新流星胡蝶剣(1993/香港)
「映画タスキ(中華電影限定)」のエントリーの「観たい映画」で、『精霊の守り人』をミシェル・ヨー姐さん主演で観たいと書いたのだけど、ここでまず始めにそれがどーゆー話なのかというのを今回は前振りがわりに…。
舞台は人と精霊の世界が混在する大陸の諸国。各国を渡り歩く用心棒を生業とする30代の女性バルサは、自分とすれ違った新ヨゴ皇国の第二王子チャグムとその母を事故から救ったことで彼らと知り合う。彼女が凄腕の短槍の使い手と知った妃は、バルサに息子を守ってくれるように依頼する。実はチャグムは、精霊〈水の守り手〉によって体内に卵を産み付けられてしまった〈精霊の守り人〉で、幻獣から命を狙われており、さらに跡取りをめぐるお家騒動に巻き込まれて、父の帝からも命を狙われているのであった。バルサは幼馴染で薬草師のタンダと共に、孤立無援のチャグムを命がけで守ることになる…といった話。
この本から始まる「守り人」シリーズは、児童向けファンタジー小説でありながら主人公が30代女性(つまり子供たちから見ればオバサン)で凄腕の戦士、当然本文はアクションシーン満載という、あまりにも異色な設定に、こりゃ武侠小説にも負けないなぁと思いつつ楽しみながら読んでいるシリーズなんだけど、これを映画化するなら、アニメよりもやっぱり実写だなと思ったときに、頭に浮かんだのがミシェル姐さんだったのだ。で、そのバルサよりちょっと年下で、いつも満身創痍な彼女の世話をせっせと見ている(さらに思いも寄せている)タンダは誰かなぁと思ってると、トニーが思いついた。最初の理想キャストはなぜかラウチンだったんだが、タンダは薬草師だから剣が使えないし、バルサに思いを寄せながらどこかうっかりさんでたびたび危機(例えば邪悪な精霊に取り付かれて人鬼と化したりする)に巻き込まれ、そのたびに彼女に助けられるーってな感じがトニーっぽいかなと。
と、これ以上書くとどんどん話がずれていきそうなので、このへんで。
そんなわけで、このトニーとミシェル姐が共演した武侠片、『新流星胡蝶剣』。これは武侠片ブームに乗って作られた1本だという。この「守り人」シリーズっぽいノリだとよかったけど、香港映画だから絶対そんなわけねーよな(爆)。
秘密結社「快活林」の女剣士、コウ(ミシェル姐)と弟弟子のシン(トニー)とイプ(ドニー)は、ツォ率いる対立組織が武術会を開いて自分たちを初めとした他の組織を潰そうと企んでいることを知り、彼らの持つ秘密文書を強奪し、対立組織を潰すことを決意。コウは早速シンを組織に潜入させる。弓使いのシンには武術家の娘である恋人シウディ(ジョイ)がおり、互いに相思相愛の身だったが、幼い頃から彼と姉弟のように育ってきたコウもまた、シンに思いを寄せており、シンの子を宿したシウディを目の仇にしていた。そんな彼女にイプもまた思いを寄せていた…。
すみません、ストーリーの説明ができません。
もっと簡単に「すごいアクションとヘナヘナな恋愛模様が展開する」とだけ言いたいくらいです。それくらいストーリーはないです。恋愛模様の方ははっきりいってなくてもいいんだろうけど、そもそも武侠片は剣と恋の物語が多いからなぁ、そうしないとカップルで観に来られないだろうし。
そう、アクションはさすがチン・シウトン!というくらい力入ってて嬉しかったっす。ミシェル姐&ドニーさんの竹林アクションはバイオレントで美しく(武侠片の傑作《侠女》へのオマージュとか?)、これが観られるだけでも価値ありかな、と。ま、その他はどーでもいい作品かと(暴言)。
トニー演じるシン、女好きで美女に弱く、でも昔から自分を好いてくれる人の気持ちに気づかないってーのは、なんか武侠もんヒーローの黄金パターンだなぁ…(苦笑)。さらにジョイ演じる小蝶(シウディ)、「武術家の娘」というからアクションを期待してたら全くなしだし、美女ってだけでホントにおバカさん(それを自分で言うなよー)だし。こんなキャラならミシェル姐のコウの方が…って思うのは自分だけ?
あと、ジミリン(当時はさすがティーンエイジャーだったからかわいかったな)の登場&活躍が唐突なのは、プロデュースが“台湾の王晶”こと朱延平だから、というのに非常に納得。アイドル映画だもんね。ハハハハハ。 とりあえず、こんなところか。
すんませんねー、前ふりと本文が不一致かつやる気のない感想で。 …ところで、やはり朱延平映画に欠かせないトゥオ・ツォンホアと、張震パパ・張國柱がどこに出ていたか見逃しました。どこにいたんだ?國柱氏はミシェルの仕えるあの王か?
英題:Butterfly and sword
監督:マイケル・マック 製作:チュー・イェンピン アクション指導:チン・シウトン
出演:ミシェル・ヨー トニー・レオン ジョイ・ウォン ドニー・イェン ジミー・リン トゥオ・ツォンホア チャン・クオチュー
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