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ティラミス(2002/香港)

悲しい時、つらいときには甘いお菓子を食べる。そうすれば、ちょっと気が楽になる。
イタリアのケーキ、ティラミスは甘さとほろ苦さが交わったお菓子。そのお菓子にちなんだ題名が名づけられたのが、ニコ主演のラブファンタジー映画『ティラミス』

昼は郵便配達員、夜はモールの清掃員として働く青年コウ・フォン(ニコ)は、2年前にジャズピアニストだった父親を亡くしたショックで耳が聞こえない。でも、そのハンデをものともせずに毎日を生きていた。ある日フォンは、1日に4度も同じ少女に出会う。彼女はコンテンポラリーバレエを学ぶダンサーのジェーン(カリーナ)。彼女が落としたお菓子の本を届けようとしたフォンの前に、突然ジェーンが現れる。実は彼女は交差点で事故死し、死の瞬間に自分のことを考えてくれたフォンのもとにやってきたのだった。ダンスコンクールのファイナルを前に死んでしまった彼女はこの世に未練が残っている。黄泉の番人の追っ手に怯えながらも、彼女はフォンにあと7日間自分はこの世に姿をとどめるのを手伝ってほしいと願う。フォンは彼女の頼みを聞き入れる。彼女が身体に宿る昼の間、フォンは聴覚を取り戻す。ジェーンはフォンの身体を使い、ダンスパートナーである自分を失ってスランプに陥った親友ティナをダンスで励まし、チームがファイナルに出場するのを見守ろうとする。二心同体の日々を過ごすうちに、いつの間にかフォンとジェーンは愛し合うようになるが、死者を追う黄泉の番人の魔手はすぐそこまで迫っていた…。

ニコと幽霊。これって前回の『トランサー』と同じネタじゃん!と苦笑することかぎりなし。
おまけにネタは『星願』(はい、決して『星に願いを。』ではない)だし…と思いながら観ていた。でも、悪くなかったなぁ。監督は『ツインズエフェクト』のダンテさんなので、ファンタジーとしてみればとりあえずいいかなーって気はする?多少は荒があるとは思うけど、文句言ってたらきりがないし(ラストの展開の持っていき方とか、いかにもタコにもーって感じの“黄泉の番人”とか)。
フォンとルームメイトのバド(イーソン)や、フォンとジェーンのやりとり、失意から立ち直ろうとタップを踏み出すダンスチームの場面など、前半の演出のテンポのよさは好き。ふられたバドを励まそうと、ジェーンの指導でフォンがティラミス(イタリア語で「ワタシを想って下さい」という意味がこめられているというけど初耳。これホント?)を作るシーンなんてかわいいし、フォンが劇中ずっととチュッパチャプスをなめているシーンもいい。このテンポでずーっと行ってほしかったんだけど、後半で黄泉の番人がジェーンを捕らえてからのくだりは…うーむ、って感じだった。この映画が好きな方スミマセン。

ニコはイケイケムードだった『トランサー』とはうってかわって、お地味な味わい。ま、『ジェネックスコップ』より『わすれな草』が好きなワタシとしては、こういうもっさいニコ(迷の方スミマセン)の方が好き。しかし、聴覚障害って設定はうまく生かされていなかったような気がするんだよねー。もっとポイントになるかと思ったんだけど。カリーナはショートカットだったけど、彼女はミディアムの方が似合うと思うなぁ。ショートだと地味になる印象。フラレ野郎イーソンはのびのび演技。二度目のフラレシーンの演技が最高。もうちょっと出番が多くてもよかったんじゃない?キャンディの抑え目な演技もよい。見た目結構姉御肌だと思うんだけど、実はまだ若いんだよね、彼女って。

ところでこの映画、前回観た『トランサー』と同じ会社によるDVD化だったので、もしかして…と思い、日本語吹き替え版もちょっと観た。あれ、ニコの声、もしかしてまたキミだったのか、浅倉!(だから『仮面ライダー龍騎』の役名で呼ぶなって!荻野崇ファンの方、たびたびすみません&もし吹き替え声優が違う人だったらさらにごめんなさい)

原題:恋愛行星
監督&製作:ダンテ・ラム
出演:ニコラス・ツェー カリーナ・ラム イーソン・チャン キャンディ・ロー ヴィンセント・コック 

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