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【架空対談】この冬の中華電影を、観ないで斬る!(その2・時代劇編)

もとはし:対談に入る前に、ちょっと確認しておきましょうか。まず、ピーター・チャン製作&イー・トンシン監督、アンディ、古天樂、そして彦祖主演の《門徒》(protage)は旧正月映画のようですね。ピーターさんプロデュースだから製作はアプローズですね。

暗黒もとはし:ピーターさんはこのところ活躍しているね。次は時代劇の《刺馬》も控えているし。やーっぱパパになって生活を支えるんだから、ガンガン稼がなきゃって心境なのかしらん?

…それはどーだか。だってサンドラもまだ女優続けるんでしょ?キミみたいに毒吐きながら。

あ、ちょっと、アタシとサンドラ姐を同列にしないでよ、ひどーい。そんなこといわずに本題入ろうよぉ。

そーだな、自分で自分をいじめても何にもならんからね。さて、今回は時代劇編ってーことで、ネタはもちろん《墨攻》&《黄金甲》。

じゃー最初は《墨攻》ね。

これは合作ってこともあって、今回ネタにしている4本の映画のうち、一番早く日本で観られる作品。前々から言われているように、第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞者・酒見賢一の同名小説を、森秀樹がアレンジを加えてマンガ化した作品の映画化。酒見氏の原作小説も久々に増刷がかかったみたいだけど、ノベライズも近日発売されるらしい。実は小説もまだ手に入れていないんだけど、いっそのことマンガを読んだ方が早いのかなーって気もしてきた。文庫化もされていたはずだ。

しかし知らなかったよー。あのマンガが香港で評判だったなんて。確かに香港や台湾では日本のマンガもタイムロスなく読めるんだけど、人気がある日本マンガっていえばシティーハンターとかドラゴンボールとかスラムダンクみたいに、日本の人気と同期してるものばっかりだもの。

酒見氏はデビュー作の『後宮小説』や、孔子を描いた長編小説でも知られるように、エンターテインメント系中華小説が得意な方だけど、こういう中華ものを書いている日本人作家の原作マンガだから、興味深かったんじゃないかなー。

ねー、堅い話はこのへんにしない?また長くなるよ。

わかった。キャストは渋いよねー。アンディ主演というとどーしてもアイドル映画かって思ってしまうんだけど、主人公の革離は本来スキンヘッドのオッサンなので、今回はシブ路線だね。それにさらに拍車をかけて渋いのが、かつて韓国映画がアート系映画館でしかかからなかった時代からずーっと活躍している大ベテラン、アン・ソンギ先生だから。

あー、アンさん!いいよねぇー。韓流スターはどーでもいいけどアンさんは別。日本映画『眠る男』ではタイトルロールの“眠る男”で、ずーっと寝ながら演技していたんだもんねー。あれはすごいと思ったよ。…あと一人、若手大韓俳優が出ているらしいけど、我々的にはパスでいいよね?どーせ一部女性週刊誌で大騒ぎするだろうからわざわざ取り上げる必要なーし。

お、久々に毒舌。でもワタシももちろんパス。そうそう、久々にニッキー・ウーが見られるのにも注目だよ。ここ5,6年名前を聞いていなかったから、もう懐かしくって。台湾俳優も張震やルンルンはもう中堅で、今はもうF4周辺やディランもこみちやボーリンの若手世代にシフトしちゃったもんねぇ。

…なんかF4の先輩格的存在のわりには、日本向けPRでは全然名前が挙がってきていないらしいけどねぇ、ニッキー。ところでエイダとの仲はどーなってるんだか。

あ、それアタシも思った。あと、スタッフでは監督が『流星』のジェイコブ・チャンさん、音楽が『七剣』に続いて中華電影登板の川井憲次さんに注目。ジェイコブさんは文芸派だから、こういうのは珍しいよね。だから興味がある。川井憲次さんは人気あるねぇ。やっぱり『攻殻機動隊』など、海外で人気の日本アニメのサントラで注目された方だからかな。

川井さんの音楽目当てで観に来る人も多そう。新春第2弾全国公開であの方の時代劇映画と同じチェーンでかかるから、我々のところみたいな地方都市でも見られるのが嬉しいねぇ。

そうだねぇ。ただ文句をつけるとしたらアンディの北京語が吹き替えということくらいか…?

