ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明(1991/香港)
“512四川大地震一人チャリティ映画祭”第2弾に選んだのは、自ら災害支援基金を立ち上げた我らがリンチェイの『黄飛鴻』(以下ワンチャイ)。
…あ、赤十字の募金箱への寄付忘れた。明日してくるか。
「え?もとはしったらまだ観てなかったの、これ?」と言われそーですが、はい、お恥ずかしながらそーなんざんす(苦笑)。観ているのはこれより先に劇場公開された『天地大乱』の方。これについての思い出は次にでも書きましょか。
実はですね、ワタシが観たのは弟から借りた中国版VCD。
はい、中国版なので当然言語は北京語だし、さらには字幕すらありません!
そうなのよね、中国は広東語はもちろん、全部吹き替えになるんだよね(泣)。
いくら北京語キャリアが長いアタクシとはいえ、字幕がないと結構つらいっすよ。
…でもいっか、リンチェイの流麗なアクションを楽しむのなら(こらこら)。
あまりにも有名な話ゆえ、あらすじはパス。ファンサイトも多いので、そちらにお任せするってことで。ちなみに実在の武道家&医師である黄飛鴻のプロフィールはwikiで。
さて、字幕なしでも改めてみて箇条書きで(笑)思ったこと。
・リンチェイのアクションはやはり美しい~。もし自分が中学生男子のころにこれを観たら、絶対ハマっていたに違いないな、なんちて。…しかし、カンフーだけじゃなく銃も使いこなせるとは。
・ツイ・ハークの演出はこれが最高峰なんじゃないかな?もちろん、カンフー映画独特の(いい意味での)泥臭さはあるんだけど、アクションシーンのカッコいい見せ方(例えば、戦いに決着がついていきなり雨がドーッと降り出すなど)のいいお手本がてんこ盛りだ。
・飛鴻以外のキャラクターもきちんと活躍し、いい味を出している。ユン・ピョウ演じる狂言回し的な梁寛(彼も実在の人物)、ロザムンのハマリ役である十三姨(恋人にして叔母?…ややこしや)、腕力もなくどもり癖があるが外交手腕に長けた米国帰りの阿蘇(學友さん)、林雪以前で香港映画のデブキャラと言えば彼しかいないケント・チェンが頼もしく演じる肉屋の榮、武術に生きる術を全て託した敵方の厳振東(ヤム・サイクン)…みんな魅力的だ。
・機会があれば字幕版を見直したいのだが、欧米列強が進出してきた不安定な清朝末期という物語の時代設定。若い頃には(専門で勉強したのにかかわらず!)これにピンとこなかったのだが、香港返還と世紀末を乗り越えた今となっては、この時代を描く意味がよくわかった。ここには日本の幕末とは似ているようで全く異なる激動があり、よくても悪くても一つの時代が終わってしまうという切なさがあり、それは時代も国も違う観客(つまりワタシだ)の心にも強く残った。
これ、やっぱ名作だわ~。次はいよいよ15年ぶりに『天地大乱』再見。
原題:黄飛鴻
製作&監督&脚本:ツイ・ハーク アクション指導:ユエン・チョンヤン 音楽:ジェームズ・ウォン
出演:リー・リンチェイ(ジェット・リー) ユン・ピョウ ロザムンド・クァン ジャッキー・チュン ケント・チェン ヤム・サイクン
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