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アジアンコラボは進化するけど、バランスよければ言うことなし。

すいません、また最初からボヤキな記事で。あと、後半にまたキッツイことを書いてしまいました。ははははは。これは性質だからかなぁ

…はぁぁぁぁぁ、やっぱりですか。
先週土曜、選択の余地もなく『イニD』を吹替版で観て「ああ、字幕版だったらもっと楽しめたのに…地方のバカバカバカー!」とグチって深くため息をついたけど、その後、某巨大ポータルサイトでの『イニD』ユーザーレビューを見てものすごーく凹みましたね。普段は観ないのに、レビューを見たことを後悔してるよ。『2046』『終極無間』『ニューポリ』の時でさえ気にしなかったのに。
しかし、この「作ったの韓国だから」のような意見には閉口した。…おいおいおい!キミたち学校の歴史で何を習ったんだよ?香港が中国の一都市であっても、決して韓国と一緒じゃないんだぜ!ってガッカリしちゃったよ。*タメイキ*(-o-)
そーいえば「中国は反日なのになんでそんなとこで映画化なの云々」って意見もあった。確かに今中国と日本の関係がものすごく悪くなってきていて、両国とも保守傾向にあるゆえの意見なんだろーけど、そこまで言うのはどーかなぁと思う。だって映画は娯楽だもん。いくら中国政府が娯楽に政治的につっこみたがる体質であるとはいえ、日本でも同じことを言っていいってことはないし、だいたい娯楽と政治は関係ないだろう。それに、8年前に中国に返還されたからといっても、香港は中国圏の中でも独自の位置にあるわけだし…。と、ここで政治的云々話はこのへんにしておきます。本blogではそのへんの話題は取り扱っておりませんので。すみませんねー、ホントに。ここはあくまで娯楽blogなので。

てなわけで原作崇拝者には酷評されているけど、我々中華電影好きには「意外に面白かったー」と好評だし、公開2週目もなんとか興収トップ10圏内を死守しているので、なんのかの言いつつも『イニD』はとりあえず成功?と思うべきか。
『イニD』の前には『セブンソード(七剣)』の予告も観られたけど…これもすっかり北京語映画なんっすね、ツイさん(/_;)。しかし予告を観る限りでは、リヨンもドニーさんもチャーリーもわかりにくいなぁ…。これは週末に観に行く予定。
この『七剣』も、香港や台湾だけでなく、大陸や韓国からのキャストも入っているし、音楽は初めて海外映画を手がけるという『イノセンス』の川井憲次さん!これまた流行のアジアンコラボってわけだねぇ。

そんなわけで以前も映画祭ネタで書いたとおり、ここ最近のアジア映画界はコラボ大作が多くて、昨年までの韓流一辺倒だった頃よりもはるかに面白くなっている。(はずなのに、マスコミは未だに韓流韓流とわめいておる…なんでー?)
そして、今週はこんな記事が発表されてビックリしちまったんだよ!

「昴」実写映画化.(報知)

青年誌初のバレエマンガ(しかも主人公は男子じゃなく女子!)である『昴』(曽田正人原作)は、雑誌掲載中に立ち読みしたことがあるんだけど、とにかく情熱的で、時に狂気も見えそうな感じがしたものすごいバレエマンガ。それが映画化だって!
これを初めて読んだときも衝撃的だったけど、映画化に挑戦するスタッフを聞いたらもっと衝撃的だったよ!

昂(ビッグコミックス) 全11巻
曽田 正人
小学館 (N/A)
この本は現在お取り扱いできません。

だってプロデューサーが、『英雄』&『十面埋伏』のビル・コンで、監督が『不夜城』以来8年ぶりに日本でメガホンを撮るリー・チーガイさんだぜ!さらに製作は『イニD』も手がけた、あの悪名高きa○ex!(こらこら)
なんだか柳の下に…を狙っている感アリアリに思えてしょうがないのは、はたしてワタシだけなのか(爆)?ちなみにすばる役は公募するらしい。当たり前だわな。バレエの天才っつーかナチュラルボーンバレエバカ(おいおい!)だからな、彼女。身体能力の高い女子に演じてもらわなきゃ困るわ。
でも、キャストはみんな日本人でいくのかい?チーさん&ビルさんよ。そーなんだろーなー、やっぱ。あれだけ『イニD』で「なんで中国人が日本人を?」なんていわれちゃってたからなぁ…。それに香港や中国でもバレエの能力に長けた若手女優っていうのが思い浮かばないので。誰かいたかな?

