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堕落した者にあって、死者にはないもの。

今BSで、途中からだけど『NYPD15分署』を観ている。ラストは電話がかかってきていたので、ユンファが〇まみれで〇〇しながら〇〇〇〇場面は見逃したんだが(すごい伏字失礼)
この映画の原題は“The Corruptor(堕落した者)”。ユンファが演じるNY市警15分署初の華人刑事チェンと、『ディパーテッド』で見事アカデミー賞助演男優賞候補にノミネートされた(苦笑)ディグナムことマーク・ウォルバーグ(以下マーキー・マーク)演じる白人刑事ウォレスが衝突しながらも友情を深め、華人マフィアが絡む連続殺人事件に立ち向かう物語。

いやー、マーキー・マークが若いなぁ(爆)。張り切ってガンガン脱いでくれるし。
ユンファはこれがハリウッド進出2作目だったっけ?華人マフィアとつながりのある“悪徳警官”役なので、意識して体重を増やしてふてぶてしい感じを出したというのを公開当初聞いた気がするんだけど。しかし、『リプレイスメントキラー』から『バレットモンク』まで、ハリウッドのユンファ主演作はどうもなぁ…って作品が多い中でも、これは比較的いい出来の作品だと思う。贔屓目かしらん(苦笑)。ネタが社会派なんだよねー。多民族国家アメリカの闇を描いているってこともあって。機会があったら、DVDを借りて見直そうか。

で、この映画をチョコチョコと観ながら感じたのは、『ディパ』にはないものがこの映画にはあるなぁと思ったのである。それはオリジナルにあって、リメイクですっかり消えてしまったものなんだけど。
それは何か。
ホモソーシャル的な男たちのつながりである。

以前『男たちの絆、アジア映画』の感想2本(これこれね)でも書いたけど、アジア映画(特に香港ノワールと日本で呼ばれる映画群)では、男女の恋愛沙汰よりも同じ集団に属する、または立場を異にする男たち同志の繋がりが強調され、濃密に描かれる傾向にある。それがホモソーシャル的なつながりであり、それが腐女子な皆様(非腐女子も)の興味を大いにそそる要素となっていたりする。

男たちの絆、アジア映画
四方田 犬彦編 / 斉藤 綾子編
平凡社 (2004.5)
通常2-3日以内に発送します。

この『15分署』では、それらのアジア映画ほど濃密ではないけど、チェンとウォレスが反発しながらも絆を強めていき、師弟関係(偶然にも武侠小説的!)を築いていき、チェンが銃弾に倒れたあとはウォレスが彼の意志を継ぐだろうということを匂わせて劇終となる(と思った)。このへんがとっても中華電影的なので、比較的馴染みやすかったのかな、なんて思った次第。まー欠点を言えばいっぱいあるわけで、ハリウッド製中華明星電影にしつこくついてくるヒップホップがホントにうっとおしいとか、殺戮シーンが身も蓋もないとかあるけど、それは敢えて目をつぶるか。

そう、『ディパ』に欠けていると感じたのは、ビリーとコリン、そして彼らと繋がる男ども(コステロおやぢ、ドゥーハン、ディグナム)とのホモソーシャルなつながりがないこと。つまり人間関係があまりにも希薄なんだって思ったんだよ。『無間道』三部作が面白いのは人間同士の駆け引きであって、決してアイディア一発だけじゃないんだけどなぁ…。そのへん、アメリカ側の脚色者はわからなかったのかなぁ?そしてスコちゃん、アンタもホントはこれを撮りたくなかったとか言ってたけど、(参考はこれ)、ホントはちゃんと取り組めばそのへんのくだりも描けないこともないのに、そーゆー気持ちだったからついついおざなりにしちゃったんじゃないの?なんてツッコミたくなったし、無間道迷としてはホントに悔しいんだけど、オリジナル側の人々はそのへんどー思っているのかしらん?

しかし、某サイトの投稿レビューを見ると、意見は見事に真っ二つですねー。これがきっかけでオリジナルの知名度が上がってくれれば嬉しいにこしたことないけど、ね。

こんな感じで、『ディパ』に対する意見はこれで打ち止めにしたいと思います。
今週末からは『墨攻』も始まるから、頭を切り替えなくちゃねー。

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コメント

やっと、見に行ってきたのですが、あんなに努力したのに「別物」としてみることができなかったんです〜。でも、もとはしさんの記事で納得♪

>つまり人間関係があまりにも希薄>
そうですそうです!

>ホモソーシャル的な男たちのつながり>
あ〜、そうだったんだ。私は腐女子なのか…。

つまり、私がジャック・ニコルソンに怒りを感じるのは、その男同士の絆みたいなのをばっさり切り捨てて、単なるエロ爺になってることだったんです!

スコセッシ監督、だいぶジャック・ニコルソンの出たがりに苦労したっていううわさもあったけど、私もホントは描けると思うんですよ、この監督。やっぱり嫌になっちゃったのかも…。

投稿: tomozo | 2007.02.02 08:57

tomozoさん、TBありがとうございました。一つ消しておきましたよん。

大丈夫です、ホモソーシャル好きでも腐女子ってわけではないですよー。腐女子はその先を妄想しちゃうので(笑)。
『ディパ』は最初は別物としてみようと努力したんですけど、ちょうど1作目の話の始まりにあたるところから、ちょっと頭を抱えるようになって…。

>私がジャック・ニコルソンに怒りを感じるのは、その男同士の絆みたいなのをばっさり切り捨てて、単なるエロ爺になってることだったんです!

アジア映画以外でもあることなのですが、オリジナルにホモソーシャル風味がややきつめだと、製作者側がそれをホモセクシャルっぽく感じて嫌うみたいで、その反動でエロでごまかすって風潮があるんじゃないかって気がします。以前そういうことをやって原作を台無しにした映像作品を知っているので…。
80~90年代前半のハリウッド映画って、男ばかりのキャストで濃密にぶつかり合う映画も結構少なくなかったし、スコセッシだってそういう映画を撮ってきたんだろうから、やれば出来ないわけじゃないのに…。とにかく、このへんはホントに残念ですね。

投稿: もとはし | 2007.02.02 22:32

なるほど〜。思わず唸ってしまいました。やっぱり、ブロークバック・マウンテンとかは、アン・リーだから撮れたのかも知れませんね。

で、ごめんなさい。またTBしちゃいました。どうもいつまでもTB先に残っていて、他にTBすると一緒に送っちゃってたみたいです。お手数おかけしますが、また削除してくださいませ。

投稿: tomozo | 2007.02.03 12:22

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★2/3追記しました。あんなに比べるのはよそうと思ったのに、無理だった。才能ある [続きを読む]

受信: 2007.02.03 12:17

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