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2004年8月

ちょっと奥さん聞きましたぁ?『英雄』が米国で初登場1位ですってよ!

…題名は特に意味ありません。単に書いてみたかっただけっす。
まずは件の話題の記事を。

全米興行収入、中国映画「HERO」が初登場トップロイター

…マ、マジっすか、って感じぃー(苦笑)。なんて脱力してる場合じゃない。これ、OTこと奥田民生氏もラジオでネタにしておりまして、その時BGMにかかった曲はもうお分かりですね。はい、甲斐バンドの『HERO』です。
て、また脱力するようなこと言ってしまいましたが、ロイター記事の中で気になったのは次の部分。

ミラマックスは「キル・ビル」(クエンティン・タランティーノ監督)公開時に「HERO」の予告編を上映するとともに、同監督の推奨作品とする宣伝戦略を展開。この結果、観客の大半は18―29歳の男性で占められた。

な、なんてこったい。野郎しかいなかったのかよチクショー!おうおうクエタラ、ちょっと体育館裏まで顔貸せ!とか言いたくなったぞ。(もちろん冗談。しかしやや意味不明だな)。

そうそう、『英雄』といえばイーモウこと張藝謀。今朝のアテネ五輪閉会式で流れた北京五輪のイメージフィルムはイーモウが手がけたそうで、そーだなー、イーモウっぽいといえばそれっぽいよーな、でもカイコーが撮ったといってもそのまま信じるかも、とか、あの二人が聞いたらダブルでぶん殴られそうなことを寝ぼけ頭で思ったもんだった(おいおい)。ああ、早いとこ観に行こう、『十面埋伏』。


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行くぞ台湾!地震とか台風とか来るなよ!

9月下旬に台湾に行ってきます。本日、ツアーを申し込んできました。

最後に行ったのが2001年のGWだったから、3年半ぶりになるのかな。今回は3泊4日で行くつもりが、帰りの飛行機が取れなかったので、成田午後発の4泊5日ツアーになったのだけど、まぁちょっとはゆっくりできるんじゃないかな。
しかし今回は一人旅じゃなくてホウちゃんネタのとこでも書いたように、一族郎党引き連れての旅。にわかツアコン&通訳に徹しそうな気がするけど、なんとかうまく行けばいいなぁ。

あ、9月下旬といえば、台北では『2046』は公開されているんだろうか…。

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Returner リターナー(2002/日本)

「ねー、金城武って日本人?」こう聞かれることがよくある。こう聞かれるとワタシは「いや、彼は台湾人だよ。というよりアジア人だね。やっぱり日本の俳優とはちょっと違う個性を持ってるもん」と答えるようにしている。うん、そうなんだよね。日本の俳優と比べると、中華明星である彼はやはり違うって思ってしまう。それは日本語がイマイチだからってことだけじゃないんだけどね(笑)。そんな金城くん、日本デビュー以来、どーも連ドラではうまく扱ってもらえなくてなんか惜しいよなー、なんて『神様、もう少しだけ』や『二千年の恋』を観て感じたもんだった。でも2年前の『ゴールデンボウル』はわりと楽しく観ることができた。前二つのドラマみたいなクールでえーかっこしいなキャラじゃなく、どっか笑えるキャラになっていたからかもね。
でも金城くんはやっぱ連ドラより映画でしょ。『十面埋伏』の公開が始まった今日、TVで『リターナー』が放映されたので、そーいえば封切時に見逃してたっけねーといいつつ鑑賞した。ふふふ、金城くんは中華明星なので、こっちに感想書いちゃうよん。共演は『スチームボーイ』で声優に挑戦し『頭文字D』で香港映画デビューを果たすパワフルな17歳の鈴木杏ちゃん(撮影時は15歳!)に日本のリッチー・レン(おいおい!)こと岸谷五朗。そうそう、樹木希林ねーさんもお忘れなく。

