毎年式典開催が遅くなっている金像奨は4月13日らしい。
『色、戒』キャンペーンの最中に割り込み。
先日、今年の金像奨のノミネートが発表。なお、『色、戒』が最優秀アジア映画賞ノミネートのみなのは、香港出資の合作であっても監督と製作が香港じゃないからってーことですよね。主要賞に中国映画の『おばさんのポストモダン生活』が入っているけど、これはアン・ホイさんの監督だからという理由ですよね?
ノミネート一覧は後述するとして、ノミネーションについての感想をば。
このところはジョニーさんとこの“銀河映像”にアンドリューさんとこの“基本映画”が絡んだり、トンシンさんの作品が毎年ノミネートするというパターンだったけど、今年は『ウィンターソング』で久々に香港復帰したピーターさんとこの“アプローズ・ピクチャーズ”がトンシンさんとタッグを組んだ《門徒》(13部門)がノミネートされたので、いうなれば「アプローズ対銀河映像の仁義なき戦い」って様相か。
しかし、俳優賞ノミネーションで腑に落ちないところがいくつかある。
まず《投名状》(14部門)。確か主役はリンチェイとアンディと金城くんの3人であるのに、主演男優のノミネートは先の二人のみで金城くんはいつもながらノミネート落ち。しかし、それにもましてわからないのが《門徒》。これは主演男優以外の俳優賞すべて(新人賞含む)にノミネートされているのに、主演だと思っていたアンディが古天楽と共に助演、張静初が主演でユンれんれんが助演。そして、メインキャストで中心的役割を果たしていたに違いない彦祖がノミネート落ち。あれれ?という感じである。…といってもこの2作品を観ていないので、このノミネーションが本当に正しいかどうかは判断つきかねるんだよね。
なんのかのいっても本命間違いないのはこの2作品。作品賞で《投名状》、監督賞をトンシンさんが獲れば、アプローズ圧勝でしょう。俳優賞も、珍しく主演&助演でノミネートのアンディ、2年連続ノミネートのリンチェイ始め、復活したれんれんの誰かが獲ってほしいねぇ。
銀河映像組の2作品は幸いにも鑑賞済。両作品とも作品賞へのノミネートは納得。でも、もうジョニーさんは金像に出席しないし、国外でモテモテになってきちゃったからあまり受賞しないのかな?だけど、ナイホイさんの『アイ・イン・ザ・スカイ』(8部門)は両方とも新人賞ノミネートされているので、監督か俳優のどっちかを獲るんじゃないかと予想。『マッド探偵』(8部門)のトリッキーな筋書きも面白かったので、脚本賞もあるかも。
主要賞候補の残る1作品である『おばさん』(9部門)。こんなにノミネートされるとは意外。さすがアン・ホイおばさん、パワーあるよ。日本人的に嬉しいのは『西遊記リローデッド』に続く久石譲さんの音楽賞ノミネート。受賞があるとすれば、口うるさいおばさん→恋する乙女心おばさん→すっかり生気をなくした悲しいおばさんとおばさんのあらゆる面を演じきったカオワーおばさんの女優賞じゃないかと思うのだが、もしそうなったらツーイー、周迅、コン・リーに続いて、4年連続で大陸女優が主演女優を獲ることになるのよね。
主要賞以外のノミネートでは、3年連続でアーロンがノミネートされた《C+偵探》(7部門)や日本の映画祭でワールドプレミアとなり、最優秀賞も受賞した『野・良犬』(4部門)あたりが注目か。C+はダニー・パン監督作品なので、スタッフにタイ人の名前が多いのね。香港返還10年記念映画のひとつ《老港正傳》(3部門)や、なかなか主要賞にノミネートされないけどそれも修業なのかもしれないなと思ったパン・ホーチョンの『出エジプト記』(2部門)ももちろん気になる。あと、阿Saはもしかして初ノミネートじゃない?
去年はジェイがぶっちぎりだった主題歌賞、ユーミンのほうのアンソニー・ウォン(元達明一派)や大御所のジョージさんなどベテランの名前が並んでいるのに、理由もなく嬉しい。
アジア映画賞は、ついに韓国映画が外れたね…。日本映画で『東京タワー』がノミネートというのはわりといいんじゃないでしょうか(といってもこの映画は未見)。検事クリューコーヘイや織田アニキin
アキラ黒澤(苦笑)やコイソラ(上映されてんのか?)がノミネートされるよりずーっとましだし、主演のジョーは亜洲電影大奨にも主演男優賞(つまりトニーのライバル)でノミネートされているし。ついでに本人来て、トニーと一緒に金像のプレゼンターもしちゃえ!(爆)
ジェイ初監督の《不能説的・秘密》や、やっと監督として復活できた姜文さんの《太陽照常升起》もいつか観たい作品。
でも今回のアジア映画賞は、もう『色、戒』で決まりでしょう!ジョーやジェイや姜文さんには悪いけど、堅いと思うぞ!
