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2017年9月

残酷ドラゴン 血斗竜門の宿(1967/台湾)

先月、岩手県北の二戸で行われたカシオベア星空映画祭という野外上映イベントにるろけんを観に行った。「なんどめだるろけん!」というツッコミは承知の助だが、監督の大友さんがトークをされるので、久々にるろけん話が聞けるのは嬉しいぞ♪ってなわけで行ったのである。
内容としては人気マンガの映画化の苦労などを中心に今まで聞いてきた話をまとめた感じになっていたけど、20年前の米国留学時にキン・フーから始まる香港のアクション映画に多く触れ、そこで谷垣健治さんを知ったというくだりにはやっぱりニヤニヤさせられたのでした。以前フィルメックスで『侠女』を観て、「この映画がるろけんにつながるのかあああああぁぁぁ!」と大興奮していたのだけど、「つながった!これでやっぱり裏付けされたわねー!」とまた一人で妙に盛り上がっていたのでした。すいません、ほんとに単純バカっすねオレ。

さて、今年の始めに侠女と共に東京で公開されたキン・フー監督作品がこの『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』2月の五月天ライヴの翌日、予定が変わり日中のスケジュールが空いたので、劇場で観ることができました。ああ、スクリーンで観られて本当によかった…。

↑は劇場でもらったオリジナルポスター版ポストカード。
そしてオリジナル予告はこちら(埋め込みサイズが大きいのでリンク)

 

 追われる者と追う者、あるいは目的は同じなれど様々な思惑を抱えた者共が一つの宿に集まり、一触即発の状態を保ちながら駆け引きをし、クライマックスに雪崩れ込む…これは後の『ドラゴン・イン(1992/すいませんいまだに未見です)』や『ドラゴンゲート(2012)』など後に徐克さんがリメイクした2作品ももちろん同じ。そしてドキドキハラハラしながらも、非常に燃えるシチュエーションだったりする。
 追われる将軍の遺児たち(徐楓さん)、追う側は太監・曹少欽(白鷹)の部下たち、守るのは将軍の元部下とその妹(薛漢&上官靈風)、風に吹かれてやってきたような義士・簫少鎡(石雋)。曹の部下が辺境の地の宿・龍門客棧を借りきり、そんな中に簫が飛び込み、場を引っ掻き回すくだりが楽しい。椅子など日常のものを使ったコミカルなアクションは成龍さん作品でよく見られるけど、すでに60年代にキン・フーさんが先駆けていたとは、と感心。上官靈風さんが演じる男装の剣士も中華電影ではお約束なので、彼女の存在もまた楽し。石雋さんは侠女でのややボンクラ入った知性派とは違う役どころで、もちろんアクションも見せてくれるんだけど、すっとぼけながら密偵たちを手玉に取るユーモアがあって軽快でよかった。
 宿の主人も簫たちと合流し、曹の部下の密偵たちを撃破。そしてついに曹が彼らに立ちふさがるのだけど、さすがラスボスの貫禄ありで、ものすごく強くて憎々しい。そこまでに至るテンポもよく、観ていてほんとうに楽しかった。京劇のメロディを織り込んだ音楽も、現代の作品では定番になっているけど、公開当時は結構珍しかったんじゃないかな。

 しかし、これのどこが残酷なんだ?日本公開は74年だったそうなので、もろに燃えよドラゴンのフォロワー的扱いを受けての邦題なのだろうけど、人はガンガン死んでいても、そんなに残酷じゃないじゃん…と思ってラストにたどり着いたら、うわーっ、それは残酷だー!たしかに誰が観ても残酷だー!と心のなかで叫んで大いに納得したのでした。
以上、ちゃんちゃん♪

なんかすんません、ふざけた感想で。でもものすごく面白かったんです。
『楽日』で苗天さんと石雋さんがしみじみと観ていたのが、この映画だったんだなあとジーンとしたのも確かだったし。

原題(&英題):龍門客棧(Dragon Inn/Dragon gate inn)
監督&脚本:キン・フー 撮影:ホア・ホイイン 武術指導&出演:ハン・インチェ
出演:シャンクァン・リンフォン シー・チュン バイ・イン ツァオ・ジエン シュエ・ハン ミャオ・ティエン シュー・フォン

