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ポリス・ストーリー レジェンド(2013/中国)

 今年は旧作上映企画「バック・イン・シネマ」やBS放映等で往年&黄金期の香港映画群を観る機会が多い。そのぶん新作香港映画が地元の劇場で上映されない不満は大きくなるばかりなのだが、前者に関しては、スクリーンで再見することでじっくり感想を書けるし、その作品が後に影響をどう及ぼしているか確認できるので(例:るろけんでの観柳邸死亡遊戯とか)、意義は十分あると思う。

 さて、5月にこの企画で『ポリス・ストーリー』を観たばかりなのだが、その時にはまだ我が街での上映が決まっていなかった「最新作」の《警察故事2013》こと『レジェンド』が我が街にやってきたので、やっと観に行った。しかし、もう香港映画ではなくなっているものの(これについては後述)、成龍さん作品ももう全国ロードショーと同じタイミングで来なくなってしまったのね…。

 舞台は北京。中国公安のベテラン警察官鐘文(ジョン・ウェン/成龍)は、繁華街にある大規模なクラブ「ウー・バー」にやって来た。ジョンには妻の死がきっかけで断絶してしまった苗苗(ミャオミャオ/景甜)という医学生の娘がおり、その彼女に呼び出されて、自分には似つかわしくないこんなところまで来たのだ。派手な身なりをしたミャオミャオは、ジョンに経営者の武江(ウー/リウ・イエ)を紹介し、なんとこの彼と結婚するなどと言い出す始末。
 しかし、これは罠だった。ウーはさる事情によりジョンを恨んでおり、彼を拘束して、ミャオミャオや数組の客を巻き込んで店を閉鎖してしまう。ジョンはウーの恨みの原因を推察しながら、ミャオミャオの携帯電話を使って隊長(于榮光)たち他同僚と連絡を取り、脱出を図ろうとするが…!


 ポリス・ストーリーと名のつくシリーズはこれで第6作目らしい。
 でも、ストーリーやキャラクターが繋がっているのは4作目の『ファイナル・プロジェクト』まで。ちょうど10年前のニューポリはリブートした作品なのに、なぜか5作目。個人的にはニューポリは好きな作品だけど、4作目までのファンには「署長が出ないじゃん」とか言われてたのを思い出すなあ。
 で、9年経って再リブートしたに等しい今作は、今までにない試みがなされている。舞台が北京に移されたこと、主人公が実際の成龍さんの実年齢に近く、しかも初めての子持ち(しかも年頃の娘)であること、そして、舞台のほとんどがウー・バーなので、ほとんどワンシチュエーションスリラーのような雰囲気で進むこと。最初はともかく、後の二つは好ましい。もう還暦を迎えられたのだから、年相応の役どころも見たくはあるし、本人が度々おっしゃっているように、激烈なアクションよりドラマ性も重視したいのもわかる。実際、期待せずに観たわりには、わりといいんじゃないの?と思ったからね。
 だけど…とモニョってしまうのが、どうしてこのようなことが香港時代にできなかったのだろうか?ってこと。ストーリー重視の展開はもちろんニューポリや新宿事件で確立していたけど、それでも成龍さんのキャラは基本的に変わらず、ヒロインはその年代に応じた、娘ほど年齢の離れた若い女優だった。まあ、50歳過ぎても若目の役どころを振られる俳優もまだいるんだけどさ(誰とは言わん、誰とは。笑)、ここは香港で集大成的な作品を作って、大陸に行ってほしかった気もする。
 それよりも何よりも、ワタシより熱心な警察故事ファンにもきっと複雑な思いを抱いている人が少なくないんじゃないかと思うのだが、香港警察の警官の活躍を描いてきたのが、このポリス・ストーリーシリーズなのに、それを大陸に持って行ってしまって続けるというのは、もうすでにこのシリーズの意味がないんじゃないかということが気になった。ここ数年活躍の場をすっかり大陸に移してしまい、大陸と香港、あるいは他国(含む日本)との政治的発言等で、彼が失言をかましてきたことで、香港人やそれ以外の一部をガッカリさせてきたことも思えばなあ…とこれ以上は暴言になりそうなので言うのはやめます。まあ、せっかく地元の香港で行われているのに、今年の金像奬のスピーチで北京語を喋っちゃったことには、もう彼は香港の大哥ではなくなってしまったのね、と本当にがっかりしちゃったのだけど。
 うん、だからね、これには「香港映画」のカテゴリはつけませんでした。今後も大陸で映画を作り続けるだろうし、ハリウッドのベテランアクション俳優が集うエクスペンタブルズシリーズにもいつか出るんだろうな、って思うしね。もう、好きなことをやっていただければいいですよ。はい。

 成龍さんの娘役、景甜ちゃんは最近出演が続く大陸の女優さん。うん、確かに常盤姫似かもしれないね。長髪が全然似合ってなかったけど。まあウィッグだったわけだし。
 そしてリウイエ…うーん、うーん、なんでしばらく見ないうちにこうなっちゃったのキミは。

 で、北京と親子とくれば、やっぱりこのことを書かねばならないか(泣)。

 8月19日にジェイシー・チャンが大麻使用と所持の容疑で北京当局に身柄を拘束されました(新聞記事)。一緒にいたコー・チェントンも拘束。しかも大麻吸引は8年前からという報道もあり(レコチャイ)、この衝撃はかなり大きかったです。先日、やはり北京でロイ・チョンが大麻所持の疑いで拘束されているので、もしかして中国公安のプロパガンダか?と最初は思ったけど、ジェイシーが大麻を100グラム以上所持していたという点でもうとどめを刺されてしまった感が…(泣)。
 成龍さんもジェイシーもファンじゃないけど、こういう事件が起こってしまったことは本当に悲しくて残念だ。ジェイシーは日本でも全然知名度がないのであまり反応がないように思われるのだけど、こんな裏もあるらしいというのも、ネタとしてもどうも嘘じゃないような感じだもんなあ。実際、今の中国政府の動きを見ると、なおさらね。
 ああ、この事件、もうなんともならないのかなあ…と半分泣きながら終わります。すいません本当に。

原題:警察故事2013
監督&脚本&編集:ディン・シエン アクション監督:へ・ジュン
監督:ジャッキー・チェン リウ・イエ ジン・ティエン ユー・ロングアン

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