« 今年の東京国際ファンタスティック映画祭は、ついに…。 | トップページ | 行くぞ台湾!地震とか台風とか来るなよ! »

Returner リターナー(2002/日本)

「ねー、金城武って日本人?」こう聞かれることがよくある。こう聞かれるとワタシは「いや、彼は台湾人だよ。というよりアジア人だね。やっぱり日本の俳優とはちょっと違う個性を持ってるもん」と答えるようにしている。うん、そうなんだよね。日本の俳優と比べると、中華明星である彼はやはり違うって思ってしまう。それは日本語がイマイチだからってことだけじゃないんだけどね(笑)。そんな金城くん、日本デビュー以来、どーも連ドラではうまく扱ってもらえなくてなんか惜しいよなー、なんて『神様、もう少しだけ』や『二千年の恋』を観て感じたもんだった。でも2年前の『ゴールデンボウル』はわりと楽しく観ることができた。前二つのドラマみたいなクールでえーかっこしいなキャラじゃなく、どっか笑えるキャラになっていたからかもね。
でも金城くんはやっぱ連ドラより映画でしょ。『十面埋伏』の公開が始まった今日、TVで『リターナー』が放映されたので、そーいえば封切時に見逃してたっけねーといいつつ鑑賞した。ふふふ、金城くんは中華明星なので、こっちに感想書いちゃうよん。共演は『スチームボーイ』で声優に挑戦し『頭文字D』で香港映画デビューを果たすパワフルな17歳の鈴木杏ちゃん(撮影時は15歳!)に日本のリッチー・レン(おいおい!)こと岸谷五朗。そうそう、樹木希林ねーさんもお忘れなく。

大陸育ちのミヤモト(金城)は闇取引を襲撃し、裏金を強奪する“リターナー”と呼ばれる仕事人。親友の仇である闇業者ミゾグチ(岸谷)の取引現場を襲撃した彼の目の前に薄汚れた少女が現れ、取引は阻止したものの肝心のミゾグチを取り逃がしてしまう。少女はミリ(鈴木杏)と名乗り、謎の爆発が起こった指宿山に向かうようにミヤモトに頼む。山には宇宙船が不時着しており、その宇宙船に乗っていた異星人“ダグラ”が3日後に地球人と戦争をはじめるとミリはいう。実は彼女は80年後の、ダグラに滅ぼされようとしている地球から、その戦争の原因となる最初のダグラを抹殺するためにやって来た戦士だった。ミヤモトは自分に協力を求める彼女の話を全く信じようとしないが、ミリに小型爆弾を身体につけられてしまい、しぶしぶ依頼を受けることにする。
一方、不時着したダグラの驚異的な破壊力を目撃したミゾグチもこの異星人に興味を示す。こうして、ミヤモトのミゾグチへの復讐と地球の未来を賭けた戦いが同時進行することになる…。

あらすじでわかる通り、これはSF。TV放映映画の宿命でばりばりカットされてるし、大作らしく筋立てもかなり強引(こらこら)。地球存亡を賭けた戦いとマフィア対仕事人のノワール的アクションを結びつけるって展開ですでに厳しいって思ったなー。監督の山崎さんはVFXを得意とする方だそうで、未来の地球や異星人ダグラなどでCGシーンを自らデザインして作り上げたそうだ。しかし、CG…。確かにうまく作りこんであるけど、ありがちな異星人のデザインや、どっかで観たぞこの場面というデジャヴを引き起こされたりして、味気ないっていうか、ちょっとつまらないっていうか。もっとも、TVで観てしまったのでそう感じるのかも知れない。劇場で観たらまた印象が変わったのかな。もっともコレは2年前の作品だけど、この作品以上にCGをばりばり使いまくっているキャシャーンなんてTVで観ちゃったらどう感じるのかしらん。
でもねー、香港SF映画でもそうなんだけど、SF映画って筋立ては大味でも小道具などの細かいとこが楽しいんだよ。ここでは杏ちゃん演じる未来戦士ミリの設定や彼女の武器もろもろに注目。すんごくアニメっぽいんだわ(笑)。ミヤモトの身体につけた小型爆弾(からくりありの小道具なんだが)とか、身体内蔵じゃないブレスレット型加速装置(名前忘れたのでこう書く。この呼び方は完全に趣味だ)とか、登場時にまとっている赤いマフリャーならぬマントとか、常にどっかがはねている髪型とかが完全にアニメ的。ついでにフツーにしてればかわいいのにぶっきらぼうなしゃべり方もアニメキャラ的。萌える人多そう。でもかわいいからいいか(オマエが言うな>もとはし)
金城くんのミヤモトは初主演だった日本映画『不夜城』の劉健一に通じるキャラかなと最初思ったけど、劉健一ほどウェットじゃなくて、クールとユーモアを兼ね備えた軽妙なハードボイルド(矛盾した表現?)なキャラとして演じていて、相変わらず台詞回しはイマイチでもやっぱ成長したわねーキミ、なんて感心しちまいましたよ。
そしてついつい顔を見るたびリッチー…と呼んでしまう岸谷のゴローちゃん。当然リッチーを観れば岸谷といってしまうのでその逆もありということで。しかし、今回の悪役で銀髪のゴローちゃんはリッチーっぽくなかったな。リッチーも《大事件》で悪役に挑戦してるけど、そっちと比べてみてしまったら、やっぱ岸谷とリッチーって違うか、って思っちゃいそうだ、きっと。しかしゴローちゃん演じるミゾグチ、簡単に人殺しすぎ。ミヤモトの襲撃の時に部下のザコを自分の楯にしてるしさ。

作品全体としてはもーちょっとなんとかしても、と思ったけどわりと楽しく観ることができた。たまに観る分にはいいかな。さーて、早いとこ『LOVERS』も観に行かなくちゃ。ついでにひとつ希望を。リッチー=岸谷とかさんざん書いてきたせいか、いつかリッチーと金城くんの共演作って観てみたいような気がする。誰か作ってちょーだい、トゥさんあたりでいいから。

監督&脚本:山崎 貴 音楽:松本晃彦
出演:金城 武 鈴木 杏 岸谷五朗 樹木希林

| |

« 今年の東京国際ファンタスティック映画祭は、ついに…。 | トップページ | 行くぞ台湾!地震とか台風とか来るなよ! »

映画・テレビ」カテゴリの記事

中華圏以外の映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Returner リターナー(2002/日本):

« 今年の東京国際ファンタスティック映画祭は、ついに…。 | トップページ | 行くぞ台湾!地震とか台風とか来るなよ! »