コラム(中華芸能)

月餅代表我的心(違)

 前回アップした『処刑剣』を観に行ったのは、先々週の月曜。すなわち、中秋節の日。
 そして今年の中秋節は、レスリーの55歳の誕生日だった。
 哥哥,祝你生日快樂!そんなわけでまずはこれを。


 この曲、先日北京で演唱會を行った、某日本明星偶像組合も歌ったらしい。
ちょこっと聴いたけど、んー、まー、還不錯ってとこ?>超生意気

 你問我愛你有多深,我愛你有幾分,我的愛也真,我的愛也深,月餅代表我的心~♪と調子よく歌っていますが、えーと1か所間違いがあります。これ、わざと間違って歌ってます。すいません、ホントにすいません、所詮は色気より食い気な自分で(爆)。

 さて、中秋節といえば月餅。日本では月見団子だけど、中華趣味になってからはすっかりこっちの方に馴染んでしまった。台湾ではこの前後にバーベキューしたり、月餅とともに鳳梨酥も贈られたりと、なかなか楽しそう。

 そんなわけで、今月のしゃおしゃん茶会も鳳梨酥三昧。さらにこの連休には月餅と中国茶の会も行われたのであった。

Binetsu

 月例のお茶会で頂いたのは南投に本店がある微熱山丘(上)と、台北でもよく知られている犁記。微熱山丘はちょうどtwitterの中華趣味フォロワーの間で話題になっており、まさかここでその本物と出会えるとは!と驚くやら嬉しいやら。犁記の鳳梨酥はレギュラーサイズなのだが、それよりも大きくて、中のジャムもよりしっとり。これがマジであの鳳梨酥ですか?と驚くばかり。
 この夏の帰省にて、ブクロの中華スーパーで台湾時代によく食べていた鳳梨酥を見つけ、おお懐かしい、味も変わっとら~ん、と大喜びしてた。そんなわけで、美味しい鳳梨酥を食べられて嬉しかったアルのよ。

Taiwanfenglisu

 そして、先週初めの連休に、市内の古い町家で開催された、月餅と中国茶の会。

Kanban

 

雨降る午後に町家を訪れ、香港好きにはお馴染みの奇華餅家の廣東式月餅、台湾好きに話題沸騰の星巴克珈琲(スタバ)の現代式月餅をいただいたのだった。

Menu

 ちなみに当日のメニューはこちらの記事の①と③。

Yuebing_1

 これは塩卵入り緑豆月餅(右)&ココナツ入り蓮の実餡月餅。
実は卵入り月餅にはややトラウマがある。台湾に渡ったばかりの頃は初秋だったのだが、中秋節が近づくとやたらと月餅をもらう機会が増えた。てっきりフツーの餡だと思って食べたら、これが半生の卵の黄身。えー、これってどうよと思うひまなく次々とやってくる卵入り月餅。そのビミョーすぎる味にギブアップしてしまったのである。以来、卵入り月餅は久しく食べていない(笑)。
 当日はそれ以来になるのであるが、見たとおりちょこっとだけのカットだったこともあって、…昔ほど抵抗を持たずに食べられたのでした。あはははは。でもでかいのを丸々もらったら、やっぱりトラウマ復活なのかしらねん(^_^;)。

 さて、お次は現代的月餅。まずはそのお姿をとくとご覧あれ。

Yueping_2

 ワタシがいただいたのは、コアントロー風味紅茶月餅(右)と、キャラメルマキアートブリュレ月餅(左)。一見ねりきりっぽくも見えるかな?

Yuebing_3

 ちょこっとサイズでも濃厚、でもお腹はいっぱいにはならなくていい感じ。それでもひとつ食べてみたくはあるのよね(笑)。
 ちなみにお茶は黒プーアル茶と邦崴青茶でした。

 1週間遅れ+当日は雨だったけど、中華的中秋節をこの会で満喫。いい感じの空間でステキだったです。非常感謝、小香さん。
 下の写真は当日のお土産。この二種類から、松の実入り鳳梨酥をいただきましたよ。

Fenglisu_1


Fenglisu_2

 この時期は連休だったので、これを利用して台湾や香港へ行って月餅や鳳梨酥を買った人も多いみたい。ワタシも7年前に連休を利用して台北へ行ったけど、今は状況が変わっちゃって繁忙期になったので、この時期はもう行けなくなっちゃったんだよね…。いつかヒマになったら、初秋の台湾へ行きたいなあ。
 もちろん、まだ体験したことのない初秋の香港へも行きたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

だって強さは愛だもの(笑)。葉問、二度目の感想

 タイトルは、なんとなくのイメージです。
♪倒れたら立ち上がり、前よりも強くなれ~ってことで。って何言ってんだろう自分。

 先週の金曜、地元映画館で『葉問』を観た。
いくら2を観たからとはいえ、これを観たのも2年前。
印象としてはあまり変わらなかったけど、やっぱりいろいろ思うところもあるので、ここで再び感想。今回はフラッシュでお送りします(笑)。



○やっぱり1の方が面白い。温厚な性格だとはいえ、ひとたび火がつくと烈火のごとく怒る葉問師匠の若さがまぶしい、なんちゃって。

○ド兄さんは中肉中背なのだが、葉問夫妻も妻の方が大きい。周瑜と小喬夫妻@赤壁と同じパターンなのだが、どちらも観ていていい感じ。日本でも長身の女優さんが多いわけだが、決して不自然じゃないんだから、中肉中背の俳優と組ませても無問題じゃないかと思うのだけど、なぜかほとんど見たことないんだよねー、なんでだろう?ねー、某きむ(強制終了)

『ギャランツ』でもかわいかった黄又南はやはりかわいい。どんな作品に出ても、今まで目に入らなかったのに(苦笑)、なぜか今回はかわいく見えた。なんでだ?決して好みじゃないのに。2に出なかったのは残念だ。

○池内くん曰く、当初の三浦はもっと悪い奴だったらしい。参考としてこのインタビューを。そして、あの憎たらしい佐藤を演じていた渋谷天馬さんは、北京在住の日本人俳優にして日本舞踊の踊り手ということに驚いた。大陸のドラマへの出演が多いみたいだけど、やっぱり軍人役が多いのだろうか…。いや、必然的ではあるんだけどね。

○一緒に観た朋友曰く「ド兄さんのアクションがゆっくりに見える…。きゃー、もしかして惚れた?」。あ、最後のは冗談だとのこと。実はワタシも同じだった。これってスローハンド伝説ならぬスローアクション伝説?

