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《等着[イ尓]回来》(1994/香港)

もとはしはホラー嫌い(とかなんとか書いているくせに『The EYE』とか『Three』とか観ているが)なので、いくらトニーが出ていようが、この映画だけはなぜか観られなかった。でも、梁朝偉先生42歳のお誕生日記念“初夏の梁朝偉祭り”の掉尾を飾るならこれかなーと思いつつ、観たのだった。いや、実はまだ手もとには観ていない未公開作品もいろいろあるんだが、とりあえず一区切りってーことで(^_^;)。

今からちょうど10年前、ノリにノリまくっていたUFOが『君さえいれば』と同時期に香港で公開していたのが、このゴシックホラー映画。監督はピーター・チャン、リー・チーガイに続く“UFO第3の男”こと、『流星』のジェイコブ・チャン。
1949年に自殺した謎の女性詩人、小柳の全集発行に力を注ぐ編集者の冲(トニー)。彼のこの仕事への思い入れは強く、小柳が最後に住んでいたヴィクトリアピーク中腹の家を買い取り、恋人のエレイン(シンリン)と共に住むことにするほどだった。しかし、二人の親友ジュリア(サンドラ)の娘ミミが家の“開かずの間”から泣き声を聞きつけたことから、この家では奇妙な現象が次々と起こる。エレインは恋人の冲が小柳の軌跡をたどるのに夢中になっていることが気になる。そんな彼女もこの家に小柳の霊が潜んでいる事に気づき、“開かずの間”の扉を開けてしまう。やがて、エレインは小柳のように振る舞い始め、冲を誘惑し、自分の死にかかわった唐氏を呪い殺し、ジュリアにも魔手を伸ばす…!

いやはや、ホラーだからちょっとなぁなんてちょっと構えていたけど、思ったより怖くなかったしよくできていたわ。なんか、ピーターさんが『The EYE』を作ったのはこれがあったから?なんて推理してしまったわよ(笑)。ストーリーもしっかりしてたし、なんといってもシンリンのクラシカルな雰囲気が夭折した薄倖の詩人にピッタリだったー。エレインの時と小柳にとりつかれた時の顔が微妙に違うってのもうまかったもの。
冲に執着する小柳も怖いが、小柳に妄執する冲もちょっと異常。なんせ彼女に小柳のコスプレさせるくらいだもんなー(爆)。ちゃんと彼女を大切にしてやらんからこーなるんだぞ冲!とツッこまずにはいられないぜ。サンドラさんは相変わらずの姉御肌。彼女が冲を愛してたとは思えないが、多分エレインを愛してるんじゃないか?…って古惑仔シリーズの十三妹(サンドラさんの当たり役)じゃないって。
あと、舞台。トラムにのってピークまで行く途中によく見かけるのだが、ピーク周辺にはこの映画の舞台になったようなステキな感じの洋館が多いように感じる。(確か『クローサー』のすーちー&ヴィッキー姉妹のアジトもあんな感じの洋館だったかな)幽霊が住んでいる洋館はどーよって気もするけど、ちょっとじっくりのぞいて散策してみたいような気がするなぁ、あのあたりは。もっともワタシは霊感がないに等しいので、幽霊には好かれないだろうなー。その方がいいんだけどね。あははのは。

英題:The Returning
監督:ジェイコブ・チャン 原案:ピーター・チャン&リー・チーガイ 撮影:アーサー・ウォン
出演:トニー・レオン ン・シンリン サンドラ・ン ジョー・チョン

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コメント

はじめまして。せんきちと申します。
呉倩蓮のファンの者です。
この映画、ヒッチコックの『めまい』の影響も多分にあるのではないかと思います。
小柳のコスプレのところは特に。

投稿: せんきち | 2004.06.27 00:41

コメントありがとうございます。長年電影迷しているわりにはヒッチコックは未見なのですが、参考に観た『香港電影広告大鑑Ⅱ』では確かにヒッチコック云々の指摘がありました。
また、文中ではピーターさんは『シャイニング』がお好きだとの記述もあったのですが、なるほどねー、それもそれっぽいかなぁ…と思いながら観たものです。

投稿: もとはし | 2004.06.27 00:56

たびたび失礼いたします。
『The EYE』のことですが、大林宣彦の『瞳の中の訪問者』も、角膜移植で見えないものが見えるようになった女の子のお話でした。
原作が、手塚治虫の『ブラック・ジャック』なのですが・・・・。

投稿: せんきち | 2004.06.28 12:00

そーいえば『The EYE』も記事にしていたのですが、
(https://funkin4hk.tea-nifty.com/f4hk_blog/2004/01/the_eye2002.html)
コメントをカキコミできない設定にしていましたね…。失礼しました。

『The EYE』が公開されていたときに、『瞳の中の訪問者』または原作『春一番』@BJとの共通点を指摘されていたのを公式サイトのBBSで読んだので、そのあたりはよく承知しております。ただ、ワタシはBJは大好きですが、件の映画は例によって未見でした。(いや、単に宍戸錠演じるBJが想像つかなかったので…)

投稿: もとはし | 2004.06.28 22:09

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