大陸育ちのミヤモト(金城)は闇取引を襲撃し、裏金を強奪する“リターナー”と呼ばれる仕事人。親友の仇である闇業者ミゾグチ(岸谷)の取引現場を襲撃した彼の目の前に薄汚れた少女が現れ、取引は阻止したものの肝心のミゾグチを取り逃がしてしまう。少女はミリ(鈴木杏)と名乗り、謎の爆発が起こった指宿山に向かうようにミヤモトに頼む。山には宇宙船が不時着しており、その宇宙船に乗っていた異星人“ダグラ”が3日後に地球人と戦争をはじめるとミリはいう。実は彼女は80年後の、ダグラに滅ぼされようとしている地球から、その戦争の原因となる最初のダグラを抹殺するためにやって来た戦士だった。ミヤモトは自分に協力を求める彼女の話を全く信じようとしないが、ミリに小型爆弾を身体につけられてしまい、しぶしぶ依頼を受けることにする。
一方、不時着したダグラの驚異的な破壊力を目撃したミゾグチもこの異星人に興味を示す。こうして、ミヤモトのミゾグチへの復讐と地球の未来を賭けた戦いが同時進行することになる…。

あらすじでわかる通り、これはSF。TV放映映画の宿命でばりばりカットされてるし、大作らしく筋立てもかなり強引(こらこら)。地球存亡を賭けた戦いとマフィア対仕事人のノワール的アクションを結びつけるって展開ですでに厳しいって思ったなー。監督の山崎さんはVFXを得意とする方だそうで、未来の地球や異星人ダグラなどでCGシーンを自らデザインして作り上げたそうだ。しかし、CG…。確かにうまく作りこんであるけど、ありがちな異星人のデザインや、どっかで観たぞこの場面というデジャヴを引き起こされたりして、味気ないっていうか、ちょっとつまらないっていうか。もっとも、TVで観てしまったのでそう感じるのかも知れない。劇場で観たらまた印象が変わったのかな。もっともコレは2年前の作品だけど、この作品以上にCGをばりばり使いまくっているキャシャーンなんてTVで観ちゃったらどう感じるのかしらん。
でもねー、香港SF映画でもそうなんだけど、SF映画って筋立ては大味でも小道具などの細かいとこが楽しいんだよ。ここでは杏ちゃん演じる未来戦士ミリの設定や彼女の武器もろもろに注目。すんごくアニメっぽいんだわ(笑)。ミヤモトの身体につけた小型爆弾(からくりありの小道具なんだが)とか、身体内蔵じゃないブレスレット型加速装置(名前忘れたのでこう書く。この呼び方は完全に趣味だ)とか、登場時にまとっている赤いマフリャーならぬマントとか、常にどっかがはねている髪型とかが完全にアニメ的。ついでにフツーにしてればかわいいのにぶっきらぼうなしゃべり方もアニメキャラ的。萌える人多そう。でもかわいいからいいか(オマエが言うな>もとはし)
金城くんのミヤモトは初主演だった日本映画『不夜城』の劉健一に通じるキャラかなと最初思ったけど、劉健一ほどウェットじゃなくて、クールとユーモアを兼ね備えた軽妙なハードボイルド(矛盾した表現?)なキャラとして演じていて、相変わらず台詞回しはイマイチでもやっぱ成長したわねーキミ、なんて感心しちまいましたよ。
そしてついつい顔を見るたびリッチー…と呼んでしまう岸谷のゴローちゃん。当然リッチーを観れば岸谷といってしまうのでその逆もありということで。しかし、今回の悪役で銀髪のゴローちゃんはリッチーっぽくなかったな。リッチーも《大事件》で悪役に挑戦してるけど、そっちと比べてみてしまったら、やっぱ岸谷とリッチーって違うか、って思っちゃいそうだ、きっと。しかしゴローちゃん演じるミゾグチ、簡単に人殺しすぎ。ミヤモトの襲撃の時に部下のザコを自分の楯にしてるしさ。

作品全体としてはもーちょっとなんとかしても、と思ったけどわりと楽しく観ることができた。たまに観る分にはいいかな。さーて、早いとこ『LOVERS』も観に行かなくちゃ。ついでにひとつ希望を。リッチー=岸谷とかさんざん書いてきたせいか、いつかリッチーと金城くんの共演作って観てみたいような気がする。誰か作ってちょーだい、トゥさんあたりでいいから。

監督&脚本:山崎 貴 音楽:松本晃彦
出演:金城 武 鈴木 杏 岸谷五朗 樹木希林

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今年の東京国際ファンタスティック映画祭は、ついに…。

長く暑い夏の後には、映画祭の秋が来る。そんなわけでいつの間にか発表されていたのが東京国際ファンタスティック映画祭の上映作品。
昨年から新宿に会場を移し、さらに今年はこれまでの東京国際映画祭と同時期開催から、1週間早い開催に変更されてしまったので、もし今年のファンタで観たい香港映画があったらワタシのような地方在住者にはけっこう辛いなぁ、なんて思っていたんだけど、

…ないんですよ!今年のファンタに香港映画の上映が(T_T)!!