○1の出来がよかった分だけ、2では結構矛盾もある。確かヤムヤムは1では無傷だったのに、いつどこで日本兵に撃たれたの?って思ったし、そこまで日本兵を憎悪の対象にするのかよ…ともね。まあ、こうしなければ大陸では受けなかったのだろうけどさあ。

 そして、ド兄さんがアンドリューさんとコンビを組んだ《精武風雲》こと『レジェンド・オブ・フィスト』が日本公開決定。20年代上海を舞台に、李小龍さんの演じた陳真(ちなみに師匠が霍元甲という設定)をド兄さんが演じて大暴れするという映画。キャストは豪華。これはまたしても敵役が日本人なので、倉田先生も出るのだが、今某大河ドラマでヒロインの2番目の旦那になったり、夏に上演される赤壁ミュージカルで主演を張る某えぐざいるの人が出ることも話題になっているらしい。さながら「出演は決まった。あとはアクションだ」って気分なのだが、それっていったいどーなんだ…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

疾風迅雷 風林火山 二週連続赤壁祭り

 今年の春節は2月5日。というわけで今はまだ、中華圏的には寅年の年末。
旧正月の終わりごろに香港に行くことになったので、その残り香を楽しんできたいなーと思うのであった。車公廟にお参りでも行こうかな。

 さて、日本ではすっかり正月気分が抜けたけど、この時期に放映してくれるなんてまるで旧正月気分じゃないのよ、と思わせられたのが、説明不要のウーさん映画『赤壁(レッドクリフ)』前後編一挙放映@日曜洋画劇場。普段はこの手の映画番組は観ないのだが(最近某日テレの映画番組を観てすっごくガッカリしたことがあったし)、Twitterで「赤壁やるよー」というつぶやきが増え始め、それが中華系だけじゃなく一般の方々からも「観たいねー、そんで一緒に騒ぎたいねー」という声が目立ってきたので、久々に観ようかな、と思った次第。
 そして、みんなのつぶやきを共有できるように、放映日ごとのハッシュタグを「#rc_0116」と「#rc_0123」の二種類作り、タイムラインで告知して使ってもらうことにした。ホントは #redcliff にするつもりだったのだが、海外ですでに使われていたので諦めた次第。

 1月16日の前編はすでにTV放映されたこともあり、なおかつ当日は仙台に遠出していたので、あまり参加できないだろうなと思って、帰りの新幹線の中でタグをのぞいていたのだけど、それでもえらい盛り上がり。中華もの好き、歴史好き、各キャラ&俳優のファン、ちょっと腐な方など、いろんな人が入り混じって大騒ぎしていた。前半の見せ場である趙雲の単騎千里行では「趙雲△(さんかっけー)!」、周喩大都督登場場面は「きゃー、とにおさーん(twitter上でのトニーの愛称)」そして彼と小喬のベッドシーンでは「この場面、絶対いらないよねー」ってな感じで。特に最後は同意見多数だったのが嬉しかった(大笑)。あと、タグ上では小喬(チーリン)より尚香(ヴィッキー)を支持する人が多かったのが嬉しかった。

 1月23日の後編は地上波初放映、琴のセッション場面がまるごと切られたり、都督殿の風林火山の舞いの冒頭部がCMでカットされたりとやや不満はあったけど、この日は冒頭から観られたので楽しかった。この日のハイライトは孔明&魯粛の矢集めに決戦前の湯圓の場面、その他いろいろ(省略にてすまん。個人的には尚香のセクスィー場面も入れたいのだが)。
 湯圓は台湾旅行でも食べてきたけど、ちょうど旧暦の冬至も近かったということで、実際に作ってみました。白玉粉(ここではミツカンのもち粉を使用)を水で練って丸め、生姜湯に入れるだけ。ほら簡単。 

05B71B50-279A-4A3D-AF55-82CF0C857655

 そして怒涛の「バイオレンスの詩人ジョン・ウーのの本領発揮場面」に突入したのだが、改めて観るとやっぱり壮絶で悲惨だよなーと思った次第。翌日、やはり放送を観ていた主任が「メインキャラ以外全員死んでるんだもんなー」と言ってたけど、まさに悲惨だよなあと。

 全編を通して多かったつぶやきは、やっぱりたびたび出てくる孔明と都督殿のお互いに見つめあうアップの場面でしょうか。この場面になるたびに「顔ちけーよ!」とみんながつぶやく(笑)。「もうチューしちゃえよ」ってのもあったねえ、ははは。 
 この映画がお好きな方は、だいたい同じ場面にツッコミを入れるということがわかって、嬉しゅうございました。

 普段なかなかTVでは中華電影は放映されない(それもトニー出演作だともっと機会が減る)けど、好きな映画を知っている人たちや知らない人たちと一緒に観るのはとっても楽しかった。
 劇場で映画を観る時には、なかなかこんなふうには騒げない。だけど、TV放映でネットと連動させれば、こんなふうに観ることができる。こういうことはこれまでもきっと掲示板系でもやったのだろうけど、鳥がさえずるように限られた字数であれこれ騒いで観られる楽しさは、Twitterの方に軍配を上げてもいいのかもね。
 
 あー、でもいくら楽しいからといって、最近こっちで長文が書けなくなってきているので、Twitterにかまけてばっかにならないように気をつけまーす。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

funkin' for HONGKONG的十大電影2010

 台湾やさぐれ旅行記をやっとアップしたので、昨年の総括に取り掛かれる次第。

 …しかし、去年は悲しいくらい中華電影を観ていない。その分他の映画を観ていたのかというと、そうでもないのだからもっと悲しいのだけど、たまった未公開作品を観る時間がなかったというのが原因でしょうか。
 あと、劇場公開される作品も減少傾向。一時期増加してた大陸電影も今年は少なかったし、去年の秋から年末にかけて話題になった『スプリング・フィーバー』『モンガに散る』はこっちでまだ上映されていない。そんなこんなで悩みながら選んだ10作品はこんな感じ。

10 スナイパー:

