【ZINE新作】21世紀香港電影新潮流

前の記事で製作をお知らせした新作ZINEが完成しました。

【新刊】21世紀香港電影新潮流 funkin'for HONGKONG@zine 2024

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↑見本誌の画像なのでサークルアイコンが入っていますが、もちろん販売分にはついていません。

2016年以降に製作された新人映画監督作品のうち、自分が観ている作品を10本選んで紹介しています。
これまでblogやTwitterで書いてきたテキストに加筆しております。
ラインナップは次の通り。

・星くずの片隅で
・香港の流れ者たち
・毒舌弁護人
・白日の下
・淪落の人
・逆流大叔
・花椒の味
・ブルー・ムーン
・私のプリンス・エドワード
・ソロウェディング

加えて、このblogでは書いていなかった、17年と19年の香港ミニ旅行記などの散文も書き下ろし。
地元でも来月上映される『燈火は消えず』他、未見の作品にも簡単に触れました。

先日実施された浜藤の酒蔵ZINEマーケットで初頒布し、おかげ様で初版の半数をお買い上げいただけました。

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当日の様子

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季節に合わせて紅聯も飾ってみました。

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このチラシも、勝手に応援で飾りました。

もともと地元であまり上映されていない香港映画を知ってもらって、劇場で上映されたら観てほしいなーという気持ちから作ったZINEなので、現在のところ手売りでやっていますが、増刷も考えているので通販も予定しています。
通販の準備が整ったら、ここでもお知らせいたします。

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20周年を迎えました/新作ZINE出します

昨日の1月13日で本blogは開設20年になりました。
時間過得真快…
ここ5年ほどは公私共に多忙で、SNSはできても長文の感想等は全く書けなくなってしまい、更新も年数回となってしまいました。
でもSNSも過渡期を過ぎたようだし、これからどんな展開になるかわからないけど、どんなことがあってもblogは手放したくないと思い、少しずつであっても更新は続けてきました。
ここは居場所としてなんとか守っていきます。今後ともお付き合いいただければ嬉しいです。

そしてblog開設20周年を記念して、久々にfunkin'for HONGKONG名義のZINEを発行します。

その名も『21世紀香港電影新潮流』

2014年の雨傘運動後や19年の民主化運動、そしてコロナ禍を経ての2018年から昨年までに香港で製作された映画についての感想や散文をまとめたものです。『星くずの片隅で』の時にも書いたけど、地元では上映される機会が少ない香港映画の知名度を上げたくて作りました。
表紙(一部チラ見せ)はこんな感じ。

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現在製作も最終段階。
これは1月21日(日)に岩手県盛岡市のもりおか町家物語館浜藤ホールにて行われる浜藤の酒蔵ZINEマーケットにて初売します。

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以降は書局やさぐれとして参加する文学フリマ等各ブックイベントでも販売し、通信販売も予定しております。
今後は台湾旅行記や飲食関係本も製作する予定。
今年は中華エンタメのインプットとアウトプット、そしてZINEやフォトブック等の創作活動にも励んでいきたいです。

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赤い糸 輪廻のひみつ(2021/台湾)

昨年のTIFFで楽しく観たギデンズ監督最新作『ミス・シャンプー』Netflixでも配信中)の前作となる『赤い糸 輪廻のひみつ』
これも2021年の金馬奬にノミネートされており、視覚効果・メイク&コスチュームデザイン、音響効果の3部門で最優秀賞を受賞している。ここ数年、金馬奬をチェックすると面白そうな作品が多くノミネートされているので、これらに配給権がついて日本で公開されてほしいと常々願っていた。
しかし、ここ数年の話題作が日本の劇場で一般公開されることは少なくなった。台湾本国でも公開後すぐnetflixで全世界配信され、日本語字幕付きで気軽に観られるようになったとはいえ、劇場でかけてみんなで観られることを前提とした劇映画はやはり劇場で楽しく観たい。そう思っていた時にこの映画の日本公開が決まった。

この映画はこれまで『台北セブン・ラブ』や『赤い服の少女』を紹介してきた台湾映画社さんと『日常対話』を配給し、関連書籍の翻訳も手掛けてきた台湾映画同好会さんの共同配給。個人会社での配給で、権利の関係上劇場公開のみという(おそらく)異例のケース。台湾映画社代表の葉山さんが上映権獲得と劇場公開に関してのインタビューに答えており、こちらのnoteを読んだが、台湾ブームと言われても観光やグルメが定着してもt台湾エンタメがなかなか定着しない、シネフィルにも台湾映画といえばニューシネマは注目されるのにそれ以外は…と同じように歯痒く思ったことがあったので、大きく首を縦に振ったものだった。
公開に先立ってクラウドファンディングも行われていたのでもちろん参加した。現在のところ公開劇場も一部地域だが、全国で上映されてほしいと願っているので、その応援も兼ねての感想記事である。ネタバレは極力控えるようにする。

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原題でもある「月老」は台湾の縁結びの神様として知られる「月下老人」のこと。台北の霞海城隍廟や台南の大天后宮他多くの廟に祭られている神様だが、この映画に登場する月老は冥界にやってきた死者が徳を積むために従事する神職として設定されている。落雷で命を落とし、生前の記憶を失くした主人公の孝綸(クー・チェンドン)は元カレに殺されたピンキー(王淨)とバディとなり、現世で人々を赤い糸でつないでいく。
この冥界の世界観とデザインがユニーク。死神は黒いスーツと帽子にマント、という割と定番スタイルだけど、冥界の門番である牛頭(陸明君)と馬頭(ホンジュラス)はミリタリー風のスーツとマントをまとい、(死んだときの)年齢・性別がそれぞれバラバラな月老たちはグレーのセットアップを着ている。彼らを率いるリーダーの一人を演じる侯彥西はなぜか『ジョジョの奇妙な冒険』の東方仗助のようなリーゼントスタイルなので全体的に高校の制服感増し増し。死んだ人間が現世にやってくるといえば最近ネトフリで実写版が配信されている『幽☆遊☆白書』も思い出されて、この「わかる人にはわかりゃええ( ̄ー ̄)」ってところにはニヤリとする。

善行を行って徳を積む二人の前に老犬の阿魯が現れたことで、孝綸は生前の記憶を取り戻す。阿魯は彼と初恋の人である幼馴染の小咪(ビビアン・ソン)を結びつけた犬であり、寿命で命尽きようとしていた。その頃冥界では500年間牛頭を務めていた前世の盗賊・鬼頭成(馬志翔)が怨霊となって冥界を脱走し、前世で自分を裏切った仲間たちの生まれ変わりを探し出して復讐していた。その怨念は小咪にも向けられる…!

冥界ファンタジーの趣で開幕する物語は、この再会で見覚えのある展開に突入する。『あの頃、君を追いかけた』でお馴染み、ギデンズ名物ともいえる(?)おバカ男子の恋物語である。ああ、やっぱり男子っておバカ…と笑っていたら、鬼頭成の登場で前作『怪怪怪怪物!』的なホラー展開となる(『怪怪怪怪物!』といえば、鑑賞当初は爽快さと胸糞悪さが入り混じる何とも言えない気持ちを抱いたのだが、実は製作当時のギデンズが自らのスキャンダルにより激しいバッシングを受け、そこで生じた怨みを原動力として作ったという話を最近知った。だからあんなに胸糞悪いのか…)

このように先の読めない物語なのだが、テーマは生命賛歌といえる。台湾に根づく道教や仏教をベースに、笑ってドキドキして恐怖におののいて、気がついたら感動しているド直球のエンタメで謳われる生命賛歌。どんな命でも等しく、それを救えば善となる。世界で起こる戦争等で命が失われていく現状を見ているから、その大切さや生きることの尊さを感じたのかもしれない。邦題の由来となっている、韋禮安による主題歌《如果可以》もこのテーマを体現していてよい。これは藤井風が台湾ライヴで歌いたくなるのもわかる。


Weibird本人が歌う日本語ヴァージョンもあるのでこちらも是非。

映画監督デビューも果たしたチェンドンの安定したバカ男子っぷり(誉めてます)とギデンズ作品への登板が続くビビアンはそれぞれかわいらしく、『返校』のミステリアスさをかなぐり捨てた王淨のはじけっぷりも楽しい。他のキャストもギデンズ作品常連から、馬志翔と共に『セデック・バレ』に出演したセデック族のラカ・ウマウまで、台湾映画&ドラマに親しみのある人なら思わず手を振りたくなる面々が揃う。

現在の台湾映画の勢いを象徴するこの作品、台湾好きだけど映画は…という人にも、もちろん台湾に特段興味のない人にも観てもらいたい。
重ねて言うけど、日本では劇場でしか観られない作品なので、東京や大阪だけでなく、日本全国津々浦々で上映されてたくさんの人に観てほしい。東北では香港&台湾映画を必ず上映してくれるフォーラム仙台で2月上映が予定されているけど、我が岩手でも是非上映してほしい…

今年は日本全国で中華圏の映画がたくさん上映されますように…

原題:月老/Till We Meet Again
監督・原作・脚本:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン ビビアン・ソン ワン・ジン マー・ジーシアン ホウ・イェンシー チェン・ユー ルー・ミンジュン ホンジュラス ユージェニー・リウ ラカ・ウマウ