うう、これまで東京ファンタには99年と2001年に参加してバタバタしながらけっこう楽しい思い出があったから、最近香港映画の上映が減っちゃったなぁなんて思いながらも今年こそは!なんて期待していたけど…、そうか、韓流に加えてタイ国が来たとなりゃやっぱかなわないんか、しくしく。

しょーがない、東京国際の「アジアの風」のラインナップに期待しよう。あ、でも、みちのく国際ミステリー映画祭の開催時期に香港映画の上映を持ってこないでねー。てゆーかみちのくの方のラインナップに香港映画が入って誰かゲストが来たら(去年のステみたいに)、ジモピーもとはしは狂喜乱舞して観に行きますってば。

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期待していいのか、不安がるべきか…『さゆり』に思ふ。

最初聞いたときは、てっきりポシャったものとばかり思っていたのに、まさか、6,7年ほど前に上がっていた『さゆり』こと『メモワール・オブ・ゲイシャ』の企画が再始動するとは思わなかったぜ。そうかそうか、『ラストサムライ』成功したもんなー。映画界に怖いモンなしのクエタラ番長による究極の趣味の映画『キル・ビル』2部作は大ウケだったもんなー。ハリウッドの風は日本を始めとしたアジアに吹いとるんだなー、ネタ切れなんだなーホント(^_^;)。でも《無間道》リメイクはなんとかしてくれんかなー、だからオリジナルを上映しろよなー。なーんて暴言を吐きまくっていたワタシだったんだが、下記の記事を始めとしてあちこちのサイトやblogにて主要キャストを聞いて思いっきりツッコミポーズとりましたわよ。

渡辺謙さん、米映画「さゆり」出演へ 役所さんも調整中 asahi.com : オフタイム : 映画
役所広司ハリウッドデビュー 「ゲイシャ」で渡辺謙と共演(fromスポーツ報知)

なんで!なんでヒロインのさゆりがチャン・ツーイーなんだ?狸姫だけでも充分じゃないか!しかも脇を固めるのがまずいぢめ役にコン・リーだと!なんで張藝謀つながりの二人を争わせる?んでヒロインの味方にミシェル・ヨー姐さん?《臥虎蔵龍》か?しかし中華女優ばっかでいいのかなぁ、なんて思っていたら謙さんと役所さんも主演?しかも二人ともツーイーと絡む役?そうか、演技派若手俳優ジョーの次は謙&役所の国際派シブ系男優か、ツーイーよ…。しかし、君はおいしすぎる(私情丸出しコメント)。ま、この二人のほかに元祖日本の国際派女優工藤夕貴嬢(実はもとはし、彼女はちょっと苦手(^_^;)とかスタンリーさんの映画に出ても相変わらずマイペースだった桃井かおり姐さんなど出るそーなので、そのへんでカバーされるのはいいかと期待しつつ、それでもやっぱ不安には違いないのだよ(なんか矛盾した物言いだわ…)。

ま、いっか。心配したって始まらんし。しっかり頼むよ、ロブ・マーシャル監督!

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ああ、ホウちゃんよ、どこへ行く。

新作『珈琲時光』がいよいよ9月に日本公開される、我らがホウちゃんこと候孝賢監督。気がつけば『悲情城市』からもう15年も経っているわけで、あの頃を思えば、最近の作品はホントにどーしたの?と首をかしげる人もいるのではないかと思うけど、次の記事を読んだとき、「いったいどーしたホウちゃん!キミはいったいどこへ行くんだ!」と叫んじまったよオレ。
その記事はコレ→asahi.com : オフタイム : 映画

ホウちゃん、どうか映画を忘れないでくれよー。『流星花園2』のプロデューサーでもあるんだからさー(こらこら)。

とかなんとか言いつつ台湾つながりで脱線しちゃうけど、実は来月下旬に連休ができるので、台湾に行く予定です。…でもまだエアチケ取っておりませぬ。いや、今回は一族郎党のツアーなんだけど、ちょっと予定と人数が確定しないのでね。早く取らないとまずいよなー(^_^;)。

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正式版完成は、順調に遅れています?

