香港映画フォーラムにて、王晶、セシリア、そして野崎先生大いに語る。(その2)
前回の続きですが、まずはもとはしが見た王晶の印象。
まー確かにあれだけのおちゃらけた映画ばかりを作ってきた、“香港の娯楽帝王”であるんだけど、本人を目の当たりどころか真正面にすると、非常に真面目な人であることがわかる。その受け答えには、またまたご冗談を、王晶さん!なんてツッコむ隙がない。「コメディばかり作っているけど、退屈な人間なんだよ」なんて言うからして、コメディメーカーにはシリアスな性格の人が多いのかもしれないな。星仔もそうだし。
でも、これで王晶さんへのイメージを一新させたのは確かだった。
さて、お次はセシリアの言葉。3月の金像奨のブルーカーペットでの艶やかな姿が忘れられないんだけど、それからまた痩せたんじゃない?と心配になるくらいほっそりしていた。
よく「spirit(魂。精神)」という言葉を口にしていたのが印象的だった。
野崎:セシリアさんと王晶さんといえば、《性感都市》での、眉毛のつながったすっごいブスの役にビックリしたんですが、あれについてはどーだったんですか?
セシ:いや、全然気にしていないわよ、むしろもっとブスにしてほしかったくらい!
と、のっけから爆笑させてくれたセシ、非常にリラックスな雰囲気で、自らの女優spiritを語ってくれたのだった。
ワタシは映画のspiritsが大好き。王晶監督の初期作品はもちろん、昔の香港映画もいろいろ観ています。それを観て思うのは、昔の映画にはspiritsが入っていて、なんといっても俳優の演技力がいいということ。昔はTV局が養成所を持っていて、そこで修業してきた人たちが映画に進出していった。今の芸能人は歌もやるし、コンサートもしょっちゅう開く。なんでもかんでもやってしまうから演技に集中できないのね。ワタシもデビュー当時は歌っていたけど、今は演技に集中するために、歌手活動は停止している。
ワタシの座右の銘は、『簡単なものは複雑化する、そして複雑なものは簡単にしよう』。言ってみれば、考えすぎないこと。考えすぎると、かえって逆効果になってしまうのね。
ワタシが演技の時に考えるのは、映画のチケットを買った人が何を楽しみにしてくれるのか、ということ。そして、感動する映画を作り上げるには、何よりも演じている自分が感動しなければならないってことを心がけている。だから、ワタシが映画の中で流した涙は全て本物の涙。目薬なんて使っていないのよ。
(ここで、野崎先生から「セシリアさんは、《忘不了》で失意のミニバス運転手を演じるなど、試練の多い役柄が多いですね。あの役では涙も枯れ果てて泣くことすらできないという役柄でしたね」というコメントも入りました。)
ワタシは、映画はチームワークだと思う。みんなの目的はいい映画を作ること。そんな中でワタシが信頼を置いている監督が、周星馳、王晶、イー・トンシンの3人。
映画はただのエンターテインメントじゃない。どんな映画でもその映画を観ている人にとっても、どこかで誰かの助けになっているのだから。そう、人の助けになるものなのだ。それを考えてワタシも演技している。ワタシはただのキレイなだけの「花瓶」じゃないんだからね。
ここで野崎先生が、王晶さんに女優への観点を聞いた。
王晶:どんな美人女優でも、どこかに盲点がある。ワタシの役割は、その女優の気づかない一面を発見し、逆にその女優のよくない点は隠すんだ(笑)。
…それで、あーゆーふうになるんですか、王晶さん。ははははは…(と今まで見てきた王晶作品を頭の中で振り返る)野崎先生の「では、今の女優は?」の問いを受けて、
王晶:どの年代にも、その年代なりの美しさがある。60年代には60年代の、2000年代にはその年代の美しさがある。現代の女優を使って60年代の話をうまく作ることはできるのかい?
ここで野崎先生、「じゃ、サミーは…」と一瞬言っていましたけど、それはあの映画のことでせうか?今週末に某映画祭で上映される?
お次はセシリアに「目標にしている女優さんは?」という問いかけを。
セシ:今の映画界で目標にしている人はいないけど、引退後はこうして生きたいっていう人はいます。それはブリジット・リンとオードリー・ヘップバーン。この二人の引退後の生き方に憧れています。
あと、女優はココロの中が一番大事だなって思いますよ。
ちょっと後半の方は拾い書きになってしまったかな?ま、nancixさんや藍*aiさんも書かれておりますので、詳細は是非そちらをということで…。(^_^;)A
今日はこのへんで。次回は王晶&セシリアトークの後半、そして思わず野崎先生の萌え~が出てしまった問題?発言までをまとめます。
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