☆本blogは今年で開設20年。
ここ数年記事もなかなか更新できませんでしたが、アニバーサリーイヤーなので、なるべく更新できるように頑張ります。

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香港の流れ者たち(2021/香港)

2018年のTIFFに出品された『トレイシー』(感想のリンクは当時のtwitterなので、いろいろ表現的に追いついていないところはご了承ください)でデビューしたジュン・リー監督の第2作であるこの映画、『香港の流れ者たち』を初めて知ったのは、2年前の金馬奬で最優秀作品賞を始め12部門ノミネートされたことから。金馬では最優秀脚色賞を受賞したのだが、これは2012年に香港で起こった通州街ホームレス荷物強制撤去事件に材を取って作られたことから脚色賞のカテゴリに入ったようだ。翌年の金像奬では11部門ノミネート。

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香港の下町、深水埗。高架下で暮らしていたヤク中のファイ(ジャンユー)が刑務所を出所し、この街に帰ってくる。ベトナム難民のラム爺(謝君豪)、ラン(ベイビー・ボウ)とチャン(ロレッタ・リー)姉妹、元大工のダイセン(朱栢康)らが彼を迎えてくれるが、食品環境衛生署の事前通告なしの「掃除」により、何もかも取り上げられてしまう。彼らはソーシャルワーカーのホー(セシリア・チョイ)の助けを借りて、政府を相手に謝罪と賠償を求める裁判を起こす。

 

十年前に息子を失っているファイをはじめ、ベトナム戦争後、香港で亡命する家族と離れ離れになってしまったラム、ドラッグ中毒で何もかも失った元ホステスのチャンなど、ホームレスたちはそれぞれの事情で今の生活を送っている。ハーモニカが唯一の友である失語症の若者、通称モク(ウィル・オー)もその輪に加わり、助け合いながら生きている。近隣の商店から万引きし、ドラッグを分け合って打ち合う姿は良識ある者からは理解しがたく、落ちぶれて当然だと思わせられるだろうが、厳しい社会で一人で生きることの難しさを考えたらやむを得ないのだろうか。
もちろん、それはいいことではないので、ホーたちのようなソーシャルワーカーが彼らを助けるために奔走する。彼らもその助けを利用しながら、市民として生きている。助けがあればそれをうまく利用し、生活に足りることでうまく生きようとする。社会の底辺に生きていても、人として生きることが大切である。それを端的に言えば「人権」である。これはこの1年、貧困だけでなく性暴力やハラスメントから戦争まで国内外で起こった事件においても言われてきた言葉で、大切にしなければいけないのにそれが蔑ろにされていることに改めて気づかされた。
彼らの訴訟が大々的にマスコミに取り上げられたことで世間の注目を浴び、社会学系の大学生たちを始めとした支援希望者が彼らの元に押し寄せるが、メディアのインタビューを受けたファイが「俺たちがなぜ政府に対して謝罪や賠償を求めているのかには興味はなさそうで、ヤク中になった原因や路上生活のことばかりを聞きたがっていた」ということを言うように、このトピックがセンセーショナルなものとして扱われることで訴訟の本来の目的が覆い隠されてしまうのではないかという危惧が描かれる。人権やその尊厳は大切なものだが、それを守ること、理解することの難しさも感じる。その難しさはホームレスたちの間にもあり、政府の賠償が決まった後で、そこで賠償金を受け取って収めたいと考えたダイセンたちに対してファイが謝罪しないと納得しないと頑として譲らなかったことで彼らもバラバラになっていくことからもわかる。本当に難しいし、どうしていけばよかったのか、考えれば考えるほどどうしようもなくなってくる。だけど、この問題が香港だけでなく、日本でも渋谷の宮下公園で起こった排除などホームレスをめぐって同様の案件があったり、先に挙げたような人権が損なわれる案件にも繋がるので、これはもうずっと考えていかなければならない問題である、ということを映画が訴えている。
(この件については『星くずの片隅で』と合わせて紹介しているこの文章がわかりやすい)

非常に社会的なトピックを含んだこの映画だが、その物語を生きるキャストたちは豪華で誰もが印象深い。
ファイを演じるジャンユーはもう説明不要の大スターだし、ニヒルさも熱さも軽みも自在に演じ分けられる名優だけど、悲しみと諦観をたたえた微妙な表情にはこれまで見たことのないものがあったし、声高でなく自分の意地を見せて生き抜く姿が印象的だった。97年の『南海十四郎』で知られるベテラン舞台俳優・謝君豪は『毒舌弁護人』などの近年の香港映画で名アシストを連発しているし、同じく舞台出身の朱栢康も大活躍である(アキ・カウリスマキの兄ミカが監督したフィンランド映画『世界で一番しあわせな食堂』にも出演)若手ではセシリア・チョイ、ウィル・オー。セシリアは台湾映画『返校』にも出演しているし、来年初めには『燈火(ネオン)は消えず』の日本公開も控えている。ウィルも話題作への出演が続く注目の若手で、来年の亞洲電影大奬では劉冠廷や宮沢氷魚、タイのマリオ・マウラーと共に青年大使を務める。
そしてこの作品で映画界に復帰したロレッタ・リー。アイドル時代や三級片時代はあまり作品を観ていなかった…と思っていたが、アン・ホイ監督の『千言萬語』(99年)はさすがに覚えていた、というより、パンフレットの宇田川幸洋氏の文章で思い出された。あの映画もホームレス救済に尽力するソーシャルワーカーたちを描く作品であったが、登場人物の一人のモデルとなったイタリア人の甘浩望神父(映画ではアンソニー・ウォンが演じていた)がこちらでもご本人役で出演されていたのに後に気づいて驚いた。
ここで久々に『千言萬語』も再見したくなったし、92年の『籠民』も未見なので観たくなったのだが、リマスタリングされていたかな…

テーマはシリアスだが、ウェットであっても温かさと軽みも感じさせる。人の生きる喜びがその街には欠かせない。
大陸の影響を大きく受けてきている香港が香港らしさを失わないためには、そこに生まれて生きる人を大切にしていくことが必要ではないか、ということを考えながら、これを2023年の映画納めとして観た。
来年も楽しく素晴らしく、そして考えさせられる香港映画が1本でも多く劇場でかかり、多くの人に観られますように。

原題:濁水漂流/Drifting
監督・脚本・編集:ジュン・リー 製作:マニー・マン 撮影:レオン・ミンカイ 編集:ヘイワード・マック 音楽:ウォン・ヒンヤン
出演:ン・ジャンユー(フランシス・ン) ツェー・クワンホウ ロレッタ・リー セシリア・チョイ チュー・パクホン ベイビー・ボウ ウィル・オー イップ・トン 

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星くずの片隅で(2022/香港)

先日、地元の映画好き仲間たちが揃うクリスマス会に参加した。
某邦画にスタッフとして参加した経験を持ち、現在は地元TV局に勤務している若者に「『男たちの挽歌』的な香港映画でお勧めありますか?」と聞かれたので『ザ・ミッション』を薦め、トーさんの作品や無間道三部作でひとしきり盛り上がって楽しく話をした。香港映画の話もこれまであまりできなかったので、久しぶりに話せて嬉しかった。

「しかし、香港ではもうあんな映画は作れないんでしょうかねー」
彼にそう言われて、私は「まあねー、今香港の状況は厳しいけど、まったく作れなくなったってわけじゃないし。警察ものは作りにくくなったけど、その代わり弁護士ものも作るようになったしー」などと私見を述べて答えたのだが、人によっては香港映画はアクションであり、ノワールであり、成龍であり、李小龍であり、王家衛であり…というイメージで偏ってしまうのは致し方ないのかな、などと思ってしまう。

スターが揃う大作は中国との合作で、あるいはスターやベテラン監督が完全中国資本で撮るというシステムもすっかり定着してしまい、かつて成龍が言ったように「香港映画は中国映画の一部にすぎ」なくなってしまうのか…と危惧したこともあったし、なによりも反送中運動から国家安全維持法施行までのこの5年間の激動が映画も含めた香港の文化にどんな影響を及ぼしていくのか、不安で不安で仕方なかった。

しかし「香港映画」はそれでも残った。確かに派手なアクションもの等は撮りにくくなったが、若い監督たちが市井の生活を見つめ、苦難の中に希望を見つけるような作品が現れるようになり、ここ数年の大阪アジアン映画祭や東京国際映画祭から香港インディペンデント映画祭まで、大小さまざまな映画祭で上映されてきた。東京や大阪から聞こえてくるそれらの情報をうらやましく眺める日々がしばらく続いたが、やがてそれらの作品に配給がつくようになり、上京もできるようになったので、この夏に早速観に行ったのが今回取り上げる『星くずの片隅で』である。
今年の大阪アジアン映画祭では原題の『窄路微塵』で上映されている。