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春光乍洩單身修学旅行完結編・香港編3

3月29日、香港滞在もあと1日半。
この日の早餐は、openriceで調べた叁去壹という點心粉麺飯のお店で、腸粉と焼賣をいただいた。前日の反省を生かし、二件だけにした。焼賣を饅頭系點心にしたら、確実にお腹が膨れそうではあるか。

早餐の後は、軽く西環を散歩。ここは崇真會救恩堂

前半は遠出メインだったので、今回は日中のうちに近場で回れるところは回ってしまうことにした。でも、あまり行かないところを先に行きたいと思い、まずは香港大学に行った。
実は初めてではなく、二度目の旅行の時に足を運んでいるはずなんだけど、当時は決して気軽に行けるところではなかった。でも大学までMRTも開通したので、行ってみた。

校舎が高台に沿って建てられているので、アップダウンはなかなか激しい。
ここは図書館横だが、アピール文を読むと大学の自治が何かよく分かる。このような自由が奪われないことを願うばかり。雰囲気のいい本館で暫し休憩。(参考として地図

ランラン・ショウ・タワー(!)の一角にあるビジターセンター。
ここでキャンパスグッズをいろいろ販売。

次は中環まで戻って、最近の香港ガイドでは必ず取り上げられる新スポット、PMQへ。

SOHOまで足を運ぶことはめったにないのだが、旧警察官舎のことはなんとなく憶えていた。
行った時間が早かったこともあり、まだ営業を開始していないお店も多かったが、香港アートの発信基地だけあって、古い建物内に点在するオブジェや雑貨屋台を見て回るのは楽しかった。
ここでは老舗の劉裕發茶荘が経営する工夫茶舎に寄り、Chocolate Rainコラボパッケージの普洱茶を購入。後はJBLのサウンドブースで無間道ごっこ(違)もしてきた。

あ、無間道といえば!と言うわけで、昼に深水埗へ移動。

午餐は劉森記麵家の蝦子撈麵。澳門でも名物として紹介されているけど、食べてこられなかったのでこちらでリベンジ。
その後は坤記に寄って、食べ歩き用に砵仔糕を購入。

日本はもちろん、台湾でも食べられないこのふるふるの感触が大好き。
写真には写ってないけど、黒糖味のも美味しかった。

雨がパラパラ降るのを気にしながらしばし散歩し、尖沙咀に戻って映画の座席を押さえ、美麗都大廈に移転したJenny Bakeryでお使いした。重慶大廈にあった頃はかなり長い行列ができていて、それに並ぶのが嫌で買わなくなったのだけど、人気が一段落したようなので割とすぐ買えた。お使いついでに職場土産にも買ったのでした。

映画は夜の回の席を取ったので、重い荷物を置きたくて一度帰ることにしたが、その前にここに寄らないと、とプロムナード改修&再開発により尖東に移転中の星光花園に足を運んだ。




天上天下麥兜(マクダル)独尊…なんちって



撮影中。李小龍像も梅姐像ももちろん一緒に引っ越し中。
ちなみにこの時期は梅姐の特集展示がされていました。

歩道の手形もこのように仮展示。改修後どのように変化するのか楽しみ。だけど、開設されて20年も立ってないのに、もう改修というのは…とちょっと疑問に思ったのも確か。そもそもプロムナード自体が老朽化していたというのもあるのかな。

ホテルに帰って荷物を降ろし、再び尖沙咀のthe oneへ。
観た映画はこれ!《救殭清道夫》こと『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』。



これは後ほど感想を書きますね。楽しかった~。



映画が終わって外に出ると、ちょうどsymphony of lightsの時間。相変わらず人で一杯のチムだけど、久々に香港島ハーバーサイドのビルの光の点呼を楽しみ、いい春の夜風に吹かれてた。もちろん帰りはスターフェリーで。