 ホントはボディガード&アサシンズこと『孫文の義士団』をランクインさせたかったのだけど、これは地元でも公開されそうな予感があるので、敢えてランクから外した。その代わりに、いつもはあまり入らないタイプのこの作品を入れた。
 これ、えぢの最後の映画という触れ込みで売る必要はなかったと思う。でも作品としても、うーん…な感じもある。

 《歳月神偸》

 香港版『三丁目の夕日』なんていわれるに決まっている作品だろうけど、あちらが苦手でこちらが好きなのは、やはり香港への思い入れが東京へのそれより強いからかな?実際、映画的にもこっちの方が上だと思うし。

 狙った恋の落とし方。

 これもスナイパーと同じで、外野で余計なことを言い過ぎたために損をした作品だと思う。だってそれを言ったらさ、日本だって20年前は米国のブランドを買収したり、NYまでわざわざロケに行ってトレンディドラマ作ってたじゃん?もちろん状況の違いもわかっているけど、平たく言えばアレと同じようなもんだよ?でも、決して日本みたいにスカした作りになってないのが潔いのである。

 密告者

 ホントは《証人》の方が面白いんだけど、これも案外悪くない。
あまりにも悲惨で過酷な結末しか想像できない物語で、実際予想通りの展開だったのに、ラストのやけくそ的な泥沼乱闘シーンにはなぜか爽快感もあるという奇妙さも捨てがたい。どんなに打ちのめされても傷を負っても、血にまみれながら立ち上がる男たち。
 これをフィルメックスで観た後に、龍馬の最終回を観たら、刺客に襲われた龍馬と中岡慎太郎が血まみれのままずーっとしゃべっていた場面に「そんなにしゃべる気力があるのなら、なぜ立ち上がって刺客を追わん!?ニック・チョンを見習え!」などと叫んでしまったのはいうまでもない(こらこら)。

 海角七号 君思う、国境の南

 鑑賞時にはかなりキッツイこといいましたが、映画全体としてはもちろんいい作品。台湾に行く前にちょっと見直したんだけど、やっぱりうまくできてるよなーと思った次第。ちなみに墾丁ではロケ地めぐりしませんでした(笑)。

 カンフーサイボーグ

 これは地元で上映されなさそうな予感がするのでランクイン。大陸がメインになっても、ジェフ・ラウのやることは変わらない。そしてギャハハと笑えてやがて切ない味わいも健在。次回作はあの『大英雄』の続編らしいとの噂もあるし、この方が元気ならば香港映画も無問題!

 《月満軒尼詩》

 主演は學友さん、ヒロインは初の香港映画となる湯唯ちゃん、脇にパウ・ヘイチンさんに李sirにオンくんと、地味で渋ーいキャスティングにして舞台が湾仔というローカル色極まりない映画だけど、それだからこそ香港の街好きにはたまらない作品。オトナのラブストーリーでもあってポイントも高い。TIFFで上映してほしかったなあ。

 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

 トーさんのダンディズム、フレンチブレンドで極まれり。
 作品的にはやりび『放・逐』に負けるけど、エンターテインメントとしても上質であるのが嬉しい。しかし、やっとトーさんが日本でメジャーになったのを喜んでも、香港映画界にも彼の次に紹介される違うジャンルで違う作風の「next one」なディレクターが必要なのはいうまでもないんだよね。だからこそ、この位置に置いた次第。

 恋の紫煙

 そんなわけで上位2作は是非とも「next one」を期待したい監督の作品をランクイン。
…はいはいはい、どーせワタシはホーチョンびいきですよー、通のお方からすればホントにつまんない奴ですよねー、となぜかやさぐれてしまってすまん。
 いや、今年はホーチョン作品がやっと劇場公開されるので、嬉しいことは嬉しいんだけど、それがなんでよりによってこれじゃなくて、スプラッタならぬスラッシャーの異色作『ドリームホーム(維多利亞壹號)』なのだよーん…。それもあってなんかやさぐれたい気分なんだけど、もちろん『紫煙』は楽しい映画だったのはいうまでもないよ。 

 ギャランツ ~シニアドラゴン龍虎激闘~

 はい、1位はやっぱりこれでした。
李小龍生誕70年などという枕詞をつける必要がなくても、国際的に無名な若手と往年のスターたちのコラボレーションに、過去の名作にリスペクトを送りつつも突拍子もないストーリー展開。そうそう、香港映画ってこういう醍醐味があるよねー!と幸せな気分にしてくれた1作。ホーチョンと同じく30代半ばのデレク・クォック(《野・良犬》『エメラルドの童話』)と、これが初監督になるクレメント・チェンのお二人には、今後も大いに期待していいかも。賞レースにも確実に絡んできそうだしね。

 はい、次は部門賞ですよー。

主演男優賞:ニコラス・ツェー(密告者)

 このところのニコは、俳優としてかなり充実した仕事をしているんじゃないかと思わせられる。アイドルだった20代の頃からは確実に成長している。やっぱり結婚して2児のパパになったり、セシリアがかなり大変な目にあって、そこから思うことがあるのかなあ、なんて勝手に思ったりして。文芸ものも見たいけど、とりあえずは俳優としての評価をしっかり固めてからなんだろうね。

主演女優賞:タン・ウェイ(月満軒尼詩)

 祝・復活…もとい香港映画デビュー。フツーに地味な長身の女の子をフツーに演じられてちゃんと魅力があってかわいいのだから、これからも頑張ってほしいなあと思うのである、湯唯ちゃんには。

助演男優賞:ブルース・リャン、チェン・カンタイ&テディ・ロビン(ギャランツ)

 助演扱いすみません。ほとんど主演みたいなものです、皆さん。ブルースさんが健在なのはもちろんわかっていたけど、往年のショウブラスターであるカンタイさんも今でもめっちゃカッコよい。そしてこれまた往年のスターであるテディさんのハジケっぷり。ホントに楽しんでいたんだなーというのがよくわかった『ギャランツ』であった。

助演女優賞:ミッシェル・イエ(冷たい雨に…)

 西洋の血が入っているらしきクールビューティーのミッシェル嬢。今までどんな作品に出てもクールすぎて思わずスルーした感があったのだが、この映画のビッグママのたくましさをうまく体現していたのには感心。クライマックスの場面での、赤いドレスの下の臨月のお腹もセクシーだったよ。

新人賞:アーリフ・リー(歳月神偸)

 クリスマス映画《李小龍》では、偉大なるタイトルロールを演じたアーリフくん。女優も若手も慢性不足状態にある香港映画を救う新星となるか!おねーさんは期待しているよ。

監督賞:デレク・クォック&クレメント・チェン(ギャランツ)

 理由は繰り返さなくてもいいですね、上に書いたし。

 以上の皆さんですが、当たり前ながら特に賞品などはありません。栄誉を称える!