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 コロナ禍で静まり返った2020年の暗い香港。清掃業者のザク(ルイス・チョン)はワンオペ業務と一人暮らしの母(パトラ・アウ)の世話に追われる日々を過ごしていた。そんな彼の前に現れたのは、彼の会社のあるマンションに住む若いシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)。彼らは雑踏が消えた香港のあらゆる場所を掃除して回る。閉店した茶餐廳から郊外の邸宅、さらには特殊清掃事案(!)までと幅広く、マスクも容易に入手できる富裕層や小さなフラットで誰にも知られず亡くなってしまう貧しき人など、その仕事の間から香港で暮らす人々の様々な姿を見ることができる。そこに見えるのはよく知られている煌びやかな摩天楼の香港ではない。

ザクもキャンディもそれぞれ暮らし向きは楽ではない。特にキャンディは一人娘のジュ―(トン・オンナー)を抱えており、彼女を喜ばせるためなら何でもする。それこそ盗みも厭わないため、その行動が清掃業に大きなダメージを与える。ザク自身もキャンディを一度遠ざけたりもするが、お互い困っているのはわかっているから、それでも手を差し伸べる。キャンディもずるさこそあるが、決して根っからのワルではない。恋愛ともいうわけではない繋がりで二人が結ばれていくのが自然に描かれ、観ているこちらもその展開を受け入れられる。そんな二人の清掃業が決して順調には行かない、現実の厳しさも一方で描かれるのだけど…。
裕福にもなれず、ここから逃げ出して移民もできないが、それでも生きていく必然がある。屋上から二人が眺めるのが、精一杯働く人々がいる工業地帯であるのも印象的。
「世の中はひどい。それに同化するな」「不運も永遠には続かない」印象的な台詞も多く、しみじみとしながら現在の香港に思いが飛ぶ。

ザク(これは愛称で「窄」という字の広東語読みらしい。本名は陳漢發)を演じるルイス・チョンはこれまでバイプレイヤーとして活躍し、近年はこの作品や『6人の食卓(飯戲攻心)』などでの主演も増えてきている。過去の出演作には観た作品も少なくないけど、一番覚えていたのは4年前のTIFFで上映された『ある妊婦の秘密の日記』での愉快な妊婦アドバイザー役だった…wikipediaを見たら『風再起時』にも出ていたのだが覚えていない…そして待機作には来年の賀歳片《飯戲攻心2》がある。

昨年の金馬奬と今年の金像奬で最優秀主演女優賞にノミネートされたアンジェラ・ユン。
初見はジェニー・シュン&クリストファー・ドイル監督、オダギリジョー共演の『宵闇真珠』だった(当時の感想はtwitterのみだったのでリンク参照)儚げでそれでいていい存在感のある役どころで印象的だった。

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モデルとして活動し、日本でも銀杏BOYSのCDジャケットや川島小鳥の写真集に登場しているそうだけど、なんといってもこのMVがかわいい。

映画公開に先立つタイミングで発表されたVaundyの「Tokimeki」MV。モチーフはオズの魔法使い。ちなみに演出は『とんかつDJアゲ太郎』『真夜中乙女戦争』の二宮健監督。
10年くらい前は若手女優不足が気になってた香港映画界だが、彼女やハンナ・チャン、ジェニファー・ユー、ステフィー・タン等次々といい女優が登場しているのはうれしいところ。

監督は『少年たちの時代革命』の共同監督でデビューした林森(ラム・サム)。この映画は例によって香港では観られず、『時代革命』『乱世備忘』のようなドキュメンタリー同様に香港の現状をストレートに伝える作品(と書いているが残念ながら観る機会がなかった…いつか観れたら感想書きます)時代革命周辺を映像で伝えた作品群からは多くの若手映画人が登場しており、彼もその一人。国安法の施行でストレートな社会批判がしずらくはなったが、それでもこの街のことを、自分たちの現在を伝えたいという気持ちがあるし、この街の映画ファンたちもそれを支持するのだろう。私もそれを支持したい。

しかし残念なのは、せっかく配給がついて日本全国で公開されたのに、私の住む岩手県では東北で唯一劇場公開されなかったこと。隣県の秋田では上映されたものの観客が少なくて…というtweetをみかけてがっかりした。確かに展開的にはしんどいところもあるし、香港の社会状況も先日のアグネスの件のようなニュースくらいでしか注目されなくなったしで、普段香港や香港映画をよく知らないという方々にどうアピールしたら考えてしまうところ。
それでも、私はこの映画をスクリーンで観たい。そしてこの映画への思いを地元で一緒に観る人とシェアしたいと思っている。せっかく上映権があるのなら、どんなにささやかでもいいから上映会をしてみたい。それほどにほれこんだ映画だった。

原題:窄路微塵(The Narrow Road)
監督:ラム・サム 脚本:フィアン・チョン 撮影:メテオ・チョン 音楽:ウォン・ヒンヤン
出演:ルイス・チョン アンジェラ・ユン パトラ・アウ トン・オンナー チュー・パクホン

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新寶島見聞録【3】台南編

高鐵台南駅から市街地へ

ここまでのミッション
①新しい茶楼に行く
②熱炒で三杯小巻を食べる
はクリア。

そして次のミッションは
③台南へ行く

もうこれだけでミッションは完遂であった。

…いいのか、それで。

高鐵台南駅には6時前に到着。台南の天気はあまりよくないと聞いていたので、車窓をずっと眺めていたが、南下するにつれて雲が立ち込め、雨だれが落ちてきた。
いつもならそのまま台鐵に乗り換えてしまうのだが、今回は市街地までの高鐡シャトルバスH31を利用。
高鐵駅からは市街地を経由する台北市政府までのバスがあるのだが、前回と今回の宿泊地である艸祭Book innはこのバスが泊まる孔子廟の近くにある(バス停名は建興國中)
バスだとだいたい35~40分ほどかかるが、高鐵→台鐵(25分)でも台鐵台南駅からタクシーを使う距離なので、待ち時間を考慮してもバスの方が利便性がよいと、前回の帰りで利用して気づいたのであった。

高鐵駅のバスターミナルを6時に出発し、先ごろ亡くなった許文龍氏が創業した奇美食品公司の美術館、奇美博物館や台南空港(空軍台南基地兼用)等を経由して、6時半過ぎに宿に到着してチェックイン。

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3度目の投宿で、今回初めて女性専用フロアに宿泊。奥のギャラリーに面した階段から登って3階にあるため、キャリーをもって上るには少し難儀するが、奥にこんなに広くて天井が高いスペースがあったのか!と驚いた。ただ、宿泊客は思ったより少ない。複数のベッドのある個室には、家族旅行らしいグループが泊まっているのを見かけたが、それ以外の女性のドミトリー客も多くなかった。もちろん多くても諸々のリスクは上がるし、私自身も他の客とは必要最小限のコミュニケーションを取ればいいと思うタイプなので、少ない方がいいのだけど、それでも寂しいなあ…。

台南で香港を見つける(1)秘氏珈琲

何度も来ているのでわかってはいるが、台南の夜は早い。
そして8時には主要なお店はみんな閉まってしまい、後は熱炒やバーなどフード以外のお店の営業だけになってしまう。
この4年間、健康上の理由で酒を飲むのをやめたので、バー系のお店にはもう行けない。でもお腹は空いているから…と、ぽつぽつ雨の降る中、台南の台所である國華街を目指して歩いた。
案の定、主要なお店はもう閉店の準備をしていた。それでもここに来たのは、永楽市場の2階にあるカフェ、秘氏珈琲に行きたかったからだ。
この店は4年前から約1年台南に留学していた台カル研のIさんに紹介してもらったのだが、それまで何度も足を運んだ場所なのに、さすがに2階まで行くことがなかったので、まったく知ることがなかった。ああ、なんともったいない…

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カウンター席は満席だったので、2階(実質上3階)席に上がると、見覚えのある壁紙やら赤いランプシェードやら。撮影に失敗したから載せられないけど、花様年華のソフトも置いてあってテンションが上がる。

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そう、この雰囲気は古い香港。ここは台北の師範大学の近辺にある秘氏珈琲の支店でもある。

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例によってコーヒーは飲めないので、それ以外でメニューを探したら、プーアール茶があったのでオーダー。しばらく経つと、マスターがサーバーに並々と注がれたプーアール茶とガトーショコラを持ってきてくれた。ガトーショコラは全然甘くないので、おそらくビターカカオを使っていた様子。プーアール茶は黒く濃かったが、香港の飲茶レストランで飲めるあの味を思い出させるので、とにかくうれしくて何杯も飲めたし、残すのももったいなくてタンブラーにも詰めた(!)