どーやら日本上映日も10月23日(土)と決定してすっげーやる気満々(大笑)の『2046』。…しかーし、こだわりがトレードマークの王家衛だから、やっぱり正式版完成は順調に遅れているらしい(またまたス○ジオジ○リ調)。その証拠がこれ↓

ウォン・カーウァイ監督作、エジンバラ映画祭にも間に合わず? - FLiXムービーサイト

おおおーい、大丈夫かカーウァイよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!別に無理してあの方の出番増やさなくてもいいん(以下略)

…こんなアタシでも、一応期待しているのよ2046。

あ、そうだ、このFLiXサイトに、ひとつ嬉しい記事が!ウーさんが、ユンファがー!!

ジョン・ウー監督が、中国映画へカムバック

…しかし、ネタは“赤壁の戦い”?さ、三国志か…。まさかユンファが玄徳?

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日本でも、やっとアンディの時代が来たのかしらん?

一週間ぶりのご無沙汰、失礼いたします。帰省後、しばらく夏バテでダウンしておりました。その間の中華ネタもいろいろあったのに、うっかりチェックし損ねたものが多くて…。そんな中、《十面埋伏》の上映も近づいてきておりますが、今日のネタはこの映画で渋ーく決めているあの方、そう、アンディさんのことについて。

いつもお世話になっているbloggerさんにはアンディさん迷の方が多いようですが、すみません、まず先に謝らせていただきますm(_ _)m。もとはし、別にアンディが憎いとかキライってわけじゃないんだけど(もっともそう思われる根拠が彼には全然ないもんねー)、これまでの映画の感想ではなぜか今までさんざん『東洋一のええかっこしい』とか『哀愁の鼻血野郎』とか、『どんな名演技でも何か吐かずにはいられない人』とか、さんざんツッコミまくっていました!決して悪気はないんですぅー!だから許してくださいませー!!

でも、『無間道』での彼はホントによかったなぁ、何も吐かなかったし(こらこら!)とにかく渋かったし、なーんて思っていた矢先の《十面埋伏》出演決定。ほぉ、キミもついに張藝謀組の一員かぁ、まさか鼻血なんか出していないよなぁ…などと妙な感慨に耽ったりして。ああ、ついに日本でも時代はアンディなのね。
…しかし、いくらアンディの時代とは言え、まさか、これが日本公開されるとは思いもよらなかったよ!そう、今年度の香港電影金像奨こと香港フィルムアワード(笑)受賞作《大隻[イ老]》だよ!その邦題もなんとマッスルモンク(記事はスポニチアネックスより)だよ!!こ、こりわビックリだ、ホンマに!いやぁ、VCD買わなくてよかったわ…って、おいおい。
でも、これが決まったならば、ついでに《痩身男女》も日本公開してくれないかしらん。この映画に出ていたRIKIYA(呉彦祖とドラマ『李歐』で共演した彼)も最近TVのいろんなところで見かけるようになったし。

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ツーイー、ジョー、お疲れさん!

昨日の中国語会話(イーモウ&『LOVERS』特集)を見逃してしまった。迂闊ー(ーー;)とか思っていたら、このblogで一番検索が多い(笑)この映画のめでたいクランクアップのニュースが入ってきましたよ!そう、以前岩手ロケレポートを書いた、ツーイー&ジョーの『オペレッタ狸御殿』ざんす!