 今年は公開作品もいろいろあるので楽しみだし、今週末にはジェイの初ハリウッド作品『グリーン・ホーネット』も控えている。昨年は中華趣味もついつい薄れ気味だったけど、今年は去年にもまして、いろんな作品を観ていきたいもんだ。>溜めているVCDも含めて

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エンター・ザ・李小龍

 しばらく前から思っていたことだが、だいたい30代以上の男子は、ほとんどが007シリーズとブルース・リー(以下李小龍、または李さん)を通って大人になっているような気がする。同世代の女子がオードリー・ヘップバーンの映画を通ってきているのと同じように(しかしワタシは成人するまでオードリーの映画を観たことがなかった…)、男子の定番はボンドさんと李小龍なのだとワタシは勝手に固く信じている。

 さて、今年はそんな李さんの生誕70周年。ちなみにジョン・レノンも同い年(のはず)。 
それもあって、春の香港国際電影節では李小龍特集が組まれ、金像奨でも李小龍トリビュートが設けられた。そして、彼の伝記映画も作られると聞いた次第。李さんもすでに世界的な文化英雄であるので、どこでどんなイベントがあって当然なのだが、今年はちょうど区切りのいい年ということもあるので、特に周辺が賑々しくなっている模様。

 それは日本でも同じで、彼の命日の翌週から、NHK-BSでは李小龍主演5作のうち、香港での初主演作『ドラゴン危機一発(唐山大兄)』、米国映画初主演にして遺作『燃えよドラゴン』そして死後残されたフィルムに追加撮影を行った『死亡遊戯』の3本が放映された。
 先に書いたとおり、実はワタシは香港映画ファンでありながら李小龍をいままでスルーしてきている。いや、ほら、彼ってすでにレジェンドじゃないの。ワタシごときの場末の弱小bloggerがあれこれ言っちゃいけないような気がするし、彼の存在は香港映画界の中でもあまりにも唯一無二であって、どうも他の作品と結びつきにくいところがあると想っていたからである。
 しかし、この春に中国語教室で羅[上/下]さんの『香港電影類型論』で李小龍論を読み、やっぱり香港映画に関心を持ったら、彼の存在は避けて通れないものなのかなあと思い始め、これをいい機会にと思ってみることにしたのである。

 この3本で、個人的に一番面白かったのは『危機一発』かな。
 初主演でとっても初々しい李さんが広東語をしゃべり、例の雄叫び(怪鳥音とは言いたくない)をあげず、アクションも実に香港映画的で観ていて親しみがわく。李さん以外の皆さんのアクションもしっかりしてらしたしね。
 あと、この作品では李さんが義理堅く明るい青年だったのもポイント高し。純朴でよく笑っててお母さん思い。「ケンカはしない」とお母さんから言われたことを堅く守っていたけど、工場のいざこざに巻き込まれてお母さんのペンダントを壊されてしまったことで怒りが爆発、麻薬を密売している社長と対決することになる。後半からはもう血みどろな対決場面が続くのだが、前半から中盤で快活なキャラクターを打ち出してくれたこともあって、事件に巻き込まれて命を落とした同僚達との友情や、友人の妹に寄せるほのかな想いなどを交えつつ、クライマックスに持っていくドキドキ感が高まるのであった。ま、お約束的な流れなんだけどね。
 李さんをめぐる二人のヒロインも対照的でよかった。純情可憐なマリア・イーと、妖艶で肉感的なノラ・ミャオ。李さんが酒の勢いでノラさんと事に及んでしまった場面(と言っても直接的描写はないよ)なんか、えー!とビックリさせられたけどね。

 それで、2本の米国作品である『燃えよ』と『死亡遊戯』なんだが…。
うーん、はっきり言っちゃえば、李さんの超絶アクション&肉体の美しさと、70年代香港のライブな雰囲気を眼いっぱい味わえるところしか見所がなかったなあ。ストーリーとか、李さん以外の人の演出とかは、なんだかどーでもいいって感じ。
 例えば、『燃えよ』では李さんのライバルの皆さんは、んー、ホントにすごいの?って思って流し見てたし(注:当人は基本的に格闘技というものに全く関心がないために、かなり失礼を承知で暴言を吐いてます。だからファンの方は怒らないで下さい)、名優・石堅さん演じる悪玉のホーはすっごく趣味が悪くてドSな男だなー、だから自分の趣味じゃないわ、なんて思ったのも事実。ま、それでも、格闘大会に参加する西洋人のファイターたちが熱気あふれる香港の街角に降りたつ姿に例のテーマ曲がのっかるオープニングタイトルには、観ていて結構テンション上がったんだけどね。
 それは『死亡遊戯』でも同じで、香港やマカオの風景と(マカオは今とあんまり変わってない感じ)、クライマックスの李さんの3連戦は見どころあるけど、あとは…って感じだったのはいうまでもなかったりする。あとはあのトラックスーツがなぜオールインワンタイプなのかなー、スニーカーがオシャレだなー、なんて思ってみていたんだが、それはつぶやきながら教えてもらった。足元のスニーカーは李さんが普段から愛用していたオニツカタイガーのもの。そして、この映画にオマージュを捧げた『キル・ビル』で、やはりトラックスーツタイプのジャージ(こらこら)をまとっていたユマ・サーマンが、これまたこれに似せたデザインのスニーカーをはいていたのでそれを限定で出したことがあるとか。まあ、周知の事実だけど一応書いておきました。
 閑話休題。で、結局『燃えよ』と『死亡遊戯』に共通しているのは、作り手の李さんに対する強い愛と、それに応じて熱演した李さんの意気込みだけはよく伝わってきているってことだろうか。映画自体としてはものすごくつっこみたいし、物語も演出も完璧じゃないんだけど、それはすべて李さんがいればオッケイであり、許されてしまう。やっぱすげー人だよ、李さんは、と改めて思うのであった。