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カウンターに下がってマスターにプーアール茶の美味しさを褒め、お礼を言ったら、そのお茶を分けてもらえた。これは予想外で嬉しかった。看板猫もいた。今回はゆっくりできなかったけど、次回はカウンターでマスターともっとお話ができたらいいな…と思い、店を後にした。

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市場を出たところでも猫さんに遭遇。台湾各地の街には犬が落ちていると言われるくらいだが、最近は猫を見かける方が多い。

そんなふうにしみじみしながら宿に戻ったが、やはりお茶とケーキだけでは空腹は収まらず、宿近くのセブンイレブンでレトルト粥を買って宿のキッチンで食べることに。
帰宿して、フロントスタッフさんに「晩餐何食べたの?」と言われて粥を見せたらものすごく気の毒がられてしまった…。でも、この4年間ずっと戻りたくて仕方がなかったので、食事よりもここにいられることがまずは嬉しかった。
ドミトリーの消灯は10時とこちらも早め。疲れもあるので、それに合わせて早く寝ることにした。

8月8日(火・4日目)

目覚めたのは朝の5時。
まだ夜は明けていない。
いや、明けていないどころか、窓の外からは明らかに激しく降る雨音が。

この時期は、大型の台風が台湾付近に停滞していたころ。だから旅の最中におそらく一度は大雨にあたるだろうという嫌な予感があった。そしてその予感は的中した。
もともと4日目は予定もちゃんと立てておらず、天候次第で動くつもりであった。雨の降り方も降ったりやんだりの亜熱帯気候特有の降り方。この時期の香港でもお馴染み、いやそれ以上に激しく降っていたので、午前中は宿に滞在してこれまで汗を書いてきた衣類を洗濯しながら、映画を見て過ごすことにした。

かつて宿では早餐のサービスがあったのだが、コロナ禍もあったのだろうか、そのサービスもなくなっていた。ということは宿泊客は自前で早餐を取らねばならない。
かつて素泊まりのホステルに投宿した際は、近隣に牛肉湯の店があり、サバヒー粥を食べに行ったりしたが、雨の降りがひどいので近場で済ませたかった。ということで、宿の並びになる克林台包で肉包とペットボトルの烏龍茶を買い、キッチンでフリーフードのクラッカーをもらって食べた。件の家族連れは大きな肉包を蒸し器で温めなおして家族で分け合って食べていた。うらやましかった…。

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宿では洗濯機が9時半から使えるので、屋上のランドリースペースに上がって、これまで着ていた衣類をすべて洗う。使い慣れない液体洗剤やコインの入れ方に戸惑ったが、スタッフさんをつかまえて両替してもらってなんとか起動。2回に分けて洗ったのでトータルは1時間半くらい。
待ち時間は映画を観ようと思ってプライムビデオのアプリを起動したが、DLしたはずの無料作品が再生できない。ああ、そうか。無料作品は各国で異なるから、国境をまたぐとそれが無効になるのか!でも有料でレンタルしていた『運命のマッチアップ』は生きていたので、それを観ることにした。

王家衛プロデュースで『共犯』『光にふれる』を撮ったチャン・ロンジー監督作品。いずれも青春ものだけど、この2作とは趣を異にしていて面白い。バスケットボール台湾代表になった実在の兄弟選手をモデルにストレートな青春映画。中学でのトラブルと父親の失踪がもとで進学とバスケを諦めた二人がそれぞれ別の高校にスカウトされ、高校リーグで勝ち上がっていく筋書きはあまりにもオーソドックスだけど、耳の障害を抱えながら弱小校で頭角を現す兄と強豪校で実力を発揮する弟のコントラストとそれでも強く結びつく兄弟愛がとてもよろしい。
音楽もカッコいいよ。

私はまだまだ台南を知らない

昼近くになって雨が小やみになったので、外に出た。
ここ数年台湾に来ればだいたい台南に寄っているし、赤崁樓や安平等主な名所には行ってしまっている。あと行ってみたかったのは遠方の國立台湾歴史博物館や玉井などだが、どちらも行くのには時間がかかる。だからまだ足を運んでいない知事官邸生活館に行き、ついでに成功大学方面を散策することにした。

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ここはかつて昭和天皇が皇太子時代に台湾を訪問されたときに宿泊された建物である旧台南州庁。
かなり年季の入った木造建築で、階段を歩く時にも注意が必要だったが、20世紀初頭からの歴史を感じさせる建物である。
2階はギャラリーになっていて、多分期間限定で陶器の展示販売が行われていた。

そのまま成功大学を目指したが、天気は好転し暑さと日差しが戻ってきたので、学内の散策は諦めた。次行けるかな…

台南で香港を見つける(2)檀島香港茶餐廳

調子に乗って成功大学からずんずんと歩き、1時間経ってたどり着いたのが巨大ショッピングモール、南紡購物中心
ここは台南最大のショッピングモールで、もちろん誠品生活も入っている。
時間も午後2時を過ぎ、午餐というよりおやつになってしまうな…と思いつつショップリストを眺めていると、「檀島」という懐かしさを感じる文字に出会った。香港でよく入った檀島珈琲の海外展開店(多分)、檀島香港茶餐廳である。新光三越等デパートやショッピングモールに多く出店しているらしい。

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ここに来て注文するのはもうこれしかない。既にカロリーやコレステロール値を心配する年頃になってしまったが、それでも食べたい菠蘿油。
重ねて言うが、これは決して台湾メロンパンではない。香港メロンパンとも呼ばないでほしい。
飲み物はもちろん冰檸檬茶。
これだけでは当然足りないので、蝦餃も注文した。こういう点心があるのが海外展開店の強みだよね。

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台南は既に私の心のご近所と化しているが、もちろん香港にだって心は置いている。今はあんな状況になっているし、私の愛した風景も失われつつあるのは承知だが、好きな街(台南)で好きな街(香港)のことを思いながら久々の味を堪能した。
そういえば、数年前のことだけど、台南には香港から移住した人が割と多いという話を聞いた。
実際に香港出身の人たちと知り合いになる機会はなかったけど、もし出会えたら台南のどこが気に入ってるのかというのを聞いてみたいところ。

そしていつもの街角へ

南紡のエントランスからタクシーを呼んでもらって、今度は林百貨へ。やはりいつもの場所に行かねば。
ここでお土産等を購入し、これまたいつもの街角である正興街を目指す。

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4年前に訪れた時はリノベ工事が始まったばかりだった西市場。外見はだいぶ復元されていたけど、この時点では完全復活という感じではなかった様子。内部の布市場は通常営業だったので少し冷やかす。
この近辺ではかつての佳佳西市場旅店(2018年夏閉館)が新しいホテルへと改装されつつあったのと、特有種商行の台南店が閉店していたのを確認。

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全美戯院のアドトラックは李安監督の作品の看板で飾られていた。
全美の看板職人さんの仕事にも今注目が集まっているらしい(その一人、顔振發さんについての記事はこれ

いつまでもここにいたい、台南の夜

陽も傾いてきたので帰宿することに。でもその前に、喉も乾いたので宿近くの莉莉水果店で果物を買った。

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ここは宿のロビー(飲食可)
ブックカフェな雰囲気を楽しみながら味わった。
めったに食べない黄色いスイカはテンション上がるよ。

晩餐はテイクアウトすることにして、ガイドブックで見つけた肉伯火鶏肉飯まで歩いて買いに行った。

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うん、これは失敗がないチョイス!
でも帰宿してこれを見せたら、スタッフさんに「あそこはチェーンだよ。聞いてくれたらもっと美味しいお店が近くにあったら教えてあげたのに」と言われてしまった…先に聞けばよかったのかー!
でも鶏肉飯も美味しかったからいいか。今度は必ず教えてもらおう。

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晩餐の後はしばし散歩。
その後は宿に戻ってラウンジでお茶を飲み、ジャーナルをまとめながらベランダから外を眺めていた。

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光って見えるのは、4年前にオープンした台南市美術館2館。

私が台湾で一番好きな街である台南。来る前はあそこに行って買い物して食べて云々といろいろ考えるのだが、こうして来てしまうと、ただ来られただけでもう満足してしまうし、今回のように雨に降られてどこにも行けなくなってしまってもそれほど不満に思ってない。明日帰国するのは本当に残念だけど、できることならいつまでもここにいたい。

そんなふうにぼんやり考えながら熱風にあてられてたら、ドミの消灯時間が近づいてきた。7時台の高鐡を予約しているので、朝6時のシャトルバスに乗らなければならない。急いで戻って荷物整理をし、11時に寝た。

8月9日(水・5日目)

前日の夜から雨は降りだしてはいたが、5時に目覚めた時には大きな音を立てて激しく降っていた。
同じ時期の香港でも見られる短時間のスコールのような雨。これはタイミングを見て出ていかなければならない。

そして出発の朝

シャトルバスは6時10分発。雨が小降りになったので、6時前にチェックアウト。

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また泊まりに来るよ、艸祭。それまでまだここにあってほしい。

高鐡台南站に着き、バスから一歩降りたら猛烈な雨が降ってきた。咄嗟に傘を差したけど、足元は当然びしょ濡れ。建物に入って間もなくすぐ止んだので、タイミングが悪かったとしかいえない。
早餐は駅でテイクアウトして高鐡で食べよう、と1階のモスバーガーに並び、ここはやっぱり台湾オリジナルの朝モスメニューだよねーとオーダーしたら、バーガー類は時間がかかると言われたのですぐ出してもらえるエビかつサンドイッチにした(これも日本では食べられない台湾オリジナルではあるはず)薬も飲むのでセブンでミネラルウォーターも購入。

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曇ってはいるが、北上していくと空は明るくなる。もう雨の心配はなさそうだ。
定刻に桃園に着き、MRTに乗り換えてフライトの2時間半前に空港に入り、いざチェックイン…とカウンターのボードを見て気が遠くなった。