まぁ、アジアンコラボは悪くない。むしろ進めてほしいくらいだ。でも、まだこのコラボも始まったばっかりって感じなのかなぁ、各国の映画事情をよく知らない人からベテラン迷までもが揃って絶賛!って映画はなかなか出てこないみたいだねー。
香港や台湾と日本のコラボっていうのは昔から多かったけど、それは一般的には知られていなかったようだし(せんきちさんのblogでのご紹介はホントにありがたいです)、ここ10年間でも『キッチン』や『不夜城』のような合作状態の作品や、最近のホウちゃん映画や『花の影』『夜半歌聲』のようにポストプロダクションを日本で行った作品(でも最近は日本よりタイや豪州のほうが技術も優れていてコストも安いから、そっちのほうが多いって話だっけ?)などもあったけど、その動きも頻繁ではなかったもんね…。ましてや、香港映画の日本公開も減ってきた時期でもあったから。
仮の話だけど、ホウちゃんがトニーを酔いどれ香港人探偵に、北野武氏を日本から逃げてきたヤクザ役に設定して台湾で出会わせるって企画を立ててくれたり(昔似たような企画があったっけねー)、トニーとアン・ソンギさん(もしくはハン・ソッキュさん)、そして役所さん共演で、この3人がアジアを駆けめぐって出くわす大騒動を描いた映画なんて出てくれれば、もちろん喜んで観に行くざんすよ。

ま、つまりー、韓流も華流もアジアンコラボもブームで終わらせまいと必死に煽って明らかにウケ狙いのくだらねー作品が粗製濫造されるよりも(今の韓国映画の日本公開作品って、そういう映画が多くないか?)21世紀の世界に相応しい文化的に成熟した娯楽作品が観たいんですわ。これは長い時間をかけないと達成できないことかもしれないけどね。
ま、適当に期待して待っていようっと。

最後に今後の記事予告。
『セブンソード』を日曜に観るので、その感想は確実にアップ予定。
あと、ショウブラザーズ版の『書剣恩仇録』もレンタルしているので、これも早いところ観なければ、次のDVDが観られぬー。

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コメント

 えええええーーーっ!
 李志毅さんがまた日本で!!! しかもビル・コンのプロデュース!
 ほんっとに中華圏ってのは何て狭いんだ…みんな知り合いで、いつどんなふうにつるむか、わかんないわけなのねー!!
 「マジック・キッチン」以降の李志毅さんについて心配していたけど、そうかぁ…中華圏で中華なキャストで、自分の撮りたい作品を撮るのは難しい時期なのかなあ。ステップアップのための第一歩なのかなあ。
 えーそれでワーナー・ブラザースさん、「HEROを、LOVERSを、セブン・ソードを超えて世界に羽ばたく昴!」とか言わないようにお願いしますだ。宣伝で李志毅さんの名前をむげに無視しないようにおねげえしますだ~!
 

投稿: nancix | 2005.10.04 00:15

そーいえば李志毅さん、うつみ美土里(だったと思ったが)の小説『紐育マサオ』の映画化企画はすっ飛んだのですね。いや、ふと思い出したのですが。
昨年の秋に盛岡まで来て種田さんと打ち合わせされていたのって、もしかしたら『昴』だったのか?(多分違うかも)
いずれにしろ、『不夜城』で培った日本のスタッフ陣との関係を保って、日本で地道(?)に作っていこうとしているのでしょうか、よくわかりませんが。

ビル・コンさんがかんでいるってことは当然ワーナー配給になるのでしょうねー。この企画が無事実現して、李志毅さんが昴のように世界にはばたけるといいのですが。

投稿: もとはし | 2005.10.04 23:40

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