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冷血のレクイエム【極限探偵B+】・コンスピレーター 諜略【極限探偵A+】(2011・2013/香港)

 いつの間にか三部作になっていた『影なきリベンジャー』(以下C+)からの極限探偵シリーズ。
 原題の《C+偵探》は落第を表す「C+」とプライベートという意味の「私家」の広東語発音が同じことから「落第探偵」と「私立探偵」をかけたといううまいネーミング。今から7年前の作品だけど、その好評を受けてまさか続編が2本作られるとは思いもよらなかった。しかし話がつながっているのに、完結編の題名に繋がりがないのはなんでだろう、とも思う。
 しかも日本版のソフトは違う会社から出ちゃってる。さらに謎なんですけど。

 でも諸事情につき、この2本はまとめて感想を書きます。あしからず。
まあ長々と感想をためてきたワタシに非があるんですけどね(汗)。

 タイの中華街で探偵事務所を営むタム(アーロン)は、サム失踪殺害事件を解決後、昇進したチャック(カイチー)の抱えていた複数の殺人事件の捜査を手伝うことになる。それは全て手口の違う残忍な殺され方をした猟奇殺人事件であった。タムはこれらの事件の犯人はすべて同一犯ではないかと推理するが、捜査を進めていくうちに、タムとチャックは何者かに襲撃される。
 やがてタムは、修理工のリンという男に狙いをつける。彼に会いに行き、姉と面会したが、彼女は弟の少年時代に起こした事件を語り出す。さらにこの兄弟には驚くべき過去があり、それがリンを犯罪に走らせたことにタムは気づく。
 しかしその時、リンはチャックを襲撃して拉致していた。そしてチャックを助けるために現場に駆け付けたタムが見たものは…!

 香港では珍しい探偵映画として注目を浴びた前作は、オープニングにあの陽気な『Mi Panda』を流しながらも、物語の進行とともに屍は累々とし、しかも事件が解決した後の真相がまるで『The EYE』!と思いながらも、かなりのせられて楽しんだし、面白かった。
 だから、続編ができるのもわかるよなーと思ったけど、まさか『羊たちの沈黙』ばりのサイコスリラーになるとは思わなんだ。しかも後味がかなり悪くてどんよりするヤツで、しかもチャックが、チャックがーっ!!!東京や大阪でこの作品を観た同好の士の皆様がしきりと「パンころす!パンしめる!」と言っていたが、観た後には「…ああそういう意味か。パンふたつけたる!(岩手弁で「しめたる」という意味)」となったのは言うまでもない。
 さらにどんよりとラストを迎えた直前で撃ちこまれた銃弾。それは、30年前に失踪し、前作で遺体となって発見されたタムの両親の謎にまつわる手掛かり。これを大きな引きとして、完結編となる『コンスピレーター(以下A+)』に続くのであった。



 両親の死の真相を探るために、マレーシアにやって来たタム。手がかりを握る男柴(陳観泰)を搜すが、そこでわかったのは両親が麻薬の売人をしていたということ。同時に、タイの事務所が何者かによって荒らされたことがわかり、タムはマレーシア華僑の探偵鄭風喜に協力を仰ぎ、タイに戻ることになる。やがて、彼らの捜査を妨害する者が現れ、柴が失踪する。広州に隠れていることがわかり、タムは柴の娘(江一燕)とともに現地に向かう。やがてタムと風喜は30年前の真実を突き止めるが…!

 すみません、あらすじがかなり適当かも。
実は仙台でこの2本を観たのだけど、鑑賞順序はA+→B+。これしか選択肢なかったんですよ。だからチャックがB+で殺されてしまったことを先に知ってしまった…!いやもう、心のなかでものっそく泣いたよ!おかげでパンころす!パンしめる!パンふたつける!が10倍増し(笑)。
 その寂しさを埋めるべくなのか、完結編を盛り上げるためなのか詳細は分からないが、主役級の役柄にニックさんを配し、舞台もマレーシアと広州にスケールアップ。タムが両国を行ったり来たりしているので、東南アジアはやっぱりつながっているんだなーと感心。
 ニックさん演じる風喜はカンフーの達人という設定で、クライマックスに大立ち回りしてくれてなかなか楽しいし、このアクションが『激戦(『ハート・オブ・ファイト』という題がついて来年1月に日本公開決定)』につながるようで楽しいなーって思って観てたんだけど、役柄での長髪はうーむ、だったなあ(笑)。先に鑑賞された皆さんは帽子だヅ◯だと言ってたが、まさにそんな感じだったな。でも衣装が基本一張羅の白シャツ&ネクタイなので、ペラペラの柄ポロシャツでどーもチンピラっぽいタムより探偵っぽく見える。やる気になればスピンオフも作れたのかもしれないね。
 中国語版ウィキペディアを見たんだが、最初は《A+偵探》だったのに、結局タイトルを変えたのはニックさんを持ってきたからってのもあるのかな?でも物語的にはつながっているわけだし。うーむ。

 あれだけ中盤重苦しかった展開なのに、 きれいに(いや無理やり?)話をまとめて、ラストはミーパンダで締めたのだから、まあよしとしよう。鑑賞時はB+観てどんよりとしたまま映画館近隣のタイ料理店でカオマンガイをかっこんだもんだけど、夜の上映でC+再見して気を取り直したもんね。

 ところで最近、アーロン主演作品の日本公開率が異様に高いねえ。去年の秋には『コールド・ウォー』があったし、仙台は観られなかった『浮城』もある。後者は今地元映画館での上映リクエスト候補に入っているんだけど、現在大荒れに荒れている香港がどんな過去をたどってきたのかを描いていると考えると、やっぱり今ものすごく観たいなあ、と改めて思うのであった。

原題&英題:B+偵探(The Detective 2)/同謀(The Conspirators)
製作&監督&脚本:オキサイド・パン 
出演:アーロン・クォック
(B+)リウ・カイチー パトリック・タム チャン・シウファイ
(同謀)ニック・チョン チェン・クアンタイ チアン・イーイェン

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