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フライト時間が1時間遅くなっている…。荷物は多いし、何して待っていればいいのだオレよ…あ、充電すればいいのか。
と、カウンター前のバッテリーチャージができるベンチに陣取って1時間待った。
荷物を預けて軽くなったら、到着ロビー地下の7-11まで行ってWi-Fiを返却し、すぐ戻って保安検査を受けて出国。
そして街中では買えなかったお土産を買いに、搭乗開始時間を気にしながら搭乗口よりかなり離れた売店までダッシュしたのであった…。

飛行機は定時より1時間遅れ、13:30くらいに離陸。
午餐は虎航機内食の定番、焦がし鶏肉飯。
プライムビデオも観られなかったので、持ってきた文庫本を読みつつウトウトしながら過ごしていた。

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花巻には6時40分くらいに到着。ちょうど陽も暮れた頃。
土曜日に昼にデッキの反対側から見た風景を、今度は機内から見た。
歓迎ありがとうございます、花巻温泉の皆さん。

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盛岡行きのバスは19時30分発というので、乗車して待っていたところ、バスの前で台湾人家族が困っているようだったのでどこへ行きたいか聞いたところ、花巻の市街地に行きたかったらしく、このバスで花巻空港駅前で降りて一関行の東北本線に乗れば市街地まで行けることを中国語で教えてあげた。台湾人旅客はほとんど団体だったようだが、個人客でも来る人がいるのはなぜか嬉しく感じた。
盛岡に着き、晩餐して帰宅したのは21時過ぎ。自宅にたどり着いて4年半ぶりの台湾旅行はこれで完結。

離れても、私の心は台湾に

4年ぶりに訪れた台湾。変わっていないようで変わったし、以前ほど気楽に行けるわけではなくなったというのがこの旅での総括である。
特にエアチケットの高騰がなんといっても痛かった。日本では物価も高騰し、サラリーも上がらずと家計に打撃を与える要素はやはり多く、加えて円安と戦争による燃料費の高騰等も要因ではある。来年の春にまた行けるかどうかと思い、虎航とよく使っていたANAで3月下旬のエアチケットを調べてみたら、今までではもう信じられない価格が出てきて絶句した…。台湾人旅行客の日本人気は相変わらず、むしろコロナ禍以前よりも来日は増加しているのは実感できるのだけど、日本からの来台客は逆に少なくなったそうで台湾側は来て来て!とアピールしているそうだ。でもさ、こんなにエアチケットが高ければ気軽に行けないですよ、ホント…。

そんなわけで、今度行くとしたらまた来年になるか、あるいは再来年になるかという具合である。
その間、また何か世界的に大きな事件があったりしたら困る。もちろん俗にいう「台湾有事」なんていうのも御免だ(ただ、日本の一部のいわゆる「識者」たちは中台間のこれまでの歴史やスタンス等をあまり深く考えずに台湾有事云々と言っているように感じて複雑な気持ちになる)安心して海外に出られるように願うし、そのためにはやはり戦争なんかやってはいけない。もちろん台湾有事をあおってはいけない。

せっかく自由に行けるようになっても、こんな感じでまた物理的に離れてしまいそうだが、それでも私の心は台湾に置いておきたい。
というわけで、台湾旅行記はこれにて完結。

(近日、この記事を基にして台湾旅行記ZINEを作成。
詳細は後日UP)

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新寶島見聞録【2】台北編

8月6日(日・2日目)

5年ぶりの台北の朝。
暑そうだった。
当然である。

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合星青年旅館(以下ホステル)では朝食が提供される。朝8時と比較的遅めだが、さすがに外出してどこかの早餐店で食べてもう一度…とかいう元気も暑さで喪失気味なので、時間まで待ってiPhoneとプロテインシェイカーを携えてロビーに降りた。

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早餐はビュッフェスタイルで、主食(この日はミニハンバーガー)タマゴ・ミニ焼き芋・サラダ・フルーツ。お茶は当然天仁茗茶の烏龍茶ティーバッグ。

小隱茶庵で猫とともに

この日は中部に住む弟と会う日。
ここしばらくは台南まで来てもらっていたのだが、本人の希望で久しぶりに台北で会うことに。ホステル近くのスタバで待ち合わせし、お茶等の持ち帰り荷物と依頼されて持ってきた荷物を引き換え、一度ホステルに置いてきてから予約していた小隱茶庵の信義店へ移動。

ここは今年発行されたブルータスやhanakoの特集号で紹介された新しい茶楼。
東門にある本店が有名だけど、宿に近いし象山公園も散歩できるかな…と思った(だが、日象山は高低差が大きい場所だから酷暑に散歩は自殺行為だぞと弟に言われて散歩はギブアップ)googleマップでルートを調べたら、現在地からバスでの乗り継ぎが便利とあってそれに従ったが大失敗。降車場所を間違えて散々歩き、予約時間に遅れてのチェックインとなった。MRT板南線で忠孝復興→文湖線で大安→淡水信義線で象山(終点)のルートを使った方が、地上でバテることなく快適に行けたのに…

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お茶は金萱茶をチョイス。フードメニューもあったので、炸醬麵を注文した。
レトロな内装でいい雰囲気だけど、BGMがJ-POPだったね…まあ好みはそれぞれですが。
自分のペースでお茶が飲めるのがありがたかった。

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ソファーでは看板猫さんがのんびりまどろむ。おとなしくて人馴れしててかわいかった。

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楊德昌(エドワード・ヤン)との邂逅

制限時間いっぱいまで弟と近況をあれこれ語り合って、2時過ぎに店を出た。次は象山駅から淡水線に乗り台北市立美術館へ。エドワード・ヤン(以下ヤンちゃん)の回顧展《一一重構:楊徳昌》を見た(内容はこちらのレポートをご参照あれ)。
2007年に彼が亡くなって15年以上が過ぎ、日本でも作品がなかなか観られなかったけど、牯嶺街のリバイバルのヒットから旧作のリマスター版が次々に公開され、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督が敬愛する監督の一人としても知られることになり、ヤンちゃんの再評価が高まったのは本当に喜ばしいこと。監督作品に関わる資料がほぼ全て展示され、日本公開時のポスターやプレスや雑誌まであって、非常に見ごたえのある企画。いろいろ見入っては観た当時のことも思い出したし、それに夢中で写真はあまり撮れなかった…。

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数少ない写真。牯嶺街の国際版ポスターその1

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牯嶺街国際版ポスターその2。両方ともフランス版か。

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『恐怖分子』のあの場面の再現

一方、台湾生活トータル10年とはいえ、連れの弟は台湾映画には親しくない様子。ホウちゃんは知っているしついでに王家衛作品は『花様年華』が好き(姉とはことごとく好みが違うのにこれだけはなぜか一致)だけど、映画はもちろんヤンちゃんの名前すらも知らなかった…まあ、そんなものか。
でも、ヤンちゃんが手塚治虫ファンで漫画家を目指していたという点で興味をひかれたようで、各作品の絵コンテやイメージスケッチ、『エドワード・ヤンの恋愛時代』のために描いた各キャラのスケッチや自画像にはしっかり注目して「かわいい!上手い!キャラクターグッズにしたら売れるよね?」と感心していた。

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これは美術館でもらった、新北の國家電影及視聴文化中心で同時期開催のレトロスペクティブのプログラム。
このイラストを使用した特製グッズもあったのだが購入せず。台北滞在時にも上映がなかったので行けなかったし。

日曜夜の遼寧街で

ホステルに戻り、ドミトリーに入ろうとしてカードキーをドアにかざしたら、開かない。不思議に思ってロビーにある受付に行ったところで、ちゃんとチェックインしてなかったことを思い出した…。宿代を払ってキーを有効化してもらい、やっとドミに入れた。

今回の旅のミッション①は「新しい茶楼に行くこと」だったので、昼でクリア。次なるミッションは「熱炒で本場の三杯小巻を食べること」。
3年間に渡る渡航自粛期間の影響で台湾料理を作ることにハマり、フレッシュバジルが手に入る夏場には三杯雞や三杯菇を作るのが定番になった。しかし、残念なことに、私は台湾で三杯雞や三杯菇を食べたことがなかった。つまり、本場の味を知らずに作っていたってわけ。それなら次の台湾行きで三杯料理を何か食べよう!と思い立った。というわけでミッションその②に取り掛かる。
目指すは我が心の遼寧街!(BGMはもちろん「Happy Together」)

遼寧街の夜市は日曜休業の店が多いのだが、日程の都合上これは仕方がない…と思ってたら、海鮮を専門とする来来活海鮮を見つけ、店先のメニューに三杯小巻があったので、ここで食べることにした。

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三杯料理に使う九層塔(台湾バジル)は日本のそれとは明らかに違う味わいことが分かった。
そしてこれ以外は頼まなかった。他に食べたらお腹いっぱいで帰れなくなりそうだったので(笑)

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でもデザートは何か欲しいと思い、開いてた豆花と芋圓の店で緑豆豆花をテイクアウトしてホステルで食べた。

