《見習黒薔薇》(2004/香港)
今月、いよいよ『ツインズ・エフェクト(千機変)』が日本でも公開される香港のスーパーアイドルTwins。実はもとはし、前回渡港した2002年末に、信和中心で彼女たちの写真を買っていたにもかかわらず、当時はどっちがシャーリーン(通称阿Sa)でどっちがジリアンかわからなかったし、映画も完全にスルーしてたのでまったくノーマークだったのだ。だけどそんな間にも彼女たちはブレイクし、次々と主演映画が公開されていたとはビックリだった。てーわけで新作の《見習黒薔薇》を観た。
「ワタシは宇宙人だ」と言い張る不思議ちゃんのサンディこと沙織(シャーリーン)と、近眼で普段は冴えないのにフルネームで呼ばれるととたんにキレて大暴れしてしまう心理学専攻のジルこと阿嬌(ジリアン)は、部屋探しの際に意気投合。そんな時、ある屋敷の行儀見習い募集に目をつけた二人は意気込んでお屋敷へ。しかし、そのお屋敷の持ち主は伝説の怪盗黒薔薇(テレサ)だったからさぁ大変。幾つものトラップをくぐり抜け、二人は知り合いのタクシー運転手ロー(イーキン)に助けを求めるが頼みの彼も役立たず。なんのかのあって黒薔薇の正式な弟子となるサンディとジルだった。
一方、街では謎の怪盗、ポイズンアイビーこと紫藤女が暗躍していた。実はこのアイビー、かつては黒薔薇の弟子だったのだ。黒薔薇の嘆きを聞いたサンディとジル、そしてローは彼女のために立ち上がるのだが…。
日本ではレオン・カーファイ主演の『黒薔薇VS黒薔薇』で紹介された(そういえばこの映画にもテレサ・モウは出ていたけど、こっちではうっかり「黒薔薇」を名乗ってしまって大災難にあってましたな)60年代の香港コメディ映画を代表するキャラクター、伝説の女怪盗黒薔薇。《電影双周刊》によると、そもそも黒薔薇は60年代のアメコミのキャラクターから流用されて誕生したのだとか(一応大筋で、後でよく読んで確認しておきます)。なるほど…。この映画にはロビン(映画の中でイーキンがコスプレして、黒薔薇に「帰ってきたのねー!」と泣きつかれる)やポイズンアイビーが登場してくるから『バットマン』あたりをパクッたのだろうか?黒薔薇の衣装は全身黒に目を覆う仮面。これはどの映画にも共通するらしい。そーいえばマギー・チャンが初めて出た(そして監督に惚れられて結婚して離婚した)フランス映画『イルマ・ヴェップ』でも、マギーは黒薔薇みたいなカッコしていたなぁ。
そんな黒薔薇を演じているのがお久しぶりのテレサだったんだが(4年前の香港映画祭で上映された《小親親》で骨董屋の主人役で観た以来)今までおばちゃんっぽい役柄ばかり見てきたせいか、今回の黒薔薇では意外なミステリアスさが出ていて、今まで観たテレサの中で一番キレイかも~なんて思ったりして(笑)。螺旋階段の上から降りてくる最初の登場シーンを観てびっくりしたもの。マジでテレサ?ってね。
ここ数年異常に映画に出まくってない?と感じるイーキン(そういえばまだアルバム出してないんだっけ)。メインタイトルでは一応名前がトップだったけど、今回は(も?)若いTwinsに主役を譲ってどちらかといえばサポート的役柄で活躍。しかし、頼りたいときに一番役に立たないというのはコメディキャラのお約束か。前述したロビンコスプレは、最近の映画版バットマンに登場したロビンみたいなマッチョスーツではなく古式ゆかしい緑の短パン&グレーのタイツ姿。身体の線が出る衣装なせいか…なんか、イーキン、肥えたんじゃない?(あ~、ファンの方許して!)
そして!“Ladies and gentlemen,黒薔薇参上!”と派手ーに登場する二人の見習黒薔薇、シャーリーン&ジリアン!お茶目でパンクな阿Saにしっとりおしとやかな(そうか?)ジリアンと個性がはっきりしているので案外覚えやすいかも。彼女たちといい台湾のF4といい、中華のアイドルユニットは個人個人の個性が日本のユニットよりはっきりしているから覚えやすいんだよね。(…だってミニモニ。やw-indsや嵐やNEWSってさっぱりわかんないもん)人気があるのはやっぱり阿Saなのかなぁ。もとはしはジリアンが気に入ってるんだけど(笑)。
おっと忘れちゃいけない敵役にもコメント。アイビー役の女優さんはフェイス・ウー。あれ、何かに出てたっけ?この映画の監督でもあるドニー・イェンの妹クリスってどこにいる?と観ていたら…もしかして、このゴーゴー夕張もどきの子?(注・『キル・ビル』は未見)当然女子高生スタイルの彼女はヌンチャクを振り回してTwinsたちと戦うんだけど、
予告で観た栗山千明ちゃんの、鉄球を振り回す「本家」の動きよりはキレがあったから(千明ちゃんファン&『キル・ビル』好きの方ごめんなさい)、これがウワサの妹クリスなのかなぁと思った次第。…ところで話はずれるんだけど、ゴーゴー夕張って『バトル・ロワイヤル』の戦う女子中学生からきたキャラなの?(だから観てないんだよ『キル・ビル』)
映画の内容自体は…、ツッコミたいところはいっぱいあるんだけど、まぁね、これって旧正月映画だからねぇ(笑)。
監督が久々のドニーさん(『英雄』の長空はカッコよかったなぁ)なもんでアクションは満載だったし、結構笑えたし。ラストはお約束の『恭喜發財、萬事如意』でしめさせてもらったし、ゲラゲラ笑って「あ~スッキリした!」と満足して映画館を後にしたもとはしだった。
しかし、香港人と同じところに反応して笑ってしまったのに、広東語がよく話せないワタシって何者?
英題:Protage de la Rose Noire
監督:ドニー・イェン&ウォン・チュンチュン
出演:Twins(シャーリーン・チョイ&ジリアン・チョン) イーキン・チェン テレサ・モウ フェイス・ウー クリス・イェン
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