詩人の大冒険(1993/香港)
♪あーる日、詩人が歩いているとー、美しーいお姫サマがやってきてー、悪者にねーいま追われているの、詩人、守ってー、とお姫サマー。詩人守ーって、詩人まもーって、しじんまも…って、つまらーん!この替え歌はつまらん!じゃあ歌うな自分!
と気を取り直して。
しかしあの『金〇の大冒険』をわざわざ替え歌にする意味はどこにあるのかって問われたら、星仔のこの未公開映画《唐伯虎點秋香》の邦題が、どういう風の吹き回しか(?)『詩人の大冒険』なんていうもんだから、思わず歌いたくなった次第。
まーそのー、それはまたおいといて、今回は「祝!大導演星仔新作決定(しかもSFだ)記念!」&「なぜにコン・リー姐がマイアミで悪徳を働いてるのか?記念」というわけのわからんダブル記念鑑賞ざんす。
大學での専攻が中国文化だったくせに、もとはしはとっても不真面目な学生だったので、この映画の元ネタが京劇(正しくは越劇)で、更なる元ネタは年画にもなっているくらいポピュラーな民間故事だと今さら知り、ああ、もう一回大学入り直して勉強するべきかしらK先生(T_T)…なんて思った次第ざんす。
でもさー、こーんなアカデミックなバックボーンがあったとはいえ、所詮は星仔映画だから、そんなことどーでもいいってくらい破壊的なんだよね。さすが星仔、実質初監督作品。
江南四大文才の一人、唐伯虎(星仔)は書画と詩作に優れ、さらに武術の達人でもある多彩な文人。たくさんの人々に慕われる人気者だったが、彼は決して幸せではなかった。家に帰れば8人の妻に囲まれ、その騒がしさに居場所を失って途方に暮れる日々。そんな伯虎に母親は、父親の仇である奪命書生(劉家輝)の話をするのであった。
ある日、3人の友人(ジャンユー他)とともに街に遊びに出た伯虎は、貧しい人々に施しを与える華夫人(チェン・ペイペイ!)の一団と出会う。そこで見かけた女性・秋香(コン・リー)に一目惚れをする。彼女に夢中になった伯虎は身分を隠して華府に潜り込み、番号で呼ばれる下働きから身を起こし、さまざまなトラブルや事件を起こしながら、才能を発揮して主人の華太師(ジェームズ・ウォン)に認められ、名前を与えられて見事に書生となる。しかし、そこで一つ厄介な問題が起こる。華府では唐伯虎を敵とみなし、憎んでいたのだ。そのため、愛する秋香に正体を明かせず、苦悩する伯虎。さらに王家の嫌われ者寧王(林威)が奪命書生を引き連れ、華太師と勝負しにやってきて、事はますます大変なことに…!
超有名な民間故事も星仔の手にかかれば、もう解説しなくてもいいよね?って感じの仕上がりになる。これは彼の実質上初監督作品だけど、『少林サッカー』での愉快な脇役くんたちや徹底して汚されるヒロイン(いや、それでも秋香は星仔に殴られていたなぁ)、そして自虐的ギャグはあまり感じられない。…でも鼻ほじほじオネェの如花こと李健仁さんや、やっぱり星仔とは永遠のライバルであるヴィンセントさん(確か脚本も担当)が登場しているから、そのへんを見つけてはゲラゲラと楽しんでいた。
文武両道に長けた男が主人公だと、結構面白い絵ができるのね、と思ったりして。ヴィンセントさんとの詩作対決は字幕でも面白かったけど、日本語ではどんな感じに仕上がったんだか?今度チェックするか。
ラスト近くの伯虎の大技「亀ー破ー波(かめはめ波)ーっ!」はなんとなくやると思った。だって香港人もドラゴンボール好きだもんね。
アクションではもうこの人、『臥虎蔵龍』の碧眼狐狸ことチェン・ペイペイ姐さんが大活躍!結構おちゃめなマダームで魅力的で、時々ヒロインを食ってました(笑)。
で、ヒロインのコン・リー姐さんなんだが…、なーんか最近シリアスで「えー?」っていいたくなる役どころ(特にハリウッド)ばかり見ていたので、いい目の保養になりましたよ(ってなんだそりゃ)。いや、姐さんにコメディは似合わないと思うこともあるし、初登場シーンで伯虎に「フツーじゃん」と言われたくらいなんだけど、やっぱりシリアスな役ばっかりじゃ飽きるもんね。といっても今後彼女がまた香港コメディに出ることは決してないと思うんだけど…。しかし姐さん、なんで映画版『マイアミバイス』のヒロインなんて請けたんだろう…。大いなる謎だ。
あと、まるで四大天王のような人気の四大文才の一人にジャンユーが登場。これは嬉しい発見でした。大した見せ場はないけど。
原題:唐伯虎點秋香
監督:リー・リクチー(&チャウ・シンチー) 制作:チャールズ・ヒョン
出演:チャウ・シンチー コン・リー チェン・ペイペイ ナット・チャン ジェームズ・ウォン ゴードン・リュウ ナム・キッイン ン・ジャンユー ヴィンセント・コック
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