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共犯(2014/台湾)

 昨年のTIFFで見逃していた、『光にふれる』のチャン・ロンジー監督の新作『共犯』が、この夏東京で公開。
製作はもちろん、王家衛んとこの澤東電影公司。
帰省のついでに観てきましたよ。


動画のサムネイルが閲覧注意状態っぽい…ごめんねー。

 明仁高中に通う女子生徒、夏薇喬(姚愛寗)が路地裏で頭から血を流して死んでいた。彼女を発見したのは、同じ学校に通ういじめられっ子の黄立淮(巫建和)、オラオラ系の葉一凱(鄭開元)、おとなしい林永群(鄧育凱)の同学年の男子生徒。これまで全く接点がなかったこの三人は、薇喬が死んだ原因を一緒に探ることに決め、facebookのメッセージで連絡をとりあう。そこから彼らは、薇喬の思いもよらない一面を見ることになり、母親(李烈)が不在の薇喬のマンションに無断で立ち入るが、彼女の部屋で立淮が見つけたメモには、「朱静怡(温卓菱)、全部アンタのせいよ」と書いてあった。そこから、薇喬は静怡にいじめられていたと判断した三人は、静怡を学校の裏山に呼び出し、痛い目に遭わせる。
 薇喬の復讐を果たした三人は、興奮のあまり裏山の小さな湖ではしゃぐ。しかし、永群が溺れてしまい、立淮がそれを助けようとして逆に溺れて死んでしまう。
 立淮の遺体が引き上げられて間もなく、明仁高中の生徒の間では、立淮は一凱にいじめられていたとfacebookで拡散されるようになった。そして、永群は立淮の年子の妹・詠臻(サニー・ホン)に兄の死の真実を一緒に探ってほしいと頼まれ、静怡は一凱に近づき、驚愕の事実を彼に告げる…。 



ポスター二種。上がオリジナル@TIFF。下は日本公開版。トリミングされているけど、血だけでもインパクト大。

 子供たち(ごめん、あえてこう言いますわ)の心情は大人がとやかく言えないものである。それは自分が本業での経験から学んだものである。もちろん、いじめは許せないし、解決すべきものだ。だけど、子供たちの死にまつわる背景は、単純なものから深い闇をはらんだものまで本当に多々ある。だから、大人は安易にそれを詮索したり、守ったりできないのではないのか。子供のトラブルは子供たちの間で解決できないか。そんなことをよく思う。
…そう簡単に解決できないから、若い子たちが命を失う事件が続いているわけなのだが。

 女子生徒の死の現場にたまたま居合わせた三人組は、同学年という共通点以外は全く接点がない。ガキ大将っぽいオラオラくん、メガネの真面目くん、そして小柄で控えめないじめられっ子。学校での階層(『九月』で桐島に触れたけど、アレにも出てきたいわゆるスクールカーストね)に当てはめても、決して出会いそうもない三人がこの異常な現場で出会ってしまったのなら、階層を超えて結びつき、協力して彼女の死の真相を探ることになるのは自然なことだろう。普段の生活を続ける中でfbで連絡を取り、謎解きに夢中になっていた間は、三人は本当にかけがえない仲間になれたんだと思う。だけど、彼らのたどり着いた結論と、その後に訪れた悲劇が物語を思いもよらない方向に持っていき、真実を明らかにさせる。それはたった三人の世界から事件が描かれた前半とは打って変わって、外からの視点を入れることで、三人の学校での位置づけをはっきりとさせ、彼らの考えとは違う現実を見せつけられたようだった。

 そこで浮かび上がった真実のキーワードは「孤独」。その「孤独」が彼ら/彼女に心のなかで叫ばせ、孤独から抜け出すことを願わせ、そして悲劇をも呼び込んだのか、そんなふうに読み取ったのだった。
 いじめっ子もいじめられっ子も傍観者も、決してそれが本質じゃない。自分はそうじゃない、真実を知ってほしい、自分をわかってほしいというのを、男子三人組も、死んでいった薇喬も、もしかしたら静怡も詠臻も感じていたのかもしれない。特にそれが強かったのが、立淮だったんだろう。だから彼は、事件を調査していくうちに、あのような事をしでかしてしまったのか。あるいは、薇喬に共鳴して事を起こしてしまったのか。これは、もう一度観た時にヒントが見つかるかもしれない。

 謎も多く、どこか重いものも残る後味(決して悪いというわけではない)。だけど、それだからこそ、かつての自分の学生時代を思い出したり、現代日本の中高生事情にも通じる心情を感じる。刺激が強いシーンもあるけど、高校生くらいならこれを観て孤独について、いじめと友情についてなど、映画をめぐって思い浮かぶあれこれについて考える力もあるんじゃないかな。

 あ、flumpoolが中国語で歌う主題歌もよかったですよ。

英題:Partners in crime
監督:チャン・ロンジー 製作:チェン・ホンユエン&ジャッキー・パン 原作&脚本:シア・ペア&ウーヌーヌー
出演:ウー・チェンホー チェン・カイユエン トン・ユンカイ ヤオ・アイニン ウェン・チェンリン サニー・ホン アリス・クー リー・リエ

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