港台二導演・劉偉強さんと楊徳昌さんの話。
今朝の朝日新聞社会面を職場で見た時、かなり驚いたのは言うまでもない。
まずは今週の『AERA』の表紙に登場したアンドリュー・ラウ監督。香港人の映画監督としては2002年10月7日号の(なぜ詳しく覚えているのかというと手もとにあるから)ウーさん以来ではないか?あとはイーモウも10年以上前に登場済。
思えばちょうど10年前、この雑誌の表紙を飾っていたのが成龍さんに金城くんにユンれんれんにトニーにアンディにカレンにレスリー…とそうそうたる面々の香港明星たち。香港ブームが去ったその後は、サムやフェイやりよんやサミーやケリーも登場していたっけ。
ここ数年のAERAは某ぺ様を始めとする大韓明星ばっかりかと思えば、ジェイやジェリーも登場し、賑々しいんだけど誰か香港関係の人も…と残念に思ったのは確か。そうそう、実は王家衛も確かまだ登場していないはず。彼は姉妹誌の週刊朝日の表紙になったことはあるんだけどねー。
詳しい感想は読んでから改めて記事にするけど(多分明日以降)、それに加えて近いうちに「アンドリューさん作品で振り返る香港返還後の香港映画10年」なんてーことをやってみたいです。そういえば10年前、彼はまだ『古惑仔』シリーズを監督していたんだよね。
次に、同じ監督でも台湾出身のエドワード・ヤン監督の名前を久々に目にした…と思ったら、そこはお悔やみ欄だった(涙)。
台湾の映画監督、エドワード・ヤンさん死去(朝日新聞)
ヤンちゃんこと楊徳昌監督は、ホウちゃん(候孝賢)、ミンリャン(蔡明亮)とともに、80年代後半から始まった“台湾ニューウェーブ”を支えた一人であり、この3人はまさに台湾新電影鉄三角と呼ぶべき存在だったと思う。李安さんは90年デビューだし、最初からアメリカを拠点にして映画作りをしていたから、この3人とは明らかに違うのよね。(ヤンちゃんもアメリカで映画制作を学び、実際に住んでいたのだが、デビュー時は台湾を拠点にしていた)
ヤンちゃんの80年代作品は『恐怖分子』しか観ていないんだけど、当時15歳だった張震のデビュー作『[牛古]嶺街少年殺人事件』、チェン・シャンチーがキュートなOLを演じていた悩める台湾青年の群像劇『エドワード・ヤンの恋愛時代』、張震&ルンルン(クー・ユールン)コンビにあのヴィルジニー・ルドワイヤンが絡む『カップルズ』、呉念眞さんとイッセー尾形さんのやり取りが印象的だった『ヤンヤン 夏の思い出』など、どれも好きだった。
『ヤンヤン』のあとにぱったり名前を聞かなくなったけど、どうもガンで闘病中らしい…ということは3、4年前から噂で聞いていた。かなり心配していたのだが、2年前にカンヌのシネフォンダシオン&短編作品の審査委員長として久々に顔を観たときには嬉しくもあったんだけど、松田優作似だと思っていたクールな容貌がずいぶん変わっていて、髪がすっかり白くなっていたのに驚いたもんだった。やっぱり闘病していたんだって思ったもの。そして、それが個人的には最後になってしまったか…。
カンヌで監督賞を受賞した時、同じ年に男優賞を受賞したトニーと一緒に映画を作りたいという意志も見せていたそうだけど、それももう永遠に実現しないのか…。さらに自らもマンガを描き、自分のプロダクションに『鉄腕アトム』にちなんだ「原子電影(Atom Films)」という名前をつけていたくらい熱烈な手塚治虫ファンだったことでも有名なヤンちゃん、同じ手塚御大好きとしては、何か手塚作品を映画化してほしかったなぁ(『七色いんこ』や『ミッドナイト』あたりなら台湾に舞台を移しても無問題かも)。今頃天国では、御大と一緒に楽しくマンガ話で盛り上がっているのでしょうか。しかし、59歳はあまりにも若すぎる!
ヤンちゃんのご冥福を、心からお祈りしております…。そして今年の東京国際(『[牛古]嶺街』で受賞歴あり)で彼の追悼特集を組んでくれたら、可能な限り観たいと思います。
| 固定リンク | 0
「コラム(中華芸能)」カテゴリの記事
- 【近況報告&お知らせ】通販部再開しました他(2022.11.12)
- 〈香港抗議の記録 A Film on Hong Kong Protests〉を世界から日本へ(2021.01.11)
- 【お知らせ】通販部のページを開設いたしました。(2018.08.22)
- 大館の御成座で『捜査官X』を観る(2016.02.12)
- 2015 funkin'for HONGKONG的十大電影(2016.01.11)
コメント