香港最後の晩餐は、鏞記の燒鵝飯をテイクアウトし、コンビニでブルーガールビールと源記で燉蛋(たまごプリン)を買ってホテルでゆっくりいただいた。

3月30日、ついに最終日。香港らしい曇り空で、もちろん名残惜しさを感じてる。
帰りの飛行機は夕方発、チェックアウトは12時なので、最後の悪あがきとして朝の尖沙咀を散歩することに決定。荷造りは夜にしちゃったので、早餐を取ってそのまま渡ることにした。



この旅最後の早餐は、再び金沙冰室で通粉のセット。
朝飲むのはだいたいミルクティー。



4年前にはなかった観覧車を横に見ながらスターフェリーターミナルへ。

チムに着いて、まだショップ開店前だった1881ヘリテージ(ホテルは5月末で閉館…もったいないけど高級すぎたのかな)やペニンシュラなど、あまり遠くに行かない範囲でブラブラと歩く。なにせほとんどお店は開いてなかったからね。

暦の関係か、珍しく3月スタートじゃなかった香港国際電影節は、文化中心にポスターが展示され、プログラムは配布されていた。
今年の電影大使はご覧の通り古天楽。黒い…のは仕様ですから仕方がない(笑)。



香港エンターテインメントエキスポの巨大ポスターもあった。こちらの大使は黎明。

最終日にいわゆる香港らしいところを歩けて満足しちゃったので、11時前には西營盤に戻ってきた。でもホテルに戻る前にもう少し買い物がしたくなって、惠康に寄ってクノールの鶏粉、リプトンのインスタントミルクティーやお茶のディーバッグなどを買い出して、キャリーバッグの隙間に詰めた。準備もできたのでチェックアウトし、西營盤からMTRで中環に向かい、AELでインタウンチェックイン。お昼は今まで一度も行ったことがなかったあの添好運に並び、名物の叉焼包と桂花と枸杞のゼリーをテイクアウト。向かいの天仁茗茶で珍珠奶茶も買い、空港の隅っこ(パシフィックコーヒーの近くのイートインスペースで…といえばわかる方にはわかるよね)で食べた。これで結構満足。



それから出国し、おみやげを買いつつ搭乗を待ち、定時発のANAで復路は成田へ。運行にもトラブルなく定時に到着し、無事に帰国したのでした。

4年半ぶりの香港は、今まで行ったことのない場所やもう一度行きたかったところにも行け、短い期間でも思いっきり楽しんだけど、それでも行けなかった間に香港で起こったあれこれの事件を街のあちこちで十分感じさせてくれた。
澳門から香港に移動する日が例の行政長官選挙の日で、結果は言わずもがな。それから3か月の返還20年をはさみ、民主派への大陸の締め付けが厳しくなっているのは、報道でも追ってきた。初めて香港に行ってからちょうど20年にもなるので、この間の変化は旅行客であってもよくわかるし、特に大陸の現政権になってからの約束破りも厭わぬような処置の仕方は外国人であっても不安にさせられる。
この話題に関しては『十年』の感想と合わせたほうがいいので後で述べるけど、たとえ香港が中国の一都市になって、街の略称も「港」ではなくなぜか「香」と書かれるようになっても(この表現すんごくイラッとするんだけどなんで?「港」の略称って正式じゃないの?)、いい意味での猥雑さと、それが産み出すパワフルさは奪ってほしくない。普通話じゃなくて広東語を学んでまで香港に行くのは、そのパワフルさが大いに刺激になるからだ。
香港映画を愛し、そこから香港という街に魅了された身として、ここは単なる観光地ではなく、今では街そのものを愛おしく感じているし、インスピレーションをもらえる場所としても尊く思ってる。物価も高くなっているし、諸事情で以前ほどの頻度で行くことも難しくなっているけど、今度は来年の夏から再来年の春の間に行きたい。てか、『モンスター・ハント2』の上映に合わせて行きたいなあ。

そうそう、今回の旅行記は「修学旅行」とは銘打ってるけど、これで広東語も普通話も勉強やめるわけではないですよ―。今はどちらもお休みしているけど、仕事が楽になったらまた復帰します。
そんなわけで、かなり時間もかかりましたが、春の香港旅行記はこれにて締めます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次からは今年観てきた映画の感想を、思い出せるだけ書いていきますね。

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