 さて、李さん亡き後の中華なアクションヒーローといえば、われらがリンチェイとド兄さん。
これは映画放映に先立つ特集番組で取材されていたゴードン・チャン監督が「中国におけるアクションスターの最高峰は李小龍、次にリンチェイ、そしてドニー」とも言っていた。そのゴードンさんがプロデュースを務め、アンドリューさんが2年ぶりに監督し、ド兄さんの主演による新作映画《精武風雲》は、李さんの『ドラゴン怒りの鉄拳(精武門)』の続編にあたるという物語。これは件の特集番組でもちゃんと紹介されていたんだけど、なんとこの映画が、今年のヴェネチア映画祭のオープニングナイトを飾るということらしい!
 これ以外にも今年のヴェネチアには香港がらみの映画が多く上映されるので、このことについてはまた次回以降の記事で書きますよー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

独断と偏見による、ゼロ年代の香港映画10本

 5月12日は、このblogの元サイト「funkin' for HONGKONG」の9歳のお誕生日でした。
くしくも、ニコ&セシの2番目のお子ちゃん、Quintusくんが生まれた日!
2002年から始めて、あっという間にここまできてしまいましたよ…。しかも思いっきり、当日更新できなかったし…。
 最近はすっかりblogメインに加え、つぶやいてばっかでこっちもあっちも更新がままならないけど、マイペースで取り組んでいきたい次第。
これに懲りず、今後もお付き合いお願いいたします。m(_ _)m

 あ、さて、ちょうど先週お誕生日を迎え、これでなにもやらんのも淋しいので(カンヌ追っかけも今年はここではやらないからね)、題名のような企画を挙げてみた次第。

 この10年間、香港映画や香港芸能界をとりまく環境はガラッと変わった。香港明星のハリウッド進出に加え、米国でのワイヤーアクションブーム、大陸との合作の増加、王家衛やジョニー・トーの欧州での高評価(しかし日本でもそうかというと、残念ながら一部の映画ファンのみにしか認知されていない)、無間道三部作のハリウッドリメイクとその逆パターン(コネクテッド)、芸能界の数々のスキャンダル、そして、80年代から香港映画を支えてきたレスリーや梅姐がこの世を去ってしまったこと…。90年代に洋画とのシェアが逆転してしまった以降、それが再逆転するかどうかはわからないが、大陸との合作ラッシュを経た今、また香港映画に変化が起こりそうな予感がする。
その変化をよい方向に期待しているのである。

 そこで、ちょうどきりもいいので、2000年代の香港映画を振り返ったついでに、「香港映画を観てみたいけど、どういうのがいいのかわからない」という初心者や「香港映画ってジャッキー・チェンにサモハンでしょ」なんて未だに思い込んでいる人々(こういう人に限って映画観ない人か。まあいいや、ははは)に勝手にオススメしたいゼロ年代香港映画を10本ピックアップしてみた。
 日本未公開&未ソフト化作品も何本か混じっているけど、それには目をつぶってもらって、何かの偶然でここにたどり着いた方には、是非観てもらいたいなーという作品。で、さすがに「ベスト」とはつけませんでした(笑)。そこまで仰々しくは言えないからね。
 「なんでこの作品?」とか「アレが入ってないの?」という意見があるかもしれませんが、ご了承を。何かあったらコメントいただければと思います。では、いってみましょ。

花様年華(2000) 監督/王家衛 出演/トニー・レオン マギー・チャン

 そういえば、ちょうど今頃だったっけ。カンヌの公式サイトを毎朝チェックして、この映画の情報を追っかけていたのは。
閉会式の翌朝のラジオで「CannesのBest ActorはTony Leung!」と聞いて、一瞬わが耳を疑ったけど、ホントにそうだったのはかぎりなく嬉しかった。
そして、映画自体も非常によい出来で、王家衛らしさがいい方向に出ていた作品。いや、悪い方向に出た作品ももちろんあるけど、『欲望の翼』『楽園の瑕』、そして『ブエノスアイレス』のような心をぐっと鷲掴みする作品があるのだから、「スカしてるじゃん」とか「製作に時間かけすぎ」とか揶揄されても、やっぱり追っかけはやめられないんだよね。     

少林サッカー(2001) 監督&出演/チャウ・シンチー

 この映画で満を持して世界デビューを遂げた感がある、90年代の喜劇王こと星仔。その登場は遅すぎたくらいじゃないか?と思ったけど、生涯小学生かよってくらいなお下劣ネタをかましながらもセンスあるウィットとユーモアをかましてくれる。
 これまたやめられないのだが、彼もまた日本では不当な評価をされてしまってないか?おバカな部分とこの映画のテーマである突拍子な一発ギャグしかウケてない感じ。
 そして、さらにセンスないスピンオフ(と呼ぶのも忌まわしい…)『少林ラクロス』には携わらないでほしかったよ…。あと、某ハリウッドのなんとかレボリューションにも。

インファナル・アフェア(2002) 監督/アンドリュー・ラウ&アラン・マック 出演/トニー・レオン アンディ・ラウ アンソニー・ウォン エリック・ツァン 他豪華キャスト

 ゼロ年代香港映画でベストをあげろといわれたら、やっぱりこれかなあ。暴力やガンアクションばかりではない、知的でスリリングで東洋的なハードボイルド。香港映画界で脂の乗り切った実力派俳優たちがベストをつくした演技合戦。この映画が香港内外の映画やドラマに与えた影響は数知れず(日本でいえば、もろにパクッていた某インスパイア・アンフェアから、うまい使い方で思わずにやりとさせられたNHKの某土曜ドラマまで。参考としてこの真ん中へん)。
 しかし、そのリメイクもやはりいい作品になったかと言えば、必ずしもそうでなかったのはいうまでもない…。ああ、スコのバカ。リメイクを作った時に語ってくれた、彼の香港映画観には非常にガッカリさせられたよ。
 あれ以来、彼にはちょっと不信感を抱いている。好きな人、申し訳ない。

忘れえぬ想い(2003)監督/イー・トンシン 出演/セシリア・チャン ラウ・チンワン ルイス・クー

 ゼロ年代の邦画には、「泣ける映画」というのがやたらと流行った。何本か観たのだが、どうも自分が大人になってしまったからか、その映画の出来があんまりにも…だったせいか(好きな監督の作品もあったのに!)、なんでこんなの流行るねん、ぬるい出来だなあ、と思ったものであった。語られる物語も使い古された感じだったし、同じ時期に某冬のなんちゃらにはじまる韓流が大量に押し寄せていたのもなにか関係あるかも。しかし、この韓流が及ぼした影響は…ってグチになるから以下強制終了。
 それにひきかえ、この映画。泣ける邦画や韓流ドラマのようなジャンルに似てはいるけど、実はぜんぜん似ていない。愛する者を失ってしまったら、意地でも立ち直らなきゃいけない。その姿が他人からどんなにイタいと思われても、逝ってしまった者への思いを抱きながら、必死に生きていかなければならない。そのたくましさが香港の街の中で描かれ、街と人の温かさが、生き残った者を癒して救う。これこそ泣かずにいられようか!