鈴木清順監督 チャン・ツィイーを絶賛  fromスポニチアネックス 芸能 記事

いやぁめでたいめでたい、スポニチではツーイーの狸姫姿&ジョーの若者姿(大名の息子・雨千代役だそーだ)もご機嫌そーな清順さんを間にはさんで写真に収まってるけど、ふたりともとってもかわいいっすー(^o^)。

あと、日刊スポーツのこっちの記事にも注目。ツーイーの日本語はどーだったんだろーか?…なんか、ジョーが妙なコメントを寄せているんですけど(笑)。

これから後期作業などに入って、来年の秋公開とか。
うーむ、せっかく岩手ロケしたんだから、日本プレミアはみちのくミステリー映画祭で、ってのはどーでせうか?…まぁ、無理かな?ツーイーだけでも大騒ぎだろうし、ましてジョーも来ちゃったらもうパニックだろーしな。

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というわけで観てきましたわ『藍宇 ~情熱の嵐~』

本日昼、関西方面から無事に帰還。そして昨日は宣言通り観てまいりましたよ『藍宇 ~情熱の嵐~』
しかし、上記ページに書かれたキャッチコピーの激しすぎること!思わずクラクラしたのは夏の暑さだけじゃなさそーだわ。
感想はすでにblog上にアップしているのでここでは書かないけど、日本語字幕で見てもあまり印象が変わらなかったなー。
土曜の朝なのでけっこう満員かしら、と思いつつ行ったらそうでもない。ちょっと意外。お客層は女子(一人orグループ)または男性一人と見事に半々に分かれていたなー。
今後東京以外の公開が予定されているかどうかわからないけど、仙台あたりでやってくれるのならもっかい観に行ってもいいかなー(爆)。

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朝っぱらから『藍宇』観に行ってきます。

どもども、関西方面の旅から戻ってまいりました。今日は1日東京滞在。
関西方面で何をしていたかはgroove for lifeのほうを見ていただくとして、こっちの更新をしばらくストップしていたらスパムがバンバン入る入る…(^_^;)。ったくもーって感じ。

東京には5時前に着いたので、ネットカフェにこもってまどろんでいるけど、時間になったら新宿へ『藍宇』を観に行こうと思ってます。あの場面がどーなっているか(こらこら!)気にはなるけど、地元には間違いなく来ない映画なので、しっかり観なければ!

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改めて、英雄外伝(英雄 縁起)。

かの米国では8月27日から、趣味の映画屋クエタラ親分の仕切り(だから「QUENTIN TARANTINO PRESENTS」とついている)によって公開される『英雄』(リンクは公開時に本館で書いた感想)。かの国のセンスのなさがうかがえるだっさいポスターが話題になっている(nancix diaryさんを参照くださいませ)今、先日NHK-BSで放送されたメイキング『英雄外伝』をやっと全部鑑賞。『英雄』公開時には全くチェックしていなかったけど、先日お会いしたMさんによると、このメイキングはT○UT○YAにもあったフリーのプロモビデオだったじゃないかってことですが…ホントっすか?

2001年の晩夏から、中国大陸の各地でロケが始まった『英雄』。そのロケの最中、ロケ隊がTVでNYのツインタワーにハイジャックされた飛行機が突っ込む映像を見つめる場面からこのメイキングが始まる。文明の衝突(と米国の政治学者は言うが…)による世界の対立が始まろうとしているなか、真の英雄(HERO)とはどんなものか?をテーマにしながら、文芸派映画監督張藝謀(以下イーモウ)は新境地のエンターテイメントを作り上げることを決意した。プロデューサーのビル・コン、撮影監督クリストファー・ドイルなどのスタッフ陣、物語の主役であり狂言回しでもある無名役のジェットことリー・リンチェイ、香港から招いたトニー・レオン&マギー・チャン等キャスト陣との事務所での打ち合わせ(なぜかモノクロ)から、中国内陸部でのロケが始まり、年をまたいで2月にクランクアップするまで、カメラはイーモウに寄り添う。イーモウ自身のコメント、リンチェイ、チャン・ツーイー、マギー(マギー以外は吹き替え、ちなみにトニーのインタビューはなし…なんでや?《天下無双》か《無間道》のロケが重なってコメント取れなかったのか?)も交えて、フィルムはある種中国映画界の歴史に名を残しそうな一つの大作の知られざる一面を語っていく。

