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その呼び名ってどーよ、"中流"って!

現在、あちこちの雑誌やメディアで韓国ブームを説明する時に当然のように使われている"韓流"という語。もともとこれは日本に先立つ1,2年前に中華圏で沸き起こった韓国芸能ブームを表した語が語源となり、それが輸入されて日本語読みになった変則的な外来語と言える。(サイバーパンクが流行った時に入ってきた、コンピューターを表わす"電脳"も同じ経緯をたどった語じゃないかと思う)だけど、いくら今韓流が定着したからっていって、かつて韓流以前に香港返還ブームがあったからとはいえ、長い間中華芸能好きやってる身としてはこういう記事ってどーよ!と吼えずにはいられない。

その記事はコチラ→ZAKZAKフェイ・ウォン“中流”攻勢…“韓流”で日本還流

ワタシは『シュリ』や『JSA』や『殺人の追憶』などの韓国映画も好きだから、決して韓国もの全てに拒否反応を持っているわけではない。(このblogでは中華ネタ限定にしているので、好きでも単に書かないだけ。書きたくなった時は非中華日記ネタのgroove for lifeに書いているし)韓国ものが好きでもハングルを勉強したり、ソウルや釜山に旅行したいとは思わないのは、韓国もの以上に中華ものが好きだから北京語や広東語を学んで台北や香港に行くってだけだ。
そのため、韓国ものは趣味の選択肢の一つとして考えているのだけど、ちょっと考えると、現在の韓流は某配給会社にしても某国営にしても某代理店(爆)にしてもマスコミ各社にしてもあまりに売らんかなの姿勢が強すぎて、またあおりすぎて一人勝ち状態になってしまっているような印象を受ける。(映画は売らなきゃいけないから配給会社さんは強気の姿勢でいてもらっても全く構わないんだけどねー)。
かつては渋谷の劇場を満員にした香港映画も今ではDVD化で売り上げを補填するような短期間限定の劇場公開ばかりで、熱心なファン向けのプロモートしかできない。同じ漢字の国として字面を見ても日本語に直しても響きのいい原題を持っているのに、わかっているのかいないのか、変なところで一般受けを狙ったようにカタカナ題をつけられる。(『インファナル・アフェア』はやはり『無間道』という原題を併記するか全面的に押し出すべきだったと思う。だれも『無問題』と間違えないって!)いくら香港映画愛好者がB級嗜好でビデオ&DVDユーザーが多いからとはいえ、こういうプロモートだと映画館に人が集まらない。それは映画館の経営状態もあるんだろうけど、マニア向けだけでない、一般にも来てもらえるような対策が必要だと思う。それが何か?というと、具体的にはちょっと考えていきたいんだけどね。
もっとも、この記事にあった旅行会社のように、返還前後のブームよもう一度、現在の韓流をなんとかアジア全体までに拡大を、と思う気持ちは、中華趣味人間としてはとってもよくわかる。でもなぁ、なんかなぁ…(ーー;)。

ところで、最近思うのは、現在の韓流って、規模こそ違うんだけどなんだかかつての香港ブームと同じような状況にないかな?ってこと。
まず、ブームの中心となるものがあっても、そのほかに紹介されているものとつながりが意外と薄い。香港ブームの場合は王家衛作品、韓流の場合は冬のなんとか。王家衛作品は一般人に観てもらうためにプロモ段階ではあえて香港映画であることを伏せ、そこから香港を紹介していったというが、それに便乗した他の香港映画への、王家衛作品プロモ側とそれ以外の香港映画プロモ側お互いのフォローやつながりがが薄かったように思える。冬のなんとかはドラマだが、プロモに某国営が係わっているからか他の映画とのつながりはあまりない。それ以前に『シュリ』はテレ朝、『JSA』『殺人の追憶』は日テレが宣伝提供していたけど、あくまで提供であってあそこまで盛り上げたという印象は受けない)
次に、あるものや人が熱狂的に好きな人は、それに関連したものやそれ以外には意外と眼を向けない。例えば、一連の王家衛作品は香港映画として観ていなかった人は熱狂的にハマり、他の香港映画には興味を示さなかったらしい。もちろん、その逆もあり。一方、冬のなんとかの主演俳優の迷は、その人、またはその人が冬の何とかで演じている役のみに夢中で、他の韓国ものに踏み出せない人も少なくないとか。中華芸能で言えばお嬢とかも…おっと、この後は都合により省略ね。こういうあたりが気になるんだけど、どーかなぁ?

