ダブルタップ(2000/香港)
レスリー・チャンが亡くなって、もうすぐ1年になる。ワタシは彼の熱烈なファンではなかったけど、日本公開された映画はだいたい観たし、日本でコンサートがあると必ず足を運んだし、CDだって何枚か買った。来月香港へ行ったら、お墓参りはできなくとも、マンダリンオリエンタルの前で手を合わせてこようかな…。
もとはし的レスリー主演ベスト映画は『男たちの挽歌』『狼たちの絆』『さらば、わが愛・覇王別姫』『大英雄』そして『ブエノスアイレス』。ついでにワースト映画は『星月童話』だ!(大笑)…彼の自殺を知った直後、あまりに動揺しまくって本館に追悼文を載せたのだが、さすがに今は冷静なので、4月までにこちらでもレスリーの映画で本館に感想のないものを書いていきたいので、そのときはよろしく。
その第一弾というわけではないのだけど、今回は先月TVで観たこの作品について。
この映画、実はワタシの街では劇場未上映。しかし、2001年のみちのく国際ミステリー映画祭でプレミア上映されたのだ。…その時、ワタシは仕事があったので、でっかいスクリーンでは観られなかったのだ(;_;)。刑事、泥棒、京劇俳優、音楽プロデューサー、売れない映画監督、世間知らずな神父、ストイックな剣士、自由奔放なゲイ、妙にキラキラした編集者、日本人ホテルマン(!!)…と西暦2000年より前にある程度の役はこなしてきたレスリーがこの作品で演じたのは、なんとサイコキラーだった…。
優れた射撃の腕を持つ刑事ミウ(アレックス・フォン)は、射撃練習場で自分と同等以上の腕前のリック(レスリー)と出会う。二人が参加した射撃大会の最中、ミウの同僚が突如乱心し発砲しまくるという重大なトラブルが発生。それを治めたのは、リックが撃った銃弾だった。しかし、それ以来、リックは人を射殺する快楽を覚えてしまい、3年後、刑事たちを次々に射殺し、警察に対して“ゲーム”を仕掛ける…。
競技としての射撃がねたになっているせいか、ここで使われている銃が異様な形だったのにまずはビックリ。ワタシ自身射撃の経験がないのはもちろんなんだけど、競技射撃ってあまりメジャーじゃない気がするので、これで射殺されるのはあまりにも痛いんじゃないか、などとまるで見当違いのことを考えてしまうワタシ。(周りにガンマニアもいないので聞くに聞けないしなぁって何いっとるんじゃワタシ)
「なぜ人を殺す?」と聞くと「そりゃ殺したいからに決まってるからさぁ」と平然と答えそうなくらいキレまくってたレスリー。彼、カメラの前に立つと役にのめりこむタイプじゃないかなと思うところがあるせいか、マジでこいつ怖ぇよぉ~と思ったよ、ホント。クライマックスじゃ彼女平気で蹴飛ばすしさ(^_^;)。あまりに怖すぎるので、ワタシはアレックスばかり観てたよ。…そう、アレックス。今回の彼の役どころはよかったっす。彼、レスリーより若いんだけど、長身で落ち着きがあるんだよ。『風雲』では“風”のお父さん役で、長髪に鋭い眼が印象的だったし、『君を見つけた25時』のプレイボーイの営業マンも面白かったけど、これまで観た中ではミウの役が一番よかったかな。
ストーリーとしては、レスリーのサイコキラーというのが上段にある話のせいか、ちょっと説明不足かな?とか、このあたりは妙に矛盾していないか?とか突っ込みたくなるところが幾つかあったんだけど、それをあれこれ書くと長くなるのでパス。…いや、手元にビデオがないので確認もできないし。(ちょっと言い訳っぽい?)
監督のロー・チーリョンは『夢翔る人・色情男女』でイー・トンシンと一緒に監督し、『星月童話』で脚本も手がけた人。これが単独監督第1作だったっけかな?レスリーとローさんはこの次の作品『カルマ』でも再びコンビを組むけど、結局それは最後のコンビ作品になってしまったのね…。
原題:鎗王 監督/ロー・チーリョン(羅志良) 出演/レスリー・チャン アレックス・フォン ルビー・ウォン ヴィンセント・コック
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