まー感想って言ってもメイキングフィルムだし、たいしたことは書けないので、あれこれと気づいたり思ったりしたことをフラッシュで。

断言する。やっぱりこの映画のヒロインはツーイーじゃなくてマギーである。なぜなら本編中にマギーのプライベートショットが多いのだ。それもかわいい(笑)。30代後半なのに服装はなんかロック少女みたいだし(私服も昔からソニックユースのTシャツとか、ショートヘアを逆立ててパンクなプリントシャツとか着てたからなー)。ツーイーが観たけりゃ《十面埋伏》を観ろってことか(爆)。
○そのマギーがロケ中に誕生日を迎えた。中国らしいでっかいバースデイケーキを囲んではしゃぐマギー&ロケ隊の皆さん。マギーの横ではしゃいでいる黄色いTシャツの腕をまくって引き締まった二の腕を見せたヒゲ面の野郎が妙に気になる…と思ったらトニー先生じゃねーか(苦笑)!前髪を伸ばしていたかエクステつけていたままなのかよくわからなかったけど、誰だかわからんかったよ。
○ロケの最初でいきなり白の場面(残剣と飛雪の最後の対決とその顛末)を撮影していた。…本編を観ていない人はこのメイキング観ちゃいけないな。
○撮影に20日かかった(&トニーが足を負傷した)九塞溝の対決ロケ。動作指導チン・シウトンさんの苦労がしのばれるくだりだ。しかし、古装の下の靴(ブーツになっている)の中に履くのはナ○キのスポーツソックス。…俳優もまたアスリートであるってことね。しかし、痛かっただろーなー。
○9月のマギーの誕生日を始め、中秋節、クリスマス、大晦日、そしてイーモウの誕生日など、過酷なロケの中でもイベントが催されている。イベントでのスタッフ&キャストのゆったりした姿が印象的。中秋節のランタンを思いをこめて作り上げるマギー、サンタ帽をかぶってクリスマス休日をアピールするドイルにーさんなど…。

低予算で3日で取り上げてしまう映画でも、5年もかかって撮影する(笑)大作でも、一本の映画を作るのってやはり大変。あらゆる映画のメイキングを観ると、いつもそう思ってしまう。イーモウは「この映画は数年経てば忘れられてしまうかもしれないが、こういうことをやった、こういうものがあったというものが残ればよい」といったようなこと(すみません、うろ覚えっす)を言っていたけど、『英雄』という作品自体は、先にも書いたとおり確実に中国映画史には残るんじゃないかなー。

さて、もうすぐ『十面埋伏』が公開される。『赤いコーリャン』からさまざまな作品を作り上げてきたイーモウだけど、『英雄』に続くこのアクション大作が中華圏以外で成功するかどうかは未知数(でも『英雄』は日本全国公開のアジア映画では『少林サッカー』に続いて成功したほうなんだよね)だけど、『十面埋伏』ではイーモウがどのように進化したか、この後どう進化していくかを観てみたいものだ。

英題:cause
監督:ガン・ルー
出演:チャン・イーモウ リー・リンチェイ(ジェット・リー) チャン・ツーイー マギー・チャン トニー・レオン ドニー・イェン チェン・ダオミン クリストファー・ドイル チン・シウトン タン・ドゥン ワダエミ

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『向左走、向右走』日本公開決定!しかしそのタイトルは…。

以前、ここで感想を書いた台湾の絵本作家ジミー(『あぐり』『みすゞ』そして某大韓ドラマのヒロインの声でおなじみの女優、田中美里嬢もお気に入りだとか)の『君のいる場所』。これを原作にジョニー・トゥ親分が監督し、『君のいた永遠(とき)』以来の共演となる金城武&ジジ・リョン主演による映画《向左走、向右走》は昨年香港&中華圏で公開済みだけど、《十面埋伏》公開後のこの秋、いよいよ日本でも公開決定!そのタイトルは…

 『ターンレフト、ターンライト』!

