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《破壊之王》(1994/香港)

どーも今後当分でっかいスクリーンで香港映画が観られる可能性が減りそうなので、せっせと手元にある旧作のビデオやVCDを消化したり、観られなかった作品をオンラインDVDレンタルで借りたりしてせっせと感想書いていきますわ。未公開映画も含めていろいろと観る予定。

まずは祝!カンフーハッスル米国上映&星仔ロイター配信記事登場記念!?ってーことで、11年前の旧正月映画《破壊之王》を鑑賞。これ、当時の香港映画が得意としていた、映像化権未取得のまま日本マンガ(原作は『破壊王ノリタカ』らしい)を映画化したってーパターンらしいが、原作かなり無視してるんじゃないか?というくらい破壊的な展開を見せる映画だった。

カフェの配達ボーイ、何金銀(星仔)はヘタレだがみんなの人気者(?)。ある日、配達に行ったスポーツクラブで柔道を習っているリリー(クリスティ)にいきなりキスされ、張學友のコンサートに誘われる。実はリリーは柔道部の黒熊に迫られており、彼の誘いを断るために阿銀をデートに誘ったのだが、これがきっかけで彼はリリーに恋をする。なんと學友本人(!!)からチケットをもらい、紆余曲折ありながらもリリーとのデートにこぎつけたが、そこに黒熊が邪魔をする。ヨワヨワな阿銀が彼の攻撃をよけると、その後ろにいたリリーが吹っ飛ばされた!おかげでデートはメチャクチャ。夜、阿銀はリリーに謝りに行くが、「臆病者は嫌いよ」といわれて大いに凹む。失意のままさまよう阿銀はふとしたことから自称中国古拳法の師範“悪魔殺し”の中年男(マンタ)と知り合い、拳法の修行に入る。そして、ついには大車輪のような大技まで体得。師匠からもらった黒のカンフー着をまとい、ガーフィールドのマスクをかぶって黒熊と勝負し、リベンジを達成する阿銀。しかし、せっかく強いオトコになったのに、リリーは「猫仮面」が自分だとは信じてくれない。またまたヘコむ阿銀。
さらにまずいことに、リリーに恋している空手部キャプテンが修業先の日本から帰国。彼はあらゆる格闘技の代表者を蹴散らし、スポーツクラブ最強の男として君臨する。そんな男にうっかり果し合い状を叩きつけてしまった阿銀。「3ラウンドまで生き残れば負けはない」という条件でリングに上がることになり…!!

未公開映画を観る際の重要な資料である『香港電影広告大鑑1994-1995』によれば、『柔道一直線』のパロディに近いとあるけど、まぁそれは前半の黒熊との対決までじゃないかなぁ。後半はすっかり異種格闘技戦になるし。
しかし、どこの国でも男の子は格闘技が好きよね。そして、強くなければいけないって思っちゃうことも。ま、それをどーこー言うわけじゃないけどね(笑)。今、日本でも異種格闘技がおおはやりだけど、なんかイマイチのれないんだよな~。なんでかな?って思ったら、欧米人が入っちゃうとデカさで勝負がきまっちゃうからってのを感じるからなんだろーか。筋骨隆々はキライじゃないけど、功夫系を見慣れてしまった身としては、やっぱ腕力よりも瞬速力がなけりゃ!って思ったりするのだ。どーだろーか。
しかしさすがは10年以上前の映画、みんなすっごく若いよー(大笑)。星仔は時々トニーに見えるし(こらこら!)マンタのおやっさんも髪が黒くて全体的にプヨプヨしている。クリスティは相変わらずキスし甲斐のありそうな唇をしているし、“鉄の頭”こと黄一飛さん(星仔の働くカフェの店長役)も額の広さは変わらずに若い。あ、ヴィンセントさんも若かった。
『少林サッカー』や『カンフーハッスル』を見慣れてしまうと、この映画はちょっとそれってどーよと思ったり、トホホでチープなところも多少あるけど、シンチーの勢いのあった頃ってこんなんだったんだなーと考えると、まいっかぁって許してしまう。公開当時の劇場は大盛り上がりだったのかなぁ。

星仔の未公開映画はまだまだ手元にたくさんあるので、これからどんどん観ていくつもり。

英題:Love on delivery
監督:リー・リクチー 脚本:ヴィンセント・コック
出演:チャウ・シンチー クリスティ・チョン ン・マンタ 林國斌 リー・リクチー ウォン・ヤッフェイ ヴィンセント・コック

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コメント

>シンチーの勢いのあった頃
 …それは何といってもゴッド・ギャンブラー2/賭侠」(90)以後、「トリック大作戦」(91)「ファイト・バック・トゥ・スクール」(91)シリーズ(但し2まで)「「ハッピー・ブラザー」(92)「(チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ)」(92)の頃までが最も盛大で老若男女が映画館に集い、劇場全体がどよめき「星仔、それあかんて!」「悪役、あんたホンマにあくどいなー!」と突っ込みを入れられた頃ではないかと存じますです。
 「破壊之王」の頃になると若者ニーズに応えるようになって、マンガやアニメを知らないTVBドラマ以来の高齢支持層を切り捨てちゃいましたね…。それはそれで面白かったですが。
 

投稿: nancix | 2005.03.07 02:04

>nancixさん
星仔が人気を博した90年~91年は、ちょうど台湾に住んでいた時期なのですが、当時は確かに台北の映画館やビデオ屋でも星仔の複数の映画が上映されたりビデオがセール&レンタルされていました。そこで名前を知ったのが一番最初でしたね。当時は観る機会はなかったのですが、広東語圏にしか通じないギャグが多かったという星仔の映画、國語(北京語)を使う台湾人へのウケはどーだったのかなぁ…。

投稿: もとはし | 2005.03.07 18:21

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