ワンナイト・イン・モンコック(2004) 監督/イー・トンシン 出演/ダニエル・ウー セシリア・チャン

 上の『忘れえぬ想い』に通ずるテーマはあれども、闇の世界に身を沈めたものに降りかかる悲劇をこれでもかこれでもかと語っていく、トンシンさんのダーク路線時代の幕開けを告げる作品。不法移民(本作)、麻薬(門徒)、日本への密航(新宿事件)…。香港人だけでなく、大陸の人々にも目を向けて、中国や香港でなくても起こりうることとして描かれるこれらの作品群は、目をそむけたいけど、目が離せない。

頭文字D THE MOVIE(2005) 監督/アンドリュー・ラウ&アラン・マック 出演/ジェイ・チョウ 鈴木 杏 アンソニー・ウォン チャン・シウチョン チャップマン・トー

『セブンソード』とこれで迷ったけど、無間道チームの果敢なチャレンジっぷりと、ジェイ・チョウの堂々たるスクリーンデビューを評価したい作品。熱狂的なファンが多い原作らしく、ファンから観れば「なにこれ?」っていわれそうなところは多少あるんだろうけど、日本ならアニメで済ましてしまうことを、ちゃーんと実写で、しかも日本ロケでやったのはえらい。ジェイの起用もいい感じであったし、よくよく観れば捨てがたい味がある。
 でも、この映画以降の日港コラボって、あまり思い浮かばないんだけど…。いくら某エイベが躍起になっているとはいえ。 

イザベラ(2006) 監督/パン・ホーチョン 出演/チャップマン・トー イザベラ・リョン

 やっと日本でソフト化された、日本の香港電影迷のアイドル(笑)パン・ホーチョンの代表作。
“第二の王家衛”なーんてスカした紹介のされ方をしているけど、王家衛というより香港のクドカンといった方が馴染めると思うよ、やっぱり。ふざけた題材をおかしな視点で撮ったり、セックスネタやう○こ○んこネタも過度に盛り込んでいるのに、決してお下品にはならない。なんか男子中学生がそのままおっきくなって映画監督になった感じだ。そんな感じがクドカン作品に相通じると勝手に思っている。
 だけど、この作品は下品でもなければひねってもいない。“もしかしたら親子かもしれない”男女の出会いと愛の交流、そして別れ。性と生と愛と死が返還直前のマカオに鮮烈に描き出され、切ないファドの歌声がそのムードを盛りたてる。ここまでロマンティックな作品が彼に作れるとは思わなかっただけあって、大好きな1作になった。
 ま、これはあくまでもホーチョンの引き出しのひとつ。ひねくれた視点の恋愛ものも、ホラー(しかもスプラッタ!)で家族を語ることもできるトリッキーな彼が、もうちょっと国際的に注目されれば嬉しい気がする。

エグザイル/絆(2007) 監督/ジョニー・トー 出演/アンソニー・ウォン ン・ジャンユー ロイ・チョン ラム・シュー ニック・チョン サイモン・ヤム

 ゼロ年代香港映画は、トーさんの時代でもあった。
さまざまなジャンルの映画を大量生産しながら、自らがこだわるスタイルを時間をかけて作り上げる。映画作家としては理想的よね。そんな趣味が見事に炸裂していたのが、この1作。
 本来なら日本で2001年に公開された『やりび』を挙げるべきなんだろうけど、製作年代が微妙にずれるし、趣味をおしまくった挙句にストーリーを置いてきぼりにしてああなった(笑)ってのが微笑ましかったので、こっちをチョイス。

生きていく日々(2008) 監督/アン・ホイ 出演/パウ・ヘイチン ジュノ・リョン

 生活格差や経済不況で打ちひしがれる現代日本。しかし、香港のそれは予想以上に深刻である。天高く伸びる高層マンション地である天水圍は、貧困や暴力の問題が顕在化している、21世紀の“悲情城市”。しかし、そんな社会問題を抱えながらも、シングルマザーは隣人のおばあさんを気にかけながらせっせと働き、彼女が育てた息子は、その日々を一見無気力に生きながらもすくすくと育ち、ちゃんと明日を見据えている。悲しみを感じながらも、未来には絶望せず、ささやかな日々を穏やかに暮らしていく。こんな視点で社会問題を浮き彫りにし、なおかつ声高にテーマを叫ばない作りは、実は意外と過激なんじゃないかなと思う。そんなことを感じたので、これはアン・ホイ監督作の中でも一番好きな作品になった。「格差が…」とか「下流化…」なんて言ってるのがなんだかバカらしくなるよ、これを観ると。

《葉問》(2008) 監督/ウィルソン・イップ 出演/ドニー・イェン リン・ホン サイモン・ヤム ラム・カートン

 香港映画といえばやはりカンフー。しかし、ただ戦って敵を倒すだけじゃ能がないし、レジェンド級の李小龍とは違う路線をいかなきゃ飽きられる。それに大陸の力を借りることもできれば、もっとバリエーションも広がるでしょう?というわけで、フォーフォー(SPIRIT)が生まれ、王家衛が《一代宗師》を企画し、それと同じテーマのこの映画が生まれた。…と、考えるべきか?
 でも、ウィルソンさん&ド兄さんの名コンビで先にこの作品が登場したのは、ある意味《一代宗師》にとってはラッキーだったんじゃないかと思う。それはやはり、ドニーさんのアクションの確かさはもちろんだけど、歴史アクションとしてやるべきことをやってくれたから、それと違うものを目指す(はず)の《一代宗師》から、アクションという重い枷が外れたんじゃないか、なんて思ったから。だって王家衛だもん。単純明快な勧善懲悪劇では終わらないよ。
 ともかく、この《葉問》は、歴史アクションとしての役割をしっかりやってくれたということで、ゼロ年代香港映画の1本に入れることにした。

