、かわいいというのはワタシも同感。もしかしてこの映画の出演者の中で一番かわいいかもしれない。楊過の相手役になる小龍女、いくら年上で師匠にあたるとはいえ、女優さんがあまりかわいいとは思えなかったのよねー、って多少の暴言を許して。しかしレスリー、古装片では年上っぽ女性に翻弄されてしまう役が似合うよ、ホント。

 レスリーのかわいさ以外に見どころといえば、陳観泰さん、谷峰さんなどの、ショウブラお馴染のアクションスターさんのアクション!はもちろんのこと、やっぱり唐突に登場してクライマックスをさらってしまう、あのでっかい神鳥ことコンドルくんだろう。でかい、でかいよキミ!しかも飛べんのか!そりゃ往年の東映特撮ドラマの悪役鳥怪人みたいないでたちだもんな!…ってたたたたたた、コンドルくんにつつかれたー!
 ぜいぜい、すまんよコンドルくん。でも確かにキミにはデジャヴュを感じる。『大英雄』に出ていたような気がする。出ていただろ?これぞ金庸つながりってわけか。さらにレスリーつながりだな。

 噂によると、しばらく映画製作をやめていたショウブラが、久々に映画製作を始めるらしい。ラインナップもすでに発表されているとのことだが、このコンドルくんもまた登場してくれればいいのに。ってさすがに今では、CGを駆使することになるから、あのまんま登場ってことにはならないんだろうな。はははははは。

 なんだか支離滅裂になりながらも、感想ここまで。

邦題:レスリー・チャンの神鳥英雄伝
監督:ホア・シャン 原作:金庸『神[周鳥]剣侠』 製作:モナ・フォン
出演:レスリー・チャン マリー・ジーン・レイマー チェン・クアンタイ クー・フェン

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