帰りがけ、東區地下街のドラッグストアで買い物した帰り、いきなり「あなたのバッグ可愛いわね」と若いカップルに声をかけられた。中国語で返したら妙に盛り上がり、なぜかLINEを交換する羽目に。その二人は新竹から台北まで遊びに来ていたそうで、これは今度新竹に行った時に声を掛けて遊びに行けばいいのかな?と思った(その後勝手に変なグループLINEに追加されたが、よくわからなかったのでさすがに拒否したけど。その後、彼らはたまーにメッセージくれます)

8月7日(月・3日目)

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早餐はトースト、蛋餅とソーセージ、そしてサラダとフルーツ。

この日は午後から台南へ移動と決めていた。当初は貓空に行く予定を立てていたが、説明不要の酷暑のため、これまであまり歩いてこなかった街中の散策に切り替え、松山文創園區(以下松菸)へ行った。

國父紀念館でMRTを降りるとすぐ、当時建設中の台北ドームに行き当たった。そこから少し歩くと松菸の入り口に行き当たる。
実は当初、ブルータスで見た不只是圖書館に行きたかったのだが、あいにく月曜が定休日とのことで結局かなわず。とりあえず外から眺めて次回の再訪を決意。隣接する誠品生活松菸店ものぞいてたらあっという間に正午に。
午餐どうしよう…と悩んで赤峰街に向かった

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しばらく歩き回って選んだのはMiss V Bakery Cafe
チキンパニーニのセットをいただいた。

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お茶は水出しの烏龍茶。一般的なカフェにもこういうメニューがあるのは嬉しい。

その後、弟から教えてもらった蘑菇の店舗に初めて行き、あれこれお買い物。
これでだいたい満足したので、ホステルに戻った。

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ホステルのロビー。個室風スペースもあって居心地が良い。ビジターも面会等でここまでは入れる。

高鐡3日パスの旅

ここしばらくの私の台湾旅は台南がメインになるので、必然的に高鐡を使うことになる。今回は後半2泊が台南なので、外国人旅客向けの台湾高鐡3日パスにトライしてみた。取り方は出発前日にSNSに流れてきたこちらのページを参考にした。オンラインで乗る高鐡の予約までしようかと思ったけど、窓口引き換えを体験したかったので、窓口で予約して発券してもらった。平日で混雑していなかったこともあり、すぐ取れてよかった…のだけど、3列席の真ん中だったので、キャリーの置き場に困ったことを記しておく。

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台北駅にて。日立の家電の代言人を務めてた五月天。街中で見かけたらそりゃ撮るよねー(笑)

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というわけで五月天に見送られ(嘘)天仁茗茶のスタンドで四季春を買い、それを持って台北を後にしたのであった。

(続く。次回で完結)

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新寶島見聞録【1】準備~台北到着編

8月5日(土)から9日(水)に、実に4年半ぶりに台湾に行ってきた。

blogを始めてこの方、毎年香港か台湾には行っていたのだが、この3年間、海外どころか長期の帰省もまともにできない状態だった。それほどまでにコロナの打撃を受けたのだが、幸い何とか感染せずにここまで来た。5類引き下げを前にした今年の春くらいから関東にも行けるようになったので、マスクをつけての行動やこまめな手洗いや消毒などに気をつければ海外にも行かれる。だから行くことにした。

2020年2月末から運休していたタイガーエアの花巻台湾便が5月から復活し、先だって2月下旬にバーゲンセールを行っていた。当然喜び勇んでバーゲンでチケットを買おうと思ったら、あっという間にバーゲン終了。それにもめげずに上記の日程のチケットを予約したのだが、LCCなのに定額の購入金額がフルキャリアとほぼ同額というのはいったい何なんだ。それは円安だからだ。まあ、成田や羽田へ向かう往復の新幹線の運賃を合わせた金額だと思ってあきらめ、その分宿代は節約してドミトリーにした。
当初20年3月に台湾行きを予定していたときは、初日と離台前日に台北に泊まり、真ん中は台南に2泊するつもりだった。しかし今回は前半に台北2泊、後半に台南2泊で、最終日は早朝に台南から桃園を目指すこととなり、駆け足のスケジュールを組む羽目になった。それでもよかった。とにかく台湾に行ければよかった。

そんなわけで、史上稀にみる猛暑の日本を脱出し、猛暑から豪雨まで目まぐるしく変わる天気の台湾を北から南まで旅し、見て聞いた記録を始めよう。

旅の前に用意したこと

まずは移動中のエンターテインメント。
私の旅には本が欠かせない。旅先に合わせて本を選ぶということもあったが、今回は積読していた文庫本をお供にした。いずれも日本の小説。
タイガーエアはLCCなので、座席にモニターはない。フライト時間は約4時間なので、1時間半の映画なら2本は観られる。というわけで、手持ちのiPadにprimevideoから台湾映画をダウンロード。選んだのは次の4作品。

 ・悲しみより、もっと悲しい物語
 ・狂獣
 ・High Flash 引火点
 ・運命のマッチアップ

このうち上の3作品はprime会員は無料鑑賞&DL可で、友人にお勧めされた『運命の…』は有料レンタル。
長時間移動が多いこの旅で、果たして全作品観られたかどうか?結果はまた後ほど。

さて、荷物はどうするか。
LCCの荷物預け入れは有料。以前行きだけ預けないケースで行くことを試みたが、持っていったキャリーが機内持ち込みサイズを超えてしまったので、約5,000円の追加料金を払った経験がある。今回は毎回恒例の弟からの荷物持ち帰りミッションを受けていたので、往復共に預け入れ料金を払った。
持っていくキャリーはここ10年ほど香港や台湾に持っていっている1週間程度の旅の荷物が入るもの。弟からは冬物の衣類やお茶類の持ち帰りを頼まれることが多いが、その量もこちらの予想以上なので、半分以上はその荷物で占められることを予想した。だから、キャリーの半分以下に自分の荷物を抑えることが課題となる。では、いかに荷物を少なくするかといえば、滞在先で洗濯できるように衣類を減らすのが一番。加えて夏場なので、ノースリーブ数枚に軽いブラウスという組み合わせにした。冷房も厳しいのでカーディガンも持った。
移動時はリュックサックにiPadを詰め、貴重品は街歩き用の軽いショルダーバッグに。足元はビルケンシュトックのサンダルのみ。

私のiPhoneはまだsimフリーではないので、これまでは日本でWi-Fiルータをレンタルしていった。しかしサイトで試算したら、やはりレンタル金額は高くなっていた。ここ最近は海外のパケット放題も定着したとは言うけど、やはりポータブルWi-Fiがあった方が安心する。そんな時、台北ナビで現地レンタルのiVideo割引キャンペーンを行っており、プランを確認したら日本で借りて出るよりもずっと安かったので予約して申し込み。空港内のセブンイレブンを引き取り場所に指定した。

そして今回はTHSRの移動のために、今まで申し込んだことのなかった台湾高鐡3日パスも予約してみた。

以上のように準備をして、出発日を迎えた。

8月5日(土・1日目)

自宅から一番近い空港はいわて花巻空港。ここから出国して台湾に行くのは、5年前(2018年)の夏以来2回目。
この空港自体は飛ばない時でも仕事で何度か来たことがあったし、9年前の冬の台湾と4年前の春の香港でそれぞれ関空からフライトする時の出発で使ったことがあるので、もうすっかり馴染みの空港である。

地方空港からの出国

盛岡からのアクセスは鉄道と直通バスがあるが、バスも駅に寄ること、各フライトに合わせたダイヤが組まれていることからバスを選択。台湾便は団体利用が多いせいか、公共交通を利用する個人旅客は少ない。でも盛岡から花巻までは東北道を利用するので、快適に移動できる。

到着して団体に交じってチェックインカウンターに並ぶが、ここでトラブル発生。予約時に申し込んだ名前のアルファベット表記がパスポートと逆だった。以前エクスペディアからエアチケットを購入した時も同じトラブルで訂正されたことがあったが(それ以降エクスペディアを使わなくなった)どうやら久々の予約で入力し間違えたらしい。ここで30分ほど時間を食ったが、何とか訂正してもらえた。LCCはフライト2時間半前に空港に来ることとよく言われているが、こういうこともあるからか。これが国際空港だとここからボディチェックや出国審査でさらに時間が取られ、焦りながら搭乗することになるが、ここは小さな地方空港なので施設は小さいし、多少時間を取られても大丈夫。
無事チェックインと手荷物の預け入れが済んで移動。売店をのぞく用事もないので、暑い中(!)展望ロビーに行って外を眺めたりしていた。

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展望ロビーの階から、待機場と反対側にある山々を眺める。多分花巻温泉のある側

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台湾便の到着時にはいつもお出迎えしている花巻温泉の皆さん。5年前の夏にもお見かけした。

面白かったのは、出発ロビーでボランティアの若者から手荷物に入れる液体物袋を渡されるときに、中国語で話しかけられたこと。時間帯的に台湾便の旅客が多かったからかもしれないが、個人旅の台湾人客に思われたのかな。この頃は地元のさんさ踊りから青森ねぶた・弘前ねぷた・秋田の竿灯など、東北の夏祭りシーズンのピーク期で台湾人ツアー客が多かったが、同じ便に乗る日本人は家族連ればかりでソロはどうやら自分だけだった様子。