香港ブームを経験している身としては、韓流騒ぎのそとにいるからこう感じるのかもしれないけど、この調子だと香港ブームと同じ状態になっちゃうんじゃないかなぁ。え、余計なお世話?ま、とにかく、この騒ぎが早く沈静化して、韓流=ぺ様を始めとした美形俳優&純愛ドラマだとか、香港映画=李小龍や成龍さんのアクションや許三兄弟のコメディといった定型から自由になって、多様な文化として一般の人が自由に選択できる趣味に収まってほしい。そして、それらの情報量も均等になってほしいのだ。そんなことを考えながら、とりとめのない文章を終わらせたい。

とか言いつつ、今回はグチ多めだったかも。読みにくくてすみませんでしたm(_ _)m。

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コメント

>一連の王家衛作品は香港映画として観ていなかった人は熱狂的にハマり、他の香港映画には興味を示さなかったらしい。
 そうそう、他の香港映画=メインストリームをバカにしてたですよね。アンディ・ラウ主演アクション映画とか王晶映画とかを。そういうのって音楽畑の方からきた御仁が多かった気がする。フェイ・ウォンを日本に紹介したもろもろの御仁も、香港音楽界の主流をそしりまくってたですね(^_^;)
 おいおい、主流あってこその個性発揮だろ?とnancixなんぞは思ってたです。王家衛作品だって、香港映画史あってこそ成立してるのに…というのは「花様年華」ではっきりしたですが。サモハン・キンポーの祖母も出演してるし。
 

投稿: nancix | 2004.07.06 07:53

>主流あってこその個性発揮
同感です!それでもって偏ったものばかり好んでそれ以外を否定するようじゃいけないんですよね、ホント。(あ、でも自分もちょっと偏っているかも…)よく考えればフェイの個性だって一見とんがっていても中華界では立派に主流しているような気がしますし。
韓国芸能もバラエティ豊かだってのはこちらも承知しているのですが、現在の騒ぎにはどーもあのドラマがメインで、いろんな映画はちょっと脇に行っちゃってる?って感じがありますね。
2つ前の記事でも書いた『頭文字D』(実際は日港合作?)や『LOVERS』『2046』などの中華電影が今後日本でどんなふうに受け入れられるか…ちょっと落ち着いてみていきたいもんです。

投稿: もとはし | 2004.07.06 19:08

こんにちわ。
最近、なんとなくそうじゃないかなあと思っていることをずばり書いていただき、感服いたしました。
大マスコミがよってたかって取り上げる頃には、もう末期症状に近いのだと思います。
台湾映画も、娯楽映画としての側面は、未だにあまり紹介されないままのようですし。

投稿: せんきち | 2004.07.06 21:48

確かに、あらゆるブームにおいても、マスコミに取り上げられる頃にはすでにヤマは過ぎ去っているというのはわかりますね。韓流も今がヤマを越えた時期なのかなぁ。ブームも末期になるとバッシング的記事も出てくるし。でも、某女性誌広告にあった「冬のなんちゃらをちょっと批判しただけで朝の情報番組の女性司会者が迷に叩かれる」って見出しには頭抱えました…。
台湾娯楽映画については…、すみません、今まで勉強していませんでしたm(_ _)m。今後チェックしておかなければです。

投稿: もとはし | 2004.07.07 07:04

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