えー、絵本と同じタイトルじゃないのー?つまんないじょー。いいじゃん、原作と同じ『君のいる場所』でさぁ。

でも、あまり文句言わないほうがいいかもな。このところ香港映画の日本公開が減っているんだからな。邦題が気に入らなくても、観られるだけましと考えるべきか(涙)。
この映画がいち早く観られるのが、この夏東京で行われるイベント、GTF(グレーター・トウキョウ・フェスティバル)の「トーキョーシネマショー」にて。応募しよーかなー、東京都民じゃないけど(爆)。

ついでにもひとつ、香港映画日本公開情報。なんと久々にニコことニコラス・ツェー主演映画『ティラミス(恋愛行星)』の日本公開も決定。いやー今元気かなー、ニコ。ところでティラミスってケーキやん?と思わずツッコんでしまったけど、この言葉にはイタリア語ではもうひとつ別の意味が隠されているとか。詳しくは公式サイトにてー(^_^)。

よし、これでワタシはまた旅に出られるな。んじゃ、行ってきますわー。行き先は香港とか台湾じゃないけどね。

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山の郵便配達(1999/中国)

この映画が日本で公開されたのは『初恋のきた道』と同じ2001年。『初恋』はいろんな人が「好きな映画」として挙げるけど、実はワタシは初恋よりこっちの方が好きだったりするんだわ。いや別に、リュウイエ君のファンってわけじゃないよ(好きだけどね)、念のため。

1980年代初頭、中国湖南省西部の山岳地帯。47歳の郵便配達(トン・ルージュン)は長年の仕事により足を痛め、仕事を24歳の息子(リュウ・イエ)に譲って引退することを決意した。郵便配達は交通手段のない山を2泊3日かけて120キロを歩き、山間部の村々に手紙を届ける。息子はその最初の仕事を自分ひとりでやり遂げたがったが、道案内役の愛犬“老二(次男坊)”が父親なしでは動けなかったので、父も最後の仕事として新米郵便配達の息子に同行することになった。幼い頃から仕事による父の不在に慣れていた息子は、いざ父親と二人きりになると、何を話したらいいのか、何をすればいいのか困ってしまい、妙に意地を張ってしまう。父は言葉少なに息子にアドバイスし、無言でいてもすっかり頼もしい存在に成長した子供に心の中で喜びながらじっと見守る。父と一緒に郵便を配る息子は、村々を渡っていくに連れて、自分が今まで知らなかった父親の姿を次々と知るのであった…。

一言で感想を書けといわれたら、やっぱりこうとしか書けない。
「いやぁ、いい話やぁー(;_;)」
これは『初恋のきた道』を観た時にも同じことを考えたもんだけど、同じことを考えても、この映画の方により強くひかれるんだよなぁ。中国中南部湖南省の山中の景色は、茶色の大地が広がる西部の景色とは全く違う。まるで心に染み入るように美しい緑だ。その緑の中を、昔気質の郵便配達と、『魔女の宅急便』の宅配魔女キキのようにラジオを片手に歌いながら山を行く現代っ子の二代目が進む。おそらく、最初で最後になるであろう父との旅。今までお互いにちゃんと話したことがない二人の、無言の中にも通じ合う心の交流。
子供にとって、父親という存在はなかなか分かり合えないことが多いような気がする。彼は働いて疲れている姿しか見せてくれず、こんな親になりたくないと子供は思ってしまう。でも、かつて忌野清志郎も歌っていたように、働いている父の姿は家にいる父とは全く違う。それを知る機会が、今は減ってしまっているようだ。この郵便配達親子のように、世襲制じゃなくていいから、働いている父の姿は見ておいていいのかもしれない。家であれこれ小言を言われて疎ましく思っても、それだけが父ではないからだ。そんなことをこの映画から言われたような気がした。
しかし、これがデビュー作となったリュウ・イエ君の初々しいこと!顔を真っ黒にして旅をする顔はまだまだ垢抜けない。少年らしさが残っている。そんな彼がこの映画の次に選んだのが『藍宇』なんだから、すごいわホント(笑)。

なんかしみじみした感想になっちゃったかも。ま、今日はこんなとこで。

原題&英題:那山 那人 那狗(postmen in the mountains)
監督:霍建起(フォ・ジェンチイ) 原作:彭見明(ポン・チェンミン/『山の郵便配達』集英社刊)
出演:藤(草冠なし)汝駿(トン・ルージュン) 劉 燁(リュウ・イエ) 趙秀麗(チャオ・シュウリー) 陳 好(チェン・ハオ)

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