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飛行機は定刻通り18時前に離陸。

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予約していた機内食はベジタリアンのキノコ炒め。味はまあまあ。

行きの機内で観た映画は『悲しみより、もっと悲しい物語』。韓国映画のリメイクだけどオリジナルは未見。
高校時代からひかれあいながらも恋愛関係ではなく良きパートナーとして関係を築いてきたK(劉以豪)とクリーム(アイビー・チェン)の、お互いを思いやるあまりに自らの気持ちを抑え込んで取った各々の行動とその顛末に悲しくなった。だからこの題名なんですか(泣)オリジナルではさらに悲しいのだろうか。

 

桃園MRTで台北へ→ホステルへチェックイン

21時に桃園に着陸。真夏の台湾は5年前に続いて二度目だが、なんとなく暑さの質が違うように感じる。
予約していた合星青年旅館(スターホステル台北イースト)はチェックイン対応が22時30分まで、それ以降にインするならDMしてほしいと言われていたので、到着後すぐDMを送ってセルフチェックインの手続きをしてもらった。

桃園空港は広い。もし自分が若くて手荷物だけだったら、降機後ダッシュして入国審査を速攻でパスし、預け荷物受取場を華麗にスルーして1階のセブンイレブンに寄ってルーターを受け取り、すぐさま桃園MRT(以下空港線)ターミナルに行って直達車(以下快速)に乗れたら、なんとか22時30分のチェックインに間に合ったのだろうけど、果たして現実は厳しかった。入国審査は激混みだし、預けた荷物はなかなか出てこないし、セブンイレブンでは並んだし、悠遊卡のチャージも忘れてたし、開き直ってチャレンジしたこのキャンペーンはやっぱり外れたし、挙句の果てにやっとのことでたどり着いたプラットホームではタッチの差で快速に乗り遅れた…この時点で21時50分くらい。
はい、これはもうのんびり行けってことですね…というわけで10分後にやってきた普通車に乗り、50分かけて台北まで行った。

空港線の台北駅ホームは、駅の北側にある。開業当初、他のMRTに乗り換えるのに距離があって不便というのをよく聞いていたのだが、東京駅や大阪駅で乗り換えに歩くのに慣れていることもあって(地方暮らしももう30年なのに!)言われているほど不便には感じなかった。ホステルがある東區までは板南線で移動し、忠孝敦化で下車。忠孝東路の路地を入ればすぐ場所が分かったし、セルフチェックインも難しくなかったので、寝床であるドミトリーまでは容易にたどり着けた。よかった。
消灯後で暗かったので、寝ている人に注意して荷物を片付け、ロビーに降りて翌日の準備をあれこれしてから就寝。

(続く)

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【香港映画祭2023Making Waves】ブルー・ムーン/風再起時

香港映画祭の感想、後半です。

ブルー・ムーン(2023/香港)

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この映画祭がワールドプレミア。監督は脚本家出身で2016年の《幸運是我》で監督デビューしたアンディ・ロー。
コロナ禍の香港を舞台に、24歳の女子美珍(グラディス・リー)が経験する仕事や恋や家族のいざこざのあれこれ。
結婚して家を出て、倉庫で小さな会社を営む兄(チャン・チャームマン)と義姉との不仲、美珍が生まれてすぐ父と離婚したという母(ロレッタ・リー)の抱える秘密が全編の鍵。

コロナ禍での市井の人々の生き方を描いて高く評価された映画といえば、今年日本で公開された『星くずの片隅で』が真っ先に思い出される。エッセンシャルワーカーから見た香港の姿を描いていて、私も夏に東京で観てきてとても心に沁みた。(地元上映での再見を楽しみに待っていたのだが、東北地方では唯一岩手だけ上映されずに大泣きした。配給権が切れないうちに自主上映したいので地元の方ぜひご協力をお願いします>業務連絡にて失礼)この映画と比べられてしまうかな…とも思ったけど、現代の香港を生きる若い女性の日々を静かに描いた、どこか日本のインディーズ映画のテンポを持つような作品だった。撮影中にも是枝裕和監督作品っぽいなどと言われていたそうで、ロー監督には「羅耀裕」などという是枝監督にちなんだニックネームがつけられていたとか。なおロー監督は山田洋次のファンとのこと。

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美珍を演じるグラディスは、今年のOAFFで上映された『深夜のドッジボール』の主演のひとりで、ドニーさんの『スーパーティーチャー 熱血格闘』でレーサー志望の学生ウォンを演じてた。後者は観ていたのだけど、全然雰囲気が違っていて驚いた。個人的な問題を抱えながらも妹を気に掛ける兄役のチャームマン、『三人の夫』で覚えて以来、近年は本当に大活躍。『白日の下』『マッド・フェイト』共々それぞれ全く違う役どころを演じていて、勢いのある俳優の凄さを感じた。この映画での演技は味わい深くよい印象だった。母役のロレッタは私が説明するまでもなく往年の人気スターで『香港の流れ者たち』で映画界に復帰した。仕立て屋で元ホステスという過去を持つ母親をしみじみと感じるよいキャストであった。

そしてクライマックスで登場したある場所が、過去の名作にも登場したあの場所?と驚く。あの場所がまだ残っていると知ったのは最近なので、実際に見に行ったことがないのだ。名所とは言えない場所が30年以上残っているのは奇跡的だ。これまで全く気付かなかったので次の香港行きでは…と願うのだが、今度はいつ行けるのだろう。
音楽は波多野裕介さんが担当。興味深かったのは挿入歌とエンディングテーマが日本語曲だったこと。香港のアーティストが歌っているのだが、画面にすっと溶け込んで作品世界のよいアクセントになっていて、またしみじみしたのであった。

風再起時(2023/香港・中国)

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『四大探長』『リー・ロック伝』二部作、そしてアンディとドニーさん共演の『追龍』など、これまで香港映画で何度となく映画に取り上げられた50~60年代の香港警察の汚職事件とその中心人物をモデルとした磊樂(アーロン)と南江(トニー)を主人公に描く大河ドラマ的映画。『追龍』は近年の作品なので、それと同じになるはずはないよなと思ったら、思った以上にアクションは控えめで主人公2人の感情が全面に出てた。
監督がやはりアーロン主演『九龍猟奇殺人事件』のフィリップ・ユンで、あの映画も事件の陰惨さよりも被害者と加害者の感情の揺れを主に置いていたので、数多ある先達映画と差別化したかったのはよくわかる。

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ユン監督(写真右)はトニーファンだとか。アーロンとは以前も組んだので周知の仲だろうけど、南江はトニーと組めたらやりたかったことを詰め込みまくったんだろうなってキャラに仕上がってたし、王家衛的なムードも漂っててニヤニヤできる。
でも香港でヒットしなかったと聞くのもなんとなくわかるのであった。ギラギラというよりメロドラマ的な仕上がりだったり、大陸での上映を見越してもしかしたらソフトに作られていたんじゃないかとかいろいろ考えてしまうんだが。
アーロンの青年期を演じたのは徐天佑。壮年期から老年期を演じてたけど、アーロンの腹の部分の肉体変化はご本人の努力とのことで、ご本人もノリノリでやったんだろうな。

この時代のことがあってから、後に設立されるのが汚職捜査機関である廉政公署(ICAC。近年では《廉政風雲》などで描かれる)の委員として登場し、この映画のメッセージを一身に背負ったマイケル・ホイさんの存在感と演技は素晴らしかった。今年の金像奬で最優秀助演男優賞を受賞したのは大納得。2010年代後半から雨傘運動や反送中デモの排除に政府から派遣された警察の仕打ちを見ていると、確かに現在の警察の姿をそのまま正義として描くのはきっとためらわれる。廉政公署ものや裁判ものの映画が増えてきているのも納得だし、警察を描くとしてもこのような歴史ものとして描くのが現状として精いっぱいなのだろう。
トニーが初めて本格的な悪役を演じた中国映画『無名』の日本公開が決まったので、これも日本公開あるのかなと見込んでいるが、うーむ、やはり難しいのだろうか…。

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これまでの3年間、香港どころか東京にも出られず、加えて仕事の量が増加したので新作の香港映画も運よく地元で上映された作品をフォローするので精いっぱいだったり、未公開映画や映画祭上映作の配信が始まっても、時間がなくて見逃したり、観たとしても感想をじっくり書けなくなったりといろいろしんどかった(映画の感想自体はここ5年くらい個別で書くのがなかなか大変になってて申し訳ない)3年ぶりのTIFFとこの映画祭、そして夏の上京で観た『星くず』と東京外国語大学のTUFS Cinemaで上映された『ソロウェディング』で今年はだいぶ追いつけたとは思うのだが、それでもなかなか満足できない。映画祭や特別上映会でみんなで観るのはもちろん楽しいのだが、やはり劇場公開で地元で観るのが一番。香港映画がブルース・リーやジャッキー・チェン(彼ももうすっかり中国大陸の映画人になってしまった)や王家衛だけじゃない、ニュースで伝えられる機会も減ってしまった現在、それでも映画人が作り続け、世界に発信している現在進行形の香港映画がもっともっと知られてほしいのだ。これは台湾映画も同様。アジアンエンタメとしては韓国がもうすっかり力を持ってしまっているけど、アジアはもっと多様であるからね。日本だってアジアの一員だし。