そりゃー前回もアタシが言ったじゃん。はい次。

よし、《黄金甲》ね。最近年1ペースで映画を作っていて絶好調すぎるイーモウの時代劇大作第3弾。今回は久々の中華時代劇主演になるユンファと、その息子にジェイという予想外なキャスティングが注目。…ところでジェイよ、重荷じゃないかその役どころは。いや確かに黄金甲は重そうだが、ってそういう話じゃないか。

なにわけのわからんことを言っておる。そのほかにつっこめるのがあるじゃない。ほらぁ、元祖らぶらぶ邪念のあの方が、久々にイーモウとコンビを組むこと!

そうそう、コン・リー姐さん!元カレとは10年ぶりのコンビだよね?いやぁこれってまるでリアルウィンターソング…。

さすがに2人とももうすっかり大人だから、あの映画みたいなことにはならないんじゃないの?当たり前だけどさ。それじゃユンファの立場がないじゃん。

もーう、冗談の通じないヤツめ。ま、あとはリュウ・イエくんの出番を楽しみにしよう。ところでまた『無極』の時みたいな報われない役どころだったら泣くよなぁ…。そうそう、この映画は物語にも注目せねば。『英雄』&『十面埋伏』では完全オリジナルの武侠映画を作り上げたイーモウだけど、今回はさらに実験的な試みをしているみたいだね。日本でも知られている現代中国戯曲の名作『雷雨』を大胆にアレンジし、時代設定を思いっきり過去にしてある将軍一家に降りかかる愛憎と背徳の悲劇になるみたい。

あー『雷雨』。うわーそりゃ背徳だ。大学時代の購読の時間で一部を読んだのを思い出した。不倫と近親相姦が渦巻いているんだよねー。で、だれとだれがそーなるの?

…知らん。

こらこら。

でも、『単騎』は日本でこけたけど、イーモウブランドは確立しているから、これも間違いなく日本に来そうだね。おそらく来年の秋までには来るんじゃないの?その時はメインキャスト全員の一挙来日を期待したいもんですね。

そうそう、あとはやっぱりジェイの主題歌!今年始めのフォーフォーと同じように、ジェイ書き下ろしの主題歌シングルが『依然范特西』全曲のMVを収めたDVDと一緒に発売されるらしいじゃないですか!これは買いっすねー。あとは“フォーフォーの悲劇”再びにならないように…(祈)。

これはワタシも大いに心配。なんせジェイに関しては、日本デビュー作(つまりイニD)でも、渾身の作だったフォーフォーも、日本版主題歌なるものに差し替えされてしまったという無念があるもの。二度あることは三度ある…にはならないでほしい。今回心配なのは、この映画が日本ではどこの配給になるかということ。過去のイーモウ時代劇は2本ともワーナーで配給されていて、ワーナーといえばフォーフォーの悲劇で…。

うわあああああー、それは心配!とりあえず東京方面に念を送っておこうよ!配給獲ってもいいけど、主題歌は絶対変えないでって!

主題歌変えるなぁー、絶対変えるなぁー(-人-)(-人-)

…はい、このバカ対談、もーちょっと続きます。

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コメント

シングルで出るのは『菊花台』ではなくて、新たに映画のために書き下ろされた曲です。今日初オンエアだったのですが、メタルです、ハードです。でもカッコ良かったです。
今度はまさか今までのようなことは無いと思っているのですが…
『傷城』の主題歌もねぇ…なんだか皆様は「いいんじゃない」モードのようなのですが、私はやっぱり最後に日本語の歌は聴きたくないです。
と、いうことで年末『黄金甲』と『傷城』を観るために香港へ行きます。

投稿: KEI | 2006.12.04 22:42

KEIさん、情報ありがとうございました。訂正しておきます。しかしメタルか。そうくるかジェイ。
《傷城》も、正直言ってぴんちーぷー(検索よけのため北京語読み)の歌でいいのかっていう不満がないわけじゃないんだけど、しんてぃえんめいらい(これも検索よけのため北京語読み)よりはましかと…。きっと日本プレミアの際にはトニー&金城くんへの花束贈呈は彼女がやるのかなぁ(彼女は大スターだからそんなことないか)とか考えると…。

年末香港、楽しんできてくださいませ。
レポート楽しみにしております。

投稿: もとはし | 2006.12.04 22:59

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