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『香港っていいかもしれない』村田順子

 最近本業やイベント参加等で多忙だったため、blog記事アップやZINEについての告知が遅れたことをお詫びいたします。
 気がついたら、18回目の7月1日が過ぎてしまいました。

 日本でも最近政治方面がいろいろざわついていますが、香港ではここ数年間で中国大陸からの「一国二制度」を守らないかのような締め付けが強くなってきています。
 詳しくは香港在住の日本人タレントりえさんのblogを御覧下さい。

 とにかく、ここ数年における中国大陸の各方面への台頭には凄まじさを感じるばかり。数年前の国内の反日デモなどまだかわいいものなのかもしれない。しかし尖閣諸島の領有権問題や空軍の飛行侵犯等がふえたことには感心しない。その挑発をもろに受けちゃうのも賢くないやり方だし、一応中国事情は了解してものは見ている身であっても、こういうのはやはり嫌な気分しかない。
 でもそれ以上に嫌な気分になるのは、次の言葉ですよ。

 「香港って、中国の一都市じゃん」

 あのー学校の先生、最近の地理の授業では、香港の一国二制度ってちゃんと教えているんですか?どうか教えて下さい(ってオマエが聞きに行けな話だな、こりゃ)

 とまあ、なんかもう久しぶりなのでどうしようもない前振りで始めてしまいましたが、久々の本の紹介は、ベテラン漫画家の村田順子さんが香港返還時の時に降って湧いたブームに乗って書かれたこの本です。(こっちもどうぞ)  

 現在はハーレクインコミックスでご活躍という村田さんですが、美少年とアイドルが大好きなことで昔も今も有名ですね。そして、かつて黎明ファンクラブの日本代表をされていたり、95年からしばらく香港明星と香港にハマっていたことでも知られています。当時の香港ブームの中で、実際に香港を舞台にした作品を描かれたり、香港系の本もこれを含めて2冊刊行されています。
 …でも当時、ワタシは全く読んでなかったのです、彼女の本を。ええ、これは本当です。なんか、合わない気がしたんですよ。彼女の漫画家さん仲間でも結構香港にハマってた人もいたし、その中にはりぼん出身で好きだった漫画家の小椋冬美さんもいたんだけどなあ…(彼女、『キッチン』のパンフでイラスト描かれてるんですよ。それが素敵で)。
 まあ、合わなかった理由というのはそれより6,7年後のある「転換」で判明するのですが、それはまた別の話。
 あと、あの二ノ宮知子さんがアシスタントさんだったってことを最近知って驚いている次第。伊藤理佐さんもですね。

 この本、前半は香港にハマった理由と香港芸能の魅力、オススメ香港映画等をまとめていて、これは当時の流れだからまあねえ、と思って軽く読んでいたのだけど、村田さんといえば当時は、香港に何度も通うのだから、ホテルに泊まるより安くつくでしょうと家を借りてしまったエピソードが有名で、その顛末が描かれていた後半をむしろ面白く読んだのであった。
 今でこそblogやSNSで香港に働く日本の方の部屋探しの苦労をすぐ読むことができるが、この当時はネットも携帯端末もまだ発達してなかったので、こういう情報は本でしか読めなかった。そして、なんといってもまだ経済的に余裕のある頃だったから、こうして家を借りた香港好きが多かったと聞く。ましてや村田さんは自作がドラマ化されたりしていて、けっこ(強制終了)…ってやっかんじゃダメだよ、自分。でも、香港ヘビートラベラーであっても、ステイとは意識が違うから大変だったんだろうなと思ったのは言うまでもない。
 その後香港から離れ、別の国の芸能にハマってたというけど、はたしてその国では家を借りたりってことはできたのかねー?いまハマってる方面はどうなのかねー、なんて思っちゃうけど、まあ、そういう自由さと余裕がまだまだあった時代だったってことですよね。このへんもいろいろ参考になるな~、と読んでます。

 でもね、このところここで感想を書いている香港映画は、旧作も新作も、圧倒的に男性向けのアクションやノワールものばかりなんだけど、返還前後の香港映画は実に多様だったんだよなあ、と改めて思ったよ。それも香港の明星文化が当時(最高潮ではなかったとも聞くけど)かなり盛り上がっていたからってことなんだよな。

 そう、実は香港好きだったって人は割と潜在的にいるんだよね。この本は地元のブックイベントで買ったのだけど、そこの店主さんもかつて香港好きだったって言ってましたよ。レスリーがお好きだったんですって。でも今は特に何もおっしゃってなかったので、やっぱりあの頃に離れられたのかな、と。

 そしてアジアンカルチャーはすっかり別の国が台頭してしまい、状況も変わりました。これがはたしてどうなるのか、気になるところ。香港や台湾だけでなく、海の向こうと自国ばかり見ている日本の映画産業の行方とも無関係ではないと思ってるからね。
 まあ、このへんもいつか別の機会に書きますね。

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