中国超人インフラマン(1975/香港)
今や世界にはばたく日本アニメだが、日本の特撮ドラマだって世界にはばたいている。
かつてアメリカに留学した時、留学先のコンピューターセンターで働いている女性に、「日本のアニメやドラマは面白いわね、この間メキシコに行ったときに日本のドラマを観たわ。モンスターが大暴れして街を壊していて、逃げ惑っている人は明らかに日本人だったのに、みんなスペイン語でしゃべってたからウケたわー」なんて言われたこともあるし、東映製作のスーパー戦隊シリーズもアメリカに輸入されて『パワーレンジャー』として人気を博した。
もちろん、日本の特撮ドラマは香港を始めとしたアジア各地域でも放映されている。先日、テレビを観ていたら、以前ここで劇場版の感想を書いた『ファイズ』のたっくんこと、笑うとステに似ている半田健人くんが「今度、タイでファイズが放映されるんですよー」と言っていたし、今年の春、金像奨で香港に渡った時には『ハリケンジャー』と『アギト』(両作とも当然広東語吹替&中国語字幕つき)を観てひとりで妙に盛り上がってしまった。さらに信和中心では現在放映中の『響鬼』の…まで見かけてしまってひとりで妙に大騒ぎ(詳細はこちらをご覧あれ)。そーいやぁ旺角の雑誌屋台で『龍騎』の絵本翻訳版も見かけたなぁ。
まぁ、そんなこんなで日本だけでなく、全世界的に日本の特撮ドラマは人気があるってことだね。それを知ったり観たりすると、なんかこっちも妙に嬉しくなったりしてね。
ところで、私が初めて観た特撮ドラマは1975年の『ゴレンジャー』だったんだけど、今回観た『中国超人インフラマン』はそれと同じ年に製作された香港製特撮ヒーロー映画。この映画のカメラを担当したのは日本人カメラマンの西本正さん、そして脚本は香港SF小説の第一人者[小兒]匡(ニー・クワン)。そして、製作はショウ・ブラザーズ!…ショウ・ブラザーズ映画を観るのってホントに久しぶりかもー。
インフラマン―それは、勇敢な科学研究所員雷馬(レイ・マ/李sir)のもうひとつの姿である。
氷河魔王女率いる氷河怪人たちが現代に甦り、香港を始めとして世界各地を地獄絵図に変えていく。この事態を重く見た科学研究所のリュウ所長は、持てる科学技術の粋を尽くして、レイ・マを「超人(インフラマン)」に改造する。強靭な肉体を持ち、火や水をくぐり抜け、超人キックと稲妻パンチで氷河怪人をやっつける。
地球の平和を守るため、闘え!我らがインフラマン!がんばれ!ボクらのインフラマン!
とりあえず、あらすじはちょっと'70年代の特撮ドラマのナレーションを意識したりして。
いやぁ、懐かしいノリだなぁ。ワタシが子供の頃の特撮ドラマって、こういうノリだったよなぁ。日本語吹替にしたら、日本の作品って言っても通じるかも?(いや、それはないって)
かなり楽しんで観たんだけど、もちろんツッコミも満載。いや、決して昔のちゃちい特撮をバカにしているわけじゃないよ。確かに科学研究所の所員のユニフォームが下半身銀色タイツ状態とか、インフラマンの造型が日本の某マンガ家が産みだした某ヒーローによく似ているとか、改造シーンがアニメだとか、(ちなみに李sirは全裸で腰に白タオル巻いてました…うーん惜しい。って何がだ?)氷河魔王女達のアジトに緊迫感がないとかいろいろ気になってツッコミしていたけど、許せる範囲だったよ(こらこら。笑)。
そうそう、氷河魔王女と部下の魔女エレキアイの衣裳、かなりセクスィー。エレキアイのお腹のぽっこんも見逃さなかったけど(爆)。
ところで、これ観ていてすごいと思ったのは、皆さんちゃーんと自分でアクションしているところ。李sirは自らインフラマンスーツを着てアクションしていたんだねー。さすが香港。もちろん生身で闘うところも自分でやってたみたい。
アクションはさすがだったんだけど、クライマックスの氷河魔王女のアジト突入のシーンが…音楽がないので緊迫感がなくて(^_^;)。せっかくの見せ場なのにたるいかなぁって思っちゃったよ。
あと、キャスト&スタッフプロフィールを見ていてビックリしたのは、李sirって警察者役者と言われる前には、特撮ヒーローもので一世を風靡してたのね。まるで香港の藤〇弘、、あるいは誠〇也か?
これを観て改めて思ったのは、やっば来年の仮面ライダー劇場版、香港ロケしませんか?ってことで(こらこら!)あとは、アンディかイーキンの特撮ヒーローが観たいかもってことも。いや、似合いそうだしねぇ、この二人だったら。トニーじゃ確実に厳しいだろう、うん。…ってトニー迷が怒ること言うなよ、自分(^_^;)。
原題&英題:中国超人(The super Inframan)
監督:ホア・シャン 脚本:ニー・クワン 撮影:西本 正 美術デザイン:チャイ・ラン
出演:ダニー・リー ロウ・シャオロン
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