南拳媽媽『調色盤』
いつの間にか日本デビューを果たしていた、南拳媽媽(日本語表記は“ナンチュエンママ”)の新譜『調色盤(カラー・パレット!)』。
いやぁしかし、渋谷のタワレコで南拳の新譜はないかと中華ポップス棚を物色していて、これを見つけたときはホントにビックリしたよ。まさかデビューするとは思わなかったもので。…まー、テレ東の華流特番の反響がどんなもんだったかは、観ていない人間にはよくわからんのですが、それなりにあったんでしょうね、きっと。
さて、2月のジェイ演唱会で彼らの存在を知り、すぐさまファーストを、春にセカンドの『2号餐』を買ってかなりハマっていたのは以前ここでも書いた通り。
そして、この日本デビュー盤の帯には「ジェイ・チョウがスーパーバイザーをする期待の若手グループ」と銘打っているけど、さすがにサードアルバムで、このメンバーで出すのも2枚目ということもあって、独自色を出してきている意欲が見られる。ビジュアルも進化して今回はちょっとブリティッシュな正装で登場し(台湾のどっかの報道で“制服ルック”とか書かれていたような…)、おー張傑髪切ったな、でも相変わらず不機嫌な要潤だとか、Laraちゃんがグッとフェミニンになったなー、そしてますますLisa(元m-flo)っぽくなってきたぞ(爆)、とか思った次第。
曲については、第1期南拳メンバーのGaryさん、巨砲さんも書いてはいるけど、メンバーの手がける曲の割合が増えてきているので、独自色が見えてきているのかな。特に張傑が頑張っている。そのせいかジェイっぽい曲があまりない…。まー杰倫先生も作曲どころかレコーディングでサポートに入っていないしね。でも、それはそれでまたいいのかもしれない。アーティストとしての勝負をかけるならね。
『2号餐』では結構ロック色が強いと思ったけど、今回はポップ色が強まってきている。1曲目の『Tonight』ではレゲエを取り入れたり、Guns'N Rosesへのオマージュのような曲を作ったり(by張傑)と面白いことをしたと思ったら、後半でメンバー一人ずつが作ったソロ曲では、かなり内省的な雰囲気を漂わせたりしている。日本盤なので訳詞を見ながら聴いてみると、ラストの『離家不遠』(作詞は弾頭)なんてかなり切ないもんね。
お気に入りは『Tonight』と台湾のスクーターBUBUのCM曲となった『初恋粉色系』、Laraちゃんのソロ曲『水晶蜻[虫廷]』、そして『離家不遠』。
このアルバム、初めて『破曉』を聴いた時のような衝撃はなかったけど、南拳ワールド的なものは確立しつつあると思うので、安心してヘヴィロテできそうなCDであることは確か。
そこでソニーさんにお願い。せっかく日本デビューさせたんだから『2号餐』も日本盤出しませんか?ねぇ。あと、ジェイつながりで劉畊宏も日本デビューさせませんか?
しかしこの4人、やっぱり台湾版ライダーやらせたいわ、ジェイと畊宏を加えて。…ってまだ言うか自分。>ここは独り言。
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コメント
>不機嫌な要潤
に爆笑です。
自分では絶対に思い至らないフレーズがふんだんに出てくるレビューに、さすがもとはしさん!と思いました。
台湾版ライダー、賛成!ウィル・リュウさんの役柄がどうもおちゃらけしか浮かんでこないのは、「山田太郎」の見過ぎでしょうか?
恥ずかしながらTBさせてください。
投稿: 藍*ai | 2006.08.07 19:27
藍*aiさん、TB&コメント多謝です。
ジェイ演唱会で4人を見たとき、張傑の印象が妙に薄かったのですが、ジャケットを見るたびに「やっぱり要潤だよね、それも不機嫌な仏頂面の」という結論に落ち着いたものでした。
南拳のアーティストとしての可能性はまだまだ未知数である気もします。なにせメンバーチェンジで一度路線がガラッと変わっていますからね。
畊宏はおちゃらけもシリアスもいけそうなのですが、カッコよく決めてるつもりがかなりお笑いってーのが一番ハマるかもしれません。戦隊ものだったらキレンジャー的キャラとか(笑)。
投稿: もとはし | 2006.08.07 22:43