 こうやって10本を選び出してみると、どうしても男性的な作品が多くなってしまう。傾向としてこれはしょうがないのかな、と思うしかないのか。
ただ、いま世界で一番男たちをカッコよく描いてくれるのは、やっぱり香港映画だと思うのは確か。それが先頭に立ってくれることで、実はジャンルとして多彩だということにもっと多くの人に気づいてほしい。まあ、確かにここ数年の映画には恋愛ものやコメディが不足している感があるけど、その手のジャンルも決してなくならないわけじゃないし(なんといってもローカル受けで一番稼いでいるのがコメディだからね)、ようやく地元に根ざしつつ良質で面白い作品を再び作り上げ始めた香港映画の、これからの10年を大いに期待したいのであった。

 さて、次に書くネタは何にしようかな…。カンヌで書くネタはないし、《復仇》の地元上映がめでたく決まっても、こっちにいつ来るかわからないし、チーリンの月9は主役のステキなあの方のおかげで、見る意(以下強制終了)。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

funkin'for HONGKONG的十大電影2009

 いつもなら旧年中にあげるのだけど、年末にいろいろあったので、年またぎでアップします。
 (しかも昨年観た《証人》の感想がまだ書けてないし…)
 昨年は、世界不況と邦画(大型有料TVドラマの増加ってどうよ)のメガヒットのあおりを受けただけにとどまらず、ワイズポリシーやムービーアイなど、中華系に強かったアート系配給会社の倒産もあって、日本で観られる中華電影の数が激減してしまったように思えた…(泣)。
 そんな淋しい状況の中でもなんとか決めてみた十大電影、長くならないようにさくっといってみます。

10 《大捜査之女》

 祝・サミー復帰!…というわりには次が続いていないのが残念。男同士の熱いドラマも好きだけど、頑張る香港女子の活躍をもっと観たいんですよー。そんなわけでサミー、今後も頼むよ。

9 プロテージ/偽りの絆

 『新宿事件』も問題作だったけど、衝撃度はこっちの作品のほうが上だった。やっぱり麻薬は恐ろしい。の○Pやら○塩先生やらはもちろんだけど、ヤクによるゲーノー人逮捕のたびにはしゃぎまくっているマスコミの連中も一緒に映画館に閉じ込めてこの映画をじっくりと見せてやりたいです。

8 《証人》

 まだ感想書いてませんが、ニックの不気味な熱演とニコの傷だらけ演技が強烈だった1作。金像の主演男優がニックにいったのは納得だけど、やっぱりここはダブル主役と見るべきでしょう! 
 
7 赤壁二部作

 作品自体に罪はない。でもエイベの宣伝のやり方が気にいらないの…。だからこんな位置に来てしまった。そして、やっぱり前後編まとめて3時間半~4時間くらい(もちろん途中休憩あり)で一気に観られるように編集してくれれば、中華電影史に名を残す名作となったのかもしれない…。

6 ウォーロード 男たちの誓い

 思い入れ自体は赤壁の方が強いのだが、プロデューサー&監督としてのピーターさんの大きな変化を実感してしまった作品として、こっちの方を評価。ああ、このまま彼は“中国のリュック・ベッソン(スピルバーグというより、こっちの方なんじゃないかと。プライベートは全然違うのだが)”と化してしまうのだろうか…。

5 《葉問》

 金像の作品賞が続きます。李小龍のお師匠としてのみ知られた詠春拳の葉問を正統派の民族英雄として描くんなら、どーしてもこういう作品にせざるを得ないのかなー。日本軍との対立もステロタイプな感じで、残念ではあるけど、これを観て、フォロワーとなってしまった《一代宗師》がどんな視点で同じ人物を描くのかが楽しみになった。決して同じ作風になるわけがないし、なんといってもあの王家衛だからね。

4 コネクテッド

 評判通りに面白かった!某ディパの高評価で辛酸をなめさせられた分(オーバーな!)、ハリウッドリメイクでも独自性を出してぐいぐい押し切る面白さを堪能。これがでっかい画面&日本語字幕で観られれば、もっと順位上がったんだけどなー、残念。でも、一部で言われた“意訳”が気になるので、DVDが出たらレンタルして見直そう。 

3 《東邪西毒:終極版》

 旧作だし、未だにこのヴァージョンが日本未公開で惜しいんだけど、やっぱり好きな作品なので。レスリーの不在で撮り直しができなかったのが残念だけど、約16年前の過酷な撮影で刻みつけられた俳優たち&スタッフの思いを、このブラッシュアップした版で新たに感じられたのが嬉しい。ワタシの好きな西洋片である『ブレードランナー』のディレクターズ&ファイナルカットを観た時と同じような気持ちになったのはいうまでもない。あの映画も長い年月を経て磨いていった作品だし。

2 意外

 今年はかなり多くの香港サスペンスアクション映画を観てきたけど、ソイ・チェン監督&トーさんという化学反応が産んだこの作品も面白かった。キャストもプロットも時間も適切で、ピタッと決めてくれたのが嬉しい。北角の風景もよかったし。 

1 《竊聽風雲》

 サスペンスアクション映画は好きだけど、今年は重々しい作品が実に多かった…。そんな中でも無間道脚本コンビとトンシンさんがタッグを組んだこの作品が強く印象に残ったのは、主人公3人の切羽詰った状況がぐっと胸にきたのと、金で運命を狂わされる恐ろしさを思い知ったからだったりする。ああ、やっぱり日本だけじゃなく、全世界的に「世道就是銭、銭帯来悲劇」なのだと思った次第。

 では、次に個人賞。こちらもサクッと。

 主演男優

 ルイス・クー 『コネクテッド』『意外』《大内密探霊霊狗》

 今年はもう完全に古天楽とニックの年としかいいようがないでしょう。こういういぶし銀の俳優が活躍してくれるのは個人的に嬉しい。もっとも香港映画界としては、若手スターが出てこない状況がじれったいのかもしれないけど。

 主演女優

 該当者なし

 うわ!これは主演男優より由々しき事態かも。若手男優と香港で活躍できる女優の育成が今後の香港映画の課題じゃないか。大陸でとるからいいもーん♪的状態がこれから続くようじゃ、地元のエンタメがますますやせ細っちゃうよ。

