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スター・ランナー(2003/香港)

先ごろ日本でリメイクされた(!)『流星花園(花より男子)』でのF4には、どーもマ○ジュ○始め、期待の若手を寄せ集めてきましたって感が拭えなかった(だから観なかった。笑)。やっぱりこっちのF4を見慣れちゃったからかしらねぇ、いくら思い入れがないとはいえ(爆)。だってこっちのF4、個性強そうだもん。
その中でも一番個性的なんじゃないかって思うのが、この『スター・ランナー』で香港映画初主演のヴァネス(以下ヴァネ)。あの方似(失礼)でイケイケっぽいジェリー、王子様タイプの仔仔、さらさらヘアにくっきり目のケンと、いかにもーなイケメンぶりを発揮している他のメンツと比べると、一重で大きなつり目、逆三角形の顔立ち、さらに厚い胸板とご立派な二の腕のヴァネは異彩を放っている。さらに『流星』ではこれに長髪だったから「うむむー、強烈な個性だわ」としかいえなかった。だけど、この映画を観て、ヴァネは王子様というよりこーゆー路線の方がハマるんだ、そして、F4の中で一番香港映画に馴染むキャラなんじゃないかということにも気づいたのであった。

香港中文大学(多分)に通うボンド(ヴァネ)は格闘技に燃える青年。環太平洋異種格闘技トーナメント「スター・ランナー(新格闘)」に出場し、チャンピオンのニュージーランド代表タンク(アンディ・オン)との対決を夢見ている。そんな彼は夏期講習で、韓国から来た特別講師キム(キム・ヒョンジュ)と出会う。キムは、不倫相手との恋に破れ、友人の大学教授CY(アルフレッド)を頼って香港に働きに来ていた。ボンドとキムは教師と学生という枠を超えて恋に落ちていく。
「スター・ランナー」出場のために鍛えるボンドだが、ジムから選ばれたのは先輩のホン(銭嘉樂)とライバルのクリス。クリスがボスを買収してその座を手に入れたことにボンドは激怒し、ジムをやめてしまう。彼は飲んだくれの元ボクサーで、タンクの兄ベニーのライバルだったというビル(マックス)と出会い、彼のジムで詠春拳の使い手ロン(ティ・ロン!)や洪拳を操る神父(劉家輝、でいいはず…。洪拳指導に彼の名があったから)の手ほどきを受け、キックボクシングにカンフーを取り入れていく。ボンドは夢に見た「スター・ランナー」に出場し、順当に勝ち続けていく。
一方、キムは学生と付き合っていることを批判され、妻と離婚したサイモンが自分を連れ戻しに来ることに心を揺るがせていた…。

この映画の原題は『少年阿虎』。阿虎、阿虎っていえば…、華仔の記念すべき100本目の映画『ファイターズ・ブルース』の原題と主人公の名前。そして監督も同じ人。そうか!そうか、これはその前編か!少年古惑仔みたいなもんか!と思いきや、全然違う(爆)。当たり前だ。ちなみに『ファイターズ』のヒロインといえば、最近は某宝くじのCM以外に顔を見なくなった常盤貴子嬢。そして常盤嬢といえば…ああああああ、トラウマの『星月童話』ぁぁぁぁぁぁ~(T_T)。これも同じ監督だよぉ。

って泣いてる場合じゃない!感想を書け!>自分。…はい。
ダニエル・リー監督といえば、まずはアクションがカッコいいって印象がある。そんなこともあって、この映画で繰り広げられるアクションは観ていてワクワクする。自らアクションシーンを演じたヴァネ、この作品で香港電影金像奨最優秀新人賞を受賞したアンディ・オン君(同名の明星多数につき、以下は安くんと書く。でも安仔って書くとホイホイとかぶるんだよねー)のど迫力アクション、それを支えるのがティ・ロンさんや劉家輝さんなどの、往年のアクションスターたち。このお二方が舞う姿はもう、アクション好きでなくても見惚れてしまう(笑)。ヴァネと安くんはダニエル監督の最新作『ドラゴン・スクワッド(猛龍)』にも続けて出演した(詳しくはnancixさんこの記事)というから、これも日本で観てみたい。
しかし、アクションはガシガシ魅せるダニエル監督なんだが、欠点はラブシーンの詰めの甘さである。アクションさえあればはっきりいってラブシーンはいらんのに(すげー暴言)、『星月』『ファイターズ』そしてこの作品と、中華圏以外からヒロインを呼んでいるせいか、なんかアクションシーンと乖離したアマアマなラブシーンを撮ってしまいがちなのだ。さらに3作品ともヒロインのキャラクターに全然共感できない(大泣)。『星月』の瞳は超甘ちゃんだったし、『ファイターズ』の澪子は意味不明な行動原理の持ち主だったので、もしかして三度同じことを…とか思ったら、キムもやっぱりそんなキャラだった。不倫しておきながら相手が忘れられないなんていうし、ついつい野郎に絡まれてピンチに陥ってはボンドに助けてもらっているし、結果的に自分の学生とデキるし。ヒョンジュ嬢、けっこうかわいいのに、ヴァネともつりあっているのに。キミは韓国の常○姫かよ?って何度つっこんだことか(超暴言)。

今週観たF4の3人(仔仔はまだ主演映画を撮っていないんだっけね?)の中で、一番香港映画でもやっていけそうだと思ったのが、やっぱりヴァネだと思ったのは、主演作が得意そうなアクション映画だったし、髪を短く切って黙々と鍛える姿が香港映画の伝統的アクションに馴染めそうな雰囲気だったからかな。ただこの映画はアクション映画だから、先に書いたようなアクションとラブストーリーの乖離を始め、物語にまとまりがないんだけど(笑。おじいちゃんの回想シーンでのヴァネの軍服姿は絶対サービスだよな)、それはいいか(こら)。まぁ、そんなヴァネもきちんとラブストーリーができれば、えぢやショーン、ダンカンくんの位置に確実に入れそうな感じはあるかな。よくわからんが。
F4といえば台湾ドラマと歌っていうのが一般的印象だろうけど、映画(台湾もそうだけど特に香港映画!)にいっぱい出て、中華圏エンタメをどんどん守り立ててほしいもんです。以上。

原題:少年阿虎
監督:ダニエル・リー
出演:ヴァネス・ウー キム・ヒョンジュ アンディ・オン ショーン・タム ウォン・ユーナン チン・カーロウ マックス・モク アルフレッド・チョン ティ・ロン ゴードン・リュウ

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