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『浪漫的逃亡 遊日非流行指南』五月天阿信

昨年から参加している文学フリマにて、ここ数年の台南旅行をまとめたZINEを製作&頒布しているけど、ワタシはもともとネットを始める前から所属していた同人サークルで旅行記や留学記をまとめてもらった経験があるので、それを思い出しながら製作している。
近年は同人界隈以外でもZINE製作が盛んで、しかもオサレでレイアウトが素敵なものが多い。そんなステキZINEをギャラリーや文フリ会場で見てしまうと、字と写真時々イラストでしか勝負できない自分はセンスの無さにしばし打ちのめされるが、ダサいといわれようが作りたいものは作りたいんだ、と決意して作っている。とか言いつつも、仕事の合間に書いたり製作するしかなく、その仕事も近年はかなり忙しくなっているので、毎回間に合わせみたいになってしまうので反省している。
今年はたたき台の旅行記も早く書けたし、地元で台湾映画もまとめて上映してくれるので、旅と映画の二本立てで作るかなと思案中。

さて、前置きはこのへんにして本題。
先日の武道館ライヴでやっと五月天に落ちた(ははは^^;)ワタクシですが、2年前の初武道館前決定の報を聞いた頃に、台北でこの阿信の日本旅行エッセイを買ってきました。先の記事にも書いた通り、当時は仕事とバッティングしたので上京を泣く泣く諦めたのだけど、その代わりにと思って購入。拾い読みはしていたけど、ライヴから台南旅行を経、ZINE作成の参考にと思って再読したので、やっと感想書けます。

2008年に発行され、第8版記念の新装版(だと思う。14年の時点で44刷。1回の刷数が日本ほど多くないのだろうね)で購入。
1999年の五月天デビュー前から大学の研修旅行で、デビュー後はレコーディング(2012年に営業を終了した河口湖の一口坂スタジオを利用していた様子)やライヴで、もちろんプライベートでも度々日本を訪れている阿信が、学生時代の専攻だった建築を中心に、90年代後半から2000年代中盤までの約10年間、東京近郊・京都・大阪・奈良などを回って見たこと・考えたことをまとめたこのエッセイでは、自らの旅を「非流行」と呼んでいる。日本で流行している場所に行ったり、流行りのアイテムを買ったり食べたりだけではなく、自らの興味・関心の赴くままの旅をしよう、というコンセプトらしい。
写真もこの10年間で撮りためたものをふんだんに使っているので、日本の街並みや変化もよく分かる。

東京編は明治神宮から始まり、代々木室内競技場や新都庁、表参道ヒルズなどの日本を代表する建築家たちの代表的な建物を紹介する。「新都庁は実は変形合体ロボ」ってネタまで盛り込みつつ(全世界的に有名なネタだよね)、丹下健三や安藤忠雄の仕事を紹介する。表参道ヒルズは建設前の同潤会アパートの写真と比較していて、ああ、そうだったよなあと思い出させてくれる効果もあり。
ここで好きなのは東京国立博物館。東博は近年TVドラマのロケで外観や内部が使われたりするのでそのへんお馴染みだけど、ページ数も多く、谷口吉郎・吉生と二代にわたる建築家の手によるものと紹介されているのがよかった。
もうなくなってしまったさいたま副都心のジョン・レノン・ミュージアムも彼の聖地。そう言えば行かないままだったな…。

左がカバーを外した本体。右のカバー裏が阿信のピンナップになってる。

後半の関西編はテーマがもっと広がる。
「東京が台北なら京都は台南、そして大阪は高雄」で始まり、大阪のカラフルな商店街の写真も並ぶ。そこに混じって目を引いたのは、阿信自らが描く火の鳥。とくればもうお約束の、宝塚の手塚治虫記念館。子供の頃は漫画家になりたかったけど、その夢は叶わなかった、でも『火の鳥』に出会って心打たれたというような始まりから(すいません不完全で)、茨木春日丘教会(安藤忠雄設計の光の教会)や奈良の写真美術館などを訪問。その間に好きな日本文学の話も挿入される(山本文緒の「プラナリア」と村上春樹)。
京都では和菓子作り体験や金閣寺炎上事件などに思いを馳せながら、修学旅行的なスポットを紹介し、最後にたどり着いた鴨川で、再び学生時代のことを振り返る。

エッセイ部分はわりとフィーリングで読んじゃってるので内容はあまり詳細に紹介できないのだけど(自らの学習のためにいつか翻訳しようかな)、自ら率いるstay real studioが手がけるブックデザインもいい感じ。スクラップブッキングをそのまま見せてもらっているようで、見るだけでも楽しい。旅行記を作る上ではかなり参考になるなあと眺めているのでした。

ワタシも香港や台湾に行き始めてもう長くなっている。行く理由としてはまあいろいろあるけど、決して流行りだから行っているわけじゃない。もちろん食欲もあるし注目のスポットも行くけど、基本的には自分の興味の赴くままに歩いている。もちろん、映画も観たいしね。そんな気持ちを持つと、この本での日本の旅の仕方に共感する。
昔読んだ哈日杏子嬢の日本大好きエッセイでは、「なんでそこまで日本大好きって言えるの?」と大いに戸惑ったのだが、流行りだからというわけでなく、日本が旅行先として最適で、そこで面白いものに出会えたり、大いなる刺激を受けられるからなのかなあとしばらく前から思うようになった。スタンス的には要するに一緒、って考えてもいいのかな。

阿信同様、いままでもこれからも「浪漫的逃亡」で香港や台湾に行くことになるのでしょう。てなわけでここしばらくの台湾旅行記のタイトルにこの本の題名を拝借し、今年作るZINEにもそのまま使うことにしたのでした。とちゃっかりしていてすみません。許してね>五迷の皆様。そんなわけで今年の台湾旅行話エントリはここで一区切り。

実は現在、澳門&香港旅行を控えているのですが、その間にもZINEの構想を練ることになるでしょう(^_^;)。はい、頑張ります。

↓おまけです。武道館ライヴはやっぱり楽しかったねー。

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