〇最優秀作品賞
《投名状》
《門徒》
『おばさんのポストモダン生活』
『マッド探偵』
『アイ・イン・ザ・スカイ』
〇最優秀監督賞
ピーター・チャン(投名状)
イー・トンシン(門徒)
アン・ホイ(おばさんのポストモダン生活)
ジョニー・トー&ワイ・カーファイ(マッド探偵)
ヤウ・ナイホイ(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀脚本賞
オーブリー・ラム、ホアン・ジエンシン、ジェームズ・ユエン他(投名状)
イー・トンシン他(門徒)
リー・チアン(おばさんのポストモダン生活)
ワイ・カーファイ&アウ・キンイー(マッド探偵)
ヤウ・ナイホイ&アウ・キンイー(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀主演男優賞
アーロン・クォック《C+偵探》
ジェット・リー(投名状)
アンディ・ラウ(投名状)
ラウ・チンワン(マッド探偵)
サイモン・ヤム(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀主演女優賞
テレサ・モウ《老港正傳》
チャン・チンチュー(門徒)
スーチン・カオワー(おばさんのポストモダン生活)
レネ・リウ『誘拐ゲーム』
シャーリーン・チョイ《戯王之王》
〇最優秀助演男優賞
ニック・チョン『出エジプト記』
ロナルド・チェン(老港正傳)
ルイス・クー(門徒)
アンディ・ラウ(門徒)
チョウ・ユンファ(おばさんのポストモダン生活)
〇最優秀助演女優賞
カレン・モク(老港正傳)
アニタ・ユン(門徒)
ヴィッキー・チャオ(おばさんのポストモダン生活)
邵音音《野・良犬》
マギー・シュウ(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀新人賞
鍾嘉欣《十分愛》
謝[艸/止][丹彡](門徒)
文俊輝(野・良犬)
黄孝恩《圍城》
ケイト・チョイ(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀撮影賞
林志堅(出エジプト記)
アーサー・ウォン(投名状)
姜國民(門徒)
クワン・プンリョン&ユー・リクウァイ(おばさんのポストモダン生活)
鄭兆強(マッド探偵)
〇最優秀編集賞
ダニー・パン&パン・チンヘイ(C+偵探)
ウェンダース・リー(投名状)
コー・チーリョン(門徒)
Tina Baz(マッド探偵)
David Richardson(アイ・イン・ザ・スカイ)
〇最優秀美術賞
Anuson Pinyopotjanee(C+偵探)
ヤウ・ワイミン『天堂口』
ハイ・チョンマン他(投名状)
ハイ・チョンマン&麥國強(門徒)
黄仁逵(圍城)
〇最優秀衣装デザイン賞
Surasak Warakitcharoen(C+偵探)
ティン・イップ(天堂口)
ハイ・チョンマン他(投名状)
馬煜韜(おばさんのポストモダン生活)
張世傑(マッド探偵)
〇最優秀アクション指導賞
江道梅《双子神偸》
チン・シウトン(投名状)
李忠志『男兒本色』
チン・カーロッ(門徒)
ドニー・イェン《導火線》
〇最優秀音響効果賞
Wachira Wongsaroj(C+偵探)
Sunit Asvinikul、Nakorn Kositpaisal(投名状)
キンソン・ツァン(門徒)
Steve Burgess&王磊(導火線)
トゥー・ドゥーチー&郭禮杞『ドラマー』
〇最優秀視覚効果賞
《C+偵探》
《投名状》
《門徒》
『マッド探偵』
《魔法小[艸/胡]蘆》
〇最優秀音楽賞
Payont Permsith、Jadet Chawang(C+偵探)
チャン・クォンイン、ピーター・カム他(投名状)
ピーター・カム(門徒)
久石譲(おばさんのポストモダン生活)
Andre Matthias(ドラマー)
〇最優秀主題歌賞
「兄弟」 byアンディ・ラウ&イーソン・チャン(兄弟)
「逼得太緊」by呉雨[雨/非](十分愛)
「星光伴我心」byロナルド・チェン(老港正傳)
「流浪者之歌」byアンソニー・ウォン(黄耀明)&ジョウ・シュン《明明》
「問天不應」byジョージ・ラム(野・良犬)
〇最優秀新人監督賞
郭子健(野・良犬)
ヤウ・ナイホイ(アイ・イン・ザ・スカイ)
アダム・ウォン《魔術男》(注・4年前の東京国際映画祭で上映の『ベッカム、オーウェンと出会う』の監督さん)
〇最優秀アジア映画賞
《不能説的・秘密》(台湾)
《太陽照常升起》(中国)
『ラスト、コーション』(台湾)
『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』(日本)
『帰郷(落葉帰恨)』(中国)
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コメント
もとはしさん こんばんは
何時も拝見してますが 今回は久々に思わずコメントをポチってました(笑)
「門徒」のノミネートで彦祖があれれ。。。と思って下さった事が嬉しくて
あんなに頑張ってたのに 役になりきって体当たりだったのに
とひこ迷の私は悔し涙にずっとくれていたのです
まだ未見だという事で。。。ちょっと焦りましたが(爆) 素直な意見として有り難く受け止めました
これで日本の配給も買う気になってくれると良いのですが
投稿: usako | 2008.02.06 23:30
usakoさん、どもども。
動揺させてしまったみたいで申し訳ないです。
未見は未見だけど、彦祖中心だったときいたのであれ?って思ったんです。
純正香港映画ではかなりヒットしたというので、配給ついてほしいなと思ったのですが…やっぱり難しいのかな?
金像奨、門徒組がどこまでいくか楽しみです。
投稿: もとはし | 2008.02.06 23:56