だから映画祭で上映された作品が全て一般公開されて、全国津々浦々で上映されるのが理想なんだけど、昨年のこの映画祭で上映された新作で一般公開作が決まったのが1本だけというのが気になった。配給がついても劇場公開ではなく配信ということもある。そこはどうなるのか。
この映画祭に対して、2021年と22年の2年間、『あなたの微笑み』『ディス・マジック・モーメント』のリム・カーワイ監督がキュレーターとなって全国主要都市で開催された香港映画祭があり、『十年』や『時代革命』のキウィ・チョウ監督や『星くず』のラム・サム監督の短編などのここ数年にデビューした若手監督作品の作品が上映されている。ここからは『香港の流れ者たち』の一般公開が決まったが、残念ながら今年は開催されないとのこと。
このように観ようと思えばいくらでも観られるいい機会がある大都市は羨ましいが、それを羨んでばかりはいられない。

地方都市に暮らしてもう長くなったが、来たばかりで不安だった頃の寂しい自分を救ってくれたのが、劇場公開された香港映画と、それを応援しようと結成されたサークルだった。これについては今までもあちこちで書いているのでここでも書かないけど、自分を励ましてくれた映画を生み出した街の現在と、現在の香港映画をもっと広く知ってもらいたい、そのためには劇場でかかる映画が多くならないとという思いを抱いている。
そのためには自分がもっともっと映画を観て、それをうまく伝えていければという思いを強くしている。

そんな思いを改めて抱いたので、その思いをうまくまとめていくのがこの冬の私の目標。
なんか最後は私的な思いで締めちゃってるけど、この秋の映画祭レポートは以上。

この年末年始は実家に帰省するので、『香港の流れ者たち』と移転したBunkamuraで上映されるWKWザ・ビギニング(『いますぐ抱きしめたい』&『欲望の翼』)はなんとか観たいところ。
(そういえば『欲望の翼』のデジタルリマスター版を観たのが、コロナ前最後の東京行きだったっけ…)

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【香港映画祭2023Making Waves】マッド・フェイト/毒舌弁護人

香港政府と創意香港(CREATEHK)の支援を受け、昨年より香港国際映画祭協会(HKIFFS)が世界各地で新作香港映画を巡回上映している「香港映画の新しい力 Making Waves(以下香港映画祭)」。昨年は《逆流大叔》のサニー・チャン監督作による賀歳片『6人の食卓』、大阪アジアン映画祭で好評を博した『黄昏をぶっ殺せ』などの現在進行形の香港映画新作から『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のデジタルリマスター版などの旧作も上映。中華圏の注目作を日本で一番紹介している大阪アジアン映画祭の協力を受けているとのことで、いい作品を持ってきてくれるのは嬉しい。でも昨年はまだ首都圏に足を踏み入れることはできなかったので参加は諦めた。

今年は東京国際映画祭にも行くことにしたし、少し間をおいてではあるが、引き続き香港映画が観られるのならこの上なくうれしいことではないかと思い、張り切ってチケットを取り、年休も取った。同じ週に新幹線で2往復する羽目になったが、大きな劇場で観客の皆さんと一緒に香港映画を楽しめたらもう何もいらない。でもその代わり、残念ながら今年は東京フィルメックスの鑑賞は断念することになった。来年は行きたい…

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今年の映画祭ではMIRRORのアンソン・コン主演の『7月に帰る』『夢翔る人 色情男女』デジタルレストア版はスケジュールの関係でパスし、『レクイエム』『ホワイト・ストーム』に続くシリーズ第三弾『ホワイト・ストーム 世界の涯て』は残念ながらソールドアウト。
というわけで、上映全7作品のうち4作を鑑賞。

『マッド・フェイト』2023/香港

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狂っているのは君か、それとも僕か。
精神を病んだ両親を持ち、親同様狂うことを恐れる占い師許(ラム・カートン)とサイコパスの青年少東(MIRRORのヨン・ロクマン)、そして雨の日に現れる連続殺人鬼(チャン・チャームマン)など、まともじゃない人々が重苦しい空気を纏った香港の街を駆け抜ける。ラストまでとことん(精神的に)殴り合って(見えないが)血みどろになるソイ・チェンの濃ゆい世界を久々に浴びてクラクラしてる。カートンさんの壊れてそうで壊れてないこのギリギリのラインをいく感よ。ものすごいんだがその一方でこれはかなり楽しんでやってるのかも…とも思ふ。

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一昨年のTIFFと昨年の香港映画祭で上映された『リンボ』でもコンビを組んだソイさんとカートンが来日。
カートンさんは昨年に続いての参加だそうで、和やかであった。

ここしばらく銀河映像の作品とはご無沙汰していたせいか(製作はトーさん、脚本は游乃海さん)次々と起こる殺人事件(被害者が娼婦ばかりだったのはいろいろ思うところはある…)に流れる血に異常に興奮する少東、そして正気と狂気の狭間で少東を救うがために苦悶して進む許の姿に思い切り慄いたのだが、観終わったら、ああやっと香港映画に帰ってきたわ…となった。
長らく忘れていたよ、この世界を。いきなり両肩を掴まれてグッと引き戻された思いをした。
初めて参加した香港映画祭のトップバッターがこの映画でよかったわ。

毒舌弁護人 正義への戦い(2023/香港)

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今年の旧正月に公開され、香港映画歴代興行収入を更新したという作品。主演はベテランのスタンダップコメディアン黄子華(ウォン・ジーワー。今回は英語名のダヨ・ウォンで紹介)。香港に通ってエンタメニュースに触れると必ず登場する(ジャンユーや張達明とトリオを組んだ「髭根Show」などは見たことなくても知ってた)けど、ローカルコメディに出ているイメージがあったので、まさか日本で黄子華主演作が観られるとは思わなかった。しかもこの映画祭に先立って一般上映もされて二度ビックリした(実は発売日当夜のチケット取りに敗れて、TIFF上京時にシネマートで先に観ていたのであった>譲っていただけたのでした。多謝!)

職務怠慢を理由に裁判官から窓際職に追いやられたことをきっかけに弁護士に転職した林涼水(ジーワー)が、実子虐待殺人の罪に問われた被告の母親(ルイーズ・ウォン)の弁護を担当し、明らかに冤罪とわかりながら負けたことがきっかけとして真剣に取り組むことになり、裁判のおかしさに気づいて正義を追及していく姿が見どころ。対話で戦い、うまく話を転がすのはさすがだ。
これまで賀歳片で主演を張りながらなかなかヒットしなかったらしいが、昨年の香港映画祭で上映された『6人の食卓』(監督は《逆流大叔》のサニー・チャン)もヒットし、2年連続で主演の賀歳片が当たったことになるジーワーのすごさを十分に味わった。長年コメディアンとして慣らしてきたからこその、スーダラで口が悪くても正義感で突き進むこの役柄が本当にお見事。香港映画歴もかなり長くなったけど、これまで彼が日本に紹介されなかったのは本当に不思議。自分の中でのライヴの人のイメージが強かったし、香港でも出演を積極的に観てこなかった。ああ自分今まで何やってんだと反省。
彼だけでなく、対決するカム検事を演じた謝君豪、刑事役のボウイ・ラムさんなどのベテランから、ルイーズやフィッシュ・リウなど若手のキャストもとてもよい。ERRORのホー・カイワーが演じたパラリーガル(でよかったか?)の太子もよいキャラ。

これまで日本で公開されてこなかった香港の裁判もの(時代ものだけど今ネトフリで観られる『チャウ・シンチーの熱血弁護士』くらいか?)なので、かなり興味深く観た。これに先立って公開された《正義廻廊》など、ここしばらく香港ではリーガルものがヒットしているとのことだが、警察テーマの映画に代わって題材として注目されるようになったり、香港社会のあり様を描くのに現在最も適しているからかともいろいろ考えられる。まさに今「Everything is wrong!」と言われる状況であるのは言うまでもないし。コミカルには描くけどベッタベタではなく、基本的にはシリアスでもある。ちょっと前だきっと紹介されることのなかったタイプの映画だろうけど、こうして配給と字幕がついて観られるのは本当に有難い。

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ゲストは公式初来日となったジーワーと、長年ダンテ・ラム監督作品や、近年では『アニタ』の脚本も手掛けてきたジャック・ン監督。
Q&Aでは長年の謎(か?)だった英語名「ダヨ」命名の真相がわかってスッキリ。小学校の頃は「スティーブン」と名付けられたそうだけど、既にクラスに6人くらいいたそうだ。確かに香港でスティーブン君多すぎ問題は気になってた…(笑)「ダヨ」という名は他の兄弟と語感が似ているからつけられたとかなんとか。
本当は日本でも「ウォン・ジーワー」名義で紹介してほしかったけど、まあ自分で呼ぶからいいか、ダヨ名義でもいいんダヨ(やめなさい)

ジーワーのインタビュー記事はこれが一番詳細でわかりやすかったです。

(次回は『ブルー・ムーン』『風再起時』の感想をUP)

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