 助演男優

 ニック・チョン 『コネクテッド』《証人》

 ニックさんも苦労人だよね。ワタシが初めて彼の名前を知ったのが、ほぼ10年前の《黒馬王子》で、初めて演技を見たのが、イーキン&アンディ先生の『決戦・紫禁城』だった。あの頃のニックさんって、学友さん似のコメディアン的な紹介がされていたけど、トーさん作品の常連と化してからはみるみるうちにそのイメージがなくなっちゃったもんな。遅咲き俳優の活躍はどこでも嬉しいので、今後の活躍も見逃せない。

 助演女優

 ヴィッキー・チャオ 赤壁二部作

 これまた贔屓目なところもあるけど、赤壁二部作のヒロインは絶対に彼女だと思う。まー、おキレイな部分が全部チーリンに行ったこともあったせいなのか、かえってのびのびとやっていたのかもしれないけどね。

 監督賞

 イー・トンシン 『プロテージ』『新宿事件』
 アラン・マック&フェリックス・チョン 《大捜査之女》《竊聽風雲》

 今年は親分作品が観られなかったので、かえってこれらの人々の作品が印象に残った。大陸にあえて背を向け、香港でしか撮れない社会的な映画を作って世界に問い掛ける姿勢は今後とも続けてほしい。そういう映画だって必要なんだけど、それがメインストリームになる今の香港映画って、もしかしたら…なのかもしれないが。

 スタッフ賞(アート系部門)

 岩代太郎 赤壁二部作

 スタッフ賞(アクション系部門)

 パトリック・レオン 赤壁二部作

 すみませんねー。これもやや贔屓目でしょうか。しかし岩代さん、赤壁の音楽やってかなり株が上がったのでは?そしてパトリックさんは、アクション監督よりも《戯王之王》みたいなお気楽映画の方が本筋なんだろうけど、ウーさんの盟友であの海上戦をやったひとと聞いてすごいと思ったもんで。

 特別賞 もっと幸せな役が見たいで賞

 チャン・ジンチュー 『プロテージ』《竊聽風雲》《証人》
  シュー・ジンレイ 『ウォーロード』
 
   
 もうね、いくら大陸の演技派女優だからってかわいそうな役ばっかりやらせるのはあまりにも酷なのでは?《証人》のジンチューをみてたら、香港映画人は彼女にコメディや恋愛ものをやらせたくないんじゃないかとまで思っちゃったもの。そういってもこの2人がコメディや恋愛ものを広東語で演じている姿を想像してもなんかピンとこないのが事実(笑)。

 というわけで以上です。
 では、今年は楽しい中華電影がたくさんみられることを祈りませうか…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

5年の歳月を経て、まさかの日本公開。

nancixさんからトニー左手骨折!と聞き、一代宗師への険しい道を感じる今日この頃。
トニー、焦らないでねー。無理せずにしっかり治してちょうだい。

 さて、最近やたらと名前を聞くのが、マギーの元ダンことオリヴィエ・アサイヤス。
 オルセー美術館20周年記念企画として作られた最新作『夏時間の庭』が今公開されているかららしいけど(うちの方にはまだ来ない…)、そんなにアサイヤスって人気あったっけ?などと思う次第。
 しかし、人気があったからなのか、5年前の作品なのに、マギーにカンヌの女優賞をもたらした『クリーン』の日本公開が今頃決まってしまうとは思いもよらなんだよ。ついでに2年前に作ってカンヌに出品していた《Boading Gate》(ここで書いていた)が『レディ・アサシン』というタイトルでソフト化されていたのは知らなかった。

 なんか、アクションものくさいパッケージだこと…。
 もちろんアサイヤスだからそんなことないんだよな。

 どーもアサイヤスというと、未だに『イルマ・ヴェップ』のマギーらぶらぶっぷりが強烈なんだけど、さすがにもうそういう目で見てはいかんのだろうか。
 東京公開は8月だけど、帰省中に観られるだろーか。あとは『夏時間』がこっちまで来てくれることを祈ろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

張芸謀×コーエン兄弟…かぁ。

 日本のみならず、中華芸能にも多大な影響を与えているはずの、米高積遜先生を悼みつつ、今日も小ネタ。

張芸謀さんの新作が、初のサスペンスという《三槍拍案驚奇》だというのは、あちこちの中華芸能系blogやニュースで知ってはいたのだが、それがまさかこーゆーネタだったと知ったのは、今日のeiga.comのニュースでだった。

チャン・イーモウ監督が、コーエン兄弟「ブラッド・シンプル」をリメイク

 ワタシもフツーの映画好きなので、コーエン兄弟は結構好き。お気に入りは『ファーゴ』や『オー・ブラザー!』の、ちょっとメジャー系。
 コーエン兄弟もオスカーのみならず、カンヌやヴェネチアの常連だけど、まさかイーモウがコーエン兄弟作品をリメイクするとは思わなんだよ。実は『ブラッド・シンプル』はまだ観ていないんだが、どーゆーふーに料理するんだか楽しみではある。
 しかし、香港でロケしてるってのに、なんでキャストは大陸俳優中心なんだらう…。ま、イーモウだから必然的にそうなるのだろうが。

 日本でももうすぐ公開される『コネクテッド』もそうだけど、最近は米国電影の中華圏リメイクが流行っているのだろうか?まぁ、両作品とも、fxxxingな某ディパ(苦笑)よりは、好みのリメイクになってくれるはず、だと思いたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

韋家輝さんインタビュー、日本語で読めるのは嬉しいが…。

 あまり更新がないのも何なので、拾ってきた記事をリンク。

 NYAFFに出品されている、トーさんの相方、ワイさんのインタビューがシネマトゥデイにあった。でも、見出しはこんなんだった…。

金城武も反町隆史も素晴らしい役者!それぞれの出演作の監督ワイ・カーファイが語る - シネマトゥデイ.

 金城くんはもともと中華電影で活躍しているから日本人俳優って印象はないんだけど、その後の人については…。
 映画専門サイトのインタビュー記事でも、香港電影迷もちゃんと読んでいるんだから、そのへんで引き付ける見出しにしてほしかったな。
 それとも、記者さんが香港映画に詳しくないと、こうなっちゃうのかな。

 映画専門サイトでも、もうちょっと濃い記事が読みたいと思う、今日この頃であった。と、暴言にならないうちに終わる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